Meta 広告ライブラリを使えば、現在 Meta が提供しているサービス(Facebook や Instagram、Messenger、Whatsapp)で配信されている広告を見ることができます。
広告の透明性を保証するためのツールではありますが、使い方を工夫することで、広告運用者やマーケターにとって便利なツールにもなります。この記事では Meta 広告ライブラリの特徴や使用上の注意点を解説するほか、広告を検索するときに便利な機能、広告運用者やマーケターにおすすめの使い方も紹介します。
広告ライブラリとは、Meta が提供している各種サービス(Facebook、Instagram、Messenger、Whatsapp)に配信されている広告を見ることができるツールです。配信されている広告の詳細を開示することで、広告の透明性を維持しています。
広告ライブラリは誰でも無料で使うことができ、任意の語句や名称、Facebook ページ名で検索が可能です。
広告ライブラリでは、広告の掲載開始日、配信先のプラットフォーム、広告 ID といった情報から、広告に使用されたリンク先、広告文、画像や動画といった各種クリエイティブ、広告文やクリエイティブを使用した件数まで確認できます。
社会問題や政治に関する広告は、上記のものに加えて、広告の配信に使った金額(消化金額)や推定オーディエンスサイズ、リーチの内訳、ターゲット設定も確認することができます。
以下は、東京都庁の戦略広報課の Meta 広告を検索したものです。
表示された各検索結果の上部にある「広告の詳細を見る」を押すと、広告に関する詳細な情報を確認できるページに遷移します。
このページで確認できる情報には、ページやリンク済みのアカウントだけでなく、ページ履歴、ページを管理している団体、ページ管理者の主な居住国などもあります。
広告ライブラリは他社の広告を検索できる便利なツールですが、使用にあたって3つの注意点があります。
広告ライブラリでは、原則として配信中の広告しか確認することができません。そのため、ステータスをオフにしている広告や、配信が終了している広告、審査が承認されず配信できていない広告は、検索しても検索結果に表示されません。
広告ライブラリでは配信中の広告しか確認できないと解説しましたが、一部例外もあります。社会問題や選挙、政治に関する広告はそれ以外の広告と取り扱いが異なり、現在配信されていなくても、配信終了後7年以内であればその内容を確認することができます。
また前述の通り、広告の消化金額や推定オーディエンスサイズなど、通常の広告に比べて確認できる情報が多いことも、通常の広告と異なる点だといえます。これは選挙妨害を防止する目的で、Meta が情報の透明性の確保に注力しているためです。
広告ライブラリでは、キーワードを入力して広告を検索することができますが、その検索結果の見方にも注意が必要です。
広告ライブラリの検索結果には、検索に使用したキーワードを含む広告だけではなく、キーワードを含むページから配信されている広告や、キーワードを含む画像や動画が使われている広告も表示されます。
例えば「マーケティング」と検索すると、社名に「マーケティング」と入る弊社(キーワードマーケティング)のページから配信されている広告はもちろん、バナー(画像)内に「マーケティング」という文言を用いている広告や、広告文に「マーケティング」と入っている広告も検索結果に表示されます。
広告ライブラリでは、広告を検索する際に完全一致での検索や複数単語での検索ができるほか、広告が配信されている国や広告カテゴリでの絞り込み、フィルター機能を用いた検索結果での絞り込みや検索条件の保存といったこともできます。ここからは、広告ライブラリの便利な機能を3つ紹介します。
1つ目に紹介するのは広告の検索機能です。広告ライブラリでは、完全一致で検索すると指定したキーワードと完全に一致する広告を検索でき、複数の単語で検索するとすべての単語が含まれる広告を検索することができます。また、完全一致で複数の単語を組み合わせた検索もでき、複数の単語がすべて語順通りに含まれる広告を検索することもできます。
検索の種類 | 検索方法 | 検索結果 | 検索例 |
---|---|---|---|
一単語での検索 | 任意の一単語で検索 | 検索した単語を含む広告を表示 | マーケティング |
複数単語での検索 | 任意の複数単語で検索 | 語順関係なく単語すべてを含む広告を表示 | キーワード マーケティング |
完全一致での検索 | 引用符(“”)で単語を囲んで検索 | 単語を順序通りに含む広告を表示 | “キーワードマーケティング” |
複数単語の完全一致での検索 | 複数単語をそれぞれ引用符(“”)で囲んで検索 | すべての単語を順序通りに含む広告を表示 | “キーワードマーケティング”“Meta 広告” |
2つ目に紹介するのは、国と広告カテゴリで絞り込んだ状態での広告検索です。広告ライブラリでは、特定の国と広告カテゴリで絞り込んだ状態で広告を検索できます。国の選択は、デフォルトでは日本になっていますが、プルダウンから国を選択して、その国で配信されている広告に絞り込むことが可能です。
広告カテゴリの絞り込みも、設定方法は国の選択と同様です。国を絞り込んでからでないと絞り込みの設定ができないので、その点のみ注意しましょう。
3つ目に紹介するのはフィルター機能です。フィルターは検索結果画面で設定できます。フィルターには、言語、広告主、プラットフォーム、メディアタイプ、オンラインのステータス、開始日、終了日の項目があります。
以下はフィルターの各項目名と、各項目で選択できる条件をまとめたものです。
項目 | 選択できる条件 |
---|---|
言語 | ・すべての言語 ・各国の言語 |
広告主 | ・すべての広告主 ・検索結果に該当する各広告主 |
プラットフォーム | ・すべてのプラットフォーム ・Audience Network ・Messenger |
メディアタイプ | ・画像(テキストがない、またはほとんどない画像) ・ミーム(検索した単語が含まれる画像) ・画像とミーム ・動画(動画のトランスクリプトまたは広告コピー内のキーワード) |
オンラインのステータス | ・アクティブ ・非アクティブ ・アクティブな広告 ・アクティブでない広告 |
日付別インプレッション | ・開始日 ・終了日 |
実際にフィルターをかけて検索すると、画面右側の「フィルター」の下に現在設定しているフィルターの項目が表示されます。
また、検索条件は保存することができます。前述したフィルターの設定も含めて保存ができるため、繰り返し検索する条件は保存することをおすすめします。
前提として、広告ライブラリの本来の目的は広告の透明性を担保するためであるということは忘れてはいけません。そのうえで、ここからは配信中の広告が確認できる点を活用した、広告運用者やマーケターにおすすめの使い方を2つ紹介します。
1つ目の使い方は、広告の情報収集です。広告主が現在配信している広告について、使用されているクリエイティブや広告文、配信先プラットフォームなどを事前に確認することで、マーケティングや広告制作のヒントを得ることができます。
例えば、広告主との商談の段階であれば、事前に確認した情報を商談に活用することができます。広告配信前の段階であれば、広告のテキストを考えたりバナーを制作したりする際の参考にしてもよいでしょう。
また、既に広告配信をしている場合であれば、広告ライブラリの検索結果から流行りの広告の傾向を掴んで、現在配信している広告に反映させるといった使い方をしてもよさそうです。
2つ目の使い方は競合調査です。競合として意識している広告主のページを検索し、現在配信されている広告の広告文や使用されているクリエイティブを確認することで、広告の改善案を考える際に参考にすることができます。
Meta 広告を運用している場合、広告ライブラリを使うことで、競合が現在どのような広告を配信しているかを容易に確認することができます。それによって、自社の広告に足りない部分がないか、他社の広告と差別化できているかを比較し、広告の方向性などを検討することが可能になるのです。
ツールやサービスを工夫して使うことは、マーケターにとって必須のスキルといえます。しかし、そのツールやサービスが何のために提供されているものなのかを知らずに使っていては、本来の機能を十分に活用できず、宝の持ち腐れとなってしまいかねません。
広告ライブラリに限らず、ツールやサービスがそもそも何のために提供されているものなのか、本来の意図を理解したうえで活用するよう心がけましょう。
マーケティング
2021年5月に広告事業部に中途入社。クライアントの広告運用やマネジメント、オウンドメディアの記事執筆などを約2年経験する。2023年9月よりマーケティング部へ異動。趣味はスマホゲーム、Vtuber、アニメ、競馬、お酒など。
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