近年 Youtube を始めとする動画プラットフォームの台頭、4G 回線の日本全国への普及や 5G といった次世代通信規格の台頭により「動画広告」にますます注目が集まっています。以下は、2019年12月にサイバーエージェントが発表した、動画広告の市場調査のデータです。
媒体各社も、動画広告のメニューについて、試行錯誤を重ねており、「まずは認知度を高めたい」「購入につながる広告配信をしたい」「魅力的な掲載枠に広告配信したい」などといった広告主のニーズに応えられるような工夫を凝らしています。
今回は、動画広告の課金形態や露出のされ方などについてまとめ、すぐに始めることができるオススメの動画広告メニューを紹介したいと思います。
まずは、弊社での事例をもとに、動画広告でも直接コンバージョンが取れやすい動画広告のメニューと設定についてご紹介します。
以下の動画広告の実績は、顧客の直接獲得を目的に広告配信をおこなった際の事例になります。
商材 | 目標CPA | CPA実績 | メニュー | 配信対象(ターゲット) |
---|---|---|---|---|
B to 物販 | ¥3,000 | ¥2,000 | Facebook 動画 | 過去サイト訪問 |
B to 物販 | ¥10,000 | ¥5,000 | Facebook 動画 | 新規ユーザー |
婚活サービス | ¥7,000 | ¥3,100 | Facebook スライドショー | 過去サイト訪問 |
セラピー集客 | ¥10,000 | ¥5,000 | Facebook スライドショー | 過去サイト訪問 |
企業セミナー集客 | ¥15,000 | ¥5,000 | Facebook スライドショー | 新規ユーザー |
上記表で CPA 実績はどれも目標 CPA を下回り、コストをおさえつつそれぞれの目的を達成することができました。それは媒体が提供するメニューの文脈とクライアント様のニーズに合わせた広告配信を実現することができたためです。
写真や文字だけでは、商材・サービスの魅力が伝わりづらい場合、弊社では動画広告を用いてブロード配信などをおこない、新規ユーザーの獲得を試みています。
また、ランディングページ内で、特に伝えたい情報を動画で深掘りし、ユーザーへ商材・サービスのポイントを訴求しています。
以下は、スマホでの視聴が主となる代表的な動画広告メニューをまとめたものになります。下記一覧は、スマートフォンでの視聴を前提としています。
配信面 | 媒体名 | 動画広告の長さ | 動画のアスペクト比 | 動画タップ後の ランディングページへの遷移 |
---|---|---|---|---|
インストリーム | YouTube | 12~180秒(推奨) | 規定なし | - |
インフィード | Yahoo! ディスプレイ広告(サイト) | 5~60秒 | 16:9/1:1 | - |
Yahoo! ディスプレイ広告(アプリ) | 5~60秒 | 16:9/1:1 | ◯ | |
Facebook 広告 | 1秒~240分 | 16:9~9:16 | ◯ | |
Instagram 広告 | 1~120秒 | 1.91:1~4:5 | - | |
LINE 広告 | 5~120秒 | 16:9/1:1 | - | |
Twitter 広告 | 140秒以下 | 16:9/1:1 | ◯ | |
インバナー | Google 広告 | 30秒以下 | 16:9/1:1/4:3/9:16 を推奨 | - |
Yahoo! ディスプレイ広告 | 5~60秒 | 16:9/1:1 | ◯ | |
ストーリーズ | Instagram 広告 | 120秒以下 | 16:9~4:5/9:16 | - |
ここからは、弊社事例でも成果があり、かつ初心者の方でも比較的試しやすい動画広告メニューを紹介いたします。
コンバージョン獲得を最優先で目指すのであれば配信すべきオススメの動画広告メニューは以下の2つです。
2つの動画広告メニューには、共通した3つの特徴があります。その特徴こそがオススメする理由でもあります。
直接コンバージョンを獲得するためには、動画そのものがタップできる仕様であることが不可欠です。
たとえば GDN のレスポンシブディスプレイ広告の場合、動画箇所をタップしたとしてもランディングページへの遷移は起こらず、動画が一時停止するのみです。
しかし Facebook 広告の場合、スライドショー広告でも通常の動画広告でも、動画をタップするとランディングページに遷移します。PC ブランドパネル(動画)も同じ仕様になっています。
この仕様がコンバージョンを生み出す上で必要になってきます。
Facebook スライドショー広告と Yahoo! ブランドパネル広告は、他の動画広告に比べて制作ハードルが非常に低いのも特徴の1つです。
特に Facebook スライドショー広告は、テンプレートを選択し、管理画面上で画像やテキスト情報を入力するだけで動画を作成できます。
画像とテキストの表示パターンを13種類のテンプレート中から1つを選び、画像とテキストを指示通りにはめ込んでいくだけで、指定秒数の動画が完成します。動画の知識や動画編集ソフトが手元にない初心者の方でも手軽に動画を作成できます。
自身で動画を制作する場合、一通りの撮影機材をもっていて、編集するための専用ソフトである「Adobe Premiere Pro」「Final Cut Pro」といったソフトを操作することができる程度の知識は必要となりますが、それでも他の動画広告に比べると、制作面や費用面で制作ハードルは低い広告枠です。
たとえば、外部の制作会社に動画を依頼する場合は、もちろん費用が発生します。制作費は依頼先にもよりますが、『動画広告”打ち手”大全 ネット広告の新時代を勝ち抜く施策設計 最強の戦略74』の中では、動画の目的・種類別に以下の図のような分類がなされています。
仮に予算が20万の場合、動画制作費用が1本あたり200万円掛かってしまったら、当然制作のハードルは高まります。
しかし、もし自社でソフトを使い動画制作することができれば、結果的に費用面での制作ハードルを下げることが可能となります。
動画制作を外注したとしてもディレクションなどは必要となるため、人的コストはいずれにせよ発生します。初めから高クオリティのものを制作し、大々的に広告配信するわけではないのであれば初めは自社内での制作がオススメです。
また、PC ブランドパネルの広告枠は固定であるため、掲載時の雰囲気も掴みやすく、制作側が豊富な動画に関する知識が無かったとしても、意図した通りの動画広告を作りやすいという特徴があります。
動画制作時の絵コンテについて Yahoo! 公式 note にどのように書けばいいのかが記載されています。前後編で詳しく書かれているので、作成時のヒントに参考にしてみてもいいでしょう。
「どんな動画広告を作ったらいいかわからない」あなたに贈る、ヤフーが考える「使える」動画広告のネタ帳【前編】|Yahoo! JAPAN アドクリエイティブメモ(公式)|note
はじめに こんにちは。デザイナーの高田です。 先日、Yahoo!マーケティングソリューションのTwitterアカウントで、こんなアンケートを採りました。動画広告を作る上でお困りなこととして、考えられそうな候補を4つ挙げて投票いただいたのですが、半数の方から「どんな動画を作ったらいいか分からない」と回答いただきました。
直接コンバージョンの獲得を狙う広告であるため、他の動画広告メニューと比較しコンバージョンが取れやすく、制作費込みで施策単体で見た際に、費用対効果が良い傾向にあります。
冒頭で紹介した「B to C 物販」「起業集客セミナー」はそれぞれ Yahoo! ブランドパネル、Facebook スライドショーによる広告配信結果ですが、純新規ユーザーの獲得を目的とした施策としては獲得単価も低く、非常に有効に機能しています。
ここではまず撮影機材や、動画制作・編集用ソフトがなくても簡単に始めることができる、Facebook スライドショー広告の作成方法手順について、簡単に解説していきたいと思います。
まず Facebook ピクセルも正常に設定されていることも確認が必要です。ピクセルが設定されていない場合、下記図のように「ピクセルを作成」と表示されます。
そのうえでキャンペーンの設定で、「キャンペーンの目的」が「コンバージョン」になっているかを確認します。
広告作成画面にて「スライドショーを作成」をクリックします。
計13のテンプレートの中から選択し、好きな画像表示パターンを選びます。今回は筆者がよく利用する「製品の発見を促進」を例に上げ紹介していきます。
13個のテンプレートの名称、使用可能画像枚数、秒数については以下の通りです。
テンプレート | 画像枚数 | 秒数 |
---|---|---|
スライドショーを作成 | 3~10枚 | 最大15秒 |
製品を宣伝 | 2~5枚 | 6秒 |
製品の発見を促進 | 1~6枚 | 15秒 |
複数の製品を販売 | 4~7枚 | 6秒 |
製品の利点の表示 | 5~10枚 | 10秒 |
画像のアピール | 1~4枚 | 9秒 |
正方形の画像をアピール | 1~2枚 | 6秒 |
横型画像をアピール | 2枚 | 6秒 |
画像をハイライト | 1~4枚 | 10秒 |
画像をハイライト | 1~4枚 | 6秒 |
製品の表示 | 1~3枚 | 6秒 |
横型画像を表示 | 1~2枚 | 6秒 |
画像にフレームを使用 | 1~3枚 | 6秒 |
テンプレートに合わせて、画像とテキストを設定していきます。テキストは半角30文字以内で設定できます。
テキストの掲載位置、フォントも自由に設定することができますが、日本語対応していないものも一部含まれるため、プレビューでの確認が必須となります。(日本語対応していない場合、文字化けすることもあります。)
スライドショーを作成し終えた後、メインテキストや見出し、Web サイトの URL などの必須・任意項目を入力していきます。
下書き状態では Facebook アプリに広告をプレビュー表示させることしかできません。アップロード後には、配信可能な掲載面のプレビューをすべて確認可能となります。
「リンクをシェア」で作成した広告は、社外の方(クライアント様など)に広告を送れます。広告の確認や様々なデバイスでどのように広告が表示されるかを確認する事ができます。
「動画広告」はひと括りに見られやすい傾向にありますが、実際には媒体側が提供する広告の仕様、メニューによって大きく広告効果は異なるため、まずは広告の目的を明確にし、そのうえで動画を作成し広告配信していく必要があります。
特に今回は「コンバージョン」を獲得する事も念頭に、初心者でも成果をあげやすい Facebook スライドショー広告、Yahoo! PC ブランドパネル(動画)を紹介しました。
中でも特に、スライドショー広告は編集ソフト無しに、画像とテキスト情報を組み合わせて簡単に動画広告を作れるので、まだトライしたことがない方は是非お試しください。
R&D室 室長
1年半ほどのインターンを経て2016年4月に新卒入社。営業チーム、広告運用チームを経験。BtoC、 BtoB、有形、無形商材問わず50社以上の広告運用に携わる。Yahoo!広告が好き。趣味はオーディオ、読書。
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