マーケティング

サンクスページとは?重要性や作り方、注意点、参考例を紹介

ユーザーに対して、商品の購入や問い合わせが完了したことをお知らせするページのことを「サンクスページ」と呼びます。ユーザーが購入などの行動をした後に表示されるページなので、こだわって作ったところで購入数や問い合わせ数アップには関係ないだろうと思っている方もいるかもしれません。

しかし、企業にとってサンクスページは非常に重要なページです。ユーザーを次の行動に誘導できることはもちろん、ユーザーに安心感を与えられる、正しいコンバージョン数の測定に役立つといったさまざまな側面を持ち合わせているからです。

今回はサンクスページの概要をはじめ、重要性や作成方法、活用例を紹介します。

サンクスページとは

サンクスページとは商品の購入や資料請求、問い合わせなどユーザーが行動を起こした後に表示されるページのことです。例えば Amazon で商品を買った後に表示される「注文が確定しました。ありがとうございました。」というテキストがある画面が Amazon のサンクスページです。

サンクスページを構成している要素の一例を紹介します。

  • 購入などに対する感謝の言葉
  • 商品やサービスの提供日、発送日
  • 決済や登録完了のお知らせ
  • 問い合わせ先や問い合わせ番号
  • 他の関連商品
  • 購入者限定クーポン
  • SNS のフォロー、メルマガの登録を促す文言
  • SNS のシェアボタン

サンクスページは、基本的にユーザーが購入後に知りたい要素で構成されています。とはいえ全ての要素をサンクスページに表示させたほうがよいわけではなく、商材によって構成すべき要素は変わります。

例えば、EC であれば購入への感謝の言葉や商品の発送日、決済完了のお知らせ、リピート購入を促す購入者限定クーポンなどが表示されていることが多いです。

サンクスページの重要性

サンクスページが企業にとって重要なページである理由として、以下の2つが挙げられます。

  • 購入や契約、予約完了を伝え、安心感を与えられるため
  • 正しいコンバージョン数を測定するため

それぞれの理由については、以下で詳しく解説します。

購入や契約、予約完了を伝え、安心感を与えられるため

サンクスページが必要とされる理由として、商品の購入やサービスの契約を伝えることで、ユーザーに安心感を与えられるからといったものがあります。

例えば、ユーザーが商品やサービスについて問い合わせるため、フォームに情報を入力し送信したとします。このときにサンクスページが表示されないと、正しく問い合わせができたか分からず不安になってしまいますよね。

サンクスページがあれば、ユーザーに問い合わせが完了したことを視覚的に伝えられるため、安心感を与えられます。

サンクスページはユーザーに「あなたのおこなったアクションが無事に完了しましたよ」と伝える役割も持っているのです。

正しいコンバージョン数の測定のため

サンクスページは広告の成果計測においても重要です。

一般的に Web 広告を配信している場合、ユーザーの行動の完了をコンバージョンと置くことが多いです。商品ページやカートページの閲覧ユーザーをコンバージョンと置くと、まだ購入前のユーザーも含まれてしまうため、確実にコンバージョンしたユーザーとは言えず、正確な数値を計測することができません。

サンクスページがあると、サンクスページを閲覧したユーザーの数をコンバージョンとすることで、確実にコンバージョンした数を計測することができます

また、サンクスページを計測しておけば、ユーザーの行動完了の導線でエラーがあった場合も、コンバージョン数の不自然な減少からすぐにエラーに気づくことができます。

サンクスページに必要な4つの要素

サンクスページは購入や問い合わせへの感謝を伝えるだけではなく、ユーザーの次の行動につなげる場でもあります。

ここでは、ユーザーに次の行動を促すために、サンクスページに含めたほうがよい要素を4つ紹介します。

他の関連商品

EC サイトの場合、クロスセルを狙うために関連商品を表示させるのは有効な手段です。

ユーザーは既にそのサイトで商品を購入しているため、購入することへのハードルが低くなっています。そのタイミングで類似商品を紹介することで、追加購入してもらいやすくなります。

購入者限定クーポン

ユーザーにリピーターになってもらうには、もう一度商品を買ってもらうきっかけが必要です。購入者限定クーポンを発行することで、クーポンを使うためにもう一度購入してもらえる可能性があります

ただし、クーポンは期限を設定しないと忘れられてしまう可能性があります。有効期限を設定することで緊急性を高める効果があり、リピートしてもらう確率を上げることにつながります。

SNS やメルマガ登録を促す文言

SNS やメルマガを通じて何度もユーザーと接触し、ユーザーに企業やサービスのことを覚えてもらうことで、ユーザーとの関係性を築くことができます

一度購入や問い合わせをしたユーザーは、その企業や商材に対して既に興味を持っているため、SNS のフォローやメルマガの登録をしてもらい、企業や商材に対しての詳細な情報を伝えるのが有効です。

また、セールなどのお得な情報も直接伝えることができるため、リピーター獲得にも効果的です。

SNS シェアボタン

SNS にシェアできるボタンをサンクスページに追加することで、ユーザーは購入したことを自分のフォロワーに共有することができます。SNS のシェアをきっかけに、まったく接点のなかったユーザーにも商材を伝えることができるため、商材の認知度向上につながります

SNS は自分と行動や興味関心が似ているユーザーの投稿が表示されやすいため、顧客になりやすいユーザーに商材を伝えることができます。

サンクスページの作り方

サンクスページの効果や含めたほうがよい要素が分かったところで、ここからは実際にサンクスページを作るときの手順と、サンクスページ作成後にやるべきことを紹介します。

具体例を記載している箇所もあるので、サンクスページを作成する際にぜひ参考にしてみてください。

サンクスページを作るための2つのステップ

サンクスページの作成は、以下の2つのステップで構成されています。一つ一つ順を追って見ていきましょう。

  1. 文言の決定、推敲(すいこう)
  2. デザインの決定

1. 文言の決定、推敲(すいこう)

まずはサンクスページに表示させる文章を決めます。文章は商材やサンクスページを表示する目的によって変わりますが、基本的には下記の4つの要素を満たしつつ作成しましょう。

  • 購入、お問い合わせに対しての感謝の言葉
  • このあとやってほしいこと(確認メールの確認など)
  • 何日で商品や返事が来るのか
  • 不具合があった場合の対処方法

例えば、問い合わせフォーム入力後に表示されるサンクスページであれば下記のようになります。

お問い合わせいただき、ありがとうございます。
入力いただいたメールアドレスに確認のメールをお送りいたしました。ご確認ください。

お問い合わせには2営業日以内に返信いたします。
確認メールが届かない場合は迷惑メールフォルダをご確認ください。

2. デザインの決定

サンクスページに表示させる文章が決まったら、次はページのレイアウトを決めていきます。基本的なデザインは、サイトのトンマナと大きく乖離しないよう注意が必要です。

「サンクスページに必要な4つの要素」の章で紹介した「他の関連商品」や「SNSシェアボタン」などの要素を組み合わせて、商材に合ったサンクスページを作成しましょう。

作成後はアクセス解析をしながら改善を進めよう

サンクスページを作ったら、Google アナリティクスやヒートマップなどを利用して、実際に流入したユーザーが意図通りの動きをしているかどうか確認しましょう。

例えば SNS シェアボタンを設置しているのにほとんどクリックされていない、他の関連商品がまったく閲覧されていないなど、ユーザーが意図通りの動きをおこなっていない場合は改善が必要です。分析したデータをもとに、構成要素の変更や、そもそも表示している要素が必要かどうかも含めて検討しましょう。

サンクスページを作るときの注意点

サンクスページが通常のランディングページなどとは違う役割を持っているのは紹介してきた通りです。そのため、サンクスページはほかのページと同じように作成してはいけません。

ここからは、サンクスページを作る際の注意点として以下の3つを紹介します。

  • サンクスページに noindex コードを書き込む
  • 内部リンクを作らない
  • サイトとサンクスページのデザインを統一する

サンクスページに noindex コードを書き込む

サンクスページは問い合わせや購入などの行動をしたユーザーに対して見せるページです。それ以外のユーザーに見せてしまうと、データ計測の際にノイズになってしまいます。

そのため、検索結果から直接サンクスページに飛ぶことができないよう、ページに noindex コードを設定しましょう。noindex コードを書き込むことで、検索エンジンがサンクスページをインデックス対象から外してくれるため、検索結果に表示されなくなります。

内部リンクを作らない

内部リンクとは、サイト内のページをつなぐリンクのことです。サイトマップなどにサンクスページのリンクがあると、購入や問い合わせの手順を踏まずにサンクスページを踏むユーザーが出てきてしまいます。

こちらも計測のノイズとなってしまうため、サンクスページは内部リンクを作らず、購入や問い合わせしたユーザーのみが閲覧できるようにしておきましょう

サイトとサンクスページのデザインを統一する

サイト全体とサンクスページのデザインは統一するようにしましょう。サンクスページだけまったく違うデザインだと、ユーザーに「詐欺サイトではないか」と不安を与えてしまう可能性があります。

また、統一感のあるデザインはブランディングにも良い効果を与えるため、何か特別意図がない限りは他のページとデザインを統一するようにしましょう

参考にしたいサンクスページ2選

サンクスページを作成する方法や注意点、入れたい要素が分かったとしても、実際にどのようなサンクスページを作ればよいかイメージが湧かない方も多いのではないでしょうか。

最後に、サンクスページを作成する際に参考にできるサンクスページを2つ紹介します。

Amazon の購入完了後ページ

Amazon の購入完了ページには、感謝の言葉や確認メールについての文言、お届け予定日、類似商品などが掲載されています。

以下の画像のように購入した商品の画像が表示されるため、購入間違いがないことを確認することができます。ページ上部にはお届け予定日の日付と曜日も記載されているため、いつ届くのかが明確に分かり、ユーザーに安心感を与えられます。

画像引用元:Amazon サンクスページ

また、Amazon はサンクスページの上部に「あなたにイチオシ」という購入履歴や評価などユーザーの行動に基づいたおすすめの商品を表示しています。類似商品ではなくユーザー個人に対してパーソナライズされたおすすめを表示することで、よりクロスセルを狙いやすくしているのです。

おすすめは、お客様の興味や関心に基づいて作成されます。

お客様の購入履歴、持っている商品、商品の評価などのデータが検証されます。Amazonサイトでのお客様のアクティビティを他の購入者と比較し、このデータを使用して、お客様へのおすすめで興味を持っていただけそうな他の商品をおすすめします。

おすすめ商品の内容は、お客様ご自身が商品をご注文後あるいは評価後、あるいはお客様と類似した他のお客様の関心が変化するなど多くの要素に基づいて、定期的に変更されます。

引用元:おすすめ商品について | Amazon カスタマーサービス

また、類似商品や閲覧した商品の関連商品といった要素よりも上に「あなたへのイチオシ」を表示させることで、ユーザーの興味を引き、その下にある類似商品や閲覧した商品の関連商品などを見てもらう狙いがあるのではないかと考えられています。

Salesforce のメールマガジン登録後ページ

Salesforce のメールマガジン登録後に表示されるサンクスページは、登録への感謝をはじめ資料請求ページへのリンク、別サービスへのリンク、問い合わせボタンで構成されています。資料請求ページへのリンクを設置することで、ユーザーにメールマガジン登録以外の行動を促していることが分かりますね。

このページに遷移したユーザーはサービスに対して興味を持っている状態です。資料請求は問い合わせよりも行動のハードルが低いため、メルマガを登録した意欲の高いユーザーであれば、資料請求までおこなってくれる可能性は高いと考えられます。

画像引用元:Salesforce メールマガジン サンクスページ

また、サンクスページには Salesforce の使い方を無料で学べる「Trailhead」へのリンクも置いています。メールマガジンを登録したユーザーは Trailhead にも興味を持っている可能性があるため、サンクスページで Trailhead への導線を見せることで、今後の問い合わせにつなげられるのではと考えられています。

画像引用元:Salesforce メールマガジン サンクスページ > Trailhead の紹介

サンクスページもこだわって作成しよう

サンクスページはユーザーが行動した後に表示されるページですが、そのページから別の行動に誘導したり、認知やリピーター獲得につなげたりできる可能性も持ち合わせています。

また、他のページとは違う役割があるため、関係のないユーザーが流入しないよう作成する際には注意が必要です。

サンクスページの役割や注意点を意識しつつ、ランディングページやトップページと同様に、サンクスページもこだわって作成しましょう。この記事が、サンクスページ作成の入り口になれば嬉しいです。

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記事を書いた人

あやか
あやか

広告運用 コンサルタント

2020年4月に新卒入社。5月末から広告運用事業部に配属。就職して初めてPhotoshopをさわってから、広告画像を作るのが特に好き。趣味はUSJに行くことと推しを推すこと。

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