前任者から仕事を引継いだときに、以下のような経験をしたことはありませんか?
引継ぎ1つとっても、大事なお客様には迷惑をかけたくないですよね。弊社では、お客様を不安な気持ちにさせないために、誰でもスムーズな仕事の引継ぎができる「引継ぎシート」を作成しています。
この記事では、弊社のノウハウをもとに、初めての引継ぎでも問題なく進められる方法を紹介します。引継ぎは、前任者の協力はもちろん後任として担当する人も責任感をもって取り組む必要があります。引継ぎの際の心得や、完璧におこなうために必要な5つのステップを参考に、気持ち良い引継ぎができるようにしましょう。
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仕事において引継ぎとは、業務を担当していた前任者から、新しい担当者へ業務やノウハウ、前提条件を含む情報などを受け渡すことを指します。
引継ぎがおこなわれるシーンはさまざまですが、特に多いのは異動や退職によって担当者が変更するタイミングです。
担当者の変更自体は特に問題ありませんが、企業として仕事を引き受けている以上、受注側の都合によってミスやサービスの品質を落とすなどは起こってはいけないことです。
スムーズな引継ぎができないと、お客様の満足度が下がる可能性があります。最悪の場合、契約解除や企業のイメージダウンに繋がる恐れもあります。
例えば、前任者がお客様から要望を受けて特別に作成していたレポートがあった場合、引継ぎのタイミングでレポートの作成が漏れると、「新しい担当者は対応が不十分だ」とお客様は思ってしまうかもしれません。
前任者と比べてサービスのクオリティが下がった印象を抱き、特に不満に繋がることをしていないはずなのに、関係が悪くなってしまいます。
不満がたまり、満足度が低下すると、これまで築いてきた信頼関係は崩れてしまいます。また、前任者では大事に至らなかった些細なミスでも、不満が積み重なり、ほかに魅力的なサービスがあれば、契約の乗り換えや契約解除といった結果に繋がることも考えられます。
お客様一人一人に合わせたサービスは、付き合いが長いほど多くなりやすいため、前任と後任の差を感じやすいです。だからこそ、担当者が変わったことを感じさせないような引継ぎが重要なのです。
スムーズな仕事の引継ぎをおこない、社内外から信頼されるために心に留めておきたい3つのことがあります。それぞれを強く意識して引継ぎに臨むと、お客様に迷惑を掛けずに安心してもらえます。
はじめに引継ぎ業務の責任者が誰か決めておきましょう。誰が何をやるのかなど、引継ぎを進めるためには必ず責任者をおいたほうが良いでしょう。弊社の場合、引継ぎをおこなう際は、後任者が責任をもって進めることになっています。
引継ぎした時点からお客様は自分の担当になるので、「何があっても自分の責任」という気持ちで業務に取り組んでいます。仮に前任者の時代の業務でも、引継ぎ後にミスが発生すれば後任者の責任となります。正直なところ、お客様からすると、依頼した内容が問題なくできていれば誰がやってもいいので、誰のミスであっても、ミスはミスとして捉えられます。
逆も然りで、引継ぎ後に前任者のおかげで発注が増えたとしても、成果は前任者ではなく後任者のものになります。このように引継ぎ後は、良くも悪くも後任者が責任を負うべきと考えておくといいでしょう。
もちろん前任者は、引継ぎの責任が後任者にあるからといって、投げやりになってはいけません。気を利かせて協力するようにしましょう。
次に「前任者から聞いていない」という言い訳は通用しないことも必ず心に留めておきましょう。引継ぎ後は、社内外の関係者から担当業務について、いろいろ聞かれることがあり、担当者として回答する責任があります。
引継ぎ後は、「前任者から聞いていない」や「前任者時代のことなのでわからない」とならないようにしましょう。もしお客様の前でこのような言葉を口に出すと、無責任な印象を与えかねません。
そのため後任者は、引継ぎのタイミングで前任者に徹底的にヒアリングしましょう。過去のレポートや現在の設定などを一通りチェックして、気になるものや確認しておきたいことは、必ず確認しておきましょう。
前任者に聞けばわかることをお客様に聞かないことも大事なことです。担当が変わったとはいえ、お客様に商品説明を何度も繰り返させるのは失礼です。
「引継がれてない」という印象を持たれてお客様の満足度を下げないように、これまでのやりとりや決定事項、やっている個別対応やその背景など前任者に聞けばわかることは、あらかじめ前任者に聞いておきましょう。
後任者はお客様とスムーズにコミュニケーションが取れるように、前任者に抜け漏れなくヒアリングして、遠慮せずに必要な資料作成やデータまとめを依頼しましょう。
なお、退職などの場合は、前任者とコンタクトが取れないこともあります。そんなときは、前任者の上司に情報提供や協力を依頼しましょう。業務の責任は、引継いだときから後任者のものになります。緊急時であっても要求する権利はあります。後任者として、責任を全うしようとする前向きな姿勢は大切です。
ここからは具体的な引継ぎ方法を紹介していきます。
スムーズに引継ぎをするには、全部で5つのステップがあります。引継ぎが決まってから引継ぐまで、十分な時間がないことが多いうえに、やることもたくさんあります。限られた時間で引継ぎを完了させるために以下の流れに沿っておこなうことをおすすめします。
この5つのステップの具体例として、運用型広告の代理店の弊社での取り組みを紹介します。弊社では、お客様1社ごとに1名の担当者が基本的にいます。メインの担当者がお客様との窓口をしながら、広告運用などの業務も担当しています。
もちろん他にも、関連業務を補佐する部下や佐賀支社のメンバーがいますが、お客様のことを全て知っているのはメイン担当者であることは間違いありません。
弊社ではメインの担当者が、上記の5つの流れで引継ぎをおこない、自社の方針変更やお客様満足度の向上のために、スムーズに引継ぎができるようになっています。
まずは、後任者が引継いでほしい内容を Excel や Google スプレッドシートにまとめて、前任者に入力してもらいましょう。業界や業種により多少変わりますが、引継ぎシートに記載する内容は以下を参考にしてもらうといいと思います。
引継いでほしい事柄がイメージできない場合には、前任者が日々おこなっていた業務を聞いておくとよいです。ヒアリングした内容を翌日から実践できるかをイメージして、わからないものを聞いていくといいでしょう。運用型広告の代理店である弊社では、以下のようなシートを用意しています。「ファイル」から「コピーを作成」で、マイドライブにダウンロードできます。
運用型広告では、成果指標のほか、サンクスページの URL をまとめておいたり、終了日の設定変更や通算予算設定の更新が必要ないかなどもまとめておくといいです。
業務に必要な資料はもれなく共有してもらいましょう。PDF などのオンラインファイルは、アクセスできるように、権限を付与してもらったドライブにまとめてもらいましょう。
以下は弊社で引継ぎをおこなう際に、前任者から後任者へ共有される主なファイルです。これ以外にもお客様との間で取り扱っている資料やデータがないかを確認しておくといいでしょう。
特に気をつけたいのは、前任者の PC ローカルに保存されたままアクセスができなくなるということです。
共有ドライブのどこかにあれば探し出すことができるかもしれませんが、ローカルに保存されたままでは見つける術がありません。社外で管理されているドライブがあれば、アクセス権限も忘れずに付与してもらいましょう。
その他、過去のやり取りで重要なメールがあれば、念のため転送してもらっておくといいです。デジタルデータだけでなく、紙などの資料があれば忘れずにもらっておくようにします。
引継ぎシートや資料をまとめてもらったら、前任者と引継ぎミーティングを実施します。効率的にミーティングが実施できるように、後任者はあらかじめ引継ぎシートや資料に目を通しておくといいでしょう。よくわからなかったところ、曖昧になっているところを質問としてまとめておきましょう。
ミーティングでは、引継ぎシートに記載してもらった基本的な情報も、前任者から改めて説明してもらうといいです。馴染みのない業務は特に注意が必要で、そもそもの目的や仕組みなども遠慮することなく質問して教えてもらいましょう。またお客様の業界特有の事柄などもあれば聞いておくといいです。
過去の内容がある程度理解できたら、今後のスケジュールを決めておきます。各業務を後任者が引継ぐ日程や、具体的な日を決めます。曖昧なままで引継ぐと、業務がおこなわれないまま放置されてしまう恐れがあるので、日程は必ず具体的にします。ミーティングを終えた後でも、疑問があれば解決するまで前任者に聞きましょう。
引継ぎミーティングが終わったら、前任者と一緒に社内外の関係者に挨拶しにいきます。まずは前任者から担当者変更の挨拶をしてもらい、後任者を紹介してもらうとスムーズです。必要に応じて、前任者もしくは後任者の上司がフォローの連絡をするとなおいいでしょう。
挨拶の際に伝えておくといいことが2つあります。1つは「前任者と引継ぎミーティングを実施済みであること」と、もう1つは「重要事項などは再度お伝えしてしまうかもしれないこと」です。
引継ぎの話を聞いた関係者の心配事は、これからも今まで通りに業務が進行できるかということです。相手を不安なままにさせるよりも、繰り返しになっても重要なことははっきりと伝える方が、相手の不安を払拭できます。引継ぎが完了していることを伝えて、相手を安心させるコミュニケーションを意識しましょう。
なお、挨拶は引継ぎミーティングの翌日ぐらいにおこなうのが理想です。タイミングを見計らっているといつまでも連絡できず、気づいたら引継ぎ直前という場合もあります。周りに迷惑をかけないようになるべく早くおこないましょう。
そして、ChatworkやSlack、Teams を使用している場合は、関係者への挨拶が終わったタイミングで招待してもらいましょう。
業務を今まで通りおこなうことも重要ですが、後任者は新しい視点で業務を俯瞰することもできます。改善できる点に気づいたら積極的に提案しましょう。
無事引継ぎが終了し、業務がはじまりお客様からの信頼が得られるまでは、前任者のやり方を踏襲して問題ないですが、引継ぎが落ち着いて信頼関係ができてきたら新しい提案をしてみましょう。
前任者と違う視点での提案は、お客様に喜んでもらえることが多いです。業務に積極的な姿勢であることが伝わるうえに、担当者が変わったメリットを感じてもらえるからです。前任者がおこなったものの中には「改善の余地がある」という前提で、改めてチェックしてみましょう。そして、さまざまな業務を新鮮な視点で見ていく中で、改善できそうなものを、積極的に提案しましょう。
なお、提案の際には、簡単にこれまで取り組んでいなかった理由と、今やる理由を説明できるとよりよいです。
私が新卒で入社した2016年頃の弊社には引継ぎフローが整備されてなく、引継ぐ側・引継がれる側どちらにとっても荷が重い業務でした。
非効率なフローのまま進む引継ぎは、どこか抜け漏れがありそうでトラブルが起きるのではないかといつも心配でした。しかし会社全体で、引継ぎの方法を整備した結果、今では苦がなくできるようになりました。私も引継ぎシートのベース作成を担当しましたが、引継ぎシートやフローなど、さまざまな人の意見を参考にした結果だと思っています。
この記事を読んでいる皆さんは、引継ぎをおこなうことになって困っている方がいるかもしれません。ぜひこの記事を参考に引継ぎをしてみてください。大変なこともありますが、ピンチはチャンスです。応援しています!
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広告事業部 マネージャー
2016年4月に新卒入社。入社10カ月で代表滝井直属の広告運用チームに異動。 入札調整や広告文作成から、サイト改善提案まで代表から直接指導を受ける。 toB/toC比率は半々で、アプリ広告も担当。特に好きな媒体はFacebook広告。 海外旅行が好きで、アメリカ横断経験あり。趣味は服映画ヨガアート猫もろもろ。
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