2021年1月25日から Yahoo!広告で「ユーザーからの意見に基づく広告掲載停止の運用」が始まりました。これは広告の品質を高めるために、自社の審査だけでなく、ユーザーからの意見も参考にして広告の妥当性を測るものです。
最近の広告、特にWeb 広告では、媒体による審査や広告掲載基準等の見直しはもちろん、広告主の自浄努力が求められるようになってきています。
更には広告の質を上げるために、媒体やプラットフォーム側が、サービスを利用するユーザーからも意見を募り、改善に取り組んでいるケースも増えてきました。
こうした動きは「クリーンな広告」や「ユーザー視点の広告」を作り上げる上で重要であり、今後増えてくるでしょう。
Yahoo! 広告以外にも、こうした取り組みは進んでおり、若い世代に人気のアプリ TikTok でもユーザーが広告を評価する仕組み「TikTok 広告評価スペシャリスト」がリリースされました。この記事では、その仕組みや使い方などを日々 TikTok へ動画を投稿している筆者が解説いたします。
通常 TikTok のタイムラインでは、フォローしているユーザーを見る「フォロー」と自分が視聴した動画へ対するアクション(いいね、コメント、シェア、ダウンロード)などによって表示が変わる「おすすめ」が流れてきます。
今回紹介する「TikTok 広告評価スペシャリスト」は、通常のタイムラインとは別で設けられていて、タイムライン上に流れるインフィード広告を評価するものです。
起動画面で出てくる「Topview 広告」や、指定のハッシュタグをつけて投稿を促す「ハッシュタグチャレンジ広告」は評価の対象になっていません。
TikTok 広告評価スペシャリストでは、広告だけが流れるフィードがあり、広告がユーザーに対して適切かを「Yes」or「No」or「評価しないでスクロール」の3つで評価します。この機能はアカウントを持っていれば誰でも使うことができます。
広告評価で流れてくる広告は、現在配信されている広告も含んでいます。ジャンルはさまざまで特に制限はありません。TikTok 広告の特性からか、アプリのインストールを促す広告が多い印象です。もちろんそれ以外にも食料品の通販、メガネやイヤホンなどの日用品も広告として流れています。
ここからは実際に TikTok 広告評価スペシャリストの使い方を紹介します。TikTok のアカウントを持っていない方は作成し、おこなってみてください。
まずアプリを開き、マイページ右上の「・・・」から設定とプライバシーを開き、下部にある「広告」をクリックします。
その中にある「広告評価スペシャリスト」から「参加して広告を評価する」を選択すると、広告しか流れてこないフィードに移動します。
この画面左下にある「Is this ad appropriate for most users?」という問いに対して、「Yes」or「No」で広告の評価をします。
投票すると「You have voted this ad」という表示に切り替わります。
この広告専用のフィードでは、通常のタイムラインと同じようにコメントやいいねはできますが、広告主のプロフィールページに飛んだり、使用されている楽曲ページに飛んだりすることはできません。
一定数以上の広告を評価すると「動画はありません」という表示になり、広告が流れなくなりますが、ページから一度離れ戻ってくると新たな広告が表示されるようになります。
上記で紹介した広告評価スペシャリスト以外にも、これまでに自分がタイムライン上でみた広告の一部が評価できる「あなたの広告評価アクティビティ」という機能もあります。
こちらは投票という形ではなく、該当箇所のスクリーンショットを撮影してフィードバックを送る形になっています。
このように TikTok でも広告の質を担保するために、媒体のみならずユーザーへの協力を促し改善に努めています。
TikTok では広告以外にもアプリのテスト環境をユーザーに提供して、バグの報告を受け付けています。設定とプライバシー下部にある「TikTokベータテストに参加」から、Test Flight というテスト環境用のアプリをインストールすることで参加が可能です。
テスト用のアプリは通常のアプリとほぼ変わらなく、スクリーンショットをすると共有ボタンから「ベータフィードバックを共有」を選ぶことができます。それを選択すると以下のようなフィードバックコメントを送れる画面に遷移し、アプリの不具合やバグ、不適切な投稿を報告できる仕組みになっています。
すぐに対応して修正とはならないまでも、アプリを利用するユーザーが気持ちよく使用できるような取り組みをしているようです。
SEO やコンテンツマーケティングに関わっている方は、よく「ユーザー視点」という言葉を耳にしたり、口にしたりするでしょう。広告もより一層この考え方が重要になってきそうです。
それは単純にポリシーに違反していないかだけでなく、ユーザーがその広告をみて不快な気持ちにならないか、本当にユーザーのためになる商品/サービスの広告かまでを考えないといけないということです。
Yahoo! 広告や TikTok 広告でのこのような取り組みが起こり始めているので、今後他の媒体でも意識していくべきポイントなのかもしれません。
編集部
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