長年、講師を勤めているとランディングページの中でも1番目立つメインビジュアルとメインメッセージをどのように改善すればよいかと相談を受けることが多くあります。具体的には以下のようなものです。
第一弾の記事ではランディングページのヘッダーを中心に解説しましたが、今回はメインビジュアルとメインメッセージに絞って改善方法を紹介したいと思います。
メインビジュアルとメインメッセージの改善は、ランディングページのコンバージョン率を上げるために大事な取り組みです。もし、コンバージョン率で悩んでいるのであれば、この記事を参考にメインビジュアルとメインメッセージの改善に臨んでみてください。
ユーザーは、メインビジュアルとメインメッセージを見ることによって、何を取り扱っている会社・サービスなのかを理解します。
ランディングページの「顔」とも言えるメインビジュアルとメインメッセージは、他の画像やテキストよりも大きく表示することが多く、ユーザーに伝えたいことの中でも、特に伝えたいことを表現するパーツです。
弊社の研究会向けランディングページでいうと、ピンクの枠がメインビジュアルです。「運用型広告を中心としたマーケティングを学べる研究会」のテキストがメインメッセージになります。
メインビジュアルとメインメッセージは、ヘッダーの次の位置に大きく表示される目立つコンテンツです。ランディングページに訪れた人(顧客)の目に必ず入ってくるので、顧客に大きな印象を与える効果が期待できます。
顧客の目に必ず入るメインビジュアルが適していないと、顧客はその場で離脱する可能性が高くなります。
メインビジュアルで伝えることと、顧客のニーズ・欲求との間にズレがあると、顧客はランディングページで期待する行動をしてくれません。ランディングページの目的がコンバージョンの場合、コンバージョンの達成が難しくなるわけです。
コンバージョンの行動はもとより、ランディングページに訪れた時点で顧客の行動は終了してしまいます。そのため、メインビジュアルは、ランディングページの成否につながる重要なコンテンツになるのです。
メインビジュアルやメインメッセージをいきなり考え始めるのではなく、まずはターゲットを明確にしましょう。ターゲットが定まっていないと、情報の取捨選択ができず、ぼんやりとした雰囲気のランディングページになってしまうからです。
今回は、架空のオリジナルぬいぐるみ販売サイト「株式会社ビジョンメーカー」を例として説明します。
ターゲットをいきなり決めるのではなく、市場からセグメントを切り出し、ターゲットを考えるのが基本になります。商品やサービスを購入する人々が多くいる市場を、属性や状態でセグメントし、そこから更に誰に向けて届けたいかを決めるターゲティングをします。
上記イメージのように段階を踏んで、株式会社ビジョンメーカーの市場やセグメント、ターゲットを考えたのが以下の表になります。
市場 | セグメント | ターゲット |
---|---|---|
ぬいぐるみ市場 | ・年齢 ・性別(男性 or 女性) ・オーダーメイド or 既製品 ・自分用 or プレゼント用 ・日本製 or 外国製 ・高級品 or 安価 | ・年齢 (5歳から10歳) ・オーダーメイド ・プレゼント用 |
まずは、ぬいぐるみ市場から考えられるセグメントを洗い出し、その後、年齢とオーダーメイド、プレゼント用の3つのセグメントを抜き出して、ターゲットを「5歳から10歳の子ども(男女問わず)にオーダーメイドのぬいぐるみをプレゼントしたい人」としました。
ターゲットは、「5歳から10歳の子ども(男女問わず)にオーダーメイドのぬいぐるみをプレゼントしたい人」なので、何を提供できる会社かが分かるように、ぬいぐるみの画像を使うことを前提にします。
さらにプレゼントを送った対象が使っていたり、喜んでいたりする画像の方がターゲットがプレゼントを贈ったときのイメージが湧きやすくなります。
ターゲットがどんな目的で、誰に対してぬいぐるみをプレゼントするのかまでを考えてあげると良い画像が選べます。
メインビジュアルだけでなくメッセージも追加すると、ターゲットに伝えたいことをより効果的に伝えることができます。メインメッセージは、2ステップに分けて考えていきます。
みなさんがターゲットに伝えたいことは1つではなく複数あることも多いと思います。その場合、伝えたいことの中で、優先順位の高いものをメインメッセージにすることを考えましょう。
オリジナルぬいぐるみ専門店のメッセージとして考えられるのは次のようなことです。
1個から制作できることや幅広い動物に対応できることも伝えたいですが、お店として1番伝えたいのは、オリジナルのぬいぐるみを制作できることです。
そのため、複数あるメッセージの中で今回は「オーダーメイドでオリジナルなぬいぐるみを作ることができる」を選びます。
メッセージを考えたら、ターゲットにとってのメリットや価値になっているかを意識して変換しましょう。顧客にとってメリットや価値となる情報は、自社の強みや特徴とリンクさせて考える必要があります。
今回のターゲット「5歳から10歳の子ども(男女問わず)にオーダーメイドのぬいぐるみをプレゼントしたい人」のニーズの奥底にある真に求めている情報を考えてみます。
ニーズの奥底にある情報が何かを深掘りをするには、実際の購入者にヒアリングをしたり、質問サイトや検索サジェストで一緒に検索されている単語を見るとよいでしょう。一次情報から考えるのが鉄則です。自分の想像だけだと偏りが出てしまい、本来のニーズを満たすことができないからです。
例えば、お客様アンケートで「自分の息子が描いた絵がぬいぐるみになって嬉しかった」や「会社のオリジナルキャラクターのぬいぐるみを作ったら社員総会で盛り上がった」などの声があれば、オーダーメイドをより一層引き立てる言葉を追加できそうです。
例えば「オーダーメイドのオリジナルぬいぐるみを作成できる」をキャッチコピーになるように変換してみると、「オーダーメイドで世界にひとつだけのぬいぐるみを」のようなものが考えられます。
このように一次情報からメインメッセージをキャッチコピー化すると洗練されつつ、ターゲットに刺さる言葉になります。
サブメッセージは、メインメッセージを補完するものを意識するのがポイントです。メインメッセージを手助けするサブメッセージを追加すると、メインメッセージがより強く伝わります。
ぬいぐるみ専門店のメインメッセージが、「オーダーメイドで世界にひとつだけのぬいぐるみを」とします。その場合、補完する役割のサブメッセージは、「1個から制作可能」や「最短翌日お届け」、「送料無料」、「安心安全の素材使用」、「誕生日用のラッピング無料」などとすれば、個人の注文でプレゼント用ぬいぐるみを作りたいと思っている方に響く内容になりそうです。
メッセージを強化するときに考えるのも、もちろんターゲットのことです。ランディングページに掲載するメッセージ、コンテンツのすべてはターゲットにとって必要なものでなければなりません。
メインメッセージを補い、ターゲットがよりメリットを感じてもらえるようなメッセージにできないかを考えます。
ぬいぐるみ専門店の「オーダーメイドで世界にひとつだけのぬいぐるみを」がメインメッセージであったとしても、コンバージョンまで至らないかもしれません。そのため、コンバージョンの行動に向けてターゲットに対して伝えられるメッセージを強化する言葉がないかを考えましょう。
ぬいぐるみ専門店の場合は、「納期」や「ラッピング対応」などのメッセージも追加できるかもしれません。これらは、プレゼントを目的にぬいぐるみを購入したいと思っているターゲットにとってメリットになる言葉です。
サブメッセージを考えるとき参考になるのは、ビジネスにより掲載することがよくある言葉です。商品・サービスによって異なる「購入決定要因(KBF:Key Buying Factor)」があります。
ビジネスモデル(業種・商材)によって KBF は異なるので、自社にあったものを参考にして、サブメッセージを考えてみましょう。
メインビジュアルとメッセージはランディングページの中で目立つ顔のような存在です。
ランディングページに訪れたあとの最初の行動は、スクロール(スワイプ)かリンクのクリックですが、これらの行動につながるかどうかの鍵を握るのはメインビジュアルとメインメッセージになります。
メインビジュアルやメインメッセージの出来が、ターゲットに選ばれるかを決めるといっても過言ではないので、どんな画像にするか、どんなメッセージにするかを徹底的に考えましょう!
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執行役員/インハウス支援室長
全国400社以上の研究会員の運用型広告・マーケティングコンサルティングを担当。養成講座では500人以上を教育。コンサル・講師・執筆業から、広告運用代行、ホームページ制作、システム開発まで担当。自社ビジネス成長のための製品開発、販売をする実践家でもある。自他ともに認める変わり者。徳島県出身。
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