運用型広告を配信している方から、コンバージョンがなかなか獲得できないので、マイクロコンバージョンを設定してみた/設定しようか迷っていると相談されることがあります。
しかし、設定したマイクロコンバージョンでもコンバージョンが付かないや、そもそも正しいマイクロコンバージョンが設定できているか分からないという人もちらほらいます。
今回はそんな悩みを解決すべく、以下の流れでマイクロコンバージョンの基本から、設定する時に大事にしたい4つのことを10年以上の講師経験から伝えたいと思います。
目次
また、この記事での「マイクロコンバージョン」は、購入や問い合わせなどを最終的なゴール(=コンバージョン)とした時の、その前に起こる中間ゴール(=特定のユーザー行動)とします。中間ゴールには、特定のページへの流入や、特定のリンククリック、特定のページに3分以上の滞在などを設定します。
まずは前提として、マイクロコンバージョンを設定する2つの理由をおさらいしていきます。
広告を配信しても、最終的なコンバージョンが獲得できなければ広告の評価はできません。
獲得したいコンバージョンが発生しない/発生しにくいアカウントで、マイクロコンバージョンを導入すると管理画面のコンバージョン数が増える可能性があります。マイクロコンバージョンとは言え、きちんと数字として表れれば、広告の良し悪しが判断しやすくなります。
Google 広告や Yahoo!広告、Facebook 広告などには、入札を自動で最適化する自動入札機能があります。
自動入札機能は、コンバージョンやクリックなどの広告を出す目的に合わせて、オークションごとに適した金額を自動で設定する機能です。成果を出すためには、コンバージョンを目的とした自動入札であれば、一定数以上のコンバージョン数が必要になります。
たとえば、Yahoo!広告にある自動入札機能「コンバージョン単価の目標値」の場合、広告グループ単位で直近30日間にコンバージョン数が40回以上発生しているキャンペーンでの設定が推奨されています。Facebook 広告は、広告セット単位で7日以内に50回以上のコンバージョンが出るのが推奨です。
このようにコンバージョン目的の広告の場合は、自動入札機能がコンバージョンの数を求める事情があることから、マイクロコンバージョンを設定することもあります。
自動入札とは、 Google や Yahoo! のシステムが、キャンペーンの目的・入札戦略に応じて自動的に最適な価格で入札をおこなう機能です。設定の際に迷うと思うので、やりたいことと、それに対応する自動入札の選択肢を表にしてまとめました。導入することのメリットや注意点をあわせて記載したので是非参考にしてみてください。
ただやみくもにマイクロコンバージョンを設定しても、広告の成果は良くなりません。マイクロコンバージョンを設定し、広告運用で成果を出すためには4つのことをおさえておかなければいけません。
マイクロコンバージョンの数が増えても、取りたいコンバージョンの数が増えていないと意味がありません。
マイクロコンバージョンを設定しているのに、取りたいコンバージョンが増えていない場合は、設定しているマイクロコンバージョンが適していない可能性があります。マイクロコンバージョンの設定をして、取りたいコンバージョンも増えているかを今一度確認してみましょう。
マイクロコンバージョンを設定する時に、初めに検討したいのが、取りたいコンバージョンの前に表示されるページです。
たとえば、取りたいコンバージョンが購入の場合、購入前に入力する「カートのあるページへの到達」をコンバージョンにすることができます。購入前には必ずカートのあるページが表示されるので、他のページと比べると購入(コンバージョン)する確度の高い人を集められる可能性があります。
このように本来獲得したいコンバージョンと相関関係のあるマイクロコンバージョンを設定するのがポイントです。
サイトに訪れるユーザーの行動を予測してマイクロコンバージョンを決めることも重要です。サイトに訪れるユーザーがコンバージョン前に、どんな情報を見そうか、どのページを訪れそうかを考えます。
たとえば、来店の発生するビジネスの場合、来店する前にお店の場所を調べる目的で地図ページを見ている可能性がありそうです。この場合、「地図ページへの到達」をマイクロコンバージョンにすることが検討できます。
BtoB の場合は、取引する会社がどんな会社なのかを知りたい人が多いです。そうなると、会社概要のページを見ている可能性があります。この場合、「会社概要ページへの到達」をコンバージョンにすることを検討してみると良いです。
ユーザーの行動からコンバージョンを考える上で大事なのは、顧客の理解です。顧客の悩みや心境、知りたいと思うことを想像し、マイクロコンバージョンにできることを考えましょう。
顧客理解のためにできるのは、顧客に関する情報収集をし、情報をもとに「どんな人か?」を考えることです。既存顧客であれば、ヒアリングすること、アンケートを取ることができます。
他には、Yahoo! 知恵袋や教えて! goo のような悩みや疑問が投稿されている場で情報収集したり、顧客になりそうな人が訪れる場に足を運んで顧客を見たりするようなアクションも、顧客理解を目的とした情報収集として大切です。
アクセス解析ツールで得られるデータから、マイクロコンバージョンを決めることもできます。Google Analytics の場合、サイトに訪問したユーザーの行動をナビゲーションサマリーで確認できます。
以下のキャプチャは弊社の公式サイト( kwm.co.jp )を Google Analytics で見たものです。ランディングページ(TOP ページ)を訪れたあと、次に表示したページで多いのは会社情報のページ( kwm.co.jp/about )となっています。
広告から流入でコンバージョン獲得できているユーザーが1番多く訪れているページへの到達を、マイクロコンバージョンにできないかを考えてみましょう。
また、ヒートマップツールを導入すると、クリックしているリンクを確認できます。以下のキャプチャでは、ページの上部にあるナビゲーションメニューが多くクリックされている傾向が見られます。ブログや会社情報の箇所が赤く濃い色になっているので、特にクリックされているのが分かります。
特定のリンクのクリックもマイクロコンバージョンに設定できる対象です。ページへの到達以外の行動をマイクロコンバージョンにすることも考えてみましょう。
マイクロコンバージョンは設定することがゴールではありません。設定後は、必ずマイクロコンバージョンと取りたいコンバージョンの結果を分けて確認します。
マイクロコンバージョンを追加すると、取りたいコンバージョンとマイクロコンバージョンの両方が加算され、コンバージョンに表示されることになります。
そのため、広告を出して取りたいコンバージョンとマイクロコンバージョンの結果を分けて表示させ、それぞれのコンバージョンの結果を確認しましょう。たとえば、Google 広告の場合は「分類」機能にある「コンバージョン」を使うと、データを分けて確認することができます。
マイクロコンバージョンを設定して計上され始めたら、取りたいコンバージョンも増えているかを必ず確認しましょう。
マイクロコンバージョンが取れていて、取りたいコンバージョンも増えている場合は、このまま広告運用を継続して様子を見ましょう。取りたいコンバージョンにより達成したいことが新規顧客の増加や売上であれば、こうした広告を出す本来の目的の達成に繋がっているかも確認することが大事です。
マイクロコンバージョンが取れているのに、取りたいコンバージョンが増えていない場合は、マイクロコンバージョンとの相関がないことが考えられます。その場合、現在のマイクロコンバージョンを別のものにすることも検討しましょう。
また、マイクロコンバージョンすら取れてない時も、マイクロコンバージョンの設定を見直しましょう。
マイクロコンバージョンの設定に正解はありません。ネットで検索した結果をだけを鵜呑みにして設定するのは危険です。他者にとって適したマイクロコンバージョンが、みなさんにとっても機能するマイクロコンバージョンになるとは限りません。コンバージョンは多くの変数によって変わります。
変数として、取り扱う商品・サービス、サイト構成に内容、サイトで対象にするターゲットなどが挙げられます。他者とすべての条件が一致する場合は、全く同じマイクロコンバージョンを設定することも検討できます。
しかし、多くの場合は、企業規模や商圏などを含む前提条件が異なります。まずは、みなさんのサイトの状況でも適していそうかを考えましょう。
マイクロコンバージョンを設定することで、自動入札の学習が適した方向に進み、その結果、取りたいコンバージョンが増える可能性もあります。そのためにも、自社にとっての適したマイクロコンバージョンを探ることが大切です。
ただ、マイクロコンバージョンを設定しただけでは解決しない問題もあります。現在、コンバージョンが発生しなかったり、コンバージョンが少なかったりする原因は、広告の施策やサイトの内容にある可能性も考えられます。そのため、今取り組んでいる集客、サイトの取り組みを見直すことも併せて考えましょう。
広告の最適化においてマイクロコンバージョンを設定しようと思ったとき、今回の記事を参考にしていただけると嬉しいです。
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最新&実用的な運用型広告のノウハウを学び、実践する研究会です。相談、コンサルティングも対応。広告の問題やマーケティングの悩みを電話やZoomで相談できます。
執行役員/インハウス支援室長
全国400社以上の研究会員の運用型広告・マーケティングコンサルティングを担当。養成講座では500人以上を教育。コンサル・講師・執筆業から、広告運用代行、ホームページ制作、システム開発まで担当。自社ビジネス成長のための製品開発、販売をする実践家でもある。自他ともに認める変わり者。徳島県出身。
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