Illustration by takumi
オウンドメディアや自社の SNS でコンテンツ作成をしていると、ついつい「ユーザー的には〇〇だと思うので、△△しました!」なんて言葉を使っていませんか。
「ユーザー視点」、「ユーザーファースト」、「ユーザー的に」という言葉は、便利で使いがちです。僕自身も、つい「ユーザー視点で考えると、□□だと思う。」なんてフィードバックをしてしまう場面があります。
ただ、作ったコンテンツが「ユーザーに読んでほしい」と想っている情報を詰め込んだだけのものになっている可能性もあります。
個人の SNS や日記であれば、好き勝手書いても問題ありません。しかし、オウンドメディアとして、目的(お問い合わせや資料請求、採用など)を持ってコンテンツ作成をする場合は、真にユーザーの求めるコンテンツを作成すべきでしょう。
この記事では、検索サジェストと検索結果をもとにユーザーが本当に求めるコンテンツの作成方法をお伝えします。約5年間コンテンツ作成の世界で働いている筆者がコンテンツ愛をふんだんに盛り込み、記事作成の方法を丁寧に解説したので、マーケティング担当もしくはオウンドメディアの担当の方は是非参考にしてください。
※記事内ではコンテンツ=記事で話を進めますが、ユーザーが求めるコンテンツの考え方は、SNS 投稿であっても、動画であっても基本的には同じです。
記事作成の具体的な方法に入る前に、toB/toC 向けの記事作成をおこなってきた経験から、「良い」記事と評価されるために必要な2つの条件を伝えたいと思います。
「その記事のみ」でユーザーが抱えていた疑問や悩みを解決できるものでなければ「良い記事」とは言えません。記事内で分からない言葉があったり、記事を読んでいて意味が分からない状態にならないようにします。
難しい単語や専門的な用語が出てくるのであれば、読者のレベルに合わせて説明したり、記事内で疑問がありそうな箇所を事前に予測し、先回りして説明したりするなど、記事を読んだ後、読者がスッキリした気分になるような記事が良い記事の条件だと思います。
いつも我々が検索でお世話になっている Google のビジョンは以下の通りです。
To provide access to the world’s information in one click
引用元:Google Mission and Vision Statement Analysis|Google
ワンクリックで世界の情報へのアクセスを提供すること
なので、僕は極論サイト(オウンドメディア)に流入して来なくても、ユーザーの疑問や悩みに答える(応える)コンテンツ作成を心がける必要があると考えています。タイトルやディスクリプションで疑問や悩みを解決できれば、真のユーザーファーストだと思います。(サイトに来てほしいのは僕らの勝手な思いであって、ユーザーには関係のないことだから。)
記事でユーザーの疑問や悩みが解決することとあわせて、ユーザーが記事をキッカケに何か行動を起こすことも「良い記事」の条件であると思います。行動には、記事内で紹介したことを実践することや、誰かに記事をシェアすることなどさまざまです。
検索したり、SNSなどから記事にたどり着いて、ユーザーの疑問や悩みを解決できたり、何か新しい発見があったりしたら、何かしらの行動を起こすはずです。
例えば、「豚の角煮 作り方」と検索し、読んだ記事が良い記事であったら、ユーザーは豚の角煮を作り始めるはずです。
検索ではなく、余暇時間に SNS をいじっていて、興味の惹かれる記事にたどり着いたとしても、面白かったり、ためになったりしたら誰かしらにシェアするかと思います。
SNS でも同様で、Twitter で「3ステップでふわふわトロトロの豚の角煮が作れる!」というタイトルと、美味しそうな画像つきのツイートで記事が回ってきたとします。本当に3ステップでできて簡単そうだと思ったら、家族や友人に「今度作って!」とか「今度作ろう!」と記事をシェアするはずです。
ユーザーの起こす行動は記事内容を実践するだけでなく、SNS でのシェアなども含みます。そのような行動が起こる記事が良い記事の条件であると僕は考えています。
2つの条件を「良い記事」であると定義し、この記事では、2021年後半に話題となった、Netflix オリジナル作品「イカゲーム」の検索サジェストと検索結果を題材として記事作成方法を説明します。
参考:Netflix配信の韓国ドラマ「イカゲーム」、全世界で1億4200万世帯が視聴|Tech Crunch
記事作成は主に10個の工程に分かれています。編集者として、記事の企画(≒テーマ選定)から編集、校正や校閲などの公開までの作業全てに関わっているので、全行程のポイントをピックアップし、説明します。
この記事の通りに記事執筆をしたら、「ユーザーのためになるコンテンツ」ができた!と思えるように、できる限り丁寧に解説するので、是非参考に記事作成を進めてみてください。
ここからの記事作成方法は、サイト自体が狙っていきたい大きなターゲットや市場は、すでに決まっているものとします。また映画や動画コンテンツ関連の情報を発信するサイトを運営している会社を想定し、記事作成をおこなっていきます。
広告運用の代理店であれば、toB、toC 問わず広告の運用をお願いしたいお客様、赤ちゃん向け商品の EC サイト運営者であれば、0歳から2歳までの子どもを持つ親や祖父母がターゲットとなります。
まず記事作成をする際におこなうのはキーワード(≒テーマ)の選定です。キーワードとテーマは微妙に意味合いが違いますが、この記事ではキーワードで話を進めます。
また、厳密に言うと「ユーザーが検索するキーワード(=検索語句)」と「キーワード(=広告運用時に用いるもの)」でも意味が異なります。この記事では前者の意味で「キーワード」を使用します。
キーワードは自社の商品・サービスに関連するものを軸に考えていくのが王道です。
よくある失敗例として、検索ボリュームを意識しすぎる/意識しない問題があります。
検索ボリュームとは、Google のキーワードプランナーなどで見ることができる、ある検索語句が1ヶ月に何回検索されたかを表す数字です。
下の画像は「イカゲーム」とよく一緒に調べられているキーワードの検索ボリュームを Google のキーワードプランナーで調べたものです。
「イカゲーム」単体のキーワードでは、月に90,500回もの検索がされています。それだけ検索されているキーワードなので、人気がありそうです。単純に考えると「イカゲーム」というキーワードを選び、コンテンツを作成すれば、検索流入が増えるコンテンツができそうです。
しかし、検索ボリュームを意識しすぎて、このような人気のキーワードを選んでしまうと、競合が多いため上位表示ができなかったり、ユーザーニーズがぼんやりとしているキーワードでもあるので「ユーザーが本当に求めるコンテンツ」を作るのが難しかったりします。
反対に検索ボリュームを意識しすぎないと、せっかく正しいコンテンツを作って上位表示ができたとしても、多くの人に読んでもらえなくなります。
自社の商品・サービスに関連するものを軸に考え、程よく検索ボリュームを意識してキーワードを決定します。また選定する上で、自社独自の情報が盛り込めるものであり、自社の商品・サービスに関連するものを選ぶと良いでしょう。キーワード選定のポイントをまとめてみました。
今回はキーワードを「イカゲーム」をもとにし、その検索サジェストの「イカゲーム とは」で記事作成したいと思います。(検索サジェスト:検索エンジンに語句を入力したときに関連語句予測表示される機能)
選定の理由は、以下のとおりです。
記事作成のキーワードが決まったら、次はこのキーワードを検索しているターゲットがどんな人なのかを明確にしていきます。
映画や動画コンテンツ関連の情報を発信するサイトであれば、性別や地域は問わず、ターゲットの年齢層は幅広く設定しているかと思います。その上で、記事ごとに細かな想定読者を決めていきます。
細かくターゲット設定をおこなうには、「イカゲーム とは」を検索する人が、どういうときに検索し、どう役に立つのかをイメージしてみると良いでしょう。イメージするのも独りよがりにならずに、あくまでユーザーが検索したキーワードから考えます。
「イカゲーム」単体ではなく、「イカゲーム とは」と検索している人は、おそらく「イカゲームってどんなゲームなのだろうか」と疑問に思っているはずです。このようにユーザーが検索したキーワードから考えてみると、ユーザーの今いる状況や前提条件が挙げられそうです。
上記のような条件に当てはまるのが今回の記事のターゲットになります。ターゲットの条件は記事作成時に、どこまで詳しく書くか、説明するかの指針にもなるので、はっきりと定めておきましょう。
ターゲットが決まったらユーザーの検索意図から、記事の具体的な内容を決めていきます。
検索意図とは、ユーザーが Google や Yahoo! などの検索エンジンで検索したときに、そのキーワードを入力した目的を指します。Google は検索意図を4つのタイプに分類しています。
検索意図の分類 | 詳細 | 検索タイミング |
---|---|---|
Do クエリ | 何か行動を起こしたいときに検索する語句 | ・資料請求をしたい ・動画をダウンロードしたい |
Know クエリ | 何か情報を得たいときに検索する語句 | ・〇〇のことが知りたい ・△△の情報が欲しい |
Go クエリ | 特定のサイトやページにいきたいときに検索する語句 | ・〇〇のサイトにいきたい ・△△のログインをページにいきたい |
Buy クエリ | ものを購入したいときに検索する語句※Do クエリに含まれる | ・〇〇が欲しい |
まずは大枠として4つのタイプがあることを理解しておきましょう。タイプによって、ユーザーが求めるコンテンツの方向性も変わってきます。
今回のキーワード「イカゲーム とは」を上の4つのタイプから考えると、「イカゲーム」が何かを知りたいと思っているので、Know クエリになります。
分類することができたら、キーワードを検索窓に打ち、どんな検索意図が隠れているかを見ていきましょう。検索サジェストや検索結果は、ツールを使って一括で見ることもできますが、検索ユーザーと同じ目線に立つためにも、まずは実際に検索してみることをオススメします。
最初に検索サジェストから検索意図を把握していきましょう。検索窓に「イカゲーム とは」と入力すると下記のような検索サジェストが表示されました。
検索サジェストから、「イカゲーム とは」を調べている人は、「韓国」のイカゲームとは何かや、「遊び、ゲーム」であるだろうイカゲームとは何かと気になっていたり、「なぜ」イカゲームという名称なのかの由来が知りたかったりしています。
他にも「パクリ」とありますが、これは作品を見終わった人が過去の他の作品に類似していてパクったのではないか?と思ったり、風の噂でパクリなのか?と疑問に思った人が調べた検索語句かと思われます。
このように「イカゲーム とは」の検索サジェストから、調べているユーザーの求めている情報を紐解いていきます。検索窓に表示される検索サジェストは、10個前後なので全てを見ることはできません。
全ての検索サジェストを見るのに1番簡単な方法は、無料のキーワードリサーチ「ラッコキーワード」です。「イカゲーム とは」で検索サジェストを調べてみると、数は少ないですが、「イカゲーム」単体で調べると膨大な量が出てきます。
「イカゲーム」単体のように、検索サジェストが膨大な量になってしまう場合は、検索意図が同じようなものをグルーピングして、複数の記事に分けて執筆していくと良いでしょう。
次に「イカゲーム とは」と調べたユーザーが現在見ているもの(記事、ニュース、動画、ナレッジパネルなど)で、どんなタイトルあり、どんな情報が掲載されているかを見ていきます。
【ネタバレあり】のタイトルが目を引く映画サイトの解説記事から、動画を見ることができる公式ページ、YouTube に配信されている予告編の動画、「パクり」に言及する Yahoo! ニュースの記事までさまざまあります。
検索結果の右側に表示されるナレッジパネルの枠には、イカゲームの概要や公開日、エピソード数やシーズン数、出演者情報が記載されています。
「イカゲーム とは」で現在上位に表示されているものは、Google が現段階でユーザーのためになるものとしています。なので、これらの情報を参考にすると、ユーザーが求めているコンテンツに近づけます。
注意したいのは「現段階で」という点です。コンテンツ作成に満点はなく、常に良いものが生み出されれば検索結果は変わります。あくまで参考にしつつ、それらを超えるコンテンツを作成する気持ちが大切です。
検索結果を参考にして単純に同じようなコンテンツを作ってもユーザーを満足させることはできず、ただの盗作(コピーコンテンツ)になってしまいます。キーワード選定で確認した、自社独自の情報を盛り込みコンテンツを作っていくことが重要です。
ここまででユーザーの検索意図から得られた情報をまとめると次の通りです。
ユーザーの検索意図が掴めたら、記事を読んだ後にどうなって欲しいか、どうなったらユーザーが満足してくれそうかをイメージしてみましょう。
この読了後のアクションを考えるときも、これまでで分かったユーザーの前提条件や検索意図をベースにします。
「イカゲーム とは」と調べていて、イカゲームが何かを知りたい気持ちが根底にあるので、「イカゲームという作品をある程度理解」して、記事を読み見終わった後に気になって「実際に Netflix で観る」という行動までつながるのが望ましいと考えられます。
読了後のアクションを「イカゲームを理解し、Netflix で視聴する」とすると、記事の後半やまとめ部分で Netflix へのリンクや登録方法などの誘導が必要になりそうだと思い浮かぶかと思います。
読了後のユーザーのアクションをイメージすることは、記事のゴールを設定することに繋がります。反対に記事のゴール(Netflix への誘導)を先に決めてしまうと、ユーザーの求めているコンテンツとズレてしまう可能性があります。
まずはユーザーがどんな行動を取るのが1番満足のいく結果かをイメージしてから、記事のゴールを決めるようにしましょう。
読了後のアクションまで決まったら、アウトラインシートの作成!といきたいところですが、まだ決めておくべきことはあります。
それは記事を作った後に、どう読者に届けるかです。届け方のイメージから記事のタイトルや方向性を決めるためです。
僕は、届け方のイメージを主に2つに分けて考えています。1つ目は SNS(Twitter や Facebook、はてなブックマークなど)から、もう1つは検索上位を獲得しての流入です。
前者であれば、既視感のないキャッチーなタイトルやアイキャッチ画像(OGP 含む)を強く意識して、業界のインフルエンサーや想定読者がどうやってシェアしてくれるかまで考えます。
SNS をメインに記事を届けたいと思うのであれば、記事内の言葉を引用してシェアしてくれるイメージを持ち、見出しやテキストを考えていくと良いでしょう。
業界のインフルエンサーや想定読者が知らない情報や、つい誰かに教えたい内容になるようにするのがコツです。これは日々業界のインフルエンサーがどんな引用リツイートをしているのか、どの時間にツイートしているのかまでを見ておくと良いでしょう。
後者の検索上位から流入を狙うのであれば、SNS とは考え方を少し変える必要があります。
タイトルは後ほど詳しく説明するので、ここでは記事の方向性を解説します。ポイントは、流れのスムーズさと分かりやすさです。読者が読んでいるときに、こんな疑問が浮かぶかもしれないと予測しながら、その疑問に記事で答えていくイメージです。
ここまできたら、あとは見出しの作成をしていくのみです。構成(アウトラインシート)作成のコツは、見出しを流し読みしたときに、ある程度内容がイメージできるようにすることです。
最初は、見出しが多少長くなっても構いません。検索意図から読者が求めている情報を順番通りに配置していきます。「イカゲーム とは」で検索する人が求めている情報をまとめて、見出し化してみました。今回は、検索上位を獲得して流入を狙う記事を想定して作成しています。
ここまで調べたターゲット、検索意図(検索サジェスト、検索結果)から記事で書くことをまとめています。ポイントは見出しで何を伝えたいのかを記載することです。
記事は良い意味でも悪い意味でも、読み飛ばされることが多いので、記事内のいくつもの箇所で読者が読みたい!と思い手を止めてもらうようにしなければいけません。
そのため、話の区切りが目立つ見出しで伝えたいことを明確にしてあげましょう。
構成作成時に、予算規模やセットの豪華さ、作品中で使われた電話番号が実際に存在するものだったなどの面白い情報も入れるか迷いましたが、蛇足になってしまうと思い記載していません。
情報としては面白いものですが、わざわざ見出しにしなくても良いと判断をしました。判断基準としては、「イカゲーム とは」と調べている人が「本当に知りたい情報か?」をもとにします。もしどうしても入れたい情報であれば、まとめ文などで余談として入れるのは良いかもしれません。しかし「どうしても入れたい」と考えている時点で、読者ではなく自分が欲しい情報になっている可能性が高いので、よく考えて判断しましょう。
ここまできたら、後は構成に肉付けをしていくのみです。執筆でよくつまずく人がいますが、構成までの過程でしっかりと作り込んでおけば、そんなことはありません。むしろ記事の7割ができている状態なので、集中できればあっという間に書き終えてしまうでしょう。
記事執筆では、見出しをもとに冗長な表現にならないように情報をまとめていきます。細かい記事執筆のポイントもありますが、まずは構成をもとに一通り書き上げてから、音読してみると良いでしょう。
声に出すことで、意味や接続後の繋がりがおかしな箇所に気づけます。書いて満足せずに、読んでもらって満足するために、このひと手間をかけましょう。
読みやすい文章を書くコツに関しては、僕が伝えるよりも圧倒的に分かりやすい本があるので、以下の3冊を是非参考にしてください。
記事執筆ができたらあと一息です。タイトル作成では以下の7つを意識してみると良いです。詳しくは資料にまとめているので、ダウンロードしてもらい、社内などで共有して使っていただけると嬉しいです。
また検索結果では、表示される文字数が制限されたり、アイキャッチ画像が掲載されなかったりするので、上記のポイントに加え、端的で分かりやすく、クリックしたくなるタイトルを意識すると良いでしょう。
今回の場合「イカゲーム とは」と気になっている人なので、タイトルはシンプルに「全世界で1億人以上が観たイカゲームとは?3つのヒット要因(28文字)」としました。
タイトル作成のポイントを意識して、一次情報(Netflix が公式 Twitter アカウントで発表していた、世界で1億人以上が観たデータ)を入れています。
Squid Game has officially reached 111 million fans — making it our biggest series launch ever! pic.twitter.com/SW3FJ42Qsn
— Netflix (@netflix) October 12, 2021
それ以外にもキーワードを前半に持ってきて、「1億人」という数字、文字数は28文字などを意識してみました。また他の記事にないような独自の見解(3つのヒット要因)を追加しています。
記事内容と乖離があると、期待値が上がりすぎ離脱率が増えたり、良い記事なのにタイトルでうまく伝えられず、クリックされないで読んでもらえなかったりするので、記事執筆で疲れていても気合いを入れ直しタイトル作成をしましょう。
記事、タイトルができたらアイキャッチ画像や記事内画像の作成です。弊社では担当デザイナーにアイキャッチ画像の作成をお願いしています。
事前に記事を読んでもらい、ある程度の記事の内容を理解してもらった後に、記事で1番伝えたいことや届け方のイメージを共有し作成してもらいます。
もし今回の記事でアイキャッチ画像を作るとしたら、以下のようなイメージを伝えようと思います。クリエイティブは一定のルールは必要ですが、全て指示してしまうと遊び心がなくなったり、自分視点でしかアイデアが生まれないので、最低限の情報のみ伝えることを意識しています。
一定のルールは、フォントや使う素材(イラストか人物写真かなど)、使用する色などです。これはサイトや企業のコーポーレートカラーなどがあるので、それに合わせてルールを作ると良いでしょう。
記事のイメージやルールをもとに作成してもらいますが、もちろん一発でイメージ通りのものができるわけはないので、まず作ってもらったものをベースに修正依頼をします。
デザイナーに「なんか違うなー」とフィードバックをしても何も伝わらないので、ルールをもとに「〇〇が違うから△△という記事の□□なイメージや伝えたいことと合っていない」などと具体的に伝えます。センスに頼るのではなく、あくまで読者をイメージして、興味を惹くものを作り上げます。
記事内画像(イメージ画像や図説)もアイキャッチ画像と同様に作成します。イメージ画像の挿入で、弊社で意識している点は、toB マーケティングや広告が連想できない素材(外人モデルなど)を使わないことや、使用するイラストの色味を記事のキーワード(≒テーマ)に合わせることなどです。
最低限の統一感が出すだけで違和感のない記事を作れます。以下の記事は Yahoo!広告なので、赤やピンクなどをベースにアイキャッチ画像を作成し、記事内画像の洋服や商品のイラストも調整しています。実際の記事を見て、ご確認してください。
Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)にカルーセル広告が登場!入稿規定と配信事例を紹介|株式会社キーワードマーケティング
Yahoo!ディスプレイ広告のカルーセル広告は、2021年7月27日にリリースされたディスプレイ広告の入稿形式の1つです。2つ以上の画像を組み合わせて表示させるバナー広告であるカルーセル広告は、商品カタログのように使えたり、ストーリーをもたせた広告を作成したりすることができます。
さて、書く作業も後一踏ん張りです。ディスクリプション(メタディスクリプション:meta description)は、検索結果のタイトル下に表示される100文字前後の記事概要です。パソコンや携帯などのデバイスによって表示される文字数が異なるので、100文字前後で考えるのがベターです。
ディスクリプションはあえて書かなくても、記事から自動で検出してくれますが、自分たちの意図したものを表示させるために設定しておいた方が良いでしょう。ディスクリプション作成のポイントは以下の3つです。
このポイントをおさえて「全世界で1億人以上が観たイカゲームとは?3つのヒット要因」のディスクリプションを考えてみました。
イカゲームとは、2021年話題になったNetflixオリジナル作品で、多額の借金がある456名の参加者が、子供の頃にやった遊びで賞金を争うストーリー。なぜヒットしたのかを3つに絞って紹介しました。(98文字)
おつかれさまでした、これで記事の完成です。最後に世に送り出す前の校正と校閲作業です。改めて2つの違いを確認します。
2つの役割を理解し、文字を見て正すのか、内容の誤りを見て修正するのかを判断しましょう。校正はツールや目視などで確認することが可能ですが、校閲に関しては専門的な知識が必要になるケースもあるので、担当者を決め作業をおこないましょう。
校正や校閲のツールはさまざまありますが、Web 上でチェックできたり、ワードプレスのプラグインでも確認できたりする「文賢」が使いやすくおすすめです。もしくは Microsoft の Word でも自動的に検出してくれるので、どちらかでチェックしてください。
校正者や校閲者、最終的な判断を記事の方向性を決める編集者が異なる場合は、Web 上で修正依頼を指示できる「aun」を使うとスムーズに作業を進められます。
記事が完成したら公開とシェアです。記事ができたらすぐに公開すれば良いというわけではなく、タイミングを見計らって出すのがミソです。何時に出せばよく見てもらえるかの基準はメディアや自社の状況、記事の内容にもよって異なります。
そこでまず参考にしてもらいたいのが Google Analytics で見ることができるユーザーの訪問時間帯です。メディアに訪れているユーザーが多い時間帯且つ、決まった曜日に記事を公開します。新しい記事を見てくれる可能性が高いタイミングで投稿をして、ユーザーの反応を見てみます。
以下の場合は水曜日もしくは木曜日の10時から17時までがユーザーの訪問が多いので、月曜日から火曜日に記事の公開を考えます。もちろん記事数は週に1本というわけではないと思うので、曜日を分けて投稿することも考えて良いです。
またユーザーの訪問時間帯以外にも、外部のメルマガに掲載されるタイミングを見計らったり、過去公開した記事の時間帯と公開後3日間の数値を見て比較したりするのも良いでしょう。
公開と共に SNS でのシェアやメルマガでの拡散もおこないましょう。SNS の投稿時間も公開のときと同じように時間帯や曜日を考えます。
SNS の場合はユーザーが多くいる時間帯はある程度予想がつきます。朝の通勤通学時間やお昼ご飯時、帰る時間帯、夜寝る前の時間などがあると思います。SNS は話題になればなるほど、自社のメディアを知らない人の目にも留まるので、投稿時間や曜日はこだわっていきたいものです。
例えば、「イカゲーム とは」で検索する人の気持ちになって考えてみると、通勤通学の間に調べているよりは、余暇時間を楽しんでいるときに調べているのではないかと予想できます。そうなると、SNS への投稿時間は、夜の19時から22時くらいとして、曜日は忙しい週始めや中を避けて金曜日や土曜日が良さそうです。
特に読者がどんなシーンで記事を読んでくれるかをイメージしましょう。ターゲット設定で定めた想定読者や届け方でイメージした人物像を意識して考えてみます。
例えば、イカゲームの話題を SNS で見て気になった都内で働く25歳 OL が、金曜日の夜22時にベッドに入りながら Twitter を見ている場面を想像してください。そんな彼女がつい記事を読みたくなるような投稿文はどんなものになるでしょうか?例として2つ考えてみました。
1つ目は、想定読者を隅付き括弧で示し、記事の内容を箇条書きにしたものです。ポイントは記事を読まなくても何が書いてあるのかがある程度分かるようにすることです。
【まだイカゲームを観ていない人へ】
・イカゲームとは?
・3つのヒット要因
・豪華すぎるキャスト陣
これを読めばイカゲームの世界観に引き込まれること間違いなし!
2つ目はどシンプルに、世間で話題になっていることと、イカゲームがなぜ話題になっているかの理由(伏線と豪華な俳優陣)を記載しています。
Netflix ユーザーの半分以上が観たイカゲーム。複数のゲームに隠された伏線と豪華な俳優陣が話題の韓国映画は必見!
2つはあくまで例なので、これを投稿したら絶対に読んでくれるというものではありません。大事なのは、想定読者が「どんな投稿文だったら読んでくれるだろう?」や「どんな状況でこの記事を読むか」を具体的にイメージすることです。
やっとの想いで完成した記事ですが、公開して満足するだけでなくしっかりと数値や反響を見て振り返りをしましょう。
Google Analytics で検索流入や滞在時間を見たり、ヒートマップツールでユーザーが注視しているテキストやクリックしている箇所を確認したり、Twitter で記事 URL を検索して引用リツイートやリツイートを探したりするなど、公開後の記事の行方を見届けましょう。
Google Analytics とヒートマップは分析の話になり、活用方法まで説明すると長くなってしまうので今回の記事では割愛します。なので、ここでは僕がおこなっている Twitter での記事の反響を調べる方法のみを紹介します。
Twitter で毎回1つ1つ記事の URL を入力して確認していると時間も手間もかかってしまうので、Tweet deck を使って記事 URL がツイートされたかを見ています。
「kwm.co.jp」がツイート内に入っているものを検索し、表示してくれるので定期的に Tweet deck を開き、いいねをしたり、記事の感想を確認しています。ネガティブな感想であれば、編集長としてリプを送って対応し、ポジティブなものであればリツイートやリプで感謝を伝えています。
ここまでの過程を漏らさずおこなえば、ユーザーのことを想った良い記事が作成できるはずです。しかし検索上位や SNS で話題になっていないのであれば、それはまだまだユーザーのためになる良い記事ではなく、自分だけが良いと思っている記事ということになります。結果は嘘をつかないので、真摯に受け止め改善に努めましょう。
僕は編集長として、これまで弊社ブログ記事の編集を200本近くおこない、前職までも何千本の記事に関わってきました。その全てが検索上位を取ったり、SNS で話題になったりしたわけではありません。「量が質を凌駕する」とあるように、何回ものトライ&エラーがあってこそ、ユーザーの考えていることが分かり、良い記事作成ができるようになってきます。
最初から質が高く、ユーザーの欲しい情報を盛り込んだ記事を生み出せる人はいません。何度も失敗を繰り返し、良い記事と評価されるもの作り出していきましょう。
マーケティング/編集長
2019年9月に編集者として入社。新卒は求人広告営業、その後は記事執筆・編集、採用を含むバックオフィス業務をやっていました。お弁当男子(おべだん)としてTikTokにてバズり中。見た目の割にトレンドには敏感。沖縄観光と都内の居酒屋に精通しているイケイケドンドン、少し心配性なオオクボです。
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