運用型広告

【設定項目別】リスティング広告で成果を改善する11のアクション

リスティング広告、特に検索広告の運用をしている部下から以下のような報告を受けるときがあります。

「CPA が悪いので、入札調整で対応します」
「CPA 改善のために、見出しの変更をおこないます」

たしかに間違った対応ではないものの、「もっとできることが他にもあるのにな」と感じます。CPA 改善にはどちらも大切な調整ですが、CPA が目標から大きくかけはなれているときや、目標未達が長期化しているときは、入札調整や見出しの変更だけでは、目標達成に十分なインパクトが出せないことも多いです。

今回は検索広告の打ち手の少なさに悩んでいる人に向けて、改善アクションを11個紹介します。基本的な項目の変更から、大きいインパクトを出したいときの施策まで解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

検索広告の成果を改善したいときに試したい11のアクション

今回紹介する改善アクションは以下の11個です。それぞれのアクションがクリック単価とコンバージョン率のどちらに影響するかも簡単にまとめたので、実施する際の参考にしてみてください。

CPA の改善に直接的に影響するのはクリック単価(CPC)とコンバージョン率(CVR)なので、今の自社のアカウントはどちらに課題があるかを把握したうえで、その項目を改善できるアクションを選びましょう。以下は改善の汎用性の高さや影響度、改善のやりやすさなどを加味した優先度順になっています。

No.改善アクションCPCCVR
1見出し・説明文・パスの追加
2マッチタイプの見直し
3検索クエリレポートの確認と除外・追加
4アセット/広告表示オプションをできる限り設定する
5スケジュール・デバイス・地域・時間帯別の比率調整
6配信面の絞り込み
7テキストを動的に変える機能の使用
8動的検索広告の使用を検討
9モニタリングを設定する
10入札戦略の変更
11媒体の追加を検討する
検索広告の成果を改善したいときに試したい11のアクション

1. 見出し・説明文・パスの追加

最初に、レスポンシブ検索広告の見出し・説明文・パスを上限数まで登録しましょう。現在は Google も Yahoo! もレスポンシブ検索広告が基本の広告タイプになっています。

レスポンシブ検索広告は、異なる訴求のテキストを多く登録するほど表示できる選択が増えるため、自動最適化がうまく働き、より成果が出しやすくなります。

Google レスポンシブ検索広告での設定ポイント

Google のレスポンシブ検索広告には「広告の有効性」という評価項目があります。広告の有効性とは、広告パフォーマンスの高さを測る指標の1つです。有効性が高くなるように見出し・説明文を設定することで、広告のパフォーマンスをより高めることができます。Google 広告ヘルプでは以下のように説明されています。

広告の有効性は、最適なパフォーマンスの実現のため、Google のおすすめの設定に広告クリエイティブがどの程度基づいているかを示すものです。広告の有効性が高いほど、広告の掲載結果を最大化できます

引用元:広告の有効性について|Google 広告ヘルプ

有効性の評価は、「未完了」、「低い」、「平均的」、「高い」、「非常に高い」の5段階です。広告の有効性は管理画面のデータテーブルや広告作成画面で確認できます。

広告作成画面では有効性を高めるための案内も表示されるので、案内に従って見出し・説明文を追加し、「非常に高い」の評価を目指しましょう。「非常に高い」にするのが難しい場合、少なくとも「高い」にすることをおすすめします。

管理画面の広告作成画面(クリックで画像拡大)

Yahoo!レスポンシブ検索広告には、Google 広告の有効性のような評価項目はありません。基本的には、Google で広告の有効性の高い広告テキストを作成し、同じ広告を Yahoo! にも登録する、という対応がおすすめです。

2. マッチタイプの見直し

特定のマッチタイプのみを使用している場合、マッチタイプを変更したり追加することで、成果を改善できるケースがあります。

部分一致からフレーズ一致・完全一致へ変更する

現在、部分一致のみを使用して CPA が高くなっている場合、マッチタイプをフレーズ一致・完全一致へ変更することで、成果が良化する可能性があります。

部分一致は3つのマッチタイプの中でも配信される範囲がもっとも広く、登録キーワードと一致しない検索語句であっても、関連性が高いと判断されれば広告の表示対象となります。関連性が高い検索語句を選定して配信されるものの、場合によってはコンバージョン見込みが低い検索語句に配信され、CPA が悪化する原因となってしまうこともあります。

検索クエリレポートを確認し、商材と関連性の低い検索語が多く入っているなら、より配信対象の狭いフレーズ一致や完全一致のマッチタイプに変更し、コンバージョン率の改善を図りましょう。

画像引用元:キーワードのマッチタイプについて|Google 広告ヘルプ

部分一致を追加する

自動入札の入札戦略を使用している場合は、部分一致を追加することで CPA が改善できる場合もあります。Google 広告ヘルプでは、自動入札を導入する際は、部分一致も併用することが推奨されています。

スマート自動入札と部分一致は併用することが不可欠です。なぜなら検索語句は千差万別で、それぞれの入札単価にはオークション時の固有のコンテキスト シグナルを反映する必要があるからです。スマート自動入札はこうしたシグナルを使って、部分一致でリーチ可能な関連検索のすべてについて、広告主様にふさわしいオークションに限って、適切なユーザーに対して妥当な入札単価で入札するようにしています。

引用元:キーワードのマッチタイプについて|Google 広告ヘルプ

つまり、部分一致で広範囲の検索語句に配信できる設定にして、かつ自動入札がさまざまな情報(デバイス、所在地、曜日時間帯、過去の検索語句など)をもとに広告配信する検索語句と入札価格を決定することで、登録したキーワードに縛られず、コンバージョン確度の高いユーザーからのクリックを得られるようになるため、コンバージョン数の増加、CPA の改善が期待できます。

3. 検索クエリレポートの確認と除外・追加

検索クエリレポートを定期的に確認し、検索語句の除外や追加をおこなって、配信対象をブラッシュアップしていきましょう。

商材と関連性の低い検索語句の除外

検索クエリレポートを確認し、商材と関連性の低い検索語句があれば除外しましょう。1つ1つの検索語句で使用している費用は少ないかもしれませんが、それがいくつも積み重なり、かつ長期間配信されれば、数万円、数十万円の費用を無駄に使用してしまう可能性もあります。

部分一致のキーワードを配信しているときは特に注意が必要ですが、フレーズ一致を使っている場合でも検索クエリレポートのチェックと除外キーワードの登録は定期的に行いましょう。

コンバージョン獲得キーワードの追加

コンバージョン獲得できている検索語句がキーワードとして登録されていなければ、キーワード追加を検討しましょう。同じ意味で言い方が違うだけのキーワードの登録漏れなどがよくあります。

例えば、「検索広告 代理店」というキーワードを登録していて、検索語句の「リスティング広告 代理店」にも表示されてコンバージョン獲得できているなら、「リスティング広告 代理店」もキーワード登録します。配信キーワードとして登録することで、そのキーワードの評価と調整がしやすくなります。

4. アセット/広告表示オプションをできる限り設定する

使用できるアセット(Google)/広告表示オプション(Yahoo!)はできる限り設定しましょう。アセット/広告表示オプションが表示されると、検索結果画面の画面占有率が上がって、クリック率の良化が狙えたり、各ニーズに対して、最適な遷移先へ誘導ができるので、コンバージョン率(CVR)の良化が期待できたりします。

またアセットや広告表示オプションを用いることで、ユーザーが広告をクリックする可能性が高まり、広告の品質があがることが予想されます。広告の品質が高ければ、クリック1回あたりの費用(CPC)は安くなります。

クリック 1 回あたりの費用: 一般に、広告の品質が高いほうが、クリック 1 回あたりの費用は安くなります。

引用元:広告の品質について|Google 広告ヘルプ

弊社が運用しているあるアカウントでは、サイトリンクを設定したときと外したときを比較した結果、クリック率が倍近く変わったケースもあります。Google 広告のアセットとYahoo! 広告の広告表示オプションの一覧は以下の通りです。

アセット/広告表示オプションGoogle 広告Yahoo!広告
画像アセット×
住所アセット×
アフィリエイト住所アセット×
コールアウトアセット/テキスト補足オプション
電話番号アセット/電話番号オプション
サイトリンクアセット/クイックリンク表示オプション
構造化スニペットアセット/カテゴリ補足オプション
価格アセット×
アプリアセット×
プロモーションアセット×
販売者評価×
リードフォームアセット×
Google 広告のアセットとYahoo! 広告の広告表示オプションの一覧

よく使うアセット/広告表示オプション

ここから、よく使われるアセット/広告表示オプションの設定ポイントを解説します。自社の商品やサービスに合わせて設定を検討してみてください。

サイトリンクアセット/クイックリンク表示オプション

サイトリンクアセット/クイックリンク表示オプションを設定すると、見出しと説明文とは別にテキストリンクを表示し、各ユーザーがより興味関心のあるページへ直接誘導できます。

サイトリンクアセット/クイックリンク表示オプションは、テキストリンクの他に、リンクの説明テキストも設定できるので、必ず説明テキストまで登録しましょう。

サイトリンクアセット(クイックリンク表示オプション)の表示例

説明テキストはリンク先にどんな情報があるか分かりやすくなるというメリットの他にも、広告の表示幅が大幅に大きくなり、より検索結果画面の画面占有率が上がるという効果があります。

価格アセット

価格アセットを設定すると、数種類の商品と価格を表示し、各商品のページへ直接誘導できます。ユーザーにサイト流入前に価格を把握してもらえるので、予算が見合うユーザーを誘導しやすくなりコンバージョン率良化が期待できます。

価格表示オプションの表示例

商品のバリエーションはできる限り多く登録しましょう。また、説明文には各商品の特徴を端的に説明するテキストを記載します。商品名やサービス名だけでは、各バリエーションにどのような違いがあるのか分からないことが多いです。各ユーザーをより適切な商品のページに誘導できるように、各バリエーションの違いが分かる説明文を心がけましょう。

画像アセット

画像アセットを設定すると、広告テキストの右側や下側に画像を表示できます。基本的にテキストだけが表示される検索広告の中に画像を表示できるので、ユーザーの目を引きやすくなり、クリック率の良化が期待できます。

有形商材であれば自社商品の写真を登録しましょう。無形商材の場合、サービスがどんなものかイメージできる写真、ユーザーがサービスを受けている場面の写真、ユーザーがサービスを受けた後のイメージ写真(ユーザーが望んでいる結果)などを設定するのがおすすめです。

画像表示オプション表示例

5. デバイス・地域・曜日時間帯別の比率調整

デバイス別や地域別、曜日時間帯別の数値を確認し、獲得効率が悪い項目があれば、マイナスの調整比率をかけたり除外したりといった対応をおこないましょう。管理画面の「分類」(Yahoo! では「分割」)機能を使えば、各項目で分割したデータを簡単に確認できます。

デバイス別

スマホの特徴として、PC と比べてサイト離脱理由が多い(移動中などすきま時間に調べていたり、アプリ・電話などスマホの他の機能に移動してしまうなど)という傾向があります。そのため、ほとんどの商材で、PC よりスマホのほうが CPA は高くなりやすいので、デバイス別の数値はすべてのアカウントで確認することをおすすめします。

目標 CPA を大きく超えている媒体があれば、マイナスの入札調整比率をかけて配信を抑えることをことを検討しましょう。ただし、ほとんどのアカウントでは PC よりスマホのほうがサイト流入数が多く、CPA が高くてもコンバージョン数は PC よりスマホのほうが大幅に多いことがあるので、マイナスの調整比率を大きくかけてしまうとコンバージョン数の減少につながる可能性もあります。

CPA とコンバージョン数の優先順位を考慮し、どちらを優先するか判断した上で調整比率を決めるとよいです。

地域別

店舗誘導の商材では、店舗の場所や競合店舗の位置関係などが影響し、地域によって CPA に差が出る傾向があります。都道府県別のデータ確認はもちろん、必要に応じて地区町村別のデータの確認や調整比率の変更をおこないましょう。

曜日時間帯別

緊急トラブル対応(水漏れ修理、鍵開けなど)のような電話コンバージョンがメインの商材では、電話対応時間外に広告を表示しても実際の問合せにはつながらず、売り上げへの貢献にはならないため、電話対応時間外の調整比率の変更や配信停止をおこないましょう。

また、BtoB 商材などで、ターゲットユーザーが自分の営業時間中に問合せする傾向がある場合、一般的な会社の営業時間外(20時~6時の時間帯や土曜日曜)は CPA が高くなることがあります。CPA の高い曜日時間帯にマイナスの調整比率をかけたり配信停止することで、成果を良化できるかもしれません。

6. 配信面の絞り込み

Google 検索にも Yahoo!検索にも広告掲載面を拡大する機能があり、デフォルトでは拡大する設定になっています。ただし、拡大した掲載面の CPA が高い場合もあるので、管理画面で数値を確認し、必要に応じて拡大しない設定への変更等を行いましょう。

Google 検索の拡大、「検索パートナー」

検索パートナーとは、Google と提携して検索結果に広告を掲載する検索ネットワークのサイトです。掲載 Network に検索パートナーを含める設定にしていると、BIGLOBE や goo などGoogle 以外のウェブサイトに広告が表示されます。

Google 広告の管理画面 > キャンペーンを選択 > 設定 > ネットワーク
Yahoo!広告の管理画面 > キャンペーンを選択 > キャンペーン設定 > 広告を表示する検索画面 

検索パートナーの成果は、管理画面のデータテーブルで確認できます。「分類」の「ネットワーク(検索パートナーを含む)」を選択すると、Google 検索と検索パートナーの成果を分割して確認できます。

キーワードマーケティングの自社広告例
データテーブル > 分類 > ネットワーク(検索パートナーを含む)

検索パートナーへの配信設定の変更は、キャンペーンの「設定」の「ネットワーク」から変更できます。検索パートナーの広告枠に配信しない設定は、「Google 検索パートナーを含める」のチェックを外して「保存」をクリックします。

キャンペーン > 設定 > ネットワーク

Yahoo!検索広告の拡大、「その他の検索」

その他の検索とは、Web サイト以外のインターネットコンテンツの検索を目的とする検索機能で表示される広告枠です。例えば、画像や動画などの検索、サイト内での検索、またはサイト上に表示されたキーワードに応じた広告表示の方式です。

その他の検索の成果は、管理画面のデータテーブルで確認できます。「分割」の「広告を表示する検索画面」を選択すると、ウェブサイト検索とその他の検索の成果を分割して確認できます。

キーワードマーケティングの自社広告例
データテーブル > 分割 > 広告を表示する検索画面

その他の検索へ配信設定を変更するには、キャンペーンの「キャンペーン設定情報」の「広告を表示する検索画面」から変更できます。「ウェブサイト検索のみ」にチェックを入れて「編集内容を保続」をクリックします。

キャンペーン > キャンペーン設定情報 > 広告を表示する検索画面

7. テキストを動的に変える機能の使用

広告カスタマイザ、キーワード挿入など、検索語句に合わせてテキストを動的に変える機能を使用すると、少ない工数でクリック率の改善やコンバージョン率の改善を狙うことができます。

広告カスタマイザ/アドカスタマイザー

広告カスタマイザ/アドカスタマイザーとは、検索広告の見出しや説明文をキーワードに合わせて任意にカスタマイズできる機能です。

例えば、新宿と渋谷に店舗を構えるカフェの広告を配信しているとします。「新宿 カフェ」というキーワードで検索された場合は「新宿のおしゃれなカフェ」という見出しを、「渋谷 カフェ」というキーワードで検索された場合は「渋谷のおしゃれなカフェ」という見出しを、それぞれの検索キーワードに合わせて表示させることができます。

ユーザーが検索している要素を広告文に含められるので、クリック率やコンバージョン率の最大化が期待できます。特にエリア名や価格などを広告文に含めたい複数店舗をもっているビジネスや、商品数の多い EC サイトなどで高い効果を発揮します。

また、店舗商材や EC サイト以外でも、検索語句と広告見出しを一致させる「タイトルイン」という手法を活用することで、クリック率・コンバージョン率の改善を狙えます。広告カスタマイザの詳しい設定方法は、以下の記事で解説しています。

▼ Google広告カスタマイザ・Yahoo!アドカスタマイザーについてはこちら

キーワード挿入機能/キーワードの自動挿入

キーワード挿入機能/キーワードの自動挿入とは、ユーザーの検索語句に合わせて、広告グループ内の登録キーワードが見出し・説明文に挿入される機能です。

例えば、「コート」というキーワードを登録して「おしゃれな(キーワード挿入)」という見出しを設定すると、「ロングコート」という検索語句で広告が表示された場合、「おしゃれなコート」という見出しの広告になります。

検索語句ではなく、登録したキーワードが挿入テキストとして使われる点を覚えておきましょう。登録キーワードがそのまま広告テキストとして使用されるので、広告カスタマイザよりも自由度は下がりますが、キーワード挿入機能のほうが設定方法が簡単で手軽に始められるというメリットがあります。

8. 動的検索広告/動的検索連動型広告の使用を検討

EC サイトのように商品の種類が多い商材では、動的検索広告を使うことで、獲得効率を改善しながらコンバージョン数を増やせる可能性があります。

動的検索広告/動的検索連動型広告とは、検索キーワードを登録する代わりに、広告対象となるページを登録して、動的に広告を配信する方法です。動的検索広告ではキーワードの選定・広告見出しの設定・遷移先 URL の登録が必要なく、すべて Web サイトのコンテンツ(ページ内容)に基づいて自動で作成・登録されます。

画像引用元:動的検索広告について|Google 広告ヘルプ

商品の種類がたくさんある商材では、1つ1つの商品に対してキーワードを選定したり広告文を作成するのは膨大な時間がかかってしまうため、全ての商品の広告を出せなかったり、最適化できていない場合もあるかと思います。

動的検索広告を使うと、各商品と関連性の高い広告見出しが動的に生成され、広告が表示される検索語句も自動で選定されるので、少ない工数で数多くの商品を最適な形で広告配信できます。商品の種類が多くて個別の最適化に手が回っていない状態なら、動的検索広告を活用することで大幅な改善が見込めるかもしれません。

9. モニタリングを設定する

検索広告のキャンペーンでオーディエンスリストをモニタリングで設定すると、各オーディエンスリスト別の成果を確認できます。

例えば、1つのキャンペーンに「旅行好き」「インテリア好き」「美容通」のオーディエンスリストを設定すると、「旅行好き」の属性を持つユーザーは、コンバージョン率が平均と比べて20%高い、「インテリア好き」の属性を持つユーザーは、コンバージョン率が平均と比べて10%低い、などの傾向がデータとして確認できます。

このデータをもとに、成果がいいオーディエンスリストにプラスの調整をすることで、コンバージョン見込みが高い属性のユーザーにだけ入札を強めて効率よく配信できます。自動入札が導入されているキャンペーンでは、この調整は自動でおこなわれているので、手動で調整比率を変更する必要はありません。

設定するオーディエンスリストは、リマーケティングリストと、コンバージョンリストの関連セグメントのリストがおすすめです。

リマーケティングリストとは、自社のサイトに訪問したことがあるユーザーのリストのことです。自社サイトに訪問したことがあるユーザー、つまり自社の商品サービスに興味関心を持っている可能性が高いユーザーなので、コンバージョン見込みが高いことが予測できます。このユーザーにプラスの調整をすることで、効率よくコンバージョン獲得できる可能性があります。ツールの「オーディエンスマネージャー(Yahoo! では「ターゲットリスト管理」)」から作成して、検索キャンペーンに紐づけましょう。

コンバージョンリストの関連セグメントは、同じく Google の「オーディエンスマネージャー」のページから確認できます。左のタブから「データの分析情報」をクリックすると、選択したオーディエンスリストの中に含まれるユーザーの属性(デモグラや購買意向、アフィニティの傾向)の情報を確認できます。

キーワードマーケティングの自社広告例
Google の管理画面 > ツールと管理 > オーディエンスマネージャー > データの分析情報 > 「分析対象のセグメント」でコンバージョンリストを選択(クリックで画像拡大)

関連セグメントの「インデックス」とは、一般的なオーディエンスと比べて選択オーディエンス内に該当の属性を持っているユーザーがどれだけ多いかを示しています。つまり、上記の画像の例では、「コンバージョンに至ったすべてのユーザー」のリスト内には、購買意向の強いオーディエンス「SEO、SEM サービス」の属性を持っているユーザーの数が、一般的なオーディエンスと比べて 3.4 倍多いのが見てわかります。

このように、データの分析情報でコンバージョンユーザーのオーディエンスリストを選択すれば、コンバージョンユーザーがどの属性を持つ傾向があるかを確認できます。

この購買意向の強いセグメント、アフィニティセグメントを検索キャンペーンにモニタリングとして設定することで、よりコンバージョン見込みの高いユーザー属性を見つけやすくなります。

10. 入札戦略の変更

成果の大幅な良化を狙うなら、入札戦略の変更も検討しましょう。手動入札から自動入札にしたり、自動入札の戦略変更をすることで、獲得効率が大きく改善する場合があります。ここでは、改善が見込まれる代表的な変更例を紹介します。

手動入札から自動入札への変更

手動入札で運用している場合は、自動入札に切り替えることで成果が改善する可能性があります。

自動入札は、検索ユーザーのデバイス、所在地、曜日時間帯、過去の検索語句などさまざまなデータを参考に、手動入札では不可能な検索1回ごとの入札の最適化をおこなうことができるので、手動入札よりも獲得効率の良化が期待できます。

ただし、自動入札には適したキャンペーン構造や調整方法があるので、単に手動入札を自動入札に切り替えただけでは良化しない場合もあります。

以下の記事で、自動入札の「目標コンバージョン単価」で成果を出すためのキャンペーン構造や調整方法の考え方を解説しているので、参考にしてみてください。

▼ 目標コンバージョン単価についてはこちら

コンバージョン数の最大化(クリック数の最大化)から目標コンバージョン単価への変更

自動入札の「コンバージョン数の最大化」や「クリック数の最大化」の入札戦略を使用している場合は、「目標コンバージョン単価」の入札戦略に変更することで成果が改善する可能性があります。

コンバージョン数やクリック数の最大化を目指す入札戦略は、コンバージョン数を大きく拡大していきたいときには有用ですが、CPA を下げたいときには適していません。一定の CPA を守りつつコンバージョンを獲得したいときや、今より CPA を下げることを目指したいときは、「目標コンバージョン単価」の入札戦略を使用しましょう。

「目標コンバージョン単価」の入札戦略では、設定された目標コンバージョン単価を維持しながら、可能な範囲でコンバージョン数が最大化されるように自動で調整されます。「目標コンバージョン単価」は、「コンバージョン数の最大化」の入札戦略を選択したうえで、「目標コンバージョン単価を設定」にチェックを入れて目標 CPA を入力することで使用できます。

キャンペーンを選択 > 設定 > 単価設定

11. 媒体の追加を検討する

もし Google 検索のみで配信しているなら、同じ設定で Yahoo! 検索も配信することを検討しましょう。逆に Yahoo! 検索のみで配信している場合も、Google 検索への配信を検討しましょう。

全く同じ設定で配信しても、媒体のクリック単価やコンバージョン率の差によって、現在配信している媒体よりも CPA が低くなる可能性があります。または、媒体を増やしたうえで、今の媒体で獲得効率がいいキーワードだけ取り出して配信することで、効率よくコンバージョンを増やすこともできます。

また、Google 検索、Yahoo! 検索のどちらも配信している場合は、さらに Microsoft 広告の追加を検討しましょう。Microsoft 広告は、Google 検索、Yahoo!検索と比べてクリック単価が低い傾向があり、良好な CPA でコンバージョン数を増やすことができる見込みが高い媒体です。

Google 広告の設定をそのままインポートできるので、配信準備も簡単にできます。以下の記事で Microsoft 広告の概要や始め方を解説しているので、参考にしてみてください。

▼ Microsoft 広告についてはこちら

改善アクションの引き出しをたくさん持っておこう

実施できそうな改善アクションはありましたか?この記事で施策の引き出しを1つでも増やしてもらえたら幸いです。

前半の基本的な項目は、すでに実施できている人も多いと思いますが、この機会に改めて確認しておきましょう。基本的な項目だからこそ、見直しがされずに古い設定がそのままになっている場合もあります。

後半は、検索広告の配信手法の活用や入札戦略変更、媒体追加など大きな変化が期待できる施策を紹介しました。基本項目の改善や見直しだけでは目標 CPA の達成が難しいような状況では、設定や配信先を大きく変えて、よりインパクトの大きい施策にチャレンジしていきましょう。

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記事を書いた人

志村
志村

広告事業部 マネージャー

2015年4月に新卒として入社。2019年にマネージャーに昇格。広告運用の仕事をメインに、現在はサイト改善提案やブログ執筆にも力を入れている。数値をもとにしたサイト改善提案が得意。趣味は動画を見ること、ゲームをすること。

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