運用型広告

Googleショッピング広告とは?成功事例とフィード作成方法&運用で守りたい4つのポイント

EC サイトの市場は年々延びており、その傾向は今後も続くことが予想されます。そんな中でEC サイトを簡単に始められるサービスの広がりもあり、ECサイトの数はどんどん増えています。

画像引用元:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました (METI/経済産業省)

競合がどんどん増えているなか、EC サイトの売上が思うように伸びないと課題に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回の記事ではそんな課題を解決する糸口になるかもしれないショッピング広告を、設定方法から配信時の注意まで詳細にご紹介します。

Google ショッピング広告とは

Google ショッピング広告は小売店のために用意された Google 広告のメニューです。EC サイトや実店舗で在庫のある商品の広告掲載することで、サイトのアクセスや実店舗への来店を増やし、売上を伸ばすことを目的としています。

ユーザーの検索に対して広告配信される点は検索広告と同じですが、テキストだけではなく画像や価格、色やサイズなどのバリエーションを広告の時点で表示させることができます。そのため、より購買意欲の高いユーザーを集めることができます。

ショッピング広告におすすめの商材・掲載できない商材

ショッピング広告は EC サイトのための媒体です。そのため EC サイトであればどのようなサイトにもおすすめできます。その中でも特に、検討期間の短い商品は購入確率も高いので、ぜひ配信してみましょう。

しかし、下記のような商品は広告掲載することができません。

  • 偽造品
  • 危険度が高い商品(違法ドラッグ、武器、花火、タバコなど)
  • 不正行為を可能にする商品(ハッキング ソフトウェアやハッキングの手順、偽造文書など)

また下記のような商品は配信に制限がかかる可能性があります。

  • 成人向けコンテンツ(成人向け雑誌などアダルトな商品)
  • アルコール飲料
  • ギャンブル関連のコンテンツ
  • ヘルスケア関連のコンテンツ(市販薬、サプリメントなど)
  • 政治に関するコンテンツ

参考:ショッピング広告のポリシー |Google Merchant Center ヘルプ

ショッピング広告のメリットとデメリット

前述のとおりショッピング広告は検索広告やディスプレイ広告と同じ Google 広告の仲間ですが、それらとは異なる特性があります。メリットとデメリットという形で理解をしてから配信準備をしていきましょう。

メリット1.検索広告よりも上に表示される

ショッピング広告は検索広告よりも上部に画像とともに表示されます。特にスマートフォンで閲覧した際の画面占有率が高く、ユーザーの目に付きやすいという特長があります。

一度の検索に対して複数商品の広告が表示されることもあるので、その場合はよりユーザーの目に付きやすくなります。

メリット2.商品を見てからサイト誘導させることができる

Google 検索のショッピング タブ内には、競合も含め多くの商品の画像と説明がまるで一つの EC サイトのように並びます。その中からユーザーが自分のニーズにあった商品をサイト流入する前に選ぶことができます。

このようにユーザーに商品そのものの画像や特徴を見てもらい、選んでもらってからサイト訪問するため、より確度の高いユーザーを流入させることができます。

またGoogle ショッピング タブ内で価格やサイズ、特徴などで絞り込むこともできるので、まったくターゲットではないユーザーの流入を省くことができることもメリットです。

メリット3.クリック単価が安価

ショッピング広告の大きなメリットとして、クリック単価が安価であることがあります。その理由として、EC サイトでしか配信できないことに加え、検索広告よりも設定方法が複雑なため導入ハードルが高く、競合が少ないことが理由として挙げられます。

また検索広告に比べて広告掲載枠が多く、1枠に対する競合性が低いことも理由の一つだと推測されます。クリック単価が安価で多くの流入を稼ぐことができれば、そこからリマーケティングなど刈り取り施策を行うこともできます。

デメリット1.フィードの作成や更新が手間

ショッピング広告は広告文の代わりに商品データを一覧にまとめて、Google Merchant Center にアップロードする必要があります。

その際に商品数の数だけタイトルや説明文、商品特徴などを用意しなくてはならないため、商品の数が多ければ多いほど手間がかかります。

また、セールや在庫状況にあわせて商品データを更新しないと審査落ちし、その商品の広告を出せない可能性があるので、その管理の手間を考えると検索広告に比べて運用準備が大変です。

デメリット2.キーワードごとに入札調整できない

ショッピング広告ではキーワードの設定は必要なく、フィード情報と商品ページを Google が解析して商品にあっていると判断されたキーワードで配信がされます。

最適化されるので運用が楽になる一方で、キーワードごとの細かい入札を行うことができないというデメリットがあります。

例えば「スニーカー」と「スニーカー 黒 ハイカット」と検索されたとき、「スニーカー 黒 ハイカット」の方が検索条件が詳細でニーズが顕在化していると推測されます。

そのとき「スニーカー」より「スニーカー 黒 ハイカット」で配信を強めたいという考えになりますが、そのような設定は Google まかせになり、手動で行うことはできません。

もちろん Google 側で最適化されていく部分ではありますが、予算が少なかったりニーズが限定されている場合にはムダが発生してしまう可能性があります。

ショッピング広告の成功事例

検索広告とディスプレイ広告を配信していたアカウントでショッピング広告を配信することでコンバージョン数や売上を改善した事例をご紹介します。

クリック単価CPAROAS
約1/4約1/5約2倍
検索広告比

ショッピング広告で画像や商品詳細をしっかり見せながら、クリック単価を抑えて配信を行い、結果とし て数・CPA ・ROAS とどの評価指標でも改善することができました。

ショッピング広告の設定方法

ショッピング広告を配信するには、Google 広告のアカウント、Google Merchant Center のアカウント、商品情報を記載したフィードが必要です。

ショッピング広告は下記の図のような仕組みで設定・配信されます。

まず Google Merchant Center にサイト URL や送料などのビジネス情報を登録します。そこに商品情報を記載したフィード情報を送信し、サイトと情報に差異がないか審査が入ります。その後にGoogle Merchant Center からビジネス情報や商品情報をGoogle広告に送信し、Google広告内で広告のオンオフや入札、ターゲティングなどの配信を管理します。このようにフィード、Google Merchant Center 、Google広告の3つを使うことによって、ショッピング広告は配信されるのです。

ここからはショッピング広告を配信するための設定方法をご紹介していきます。検索広告に比べると用意するものが多く面倒に感じるかもしれませんが、手順を追っていけば難しいことはありません。

1.Google Merchant Center を設定する

まずは Google Merchant Center アカウントを開設しましょう。Google Merchant Center のぺージからアカウントの開設を行います。「始める」をクリックした後、ビジネス名やウェブサイトか実店舗か、利用規約の確認を行います。

アカウントが開設されたら、ビジネスの概要を設定していきます。右上のスパナ内の「ビジネス情報」>「ビジネス概要」からビジネスの表示名や住所の設定します。こちらで設定した内容は後から変更ができます。

次に「ビジネス情報」>「ウェブサイト」からウェブサイトのURL の設定を行います。その際設定したサイトの所有者が設定者であることを証明する「確認と申し立て」をしなくてはいけません。

証明する方法は下記があります。

  • Google アナリティクスのアカウントを使用する
  • Google タグマネージャーのアカウントを使用する
  • ホームページに HTML タグを追加する
  • ウェブサイトに HTML ファイルをアップロードする

Google 広告アカウントとの紐づけ、アダルトコンテンツの有無、ポリシー審査を設定していきます。

次に右上のスパナ内の「送料と返品」から配送時間や送料を入力します。合計金額によって送料が変更になったり、対応可能なエリアが決まっている場合にはこちらで設定しておきましょう。

最後に右上のスパナ内の「ショッピング広告の設定」から Google 広告アカウントとの紐づけ、アダルトコンテンツの有無、ショッピング広告のポリシー確認を済ませれば、Google Merchant Center アカウントの設定は完了です。

2.フィードを作成する

Google Merchant Center に商品情報を送信するために、フィードを作成する必要があります。このフィードの作成の方法は下記の3つがあります。

  1. Google スプレッドシートを使い商品データをアップロードする
  2. Excel で作成し、テキスト形式またはXML 形式でアップロードする
  3. データフィードを使い商品データを送信する

今回は1のGoogle スプレッドシートを使いアップロードする方法をご紹介します。システムでの構築が必要になりますが、商品の数が多く作業が困難な場合や更新頻度が多い場合はデータフィードを使ったほうが手間が少なくなります。

まず左側の「商品」をクリックし、「商品フィードを作成」を選択します。

販売先の国と言語を選択したのち、メインフィードの名前を入力します。フィードの設定方法では「Google スプレッドシート」を選択します。

新しい「Google スプレッドシートをテンプレートから作成」を選択してフィードを作成します。作成したGoogle スプレッドシートを開くと、下記のようになっています。ここに商品情報を入力していきます。

フィードに入力する商品情報は下記です。できるだけ詳細に、また価格などがサイト内と違いがないように入力していきましょう。商材によって必要な項目は異なりますが、必須項目とよく使われる項目をまとめました。

属性名説明必須/任意
id(ID)商品固有のIDユニークである必要あり必須
title(商品名)商品の名前最大150字まで必須
description(商品説明)商品の説明最大5,000字まで必須
link(商品リンク)広告のリンク先確認と申し立てを行ったドメインである必要あり必須
image_link(商品画像リンク)商品画像のURLアニメーションを除く GIF、JPEG、PNG、BMP、TIFFが利用可能必須
condition (状態)販売時の商品の状態new (新品)、refurbished(再生品)、used (中古品)から入力必須
availability (在庫状況)商品の在庫状況in stock(在庫あり)、out of stock(在庫なし)、preorder(予約)から入力必須
price (価格)税込みの価格を入力する※必須
brand(ブランド)商品のブランド名ブランドがない場合はショップ名を入力必須
gtin商品の国際取引商品番号(GTIN)日本ではJANコード。8 桁または 13 桁の番号必須(他社製造商品の場合)
MPN(製品番号)商品の製品番号(MPN)必須(gtinを入力していない場合)
google_​product_​category (Google 商品カテゴリ)ショップの商品向けに Google が定めた商品カテゴリを参照し最も関連性の高いものを入力任意
color (色)商品の色違いの商品がある場合に利用任意
gender(性別)商品が対象としている性別male (男性)、female([女性)、unisex([ユニセックス)から入力任意
size (サイズ)商品のサイズサイズ違いの商品がある場合に利用。衣料品と靴の場合は必須任意
item_group_id (商品グループ ID)さまざまなバリエーションがある商品のグループの ID1つの商品にサイズや色違いがある場合に利用任意

※ただし、サイト内の金額が税抜になっている場合は、税込み価格を計算する必要があります。

参考:商品データ仕様|Google Merchant Center ヘルプ

完成したフィードをGoogle Merchant Center に送信しましょう。Google Merchant Center の商品 > フィードから作成したフィード名 を選択します。

右上にある「今すぐ取得」をクリックして、ファイルのアップロード日時が変更になれば完了です。

送信が完了すると審査が入ります。まずはフィード内の形式に間違いがないかが確認され、その後にサイト内の情報と差異がないか確認されます。

Google がサイト内をクロールし、サイトに掲載されている情報とフィード情報を照らし合わせる作業が発生するので、最長で3日ほどかかります。そのため最初は審査が通っていたが、数日後審査落ちする可能性があります。フィード情報を送信した後は数日間審査状況を見守りましょう。

3.キャンペーンを作成する

最後に Google 広告でショッピングキャンペーンを作成していきましょう。

まずは Google Merchant Center アカウントから Google 広告への紐づけリクエストを承認しましょう。「ツールと設定」内のリンクアカウント、または右上のベルマークから承認ができます。

ツールと設定>リンクアカウント>Google Merchant Center でGoogle Merchant Center アカウントが確認できれば承認完了です。

次にショッピングキャンペーンを作成していきます。新しいキャンペーンを作成からキャンペーンタイプ「ショッピング」を選択します。

キャンペーンタイプ「ショッピング」を選択すると、Merchant Center アカウントの選択欄がでてきます。作成した Merchant Center アカウントを選ぶと販売する国も入力されるので、間違いがないことを確認して続行します。

最後にスマートショッピングキャンペーンと通常のショッピングキャンペーンの選択を行います。スマートショッピングキャンペーンは「ショッピング広告+動的リマーケティング」で、全体の費用対効果を最大化させるキャンペーンです。

スマートショッピングキャンペーンでは選択できる入札戦略は自動入札の「コンバージョン値を最大化」のみです。そのため動的リマーケティングの予算を別で設定したい場合やGoogle の自動入札を使いたくない場合は通常のショッピングキャンペーンを選択しましょう。

最後に広告グループを作成して、ショッピング広告のキャンペーン作成は完了です。

ショッピング広告を運用する際の4つのポイント

ショッピング広告を効率的に運用するには、フィード情報を充実させる必要があります。広告配信したい商品が競合の商品と一緒に並ぶので、その中でより魅力的に見せることがクリック数を増やし、全体の購入数を増やすためには大事になります。

ここからはショッピング広告を改善するためのポイントを見ていきましょう。

コンバージョン値を設定し ROAS 計測を行う

コンバージョン値を取得できるように設定を行い、ROAS を基に入札調整を行いましょう。同じ CPA で獲得できても、100円の商品が売れるのと100,000円の商品が売れるのでは広告の費用対効果が大きく変化します。仕入価格などを考慮して目標 ROAS を設定して、配信を行いましょう。

特にスマートショッピングキャンペーンを使用する場合には目標コンバージョン値を基にして、最適化がかかるので、この設定は必須です。

商品情報を詳細に記載する

広告掲載したい商品の情報はより詳細にフィードに入れましょう。そうすることでユーザーの検索意図に近い商品を表示させることができ、クリック率が高くなります。

たとえば、「黒い色でサイズが25cm、ブランドAAのスニーカー」を掲載したいときは、フィード内に「color (色)」「size (サイズ)」「brand(ブランド)」の列を追加して、それぞれに情報を入力しましょう。

そうすることで「ブランドAA スニーカー 黒 25cm」と検索したユーザーに対して、この商品が掲載される可能性が高くなります。より詳細な情報を入れて検索を行うユーザーはそれだけ購入したいもののイメージが固まっていて購入確度が高いと考えられます。

そのようなユーザーにぴったりあった商品が表示されるようにすることで、購入確率が高くなります。

タイトル、画像、商品概要で商品の魅力を伝える

Google 検索のショッピング タブ内でユーザーはたくさんの商品を見ることになります。その際にユーザーは表示されている「タイトル」「画像」「商品概要」を見て、自分のほしいものかどうかを判断します。

一緒に並んでいる競合と差を付けるには、いかに目につくような「タイトル」「画像」「商品概要」を用意するかがポイントになります。

まず「タイトル」はその商品がなにかということがわかるようにしましょう。検索広告の内に掲載される場合はタイトルの頭から数文字が表示されます。その状態でもその商品がなにかわかるようにしましょう。

次に「画像」ですが、他の商品と並んだ時に最も目立つのは画像です。そのためタイトル同様にその商品がなにかがわかるように、かつ他の商品の画像と並んだ時に魅力的に見えるものを選びましょう。

最後に「商品概要」はGoogle 検索のショッピング タブ内で商品をクリックしたときに表示されます。ユーザーがその商品の情報をさらに得るために使う文章ですので、商品の詳細はもちろんのこと、そのECサイトの強みも入れられるとよいです。

フィード内容は常に最新に

フィードの内容は常に最新になるように気を付けましょう。特に在庫状況は随時変更になります。

サイト内の情報とフィードの情報が異なれば通常審査落ちしますが、万が一在庫切れの商品がショッピング広告で配信された場合、ユーザーはサイトに遷移したのちに在庫切れを知り、がっかりして離脱してしまいます。

その場合クリックされているので費用がかかりますが、購入にはいたらないので、無駄が発生してしまいます。

もちろん在庫切れにならないように在庫管理を行うことが一番ですが、もし在庫が切れてしまった場合はフィードを更新するようにしましょう。

EC サイトを運用しているならショッピング広告をはじめてみよう!

EC サイトが増えているなか、Google は Google 検索のショッピングタブで無料の広告が掲載できるようにすることを発表しました。

現在はアメリカのみですが、2020年中に日本でも実装される予定です。これによってより多くの商品がショッピング タブに並ぶことになり、その利便性の高さからより多くのユーザーに利用される機能になっていくことが予想されます。ショッピング広告は無料掲載枠よりも上位に掲載されるため、その重要度はより増してきます。

今後より活発化し世の中の当たり前になっていくであろう EC サイトで、安定した売上を上げるため、ショッピング広告を活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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「わかりにくいこと」を「わかりやすく」をモットーに、すべての記事を実際に広告運用に関わるメンバー自身が執筆しています。ぜひ無料のメールマガジンに登録して更新情報を見逃さないようにしてください!

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記事を書いた人

林 ひかり
林 ひかり

広告運用 コンサルタント

2020年1月に広告運用コンサルタントとして入社。新卒で入社した不動産会社向けシステム会社で、気づいたらマーケティング担当になっていて、サイト運営や広告運用などいろいろ携わった元”なんでも屋のぼっちマーケター” 広告運用以外だとGoogleAnalyticsとZapierが好き。鈴木愛理とハロプロに支えられ、毎日楽しく広告運用してます。

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