Web 広告業界初心者にとって「リスティング広告」は聞いたことがあっても、明確に定義を説明するのは難しいと思います。業界未経験で入社した3年前の自分がまさにそうでした。
この記事では、当時の僕のような業界未経験や新入社員に向けて、リスティング広告の超基本と仕組みや費用の掛かり方、自分で広告配信する方法、さらにメリットやデメリットとよくある質問までをまとめました。この1つの記事で「リスティング広告」が完璧に理解できるはずです。
目次
リスティング広告(検索連動型広告)とは、ユーザーの検索する語句に連動して、検索エンジン(Google や Yahoo! など)の検索結果画面の上下に表示されるテキスト広告です。広告表示オプションを用いることで、画像を1枚だけ表示できます。
リスティング広告を目にするユーザーは、自ら検索窓に特定の語句を入力し、情報を得ようとしている人です。すなわち、検索結果に表示される広告やコンテンツ(記事や動画など)の中に求めている情報(悩みや困りごと)がないか探しています。そのため、ほかの Web マーケティング手法に比べ、確度の高いユーザーにアプローチが可能です。ユーザーが「これだ!」と思えるような広告が配信できれば、自然と自社のページへ誘導できます。
また、リスティング広告には、Google が提供する EC サイト向けの「ショッピング広告」もあります。ショッピング広告は、商品の名称と画像、価格、セール情報などを記載できる広告で、通常のリスティング広告よりも上部に掲載されます。
リスティング広告の掲載面は、日本において Google と Yahoo! が一般的です。そのほかにも Microsoft が提供する Bing や 求人に特化した検索エンジン「Indeed(有料の求人広告のみ)」もあります。
Google と Yahoo! におけるリスティング広告の掲載面は、検索結果画面の上下はもちろん、それぞれの関連サイトや検索パートナーの検索結果にも表示されます。
掲載面\媒体 | Yahoo! | |
---|---|---|
媒体関連サイト | Google ショッピング、Google マップ など | Yahoo!ニュース、Yahoo!オークション |
検索パートナー | BIGLOBE、goo など | 朝日新聞 DIGITAL、exicite など |
ユーザーが検索した語句に連動して表示されるリスティング広告は、検索結果画面に複数表示されます。広告の個数は、検索語句や検索しているユーザーの環境(場所やデバイス、時間など)、競合の状況によって異なります。
そして掲載順位は、毎検索ごとにおこなわれる「広告オークション」によって、広告ランク(Yahoo!:オークションランク)が算出されて決定します。広告ランクが高い順に上位の広告枠が割り当てられる方法が一般的です。
Google の広告ランクの決定要素は6つ、Yahoo! のオークションランクの構成要素は2つあり、媒体によって基準が異なります。ただし Yahoo!広告は、「広告の品質」の中に含まれているさまざまな要素と入札価格を参考に、オークションランクが算出されます。
Google 広告の広告ランク決定要素 | Yahoo!広告のオークションランク構成要素 |
---|---|
・入札単価 ・広告とランディングページの品質 ・広告ランクの下限値 ・オークションにおける競争力 ・ユーザーが検索至った背景(コンテキスト) ・広告表示オプションやその他の広告フォーマットの効果 | ・広告グループやキーワードに設定した入札価格 ・広告の品質 ・推定クリック率 ・表示 URL の過去のクリック率 ・ランディングページの利便性 ・広告文と検索クエリーの関連性 ・広告が掲載された地域別の掲載実績(アカウント全体) ・インターネットユーザーの検索クエリー ・各種デバイス(PC,スマーフォン、タブレット)での広告掲載実績など |
各決定要素(構成要素)の詳細は公式ヘルプページを確認してください。
上記の決定要素(構成要素)によって、広告ランク(オークションランク)が決定しますが、その数値は広告管理画面上や外部のツールを使っても確認することはできません。
リスティング広告の掲載順位が決まる広告オークションの仕組みを例を用いて解説します。例えば、2つの広告枠に対し、4社が広告を出したいケースで考えてみましょう。
広告主 | 広告ランク |
---|---|
A 社 | 100 |
B 社 | 70 |
C 社 | 50 |
D 社 | 30 |
広告枠自体にも「広告ランクの下限値」が設定されています。今回の広告枠への掲載に最低限必要な広告ランクが30だった場合、D 社はそもそも広告を掲載する権利がありません。
広告主 | 広告ランク | |
---|---|---|
A 社 | 100 | |
B 社 | 70 | |
C 社 | 50 | |
―― 広告掲載に必要な広告ランク 30 の壁 ―― | ||
D 社 | 30 |
また、広告ランク上位の A 社と B 社が2つの広告枠を埋めるため、C 社はオークションに負け、広告の掲載ができません。
広告ランクの1番高い A 社は、B 社の広告ランク70を上回るのに必要な最低限の金額を支払と掲載順位1位で掲載されます。
広告主 | 広告ランク | 実際に支払うクリック単価 | ||
---|---|---|---|---|
A 社 | 100 | 広告ランク70に相当する金額+1円 | ||
B 社 | 70 | 広告ランク30に相当する金額+1円 | ||
―― 2つの広告枠の壁 ―― | ||||
C 社 | 50 | – | ||
―― 広告掲載に必要な広告ランク 30 の壁 ―― | ||||
D 社 | 30 | – |
広告ランクを高めることが、費用を抑えつつ広告効果を高めることにも繋がります。Google 広告の公式ヘルプページでも、広告の品質の重要性を説いています。
広告の品質はなぜ重要か
広告の品質は、さまざまな場面で広告の掲載結果を左右する重要な指標です。広告オークションの参加資格:広告の品質評価は広告ランクの下限値を決定する要素のひとつとなるため、品質の評価によっては、広告に掲載資格自体が与えられない場合もあります。
実際のクリック単価(CPC): 一般的に広告の品質が高いほど、クリック単価は低くなります。つまり、広告の品質が高いほど、1 クリックに対するお支払いを抑えられます。
広告表示オプションとその他の広告フォーマットの表示資格: 広告表示オプションとその他の広告フォーマット(サイトリンクなど)を表示できるかどうかは、広告ランクによって決まります。
つまり、広告の品質が高いほど費用が抑えられ、広告効果が高まります。Google 広告システムは、ユーザーが探している情報に合致する関連性の高い広告を表示することで、広告主様、ユーザー、パブリッシャー様、Google のすべてがメリットを得られる仕組みになっています。
引用元:広告ランクについて|Google 広告 ヘルプ
ユーザーにとっていい広告と思われるような、探してる情報(悩みや困りごとの解決策)に合致した広告の作成が、自ずと成果につながる広告になります。
▼ 掲載順位が決まる仕組みはこちら
ベテランが解説!リスティング広告の掲載順位の決まる仕組みと今後の向き合い方
リスティング広告の掲載順位は、広告ランクを基準にしたオークションで決定します。広告ランクは、入札単価、広告とランディング ページの品質、広告ランクの下限値、オークションでの競争度、ユーザーが検索に至った背景(コンテキスト)、広告表示オプションやその他の広告フォーマットの効果の6つの要素で決まります。広告主だけでは、コントロールしづらい要素なので、単純に1位を目指すのではなく、成果にコミットした運用を心がけることが重要です。
リスティング広告の運用をすることになったら、気になるのは費用です。リスティング広告の費用は、広告が1クリックされるごとに発生(=クリック課金制)し、キーワードのクリック単価(CPA:Cost Per Acquisition)とクリック数に応じて金額が変わります。
キーワードのクリック単価は、業界や商品、サービスによって異なります。競合の多さや販売する商品やサービスの LTV に対する粗利の大きさによって左右されます。
粗利が低い商品ではクリック単価が上がりにくく、粗利が高い商品ではクリック単価が高騰しやすい傾向があります。
例えば、「小麦粉 通販」というキーワードのクリック単価の遷移を見てみると、商品としては競合が多いにも関わらず粗利が非常に低いため、10年以上クリック単価は50円前後を常にキープしています。
競争度の高さは、平均クリック単価(平均 CPC)である程度予測がつきます。弊社がこれまで運用してきた実績をもとに参考値を算出してみました。これからリスティング広告を運用される方はぜひ参考にしてください。
競争度 | 平均クリック単価の目安 |
---|---|
低い | 数円から80円 |
普通 | 80円から200円 |
高い | 200円から500円 |
非常に高い | 500円から数千円 |
リスティング広告の費用は、平均クリック単価とコンバージョン率でおよその目安がつきます。
これまで数千アカウントの広告運用をしてきた結果、弊社では、toC と toB 企業のおよそのコンバージョン率の相場がわかってきました。案件によって変動はありますが、以下は弊社の実績をもとに算出したコンバージョン率の相場です。
広告の目的 | コンバージョン率 |
---|---|
資料請求 | 1%から10% |
EC サイトでの購入 | 0.5%から5% |
来店予約 | 0.5%から1% |
オンラインイベントの申込み | 1%から5% |
広告の目的 | コンバージョン率 |
---|---|
資料ダウンロード | 5%から15% |
資料請求 | 1%から3% |
無料デモ申込み | 0.5%から1.5% |
ウェビナー申込み | 1%から3% |
お問い合わせ | 0.3%から1% |
toB/toC 企業における、競争度とコンバージョン率から CPA を割り出す例を紹介します。自社でリスティング広告を配信する際の参考にしてみてください。
平均クリック単価 | コンバージョン率 | CPA |
---|---|---|
80円から200円 | 0.5%から5% | 1,600円から40,000円 |
平均クリック単価 | コンバージョン率 | CPA |
---|---|---|
200円から500円 | 1%から3% | 6,666円から50,000円 |
平均クリック単価 | コンバージョン率 | CPA |
---|---|---|
80円から200円 | 1%から3% | 2,666円から20,000円 |
リスティング広告もオーガニック検索(自然検索)における SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)も Web マーケティングの手法の1つですが、どちらも検索結果に表示されるもののため、よく比較されることがあります。
リスティング広告の出稿を考えた時に、「どちらから始めるべきか」や「リスティング広告は費用がかかるから、やらないほうがいいのでは」などの声があがることもあります。
しかし、リスティング広告とオーガニック検索における SEO は、短長期で考えると、どちらも並行して取り組みたい施策です。そのため、2つの特徴を理解した上で、自社のフェーズや予算にあった運用方法で取り組んでいきましょう。予算や人的リソースに限りがある場合や、いち早く成果を感じたい場合は、リスティング広告から始めることをおすすめします。
以下は、リスティング広告と SEO を意識したコンテンツ作成の比較表です。
項目\施策 | リスティング広告 | SEO を意識したコンテンツ作成 |
---|---|---|
即効性 | 早くて即日 | 最低1ヶ月から半年、1年以上 |
運用コスト | クリック単価によるものキーワードなどの改善にかかる費用 | メンテナンス費用(情報の更新や不足コンテンツの追加など) |
作成コスト | 広告を作成する費用 | コンテンツ作成費用(テキストや画像など) |
短期 or 長期施策 | 短期的 | 長期的 |
掲載時間や地域の指定 | 可能 | 不可能 |
AB テスト | 可能 | 不可能 |
ここでのポイントは、コストを「運用コスト」と「作成コスト」に分けている点です。リスティング広告と SEO を意識したコンテンツ作成を比較した時に、前者は有料、後者は無料と分類されています。
リスティング広告はクリックされるたびに費用が発生するため、永続的に運用コスト(掲載費用)がかかります。掲載前には、キーワードや広告文作成に人的リソースが作成コストとしてかかると考えられます。そのため多くの費用がかかる傾向があります。
一方で、SEO を意識したコンテンツ作成も、キーワードによってはリスティング広告以上に費用が発生します。一度コンテンツを作成し、上位表示ができれば終わりとはいきません。掲載自体には費用が掛からないものの、メンテナンス費用(情報の更新や不足コンテンツの追加など)は永続的にかかります。
また記事コンテンツであれば、作成コストは、テキストや画像以外にもキーワードの選定、構成の作成、編集、画像の作成などが費用として考えられます。そのため、掲載費用は無料でも、上位に表示させ、流入を得るためにはそれなりの費用が必要になります。SEO を意識したコンテンツ作成も無料ではないのです。
「オーガニック検索で1位を取れていれば、広告の無駄撃ちになってしまうのでリスティング広告はださなくてもいいのではないか」と考える方もいるかと思います。
たしかに、現在はオーガニック検索で1位を取れているかもしれませんが、Google の検索アルゴリズム(≒検索結果の表示を決めるルール)の変更によって、明日にも下位に落ちてしまうかもしれません。そこで、アルゴリズムの影響を受けないリスティング広告を出す意味があるのです。
ほかにも、リスティング広告は表示する広告文や遷移させるページが指定できるため、ユーザーの検索意図にあったものを提供できます。機会損失を起こさぬように、オーガニック検索が1位でもリスティング広告の出稿を検討してみてください。
▼ オーガニック検索1位でもリスティング広告を出すべき理由の詳細はこちら
機会損失を防ぐ指名キーワードでの広告配信。入札すべき4つの理由とポイントを紹介
指名キーワード(会社名やサービス名)で広告を配信すべき4つの理由と、予算などの関係で一部だけ配信を検討している方に向けた施策例を解説しています。
リスティング広告は少額の予算から始められる広告で、購買意欲が明確なユーザーに対してアプローチできるため、コンバージョン(購入や契約、資料請求)に繋がりやすいというメリットがあります。また、インターネット広告のため、配信の開始/停止や分析、改善もすぐにできます。
以下はリスティング広告のメリットとデメリットをまとめたものです。リスティング広告の活用する前に、メリットとデメリットを理解することで効果的な運用ができます。まずはざっくりとでも把握しておきましょう。詳しくは以下で説明します。
リスティング広告のメリットは大きく分けて5つあります。メリットを理解するために、リスティング広告の背景知識の仕組みやリスティング広告を見るユーザーの状況も併せて説明していきます。
まず始めに、リスティング広告のメリットとして挙げられるのが「購買意欲が明確な顕在層へアプローチできる」ことです。
リスティング広告は、ユーザーの検索語句に連動して表示されます。購買意欲が高い検索語句(トランザクションクエリや Do クエリ、Buy クエリ)で広告を表示すると、確度の高いお客様を呼び込めます。
購買意欲が高い検索語句(トランザクションクエリや取引型クエリ、Do クエリ、Buy クエリ)とは、Web 上で何かしらのアクションの実行意図のある検索語句を指します。
具体的には、「Web 広告 問い合わせ」や「Web 広告 資料ダウンロード」などが挙げられます。検索意図に応じた語句の分類は「ナビゲーショナルクエリ」や「インフォメーショナルクエリ」、「トランザクショナルクエリ」の3つに分類されます。
分類 | 定義 | 例 | 別名 |
---|---|---|---|
ナビゲーショナルクエリ | 特定のサイトを訪問したいという意図の検索クエリ | 株式会社キーワードマーケティング、Google 広告 | 案内型クエリ、Go クエリ |
インフォメーショナルクエリ | 1つないし複数の Web サイトで情報を得ようとする意図の検索クエリ | Web 広告 とは、Web 広告 はじめ方、Web 広告 コツ | 情報型クエリ、Know クエリ |
トランザクショナルクエリ | Web 上で何かしらのアクションを実行しようとする意図のある検索クエリ | Web 広告 問い合わせ、Web 広告 資料ダウンロード | 取引型クエリ、Do クエリ |
リスティング広告は、アクションが明確な検索語句を入力しているユーザーへ向けて配信できるため、コンバージョン(購入や契約、資料請求)に繋がりやすくなります。
リスティング広告の2つ目のメリットとして、最低出稿金額がなく、少額からでも始められることが挙げられます。
トータルで掛かる費用は、配信に設定するキーワードのクリック単価(=1クリックあたり発生する費用)によって変動しますが、最低金額などの規定は存在しません。そのため、地域に根ざした商売を営む事業者(街の美容室や接骨院、歯医者)なども活用しやすいインターネット広告です。
成果(=売上に繋がるコンバージョン)を得るためには、適切なターゲットや配信するキーワード選定などの設定は必要ですが、比較的少額(5万円から10万円)でも成果がでるのがリスティング広告のメリットです。
▼ 少額の予算でもリスティング広告で成果を上げるために準備すべきことはこちら
5万円から始めるリスティング広告。開始前に準備すべき10のこと
個人事業主や少数で店舗運営されている方に向けて、零細企業が5万円から10万円でリスティング広告をはじめるときにやるべき準備を紹介します。初めての場合は特に、予算と時間の制限があるので、広告の種類や商材は1つに絞り配信するのが良いでしょう。
リスティング広告は、顕在層へのアプローチに長けている広告であるため、他のマーケティング施策よりも比較的早くランディングページへの流入が見込めます。
マーケティング施策には、オンライン/オフラインイベントの開催や登壇、メルマガ、交通広告、テレビ CM、テレアポ、ホワイトペーパー作成、SEO を意識したコンテンツ作成など数え切れないほどあります。
先に比較対象として挙げた SEO を意識したコンテンツ作成は、成果を実感するまでに最低1ヶ月はかかるので、予算や心の余裕が必要になります。
一方で、リスティング広告は早ければ明日にも成果が出る非常に即効性の高い施策で、こちらもメリットとして挙げられます。
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初日からコンバージョンが狙える広告から始めよう。運用型広告4タイプで考える失敗しないための広告戦略ガイド
検索広告がすぐにコンバージョンを生み出す理由として、お客さんが欲しいと思った時に出る「タイミング広告」であることや、常に新しいお客さんの流入があることが挙げられます。運用型広告はまず4つに分けた上で、詳細に解説します。
リスティング広告は他のマーケティング施策や広告に比べ、配信開始/停止がすぐにできることもメリットの1つです。開始までに必要なものは以下の5つで、これらさえ設定できれば、ボタン1つで配信を開始できます。
また、配信の停止もボタン1つでできるため、他のマーケティング施策との兼ね合いを見て、一時的に止めるなども可能です。
設定で配信の開始日や終了日、特定の曜日のみだけ配信なども指定できます。EC サイト運営者であればセール期間のみの配信や、toB 向けの商材を扱っている会社であれば、平日の就業時間のみ配信するなども可能です。
リスティング広告を含む、ネット広告はリアルタイムで成果の確認ができるため、すぐに分析や改善に反映でききるのも大きな利点です。例えば、広告の管理画面では以下のような指標を確認できます。
確認できる指標 | 詳細 | 改善例 |
---|---|---|
インプレッション数 | 広告が表示された回数 | ターゲティングを広げる、予算を広げるなど |
クリック数 | 広告がクリックされた回数 | キーワードやターゲットの見直し、広告表示オプションの追加など |
コンバージョン数(CV 数) | 広告経由での商品やサービスの購入、契約数 | 広告文とランディングページの改善など |
クリック単価(CPC) | 広告1クリックあたりの平均費用 | 広告の品質を改善するなど |
各指標を確認し、成果の悪い場合は素早く PDCA を回すことができます。複数のキャンペーンや広告グループ、広告を使い分けて成果のでる広告を見極め、成果のいいものに予算を集めることも可能です。
また、月末や年度末に差し掛かり予算が余っている場合は、各指標を参考にして広告配信を強めることもできます。リアルタイムで成果の確認ができ、すぐに変更が可能なのもリスティング広告のメリットです。
ここまでリスティング広告のメリットを紹介してきましたが、もちろんいい話だけでなく、デメリットもあります。とはいえ、デメリットをカバーする方法も一緒に紹介するので、安心してください。
リスティング広告のデメリットとして、認知向き(潜在層向き)ではないことが挙げられます。リスティング広告を目にする人は、何かしらの目的をもって検索行動をする人で、抱えている悩みや不安が解決できるものを求めています。
そのため、まだ商品やサービスを知らない人への認知拡大が目的の場合には、あまり効果が期待できません。
認知を拡大する場合は、広告でのリーチ数(広告を見たユニークユーザー数)を最大化すべきで、潜在層に広告を配信できる、ディスプレイ広告や、SNS 広告、YouTube 広告を含む動画広告などが適しています。
ディスプレイ広告などでは、ターゲティングでユーザー属性(性別や年齢など)や興味/関心、リターゲティング/リマーケティング(自社サイトを利用したことがあるユーザーに対する配信方法)を用いることができるので、潜在層へのアプローチが可能です。
リスティング広告では顕在化しているニーズに向け、ディスプレイ広告などでは潜在ニーズを引き上げてコンバージョン獲得を狙うのが正攻法です。
▼ ディスプレイ広告についてはこちら
ディスプレイ広告とは?リスティング広告との違いやメリットデメリットからGDN&YDAの比較まで一挙に紹介
ディスプレイ広告とは、広告枠を設けている Web サイトやアプリ上に掲載される画像、動画、テキスト広告を指します。 バナー画像での表示が多いのでバナー広告と呼ばれたり、Web サイトのコンテンツによって表示される広告が異なるので、コンテンツ連動型広告とも呼ばれています。GDNとYDAの違いも詳しく解説しています。
▼ リターゲティング/リマーケティングについてはこちら
リターゲティングとリマーケティングって何が違うの?設定方法とポイントを詳しく紹介
リターゲティング、リマーケティングとは、サイト訪問・自社アプリのインストール・YouTube チャンネル登録や動画の視聴など、自社サイトを利用したことがあるユーザーに対して広告を配信し、再訪問を促す広告の配信手法です。Yahoo!やGoogleなど媒体によって呼び方は様々。配信実績と広告配信時の2つの懸念点、誰でも始められるようにキャプチャ付きで設定方法を解説してます。
検索した結果に表示されるリスティング広告は、検索されないことには効果を発揮しません。そのため、ユーザーが検索する回数によって表示回数が決まります。
広告を配信するキーワードを決め、指定したキーワードに完全に一致する検索をしたユーザーに広告を配信数とします。
例えば、配信するキーワードを「リスティング広告 運用」にしたとすると、月に480回の検索が見込まれるので、全ての検索で表示とクリックを獲得できた場合でも480件の流入にしかなりません。
検索回数によって獲得できる顧客の数に制限が出てしまい、「リスティング広告 運用」のキーワードだけで配信するといずれ頭打ちになってしまいます。
そのため、「リブランディング広告 運用」が含まれ、前後に他のキーワードが入っていても広告を配信する「フレーズ一致」や、登録したキーワードの類義語や関連語として判断された場合に配信する「部分一致」などのマッチタイプによる設定が必要になります。
以下は「リスティング広告 運用」で広告を配信するときに、「完全一致」と「フレーズ一致で」、「部分一致」を設定したときに、配信される検索語句の一例です。
マッチタイプの種類 | 配信される検索語句 |
---|---|
完全一致 | リスティング広告 運用 |
フレーズ一致 | リスティング広告 運用 会社東京 リスティング広告 運用 |
部分一致 | Google広告 運用検索広告で成果を出すコツ |
▼ マッチタイプの基本と使い分けの詳細はコチラ
マッチタイプとは?悩んだときに参考にしたい目的別の使い分け方を紹介
2021年6,7月にGoogle、Yahoo!どちらのも媒体で廃止になった絞り込み部分一致以外の3つのマッチタイプを丁寧に解説しました!登録キーワードと配信される語句の例も記載したので設定迷ったら参考にしてみてください。
リスティング広告と SEO を意識したコンテンツ作成の比較した時に上述した通り、リスティング広告には、運用コストが掛かります。
運用コストとは、広告を配信するための費用だけでなく、計測タグの設置や調整をしたり、配信結果を分析して改善したり、日々アップデートされる運用型広告の情報を学んだりするなどの人的リソースも含まれます。
広告を配信したら終わりではなく、継続的にコストが発生するので、長期的に予算を組む必要があります。
ただ、継続的にコストが掛かるとはいえ、その分利益が出ていれば問題ないので、クリック単価(CPC)やコンバージョン率(CVR)、顧客獲得単価(CPA)などの広告配信の結果を見て、概算を立てて運用しましょう。
また、日々アップデートされる運用型広告の情報においては各媒体のリリース情報を見たり、弊社のような運用型広告の代理店のオウンドメディアをチェックしたり、Twitter での情報収集でカバーしていくといいでしょう。もちろん、自ら手を動かし、日々管理画面にふれていることが望ましいです。
参考:新機能とお知らせ|Google 広告 ヘルプ
参考:ご利用中の広告主様へ|Yahoo!広告
検索数に表示回数が左右されるリスティング広告ですが、コンバージョンに繋がる可能性の高いキーワードは、競合も多く出稿しているため、1クリックあたりの単価が高くなる傾向にあります。
コンバージョンに繋がる可能性が高いキーワードは、検索行動をするユーザーが何かしらのアクションを起こそうとしているキーワードと言い換えられます。
例えば「リスティング広告 代理店」であれば、リスティング広告の運用代行を探しているユーザーが入力した検索語句だと予測できます。そのため、リスティング広告の運用代行をしている会社がこぞって広告配信をするため、比例してクリック単価が上昇します。
以下は、「リスティング広告 代理店」の月の平均検索回数とページ上部に掲載された時の入札単価(低額帯/高額帯)を Google のキーワードプランナーで調べたものです。
キーワードプランナーで調べた結果(過去の統計をもとにした結果)、「リスティング広告 代理店」で広告を配信するときには、1クリックあたり最低1,075円が必要だとわかります。もちろん変動はありますがコンバージョンする可能性が高いキーワードのクリック単価の高さがわかるかと思います。
このように広告を配信するキーワードによってクリック単価は高騰します。キーワードをかけ合わせることで、コンバージョンに繋がる可能性が高くかつ、クリック単価をおさえて配信できるケースがあります。
「リスティング広告 代理店」は競合が多い分野でもあるので、そもそものクリック単価が高くなっています。
toC 向けの商品やサービスであると、検索するユーザーのニーズを捉え、キーワードのかけ合わせを考えていくのがいいでしょう。例えば、「包丁」を探しているユーザーには、「包丁」単体のキーワードよりも「包丁 おすすめ」、「包丁 おすすめ」よりも「包丁 おすすめ 家庭用」と検索するユーザーの方が探しているものが明確です。
検索語句 | ユーザーの検索意図 |
---|---|
包丁 | 包丁の読み方や漢字、種類、選び方・特定のブランドの包丁を探している可能性もある など |
包丁 おすすめ | おすすめの包丁が知りたい、ただし、何に対しておすすめの包丁を探しているかは不明 |
包丁 おすすめ 家庭用 | 家で使用する包丁でおすすめのものがあるかを探している |
キーワードのかけ合わせによって検索するユーザーを絞ることで、競合の出稿量も減り、想定されるクリック単価(ページ上部に掲載された入札単価)が低くなります。
「包丁」単体でページ上部に掲載された入札単価(低額帯)が20円だったものの、「包丁 おすすめ 家庭用」の場合は6円まで下がっています。約4分の1の費用になりトータルコストを抑えることができます。
最後にリスティング広告のデメリットとして挙げるのが、広告を避けるユーザーが一定数いることです。リスティング広告は「広告」の表記があり、検索したユーザーも広告だと気づきます。広告に嫌悪感を抱いているユーザーからは避けられる可能性があります。
以下は JIAA がインターネット広告のイメージについて調査した結果です。テレビや新聞、雑誌などに比べインターネット広告は不快/しつこい、うっとうしいと感じているユーザーが多いことがわかります。
しかし、一概にインターネット広告が避けられているということではありません。メリットで紹介した通り、リスティング広告はニーズが顕在的になっているので、検索キーワードにマッチした広告であれば、むしろユーザーにとってはありがたいものになります。
上記で、インターネット広告を不快に思うと回答したユーザーの理由を調査すると、「広告の表示のされ方」や「広告の表現内容」、「ターゲティング」などが挙げられています。
また、ネガティブな特徴として、「記事の見出しの間の広告」や「自分の見た企業や商品ばかり表示される(=リターゲティング/リマーケティング)」などがあります。
これらはリスティング広告よりもむしろ、ディスプレイ広告や YouTube などの動画広告に多く見られる特徴です。
「広告」の表記があるリスティング広告は、明らかに広告だとわかりますが、顕在ニーズに対して的確な広告を配信できれば、コンバージョンは獲得できるはずです。
「広告を避けるユーザーがいるから配信しないほうがいいのでは」と過度な心配をする必要はないでしょう。
リスティング広告の特徴やメリット、デメリットを理解したところで、向いている/向いていない商材を紹介します。
まずはリスティング広告が向いている商材を紹介します。主に4つのパターンにわけることができます。
リスティング広告の特徴として、ユーザーのニーズが顕在化していると説明しました。そのため、ユーザーは検索をしている時点で何かしらの欲しいものがある状態です。仮にそれに時間的な成約があり急を要する場合は、よりニーズが高まっているはずです。
検索をした時に、上位に自分が欲しいものを満たす広告文が目に入ればクリックしない人はいないでしょう。
わかりやすい例として、家の鍵をなくしたり、閉じこめたりしたときに解決してくれる「カギの110番・カギの救急車」のようなサービスや、水が止まらない/出ないなどの「水道周りのトラブルを解決するサービス」などがあります。
このような「今すぐに解決しなければいけない」、緊急性が高く、ニッチなもの(≒普段の生活では頻繁に必要としないもの)はリスティング広告に向いています。
もちろん、成果を出すには、上位での掲載やユーザーの困りごとや悩みごとが解消される広告文があることが前提です。
2つ目にあげた「市場で突発的にニーズがあり、供給が間に合ってないもの」もリスティング広告に向いています。
市場で突発的にニーズが発生した場合、需要過多になっています。その状況下でユーザーが求めているものを供給できる企業は、リスティング広告で成果をあげやすいです。ある種、市場の需要を独占できるわけです。
例えば、コロナウイルスが流行し、飲食店がパーテーションやアクリル板を設置するようになりました。飲食店は急な飛沫対策に追われ、緊急事態宣言発令後から「パーテーション」や「アクリル板」の検索が徐々に増えました。
1回目の緊急事態宣言が発令され、需要が増え始めた2020年4月頃にリスティング広告を配信していたら、供給が追いついていない状態だったこともあり、ものすごく効果を感じられたでしょう。
しかし、需要がピークを迎えたときとすなわち、どの企業も供給体制が整っているため、競合企業も多くリスティング広告を出稿しています。大きな成果を感じることは難しくなります。
次に、客単価と粗利が高い商材を扱う企業もチャンスです。とはいえ、客単価と粗利が高い商材やサービス(美容整形やリフォームなど)は、競合も多くいます。競合企業が同じキーワードで出稿している場合、リスティング広告はクリック単価が相対的に上昇します。
しかし、クリック単価が高くても、1件でも契約や購入が決まれば利益が生まれます。ユーザーがニーズを顕在化させたタイミング(≒検索行動を取ったタイミング)でリスティング広告を表示し、ランディングページに呼び込むことが大切です。
客単価が低くてもリピート率が高い商品やサービスもリスティング広告が向いています。定期的に購入するサプリメントや化粧品などは、単価は低いものの継続的な購入が見込めます。
1回の購入あたりのリスティング広告の費用対効果が低いとしても、ライフタイムバリュー(Life Time Value:LTV)の観点から費用対効果が良く、成果を感じられるでしょう。
反対にリスティング広告が向いていない商品やサービスは、客単価が低く、リピート購入が見込めないものです。例えばスマートフォンケースなど、ブランド力のなく、目立った機能がない低価格(100円から1,000円ほど)のものです。
仮に、値段500円のスマートフォンケースを、検索語句「スマホケース」でリスティング広告を出した場合、16円の入札単価で配信できたとしても、31件(=500円÷16円)のクリックの内から1件でもコンバージョンを獲得しないと利益が出ません。
もし、20万円の広告費、クリック率10%、コンバージョン率5%であったときに、売上を計算してみると以下のようになります。
結果的には、広告費20万円使っても売上は31,250円になり、完全な赤字になってしまいます。人件費や雑費などの経費も考えると、粗利はなくむしろ売れれば売れるだけ赤字です。
客単価が低くリピート率が低い商品は、モールでの出品や別のアプローチを考えなければいけません。
リスティング広告は、代理店を介さなくても自分で登録し今日から始められます。日本国内でよく使われている媒体はGoogle 広告と Yahoo!広告です。この記事では、Google 広告の広告管理画面のキャプチャを用いて、リスティング広告の始め方を説明します。
まず初めに広告アカウントを開設します。 Google 広告を配信したい Google アカウントにログインした状態で「今すぐ開始」をクリックします。
次の画面で「エキスパートモードに切り替える」をクリックします。エキスパートモードに切り替えることで、Google 広告のすべての機能とキャンペーンタイプを使用できるようになります。
エキスパモードに切り替えたら新しいキャンペーン作成のためのビジネス名(省略可)と広告がクリックされた時に表示するページの URL の設定が求められますが、ここでは「キャンペーンなしでアカウントを作成」をクリックして次に進みます。キャンペーンは後ほど改めて設定します。
ビジネス情報の確認ページでは、広告費の請求先の住所国とタイムゾーン、通貨が問題ないか確認して、Google からの情報を受け取るラジオボタンは「はい」を選んでおきます。広告に関する最新情報や特典などが届きます。
「送信」をクリックするとアカウント設定は完了です。1分もかからずに終わります。次のキャンペーンの作成に入る前に、支払情報を登録します。
Google 広告管理画面の右上「ツールと設定」から「概要」を開き、「お支払いの設定」の各項目を埋めていきます。Google 広告で使えるクレジットカードは、American Express、JCB、Mastercard、VISA です。
クレジットカード情報を入力したら、規約を確認して「Google 広告の利用規約に同意します」をクリックし、最後に「送信」をして設定完了です。
お支払い情報の登録まで終わったら、次にキャンペーンの作成をします。Google 広告管理画面から「+新しいキャンペーンを作成」をクリックします。
キャンペーンの目標はコンバージョンの獲得を想定して、「見込み顧客の獲得」を選びました。広告を使って達成したいことを基準に目標を選びましょう。
「見込み顧客の獲得に関する情報の収集方法」は3つから選ぶことができます。広告からのフォーム送信と電話のお問い合わせは広告側の設定ででき、コーディングが不要のため誰でも簡単にできます。
一方で、ウェブサイトからのフォーム送信は、自社サイト内に顧客情報を入力してもらう欄を作る必要があります。必要に応じて選択し、次のキャンペーンタイプの設定に移ります。
キャンペーンタイプの設定では、リスティング広告を出稿するため「検索」を選び、目標をどのように達成するかは、自社の商品やサービスに合ったものを選択します。
ウェブサイトへのアクセスを促すのであればサイト URL を、実店舗への来店を促すのであれば次のページで住所を、アプリのダウンロードを促すのであればプラットフォームと該当のアプリを入力します。今回の記事では、ウェブサイトへのアクセスを選びます。
次の単価設定ですが、「コンバージョン数」や「コンバージョン値」、「クリック数」と「インプレッションシェア」から選択できます。ここでは推奨となっている「コンバージョン」を選びましょう。
ここで、コンバージョンアクションを設定していない場合は「コンバージョン」と「コンバージョン値」が選べません。以下の手順でコンバージョンアクションの設定をしましょう。
コンバージョン計測のためにアクション設定をします。画面左上部のメニューから「ツールと設定」をクリックし、「測定」メニュー内にある「コンバージョン」を選択します。
ページ遷移後、「新しいコンバージョン アクション」をクリックします。
次に、トラッキングするコンバージョンの種類を選択します。ここでは最も一般的な「ウェブサイト」を例に解説します。
「ウェブサイト」を選択すると、コンバージョン測定の対象とするサイトの URL の入力画面に切り替わります。指示に従って、サイトドメインを入力し、「スキャン」をクリックします。
ウェブサイトイベントから自動的にコンバージョンアクションを作成する方法と、コードを使用して手動でコンバージョンアクションを作成する方法が選択可能です。
ここでは手動で設定する方法を解説します。「+手動でコンバージョン アクションを追加」をクリックします。
コンバージョンアクションの詳細を設定する画面が開いたら、それぞれの項目の設定を進めていきます。
「目標とアクションの最適化」では、作成するコンバージョンアクションを分類するカテゴリの選択と最適化オプションの設定をおこないます。選択肢は、販売カテゴリでは「購入」と「カートに追加」、「決済手続きの開始」、「定期購入」があり、セールスカテゴリでは「連絡先」と「リードフォームの送信」、「予約」、「申し込み」」、「見積もりのリクエスト」、「ルート・乗換案内」、「離脱クリック」、その他カテゴリでは「ページビュー」と「その他」があります。
ここでは「お問い合わせ完了」をコンバージョンアクションと想定し、「連絡先」を選択しました。最適化オプションの設定については、ひとまずデフォルトで問題ないでしょう。
「コンバージョン名」では、任意の名前を設定します。アクションが具体的に分かる名前のつけ方をおすすめします。
「値」では、コンバージョンに割り当てる価値の設定をおこないます。EC サイトで売上の計測をするといった場合でない限り、値を設定しない「このコンバージョン アクションでは値は使用しない(非推奨)」を選んでも問題ありません。
「カウント方法」では、名前のとおり、コンバージョンのカウント方法を設定します。ECサイトで1人のユーザーの複数回の購入をそれぞれ計測したい場合などは「全件」、初回のコンバージョンだけを計測したい場合は「初回のみ」を選択します。
計測期間の設定では、例えばクリックスルーコンバージョンの場合、広告がクリックされてからコンバージョンを計測するまでの最大期間を設定します。
デフォルトで問題ありませんが、検討期間が長い商材の場合は、より長い計測期間に変更してもいいでしょう。「アトリビューション モデル」については、まずは「ラストクリック」から始めてみましょう。アトリビューションモデルについて、詳しくはこちらの記事で解説しています。
「完了」をクリックすると元の画面に戻ります。「保存して次へ」をクリックします。その後、トラッキングの設定をします。
「Google タグマネージャーを使用する」をクリックすると、「コンバージョン ID」と「コンバージョンラベル」が表示されます。それらをコピーして、タグマネージャーの該当箇所に入力します。その後トリガーの設定をして完了です。
Google タグマネージャーを使ったコンバージョン計測の方法は以下の記事で詳しく説明しています。参考にしてください。
▼ Google タグマネージャーを使ってコンバージョン計測をする方法はこちら
【最新版】GTMを使った、Google、Yahoo!、Facebook、LINEの広告コンバージョン計測方法
主要なインターネット広告媒体のコンバージョン計測タグをGoogleタグマネージャー(以下「GTM」と呼びます)を使って設定する方法を説明します。 また、各媒体の最新のコンバージョン計測タグの全体像をまとめていますので、新入社員以外の方も活用していただければと思います。
無事にコンバージョンの設定ができたら、次は配信先のネットワークと地域や言語を設定します。ネットワークは、検索結果画面にのみに出すので、「ディスプレイネットワーク」のチェックを外します。
その他の設定で開始日と終了日を決めたり、広告のスケジュールで特定の曜日や時間帯を指定したり、キャンペーン単位(=その配下に入る広告にも適用)で設定できます。
キャンペーンの設定が終わったら次に広告グループの設定をします。初めにキーワードを入力します。 Google 広告が初めての場合は、入力したウェブサイトの情報を参考に、Google 側がキーワードの候補を提案してくれます。
そのまま参考にして使用してもいいですが、初めは自社の商品やサービスにあったもので1個から5個くらいがいいでしょう。予算規模によって、徐々にキーワード数を増やすことを検討します。
キーワード登録でポイントになるのが、マッチタイプです。マッチタイプは、ユーザーが検索した語句と登録するキーワードがどのような条件下で広告を出すか決める設定です。
「登録するキーワードを含む検索」のときに広告を出せるので、「フレーズ一致」がおすすめです。フレーズ一致にする場合は、入力するキーワードを“”(二重引用符、ダブルクォーテーション)で囲んでください。
マッチタイプを設定すると、どのような動きになるかは以下の図で確認してください。仮に「芝刈りサービス」で広告を出すことになったら、完全一致では名称通り、同じ意味を持つ検索にのみ広告が表示されます。
フレーズ一致の場合は、意味を含む語句に反応して広告が表示されます。部分一致では、キーワードに関連する検索なので、「芝生 エアレーション 価格」でも広告が表示されます。
マッチタイプを任意で設定したら、遂に広告の作成です。見出しと説明文を入力していきますが、ここでのポイントは検索ユーザーの悩みや不安を解決してあげるテキストが書けるかです。
キーワードを入力したら、その下の画面で広告を作成します。最終ページ URL(広告をクリックした後に遷移するページ)と表示 URL のパス(ユーザーがクリックした時したときにページを明確に表すもの)、広告の見出し(3つ以上)、説明文2つ以上、サイトリンク(任意)、コールアウト(任意)、その他のアセット(任意)、広告の URL オプション(任意)を入力します。
画面の右側に広告のプレビューが表示されるのでユーザーからの見え方を意識しながら広告文を完成させましょう。プレビューの下には、Google からの広告に対する改善案も表示されます。適宜広告作りの参考にして下さい。無事に作成できたら「完了」をクリックして「次へ」を押します。
検索ユーザーは「どんな不安や不満があるか」や「どんな情報を求めているのか」を考え、答えとなる情報を見出しと説明文に入れた広告のテキストの構成を考えましょう。以下の記事も参考にしてみて下さい。
▼ 成果の出る広告テキストの考え方
成果の出る広告には守るべき掟がある!ステップ式で作る広告テキストの考え方
ステップ式で広告文を作るポイントとして、①調査、②セグメント分け・ターゲットの決定、③ターゲットのニーズを定義、④ニーズをメッセージへ変換、⑤各種媒体への出し分けがあります。セグメントとターゲット選定は広告テキスト以外にも活用できる基本です。記事を読んで考え方を習得してみてください。
広告文を作成したらあと一息です。次は予算の設定をおこないます。予算の設定は自社のお財布事情にもよりますが、あまりにも低い予算だとキーワードによっては表示されない場合もあります。
基本的には「カスタム予算の設定」で任意の予算を設定すれば問題ありません。リスティング広告の予算に関する考え方は、広告を出したいキーワードの単価を、キーワードプランナーを参考に決めたり、過去の実績をもとに決めたりします。もちろん、自社の商品やサービスが広告経由で売れた場合の費用対効果も考えて設定しなければなりません。
初めのうちはキーワードプランナーでキーワードの入札単価を確認して設定し、その後徐々に調整していけばよいでしょう。
仮に「リスティング広告」で調べてみると、ページ上部に掲載された時の低額帯で503円です。最低でもこのくらいの金額を1クリックあたりで見積もっておかなければいけません。高額帯が1,327円のため、低額帯を満たしているからとはいえ表示される保証はありません。
キーワードプランナーの数値は参考程度に、あとは運用しながら調整していく方法がいいでしょう。
広告の配信設定が完了し、配信結果を見て今後の戦略を立てていきます。その際につまずきやすいことが略語や専門用語です。ここでは最低限覚えておきたい単語を表にまとめました。上司やチームメンバー、お客様への報告などの際にも活用できるので、以下を参考にしてみてください。
略語や用語 | 意味 |
---|---|
表示回数(Impression/imp) | 広告が表示された回数 |
インプレッション単価(CPM:Cost Per Mille) | 1,000回表示された時にかかる費用 |
クリック率(CTR:Click Through Rate) | 広告が表示された回数の内、クリックされた割合 |
平均クリック単価/平均 CPC(Cost Per Click) | 広告1クリックあたりの平均費用 |
コンバージョン(CV:Conversion) | サイト訪問者が商品を購入したり、資料請求をおこなったりする、何かしらの行動(アクション) |
コンバージョン率(CVR:Conversion Rate) | Web サイトに流入したユーザーのうちコンバージョンに至ったユーザーの割合を示す指標 |
コンバージョン単価(CPA:Cost Per Action/Acquisition) | コンバージョン1件あたりにかかった広告費の単価 |
ROAS(Return On Advertising Spend) | かかった広告費に対して、広告経由でのどのくらい売上が上がったかを表す指標 |
ROI(Return On Investment) | 投資利益率と略され、投資した金額に対してどれくらいの売上をあげたかを示す成果指標 |
インプレッションシェア | 実際に広告が表示された回数を、表示可能だった回数(推定値)で割ったもの |
リーチ | 一定の期間に広告が表示されたユーザーの人数 |
フリークエンシー | 一定の期間に1ユーザーに対して広告を表示した回数 |
検索クエリ(検索語句) | ユーザーが検索したときに実際に使用した単語や単語の組み合わせ |
▼ 初心者必見!リスティング広告の運用で欠かせない略語・用語一覧はこちら
【ブクマ推奨】リスティング広告用語&略語まとめ!業界初心者へ向けて分かりやすく解説
リスティング広告に関わる用語と略語の意味をまとめました。広告の種類や混同しやすいCPCやCPA、各種ターゲティング名も網羅!業界初心者の方はブックマーク推奨です。
準備することが多いリスティング広告ですが、どうせやるなら大成功を目指したいものです。小手先の Tips よりも、まずは根本的な考え方で大切な5つのことをお伝えします。
まずは広告を出稿する目的と目標、各 KPI を明確にしましょう。何を目的にリスティング広告を配信するのかがハッキリしていないと、クリック単価を下げることに目的がすりかわってしまったり、見当違いの改善策に走ってしまったりします。
売上をあげることが目的なら、売上をあげるために必要な目標を決めます。目標は、「10件の商品購入を200,000円の広告費で達成する」など具体値を用いて決めるといいです。
さらにそこから KPI として「顧客獲得単価」を決めましょう。顧客獲得単価は、コンバージョン(商品の購入やお問い合わせなど)1件あたりどのくらいの費用で獲得するかの価格です。先ほどの例の場合、20,000円/件の広告費で達成できればいいことになります。
このようにより具体的な数字に落とし込むことで、達成しているか否かなど、今後の広告配信の判断ができるようになります。
目的や目標、KPI と同様にターゲット選定も大切です。求める成果が広告配信の結果として返ってくるためには、闇雲に広告を配信するわけにはいきません。
まずは、顧客の属性や状態でセグメントします。とある美容院が広告を出すとした場合、属性(年齢、性別、職業、住んでいる地域など)や状態(髪の長さなど)、目的(ハレの日用、普段用など)で分類します。
その後、セグメント中でも、今回のリスティング広告で狙うセグメントを決めます。美容院であれば、「20代男性、ショートヘア、普段用」の方や「30代女性、ロングヘア、結婚式用」などで絞ります。このようにセグメントを選び出すことを「ターゲティング」といいます。
ターゲットを明確にすることで、予算と時間の制限を解消し、ランディングページや広告文の作成にも活かせます。
検索行動をしているニーズが明確なお客様に確実にコンバージョンしてもらうためには、わかりやすい広告文が必要です。
お客様は解決したい悩みや不満を抱えて検索しています。そんな方に「あ!私のための商品/サービスだ!」と思ってもらえる広告文を作りましょう。そのためには、ターゲットが抱える悩みや不安を解決できるメリットを訴求する文章を、具体的に、短く、わかりやすく表示させなければいけません。
ターゲットからの1次情報や競合調査、ニーズの整理、それをメッセージに変換することが求められます。一気におこなうと混乱してしまうので、3つのステップにわけて考えてみるといいでしょう。
以下の記事では、リスティング広告のクリエイティブ作成方法を具体例を用いて解説しています。ぜひ参考にしてください。
▼ リスティング広告のクリエイティブ作成メソッドはこちら
リスティング広告のクリエイティブ作成メソッド。成果が出ない時の分析指標の考え方も解説!
リスティング広告のクリエイティブ作成は、①ユーザーを理解する、②自社が提供できることを当てはめる、③広告文としてまとめるで完璧!クリックされる広告文を作るコツもまとめて紹介します。
リスティング広告を配信したら、それで終わりではありません。リアルタイムで数値がわかる Web 広告は、配信結果を踏まえて改善を繰り返しおこなうことで、より良い成果に繋がります。
キーワードをもとに配信するリスティング広告は、コンバージョンした/しないキーワードを確認できるます。それらを参考に配信を強めたり(=予算を増やしたり、比重をかけたり)、無駄な配信になっているキーワードを除外したりすると費用対効果を高められます。
除外キーワードは、特定のキーワードで検索された時に広告を非表示にする機能ですが、むやみに設定すると機会損失に繋がってしまいます。除外キーワードの選定方法は以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
▼ 除外キーワードの選定と設定方法はこちら
広告運用フェーズ別の「除外キーワードの考え方」とは?マッチタイプの使い分けや4つの注意点を解説
除外キーワードとは、特定のキーワードで検索された時に広告を表示されないようにする機能です。除外キーワードを活用すると無駄な広告配信を減らすことができ、結果的にCPAをさげることができます。自社の商品・サービスのフェースによって異なる考え方があるので、あわせて確認してみてくだい。
最後に重要なことがリスティング広告の遷移先(リンク先)のランディングページです。ランディングページに訪れたお客様が「買いたい!」と思える情報を掲載し、すぐにでも購入やお問い合わせができるようにする必要があります。
以下はランディングページの基本となる構造です。リスティング広告から遷移後に、最初に目に入るファーストビューと呼ばれる箇所に「商材を一言でわかりやすく伝えるテキスト」と「メインイメージ」を配置し、その直下に購入やお問い合わせを促す CTA (Call To Action:行動喚起)ボタンを設置します。
ランディングページの作成で困った場合は、ヘッダーやメインイメージ・メッセージなどのパーツごとに考えると作成しやすいです。まずはヘッダーからランディングページを作成してみてはいかがでしょうか。
▼ ランディングページのヘッダーで最低限設定すべき3つの要素はこちら
【LP改善シリーズ】広告LPのヘッダーで最低限設置すべき3つの構成要素
検索広告のランディングページのヘッダーで最低限設置すべきは、ロゴとナビゲーションメニュー、CTAの3つです。顧客視点を取り入れ、顧客が期待している情報を記載し、効果的なランディングページを作成しましょう。
ここまでリスティング広告の特徴や配信設定、成果を出すコツなどさまざま説明してきましたが、正直、考えることもやることも多いです。もし自社での運用が難しいようであれば、広告運用の代理店へ相談してみるのもいいでしょう。
しかしその際は、きちんと実績があるかや自社の要望を叶えられるかなども含めきちんと代理店を検討しなければいけません。リスティング広告の運用を依頼するときは以下のポイントのチェックをおすすめします。
▼ 失敗しないリスティング広告代理店の正しい選び方はこちら
【LP改善シリーズ】広告LPのヘッダーで最低限設置すべき3つの構成要素
検索広告のランディングページのヘッダーで最低限設置すべきは、ロゴとナビゲーションメニュー、CTAの3つです。顧客視点を取り入れ、顧客が期待している情報を記載し、効果的なランディングページを作成しましょう。
広告運用代理店の弊社は、リスティング広告を検討している方からよく問い合わせや質問を受けます。中でも数多く寄せられる質問を広告運用者に聞き、まとめました。
Google 広告や Yahoo!広告は、最低出稿金額の定めはなく、月に数万円からでも広告の出稿が可能です。
一方で、コンバージョン単価(CPA)には相場があるので、どのようなアクションが何件必要かを一緒に考え、それを達成するための予算設定が必要です。
例えば、BtoB 向けのサービス資料のダウンロードは CPA 15,000円から30,000円ほどの範囲に収まるため、月100件のダウンロードを目指す場合、150万から300万円の広告費がかかることになります。(CPA:Cost Per Acquisition=1件の顧客獲得にかかる費用)
また多くの場合、広告代理店に広告運用を依頼すると、広告費に対して運用代行手数料が追加でかかります。運用手数料の相場は20%ですが、対応内容によって10%や15%で設定してる企業もあります。
手数料を踏まえるとトータルの費用は、「月に掛けられる広告費」と「その広告費の20%」が必要になります。
まずは先ほど紹介した「リスティング広告が向いている・向いていない商材」を参考にしてみましょう。その上で、すでに販売実績があり一定の評価を受けている商品であれば、リスティング広告を使うことで大きく成果を伸ばせる可能性は非常に高いです。
一方、注意が必要なのは新商品です。リスティング広告は、顧客に困りごとや悩みが発生し、検索行動を起こすことで初めてアプローチが可能になります。
需要がない(検索行動が発生していない)商品やサービスは、そもそも広告の表示機会がなく、需要は高くても競合優位性の低いサービスは、広告が表示されてもコンバージョンが発生せずに広告費だけがかかってしまう懸念があります。
自分たちの商品やサービスがどれだけ検索需要があり、どのくらいの CPA で獲得が可能か、広告代理店に相談することで調査できます。まずは複数の広告代理店に問い合わせしてみるといいでしょう。
予算が限られているならまずは Google から始めましょう。Google 広告の管理画面もわかりやすく、初心者でも比較的設定をしやすいからです。
慣れてきたり、予算が増やせそうであれば、Google 広告で成果の良いキーワードや広告文をそのまま Yahoo!広告に展開するとリスクも少なくおすすめです。
一方、一定以上の広告費(月額50万円以上)を用意できる場合は、Google 広告と Yahoo!広告を同時に始めることを検討してください。それぞれの媒体でしかアプローチできない層が一定数いたり、独自のターゲティング方法があったりするので、媒体を絞ることが機会損失に繋がる可能性もあるからです。
リスティング広告は、検索結果に表示される広告(見出し+広告文+URL)とその遷移先であるランディングページをセットにして入稿する必要があるので、遷移先の URL(ページ)がない場合は、出稿できません。
代替方法として、広告用でないページ(コーポレートページなど)も設定できますが、広告のランディングページが成果に与える影響は非常に大きく、失敗要因の代表例の1つでもあります。必ずしもおすすめはできません。
販売実績のある Web ページがあれば設定し、ない場合は広告用のランディングページの用意から始めましょう。
リスティング広告は、ニーズが顕在化したタイミングでアプローチできるため、検索キーワード単位では広告を配信したその日からコンバージョンが発生することも珍しくありません。
代理店への依頼を前提として、あえて目安を示すと、早くて1ヶ月遅くとも3ヶ月程度が必要です。ライバルの多い市場では、機械学習の学習期間がかかったり、競合の動きも大きく影響してくるため CPA の最適化までに時間がかかるからです。
僕自身も弊社に入社したときはここまでの理解度はありませんでした。上司に何度も質問し、本を読み、社内勉強ででてきた知らない単語を調べる日々でした。知識もスキルも一朝一夕で身につくものではありません。今回の記事で少しでも「リスティング広告」の理解が深まれば嬉しいです。
よく耳にするであろう「リスティング広告」。Web マーケティング業界で働いていたり、自社のマーケティング担当であれば、切っても切り離せない関係です。しかし、言葉の定義が曖昧であったり、リスティング広告の仕組みや成功のポイントが明確でなかったりした人も多かったのではないでしょうか?
マーケティング/編集長
2019年9月に編集者として入社。新卒は求人広告営業、その後は記事執筆・編集、採用を含むバックオフィス業務をやっていました。お弁当男子(おべだん)としてTikTokにてバズり中。見た目の割にトレンドには敏感。沖縄観光と都内の居酒屋に精通しているイケイケドンドン、少し心配性なオオクボです。
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