配信の仕組みから成果の見方まで！Yahoo!ディスプレイ広告からLINE面へ広告を出すには

Yahoo! ディスプレイ広告が、実は LINE アプリにも配信されていることをご存じでしょうか。もしかすると LINE 広告を運用していないのに自社の広告を LINE で見かけて驚いた経験のある方もいらっしゃるかもしれません。

本記事では Yahoo! 広告経由で LINE アプリにどのように広告表示されるのか、メリットやデメリット、実際に配信をするための具体的な方法を紹介します。

Yahoo! ディスプレイ広告の LINE への配信面が増加中

2021年10月から、Yahoo! ディスプレイ広告を LINE アプリや関連アプリなどに配信できるようになりました。そして2023年以降、ヤフーと LINE との取り組みの一環で、配信面がどんどん増えています。

LINE アプリ内では、LINE トークリストの最上部やホーム画面、「LINE ウォレット」画面、「LINE NEWS」のトップ面の広告枠に表示できるようになっています。

また、「LINE NEWS」の一部の記事内にも、以下のようにさまざまな配置で広告を表示できます。

また、2024年10月現在では LINE アプリ内だけでなく、LINE ファミリーアプリや LINE 広告ネットワークへも配信先が拡大されています。

「LINE ファミリーアプリ」は、カメラアプリ「LINE camera」やゲームサービス「LINE GAME」、動画プラットフォーム「LINE VOOM」など、コミュニケーションやコンテンツ、ゲームといったさまざまな分野で LINE と連携するアプリを指します。

また、「LINE 広告ネットワーク」はウェザーニュースやクックパッド、ルナルナなど10,000個を超えるアプリにリーチできるモバイルアドネットワークです。

テキスト広告以外のすべての広告が配信対象

LINE アプリでの配信対象となる広告タイプは以下の通りです。

• バナー（画像）（アスペクト比：1:1／6:5／16:9 いずれも対象）
• レスポンシブ（画像）（アスペクト比：1:1／1.91:1 いずれも対象）
• レスポンシブ（動画）（アスペクト比：1:1／16:9／9:16 いずれも対象）
• カルーセル
• 動的ディスプレイ

テキスト広告は配信対象ではないので留意しておきましょう。

広告は Yahoo! ディスプレイ広告から LINE アプリ・関連アプリに直接配信される

以下の図は、Yahoo! ディスプレイ広告が LINE アプリや関連アプリに配信される仕組みを図に表したものです。赤い矢印が、Yahoo! ディスプレイ広告から LINE アプリに配信する際の流れです。

これを見ると、Yahoo! ディスプレイ広告を母体として LINE 面に直接広告が配信されるのが分かりますね。

また、LINE アプリおよび関連アプリへの広告配信はデフォルトでおこなわれます。そのため Yahoo! ディスプレイ広告の管理画面上で配信面を追加する作業は必要ありません。

LINE アプリ内に広告を配信するメリットとデメリット

概要や仕組みが分かったところで、ここからは Yahoo! ディスプレイ広告を LINE に配信した際のメリットとデメリットを紹介します。

実際に自社で配信をおこなうべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

メリットは、Yahoo! のデータやターゲティングを用いた配信ができること

Yahoo! ディスプレイ広告から LINE アプリに広告を配信する際は、Yahoo! が持っているデータが使われます。

また、Yahoo! ディスプレイ広告を母体として広告を配信するため、Yahoo! ディスプレイ広告の豊富なターゲティングを利用した広告配信も可能になります。

このような背景から、LINE 広告と同じ配信面に広告が出たとしても、Yahoo! ディスプレイ経由でLINE 広告を配信した場合とは異なる成果が期待できます。

Yahoo! では接触できなかったユーザーへ配信できる点もメリット

以下は、LINE アプリユーザーと Yahoo! JAPAN のスマートフォンユーザーの年齢層と男女比を比較したものですが、LINE アプリユーザー層の方が若年層が多く、女性ユーザーの比率が多い傾向にあるのが分かります。

このように、Yahoo! JAPAN スマートフォン版と LINE アプリのユーザー傾向が異なることで、これまで接触できていなかったユーザーにも広告を配信できる可能性が高まったといえます。

アプリ内のどこに広告が出たか確認できないデメリットもある

Yahoo! ディスプレイ広告では、LINE アプリ内のホーム面やトークリスト面などアプリ内での配信面ごとのパフォーマンスデータが確認できません。

Q2：LINEアプリ内のどの掲載面・広告枠に配信されたかも確認できますか。

A2：申し訳ございませんが、どの掲載面・広告枠に配信されたかはご確認いただけません。確認可能なのは配信先URLレポートまでとなります。

ディスプレイ広告（運用型）のLINEアプリ配信について

LINE アプリ内での配信について細かなデータが見れないため、詳細な分析ができない点は事前に認識したうえで配信することが求められます。

コンバージョンのハードルが低い商材や、認知目的での配信におすすめ

LINE アプリへの広告配信がおすすめのケースは以下の2つです。

1. コンバージョンのハードルが低い商材を取り扱っている場合
2. 認知目的などで、たくさんのユーザーに幅広くリーチしたい場合

1. コンバージョンのハードルが低い商材を取り扱っている場合

LINE 広告では、EC サイトでの商品購入やアプリのインストールなどコンバージョンのハードルが比較的低い商材で効果が出やすい傾向があります。

Yahoo! ディスプレイ広告経由でもこの傾向は同様だと考えられるため、コンバージョンポイントをこうした部分においている方は配信を検討してもよいでしょう。

2. 認知目的などで、たくさんのユーザーに幅広くリーチしたい場合

総務省が実施した「令和5年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、10代から50代の LINE の利用率は90％を超えており、特に20代から40代については調査対象となった人々のほぼ全員が使用しているという結果が出ています。

幅広い年代で、かつ多くのユーザーにリーチできる性質があることから、認知目的などでたくさんのユーザーに幅広くリーチしたい場合にも、LINE 面への配信が向いているといえます。

LINE アプリへの配信データは、Yahoo! ディスプレイ広告の管理画面から確認可能

LINE 面への配信データは、Yahoo! ディスプレイ広告の管理画面にあるレポート機能を使うと見ることができます。ここでは、実際の管理画面の画像を用いて、配信データの確認方法を紹介します。

まず、管理画面の右上にある「レポート」をクリックしましょう。

以下のような画面に遷移したら、「＋レポート・テンプレート作成」をクリックします。

以下のような一覧が表示されたら、「配信先URLレポート」を選択しましょう。

レポートに掲載する項目を選べる画面が表示されるので、インプレションやクリック数など、確認したい指標を選びましょう。選び終わったら画面右上の「保存」をクリックします。

「保存」をクリックすると以下のようにプルダウンが表示されるので、「レポートのみ作成」をクリックしましょう。

ここまでで、レポートの作成は完了です。Excel レポートが作成されたらダウンロードし、開きましょう。開くと、以下のようなレポートが表示されます。

レポート内の下記の URL が LINE 面のプレイスメントです。「itunes」で始まるものが iOS、「play.google」で始まるものが Android の LINE 面となります。（2024年10月時点）

• itunes.apple.com/443904275
• play.google.com/jp.naver.line.android

LINE アプリだけに広告を出すには2つの作業が必要

LINE アプリおよび関連アプリへの広告配信はデフォルトでおこなわれるため、Yahoo! ディスプレイ広告の管理画面上で配信面を追加する作業は必要ありません。

ただし、Yahoo! ディスプレイ広告で LINE アプリだけに広告を配信したい場合は、プレイスメントリストを作成してキャンペーンまたは広告グループに紐づける必要があります。

ここからは、LINE アプリにだけ広告を配信する方法を、実際の管理画面の画像を用いて紹介します。

1. 管理画面でプレイスメントリストを作成する

まず、Yahoo! ディスプレイ広告の広告管理画面にログインし、管理画面右上の「ツール」をクリックします。

以下のようなプルダウンが表示されるので、「プレイスメントリスト」を選びましょう。

クリックするとプレイスメントリストの作成画面が開くので、「＋プレイスメントリストを作成」をクリックします。プルダウンでは「標準リスト」を選んでください。

作成画面に移ったら、いよいよプレイスメントリスト作成です。画面上部の「プレイスメントリスト名」には任意のリスト名を入力しましょう。

リスト名を指定したら、画面中部の「手動でURLを入力」を選択します。

空欄箇所に下記2つの URL を入力します。「itunes」で始まるものが iOS、「play.google」で始まるものが Android の LINE アプリの URL です。

• itunes.apple.com/443904275
• play.google.com/jp.naver.line.android

必ず両方を追加する必要があるので、片方だけ登録しないように気をつけましょう。入力後は「URL を追加」をクリックします。

以下のように、入力欄の右側に入力した URL が反映されていれば OK です。

入力内容が間違っていないかを確認して、画面下の「保存」をクリックすればプレイスメントリストの完成です。

2. 作成したプレイスメントリストを、広告グループに紐づける

1で作成したプレイスメントリストを該当の広告を含む広告グループに紐づければ、LINE アプリのみに広告を配信できます。

まず、該当の広告を含む広告グループに移動し、グループ名の右下にある「編集」をクリックしましょう。

グループ名の右下にある「編集」をクリックし、編集画面に切り替わったら「プレイスメント」欄に移動します。ここで作成したプレイスメントリストを「配信」で紐づけましょう。

内容に誤りがないことを確認して、画面下部の「保存」を押せば完了です。

Yahoo! ディスプレイ広告の LINE アプリへの配信を除外する方法

作成したプレイスメントリストは、LINE アプリに広告を配信しないよう設定する際にも使えます。

まず、上記作業2と同様、該当の広告を含む広告グループに移動し、グループ名の右下にある「編集」をクリックします。

編集画面に切り替わったら「プレイスメント」欄に移動し、作成したプレイスメントリストを「除外」で紐づけましょう。

内容に誤りがないことを確認して、画面下部の「保存」を押せば、LINE 面への配信を止めることができます。

LINEアプリへの配信を使いこなそう

Yahoo! ディスプレイ広告の LINE アプリへの広告配信が始まったのは2021年からですが、広告運用をする中で、2023年の前半頃から LINE アプリへの配信割合が増えつつある感覚があります。

2023年10月にはヤフーと LINE が合併し、現在も Yahoo! ディスプレイ広告の LINE アプリへの配信の拡大はリアルタイムで進行しています。

本記事に記載した LINE アプリ面への配信成果の確認方法や、配信の集中方法と除外方法を用いて、LINE アプリへの広告配信を使いこなせるようにしましょう。