養成講座の講師を務めていると、お客様から「Web サイトのページを改善したい」という相談をよく受けます。
そんな時に私は、いきなり今あるページ(=お客様が的確に情報を集めて作った洗練されたページ)に対して、新しい要素を追加したり、または要素を削除したりといったアドバイスはしません。
なぜなら、既存のページを本当に改善する必要があるかを考えてから手を動かすべきだからです。
この記事では、既存ページを改善することで集客をより効率的にしたいと考えている方に向けて、その際のリスクと実際に改善するとなった場合に、何からおこなえば良いのかをお伝えしたいと思います。
リスクを理解せずにページ改善に取り組むと、結果的にサイト全体の成果が下がる可能性があります。そのため、既存ページを変更するリスクを学んでからページ改善に取り組むことが重要なのです。
既存ページには「集客したい誰か」がいるはずです。集客したい誰かは、広告主側が求めているお客様の像です。
一方で、既存ページには「今見ている誰か」もいます。今見ている誰かは、商品を購入してくれた既存顧客かもしれません。
ページを改善するときに集客したい人をターゲット A とするとき、既存ページに集客しているのはニーズが異なるターゲット B だったりしませんか?
集客したい人に合わせてページを変更すると、既存顧客や別のターゲットにとってはマイナスになる可能性があります。
なぜなら、ターゲット A に対して伝えたい情報は、既存ページを今見ているターゲット B にとっては必要ない情報である可能性があるからです。
ページを改善するにあたって集客したいと思っている人と、既存ページに訪れている人は同じような人かを一度落ち着いて考えてみましょう。
ターゲットが異なるのであれば、既存ページの変更はリスクがあるため、止めた方が良いかもしれません。
既存ページを変更するリスクがあるかを判断するにあたり、まずするべきことは、既存ページに集客したいと考えているターゲットがどんな人なのかを明確にすることです。
ページ改善に取り組む流れは以下の図を参考にしてください。
いきなりページのリニューアルに取り掛かるのではなく、前提として以下の2つを決めてから進めるのが良いでしょう。
この2つが決まっていないとページの軸が定まらず、情報を取捨選択できなくなってしまいます。それぞれを決定するポイントを説明していきます。
ページを見てほしい人を決めるときよく言われるのは、ターゲットを決めることです。ターゲットは、ニーズから決めるのが基本になります。
ニーズは、現状と理想的な状態を比較したときにある欠乏や不満を指します。まずは、ニーズをアウトプットしましょう。ニーズが整理されると、集客したいのがどんな人かという、お客様の具体的な像が見えやすくなります。
ニーズを整理するときは、既存顧客に対して次のような質問をすると良いでしょう。
また、顧客と接しているスタッフにもヒアリングすることでもヒントを得られます。
そして、自らにも問いましょう。
質問をしてニーズを整理し、ターゲットを決めましょう。
ターゲットを決めるときは、どんな人を集客したいのかを言葉に落とし込みます。言葉にするときは、ニーズを考慮して決めると良いでしょう。「〇〇という悩みがある人」、「△△の問題を解決したい人」、「〇〇したい人」、「△△になりたい人」のように言葉にしましょう。
集客したい人を明確にしたら、次にその人達に伝える情報を決めましょう。集客したい人をニーズをもとに決めたのであれば、何かしらの悩みや求めること、期待することがあるはずです。
問題を抱える人が解決した先に、望む姿があります。今や未来に問題があるわけですが、そうなるとお客様に見せるページでは、問題を解決するための答えを与えてあげると良いでしょう。
集客したい人に伝える情報を決定し、ページに反映します。ただ、既存ページをそのまま使おうとし、変更をするのは難しいときがあります。
既存ページで既に集客している人と、既存ページへ新たに集客したい人に伝える情報が同じような方向性であれば、予定通り既存ページを変更することを考えます。
方向性が同じでない場合は、予定している既存ページの変更は避けた方が良いかもしれません。基本的に、ターゲットが異なる場合は、伝える情報の方向性も異なります。
改善を考えている既存ページを、既存ページ A とします。サイトに他のページもあれば、既存ページ B、既存ページ C など他のページを変更することができないかを考えましょう。
他のページを変更することが難しいとき、もしくは変更するとなると既存ページ A しかない場合は、ページの変更ではなく「新しく集客したい人に合わせた新規ページ」を作成することを考えてほしいです。
大事なのは、既存ページを変更することに固執しないことです。ページは基本的に、ターゲットに合わせて用意するのが望ましいので、複数のターゲットに対して、1つのページで応えようとするのは難しいのです。
ターゲットが異なると基本的にニーズが異なるので、同じページで複数のターゲットに応えることはできません。
ページに出す情報は、ターゲットのニーズを基にして決めるのが基本ですが、ニーズに対して応える情報が多くなればなるほど、ページを作るのは難しくなります。
たとえば、ページに掲載するキャッチコピーにあたるメッセージを考える時に、ターゲットが複数の場合、ターゲット A のことを考えてつくるか、ターゲット B を優先した方が良いのかと迷いますよね。
ファーストビューの後に掲載する情報は、どちらのターゲットに合った情報にするかのような迷いが次々と出てくるわけです。
1ページで複数のターゲットに応えるページにしようとすると、ページを作る難易度は上がることを覚えておきましょう。
リスクがないと判断し、既存ページを改善するときのアクションは大きく分けて2つです。
ただし、情報の変更や追加で注意しなければいけないのは、既存ページに存在する良い箇所を変更してしまうことです。また、新しい情報を追加することで、既存ページにある良い箇所が目立ちにくくなることもあります。
既存ページを改善するときは、既存ページに集客している人の行動情報を参考にしましょう。
参考になるのは、ヒートマップツールで得られる情報です。ヒートマップを導入されていない方は、ページの今を知るために導入を検討されると良いでしょう。
ユーザー行動分析がひと目でわかる「ヒートマップ」とは?無料ツールと活用方法まとめ
サイト内コンテンツのユーザーの動きがわかるヒートマップの基本的な説明から、無料 / 有料ツールの比較表、ミエルカヒートマップを使った自社での事例、活用方法までを紹介致します。ヒートマップとは、コンテンツのどこがよく読まれているか(熟読率)、どこまで読まれているか(読了率)、どこがクリックされているのか(クリック)、ユーザーのマウスの動き(マウスムーブ)などのデータを色の濃淡で表現した可視化グラフです。
既存ページを変更すると、既にページを見ている人にとって良くない結果になることがあります。
今ページを見ている人のことを考えると、既存ページを変更するのではなく、新しいページを作成することも検討しましょう。特定の既存ページを変更することに固執しないことが重要です。
今回の記事を、ページを改善するときの参考にしていただけると嬉しいです。
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執行役員/インハウス支援室長
全国400社以上の研究会員の運用型広告・マーケティングコンサルティングを担当。養成講座では500人以上を教育。コンサル・講師・執筆業から、広告運用代行、ホームページ制作、システム開発まで担当。自社ビジネス成長のための製品開発、販売をする実践家でもある。自他ともに認める変わり者。徳島県出身。
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