Cookie が規制された、今後 Google Chrome でも Cookie 利用が廃止されるらしい、そんな話を聞いたことがある方も多いかもしれません。
私自身、Cookie 規制に関するニュースが出るたびに翻弄されるのですが、理解が甘く以下のような認識しかありませんでした。
Cookie がなくなったらリターゲティング広告は利用できなくなるの? Cookie が使えなくなるなら今後どうしたらいいの?そもそも Cookie ってなんだっけ?そういった疑問を解決すべく、ジッセン!さんのウェビナーに参加してきました。
Cookie 利用制限がもたらす Web マーケティングの変化
イントロダクションを除き、本セミナーは3つのセクションで構成されていました。
まず初めに「そもそも Cookie とはなんなのか」をご説明いただきました。
私自身、Cookie =個人を識別するものという認識はなんとなくありました。しかし、正確にはブラウザを識別するための ID で Cookie は以下の3つの要素で構成されているようです。
それでは実際にブラウザから Cookie データを確認してみましょう。
この画面に記載されている3つの構成要素は以下の通りになります。
Cookie とは、ブラウザを識別するための ID なので Cookie の利用制限とは、ブラウザを識別する ID の利用が制限されることと言い換えられます。
それが制限されるとなると、Cookie に代わる ID は何かを考えていかなければいけません。
冒頭で述べたように、日常生活でも恩恵を受けることが多い Cookie ですが、反面個人情報流出の可能性もあるため、プライバシー保護の観点で制限がかかっています。
Google 広告や Yahoo! 広告でも Cookie 利用制限の発表を受け、計測用タグの変更がありました。
続いてのセクションでは、これまでの内容を踏まえ「ファーストパーティーデータの重要性」のお話をしていただきました。
Cookie 全盛時代であれば、ユーザーがどういったページを見たかという情報から行動の捕捉をおこなうことができ、「この人はスポーツファンである」「この人はこんなニュースを見ている」などある程度のユーザー像を把握することができました。
しかし、Cookie の利用制限(=ブラウザを識別する ID の利用制限)がかかることでユーザーとブラウザを判別することが難しくなります。
その結果、ユーザーの解像度が下がってしまうため、どのようにユーザーを識別したらよいのかという問題が出てきます。
その問題を解決する一つが自社が保有するデータ(=ファーストパーティーデータ)です。
通販サイトを例に出すと、ユーザーの氏名(= ID)、年齢や性別(=属性)購入履歴から閲覧履歴(=行動)などがファーストパーティーデータに当たります。
大手 EC サイトの Amazon でもファーストパーティーデータを活用してユーザーが購入しそうな商品を表示していますね。
いままではユーザーを識別するために Cookie が利用されていましたが、制限がかかるため、ファーストパーティーデータを活用していきましょうということです。
広告運用者になって4年が経ちますが、どういう仕組みでリターゲティングできるのか、なんて考えたこともありませんでした。
だからこそ Cookie 利用制限でリターゲティング広告の配信量が低下するのか理解できていなかったわけですが・・・ここに来てやっと少しだけ理解できたような気がしました。
スライドにある、IDFA(Identifer For Advertising)/ AAID(Google Advertising ID)は、スマートフォン端末を識別するための広告識別子を指します。
サーバから直接発行していれば、現時点では影響はほぼないと考えて差し支えないということでした。
Java Script から発行したか、サーバから直接発行したか発行元によって制限の有無に差があるとのことです。
Cookie の制限がかかることは決して Cookie がなくなることではありません。
いつかリターゲティング広告が全く配信できなくなる未来があるのだろうかと不安に思っていたため、ウェビナーを通して Cookie への理解が深まり安心しました。
最後のセクションでは Cookie に代わる ID をどう活用していくかというお話をしていただきました。
一般的にユーザーは、初回訪問後、リターゲティングによる再訪問を繰り返すことで商品やサービスの購入に至ります。
そのためリターゲティングという手法はかなり有効なんですよね。
動的にサービスを見せる形式の動的リターゲティング広告などを活用することで、ユーザーに商品やサービスの具体的なイメージを湧かせることができます。これによりコンバージョンも多く獲得できています。
もしも、リターゲティングを一切使えなくなったら、広告経由のコンバージョン数は激減する可能性があります。
そもそもリターゲティングが必要なのかという議論もありますが、自分の普段の行動を思い返してみても、よく利用するショッピングサイトなどはブックマークやアプリインストール、メルマガ(LINE お友達)登録をしているんですよね。
リターゲティング広告経由でコンバージョンしたことはたしかにありますが、継続して利用を続けているサービスであればあるほど、リターゲティング広告以外の接点を持っています。
いかにファンになってもらうかという考え方には思い当たる節があります。
弊社でも昨年からオウンドメディア運営に力を入れていますが、そこから広告運用代行のお問い合わせが増加した実感があります。
実際に運用代行をお任せいただいたお客様の中にも「実はあのブログを見て」「かなり昔のセミナーに参加したことがあって」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
わたし自身の行動になりますが、利用度が高いサービスは以下の接点を持つことが多いです。
ユーザーに愛される=ファンになってもらうため、どうやったらメルマガ登録やお友だち追加してもらえるか、という観点で情報発信をするとよいのではないでしょうか。
リターゲティングが使えなくなるから何か手を打たなければならないと考えるのはもちろんですが本当に使えなくなる前に、ファンを獲得する、サービスを好きになってもらうという考え方は必要ですね。
広告運用者として、Cookie の存在はもちろん知ってましたが、その実 Cookie とはなんなのかあまり理解できていない部分が多かったため改めて学ぶ機会を得られ、これまでよりも理解が深まったと感じました。
また、知識がないことで認識の間違いなどに気付くことができたため、運用担当者として 最低限 Cookie の知識をつけようと思います。
実は、そもそもリターゲティングに依存していていいのかという点において、以前に参加した勉強会でも、リターゲティングに頼りすぎず、他の手法も考えようという話を聞いたことがありました。
その経験もあって、もともとリターゲティングってどうなの?成果がいいからといってこのままでいいの?とは思っていました。
今回のお話を聞いてよりその気持ちが強くなり、代理店の広告運用者として、リターゲティングの成果が悪くなったから、リターゲティングが機能しなくなったから、運用結果が悪くなっても仕方ないよね?ではいけないと改めて感じました。
最近は広告だけではなく、サイトについて・SEO について・オフライン集客について、マーケティング全般についてクライアントから相談をいただく機会も多いなと感じます。
広告運用者だけではできることは限られてくると思いますので、まずはクライアントにも情報共有を行い、ファーストパーティーデータの収集場所・収集方法の把握や、ユーザーが自ら再訪してくれるような設計作りを一緒に進めていきたいと思います。
SO Technologies が展開する人材育成サービス「ジッセン!」は、国内最大規模のユーザーが利用するデジタルマーケティング領域専門の e ラーニングサービスです。Web サイト運営/SNS/デジタル広告/EC/オムニチャネル/データ&アナリティクス/CRM/マーケティングなどの専門カテゴリーに分類された約200講座を公開中。個人・法人でのお申込登録が可能です。
広告運用 コンサルタント
2016年12月に九州の佐賀支社に入社。市役所でアルバイトしてたのに、気が付いたら広告運用を始めて、気が付いたら東京にいた人。新しい施策考えるのがすき、広告作成はもっとすき。絵心皆無のクリエイティブ担当。すきなものはカロリーと寝ること。
あなたの広告アカウントを無料診断します
広告アカウント診断詳細なお見積りをご希望の方はこちら
お問い合わせ支援事例などをまとめたサービス紹介資料はこちら
サービス資料のダウンロードはこちら