15秒ほどのリズミカルな動画を共有するアプリ「TikTok」をご存知でしょうか。世界的に人気のアプリで2018年ごろから日本でもユーザー数が増え、人気となっています。
現在、この TikTok では、Twitter、Instagram、Facebook といった他の SNS と同様に広告を掲載することが可能になっています。今回は公式が発表している情報をもとに TikTok 広告の基本と約1年間、平日毎日、動画を投稿し続けている筆者が見つけた「惹き込まれる広告」の特徴をまとめてお伝え致します。
TikTok とは、15秒から60秒のショートムービーが投稿できる動画共有アプリです。
アプリ内で撮影から編集ができ、撮影に使用できるフィルターの種類も多く、簡単に凝った動画を作ることができる編集機能が備わっているので、若い世代を中心に人気のアプリとなっています。
TikTok というと、10代や20代の可愛い女の子がダンスを踊っている動画が多いのでは?というイメージが強いのですが、実はその親世代が子供の影響で始めるなど徐々に年代や動画のジャンルを問わないプラットホームへ変化しつつあります。
2020年1月の世界アプリダウンロードランキングでは、App Store と Google Play Store のどちらでも1位を獲得しているので、その人気やユーザー数はまだまだ伸び続けるのではないかと考えられます。
参考:Sensor Tower|Top Social Media Apps Worldwide for January 2020 by Downloads
TikTok 広告の特徴は4つあげられます。
TikTok はリズミカルな楽曲があり、それを使用して有名なインフルエンサーがダンスやハッシュタグチャレンジと呼ばれるコンテンツが多くあります。
これまでの SNS 広告などではユーザーへ届けるのみになってしまい、ユーザーが再度同じ広告を自ら見に行くという行動は少なかったかと思われます。
ですが、TikTok の広告メニューである「ハッシュタグチャレンジ」では、以下のサイクルでユーザーは動くため、ユーザーからの投稿が活発になります。
UGC とは、User Generated Content の略称で、ユーザー自身が生み出したコンテンツを指します。具体的には Twitter での飲食店のレビューや口コミの投稿や Instagram での旅行先での様子を写したストーリーズなどがあります。
広告の種類にもよりますが、音楽付き動画広告という点は大きな特徴とも言えるでしょう。音楽というのは、自社で用意したオリジナル楽曲を使用するケースもあれば、TikTok 内で人気の音楽を使用するケースの2つがあります。
これまで SNS 広告の中でここまでスマホ最適化に富んだ広告枠は珍しいんではないでしょうか。アプリの起動時でる広告や TikTok を見ているときに不意に表れるインフィード広告、どちらも縦型且つ動的なものが多く、広告だと思わず見入ってしまうものが多いのが印象的です。
まだ、横向きの広告のものも見ることはありますが、2019年後半から2020年にかけて縦型に対応したものが多くなってきました。
余談でありますが、同じ縦型広告、動画広告で Instagram のストーリーズ広告があげることができますが、ストーリーズと異なる点は、スクロールの方向の違いと広告の表れる頻度の違いがあげられます。Instagram のストーリーズであれば、3アカウントに一度広告が流れますが、TikTokの場合は、8投稿に一度広告が表示されます。
また、TikTok の場合、アプリをインストールしてから1週間以内は広告が表示されない仕様になっています。
広告(プロモーション活動)であるはずが、コンテンツとしてもウケているのも特徴的な点で、中には他の SNS でのシェア数が多くなるものもあります。
というのも広告として投稿されているものでも、いいねやコメントが多くついているものが見られるからです。インフルエンサーとのコラボ企画で再生回数が伸びたり、いいねやコメントが数多くついている広告もありますが、それ以外にも Twitter のプロモーション広告に比べ、割とユーザー投稿に似たものが多いのでこういったアクションが生まれているのではないかと考えることができます。
TikTok 広告の特徴を紹介しましたが、なぜ今後伸びてくるのかについて、主な要因を3つほど TikTok Ads 公式が公表しているデータをもとに説明したいと思います。
TikTok Ads 公式がおこなったアンケートによると、「文字や画像より動画を見ることが増えた」と回答した人は全体の40%以上で、さらに、「なにかあったら動画を見る」と回答した人は全体の20%という結果でした。
TikTok Ads初、ユーザー動向をまとめたオフィシャルユーザー白書を発表! | TikTok Ads Japan
TikTok Adsは、日本におけるTikTokユーザーの動向と実態をまとめた「TikTokユーザー白書(2019.8)」を発表しました。今回の調査では、TikTokユーザーの動向を通して、2020年に本格的に突入する5G時代に向けた生活者の意識変化や行動変容実態が明らかになりました。
皆さんも普段の生活でも動画を見る機会が増えてきているのではないでしょうか。見る機会が増えているものの中に、ドラマや映画以外で、ツールの操作方法や料理を作る際の調理方法、メイクの仕方といった how to 系と呼ばれる動画があるかと思います。
そういった動画も TikTok にはアップロードされていて、幅広いユーザーが活用しているのではないかと考えられます。
最近では、how to 系の動画の中に魚のさばき方やエクセルの活用術などがあり、中高生以外の年代も見てみたくなる動画も投稿されています。こういった流れから、若者だけが使用するアプリではなくなってきていると予想することができます。
TikTok 内で使われる楽曲や見たものが友人間で話題になったり、音楽の場合はつい口ずさんでいるといったことが自然とおこっているようです。
こちらも TikTok Ads 公式がおこなった調査で、アンケートの回答者の44%以上が「TikTok で聴いた音楽を思わず口ずさむ」と答えています。
参考:TikTok Ads Japaan|TikTok Ads初、ユーザー動向をまとめたオフィシャルユーザー白書を発表!
TikTok で人気の楽曲は、テレビの CM 曲でも同時期に使用されているので、私自身も携帯をいじっているときにその楽曲が使用されている CM が流れると、つい顔をあげてみてしまうこともありました。
TikTok ユーザーは、TikTok 内で紹介された商品・サービスを購入したことがあるとのアンケート結果も出ていて、更には、投稿するユーザーの方が非投稿ユーザーよりもその割合が高いとのデータもでています。
TikTok Adsオフィシャルユーザー白書 第2弾 発表! スマートフォンネイティブを動かすキーワードは Trustable Real=”信じられる”リアル | TikTok Ads Japan
TikTok Adsは、日本におけるTikTokユーザーの動向と実態を通して、令和におけるマーケティングの未来を紐解く「TikTokユーザー白書」の第2弾を発表しました。 今回の調査では、TikTokユーザーの実態を通じて、次世代市場であるスマートフォンネイティブ世代が大切にする価値観を徹底解明。
TikTok だけでなく、単純な写真だけではなく動画や動きのある写真を購入前にみたいという方も多く、今後そういった動きが多く見られるのではないか思われます。
こういった時代の流れや TikTok 特徴を踏まえ、具体的に TikTok 上で出稿できる3つの広告枠について紹介していきたいとおもいます。
Instagram や Twitter にも複数の広告枠があるように、TikTok にも主な広告枠が3つあります。それぞれの特徴と、この一年の間で筆者の中で印象に残った広告を紹介させていただきます。
TikTok のアプリを起動したタイミングで表示される広告です。最も大きな特徴はこちらの広告枠は音声付きの動画で1日1社の広告しか出ない点です。似ている広告枠に「起動時広告」というものがあり、こちらは音声が出ないものとなっています。
TopView 広告は15秒間表示され、画像や動画で出すことができます。広告が表示されている間に画面をタップすると、指定の外部ページもしくはアプリ内ページに遷移する仕組みになっています。
こちらは2020年1月26日にでていたLINE MUSICの広告です。TikTok で人気の楽曲という広告テキストで非常に親和性の高いもので印象的でした。
たしかに、TikTok で流れている曲を YouTube や外部サイトで探すことがあるので、この誘導はよくできていると感じました。このように TopView 広告は一番目立つ位置かつ誰しもが見ることになるので、リーチの高さは優れているかと思います。公式サイトでも以下のような説明がなされいます。
「TopView」は、新商品ローンチ・イベント告知・ブランドアニバーサリーのキャンペーンやPR実施など「短期間で高い認知とリーチを獲得したいタイミング」に最適な広告メニューです。
上記にもあるように短期間での認知目的やイベント告知に一役買ってくれる広告枠ということが言えるでしょう。
次に紹介するのはハッシュタグチャレンジと呼ばれる、指定のハッシュタグをつけた動画を TikTok へ投稿することを促し、商品やサービスの認知目的で使用されることが多いです。
サービス名とは関係なさそうなハッシュタグでこのハッシュタグチャレンジ広告をおこなっている企業も少なくはありません。以下のハッシュタグチャレンジ広告はモード学園がおこなった「#モードランウェイ」というハッシュタグチャレンジです。
モード学園が準備したお手本動画は再生回数80万回超えを記録し、有名クリエイターが同じ楽曲を使用して投稿した動画は総再生回数1.3億回を超えるものもあります。
【プロモーション事例】自慢のコーデをみんなで楽しむ #モードランウェイ | TikTok Ads Japan
モード学園は、教育機関としては初のハッシュタグチャレンジ「#モードランウェイ」を実施。TikTokは若年層からも人気が高く、ファッションやメイクを軸としたコンテンツが数多く投稿されていることから、業界を盛り上げるために最も親和性が高いプラットフォームとして選ばれました。
最後に紹介するのがインフィード広告と呼ばれる、投稿と投稿の間にでてくる広告枠です。投稿との間と言っても、一般ユーザーが投稿しているような自然な仕上がりのものも多く、つい見入ってしまうものもあります。
インフィード広告で印象的だったものの中に、ノラガミ21巻が発売されたときに配信されていた広告です。広告には見えず、一つのコンテンツとして成立しています。
インフィード広告の特徴は広告なのに一般ユーザーの投稿に溶け込んでいるという点です。インフィード広告の場合、最大60秒の動画広告を投稿することができます。ノラガミ21巻が発売されたときに配信されていた以下の広告はユーザー投稿でも見るような、早送り動画で、つい見入ってしまうものでした。
このように広告でも一般ユーザーに見られコンテンツとしても楽しめるものが多くなってきたという印象があります。ここからは、とくに見られる回数も多いインフィード広告について、惹き込まれる広告の特徴をお伝えいたします。
惹き込まれる広告とは、冒頭で説明した「広告であるはずが、コンテンツ要素が強い」という点を抑えているものが多いです。ではコンテンツ要素とはどういったことなのかを切り分けて解説していきたいと思います。
TikTok 広告では動きのある広告のほうがユーザーの目を引きつけることができます。画像に文字をいれてスライドショーを使用しているものも配信されていますが、インフィード広告の中に馴染まないので、ユーザーにとってコンテンツではなく明らかに広告だという印象を与えてしまうことになるでしょう。
同じ動画広告で YouTube などがありますが、入稿時にYouTubeで使用したものをそのまま使うと横向きの動画広告のまま配信されることになってしまいます。
縦動画は見ていてダイナミックで思わず指を止めスキップせずに見てもらえるので、TikTok 広告では縦型が推奨されています。
前述した、動きのある広告や縦型のクリエイティブにも関係しますが、最初の1~2秒でいかにスキップさせないかが惹き込まれる広告のポイントでもあります。
これは Instagram のストーリーズ広告などの動画広告にも同じことが言えますが、伝えたいことが画面上で表れる前にスキップされてしまうのを防ぐために、最初の1~2秒が勝負といっても過言ではありません。
インフィード広告で最も重要といっても良い音源の選択です。リズミカルで最後まで聞いてみようかな?みてみようかな?と思わせるものを使用するのがいいでしょう。
自社でオリジナルの楽曲を用意するのが難しけれは、TikTok 内にある人気の楽曲をつかうのも非常に良い手です。馴染み深い楽曲はユーザーにも好かれいるため、広告の動画であっても最後まで見てみるという気持ちになるためです。
最後は伝えたいのは、アクションを促す広告であること。インフィード広告でも広告クリエイティブに、「気に入ったら資料請求」やランディングページへの遷移を促すものもあります。
こういった特徴を抑えることによって、TikTok ユーザーに合った惹き込まれる広告を作成することができます。
TikTok 広告についての特徴や実際に広告を作成するためのヒントとなるポイントをご紹介させていただきました。徐々に人気となってきそうな TikTok 広告ですが、ご質問などありましたらお気軽にご雑談ください。
TikTok の投稿についての記事もあるのでもし宜しければこちらも御覧ください。
3ヶ月で100投稿してわかった、TikTokでファンを獲得するために守るべき3つのポイント|株式会社キーワードマーケティング
2019年9月に入社したおべだん(お弁当男子)のオオクボです。これまでに旅行やグルメ系のまとめサイトの運営に携わったり、趣味でお弁当を詰める動画を TikTok で配信をしてきたメディア愛滲み出る経歴があります。 TikTok では3か月でファン( Twitter やインスタグラムでいうフォロワー)が4万人になり、中高生や主婦からコメントやいいねの通知が日々止まりません。今回は僕がこれまでに TikTok でファンを増やすためにおこなってきたことをお話します。
マーケティング/編集長
2019年9月に編集者として入社。新卒は求人広告営業、その後は記事執筆・編集、採用を含むバックオフィス業務をやっていました。お弁当男子(おべだん)としてTikTokにてバズり中。見た目の割にトレンドには敏感。沖縄観光と都内の居酒屋に精通しているイケイケドンドン、少し心配性なオオクボです。
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