Instagram の投稿で、写真上に商品名が表示される「商品タグ」を見たことがありませんか?この商品タグ、ユーザーがタップするとその商品の詳細ページに移動して、そのまま購入までできてしまう優れものです。
そしてこの「商品タグ」を設定する機能が、今回紹介する Instagram の「ショッピング機能」です。
この記事では、Instagram ショッピング機能はどういったものかをはじめ、ショッピング機能を使うための「3つの条件」や6ステップでできる始め方を紹介します。
EC サイトを運営している方はぜひともチェックして商品の販売に役立ててくださいね。
Instagram のショッピング機能とは、Instagram の投稿に商品タグをつけることで、ユーザーを投稿から直接 EC サイトの商品ページに誘導できる機能です。
以下の図のように、投稿の画像をタップすると商品タグが表示され、その商品タグをタップすることで商品ページに誘導できます。
ショッピング機能を使うことで、ユーザーが投稿の画像から商品購入ページに直接移動できるため、購入までの導線がシンプルになります。
以下の表は Instagram の投稿を見てから商品を購入するまでに必要なアクションの数を、ショッピング機能と通常の投稿で比較したものです。
ショッピング機能を利用した場合 | 通常投稿のみの場合(一例) |
---|---|
投稿を見る | 投稿を見る |
投稿をタップする(商品タグが表示される) | 投稿からプロフィール画面に移動する |
商品タグをタップし、商品詳細に移動する | プロフィール画面の EC サイトの URL を タップする |
商品詳細から EC サイト内の商品ページに 移動 |
遷移先のページで商品を探す |
商品を購入する | 商品ページに移動する |
– | 商品を購入する |
通常投稿のみの場合だと、EC サイトに移動してからもう一度商品を探す必要があるため、購入までの時間も長くなってしまいます。
一方で、ショッピング機能は投稿の画像から直接商品購入ページに移動できるため、購入までにかかる手間が大きく減り、ユーザーが商品を購入しやすくなるといえます。
商品タグは、通常の投稿だけでなく、広告にも付けられます。また、以下のように1つの画像内に複数設置できるのも特徴です。
1つの投稿や広告だけで複数の商品の宣伝や購入につながるため、商品にあわせて一つ一つ投稿を作って商品タグを付けて・・・といった作業をしなくてもよいのが嬉しいですよね。
「広告を見て、ほしい商品の商品タグをタップし、購入」というように、Instagram 内だけで商品の発見から購入までつなげられるため、商品の購入率も上昇しやすいといえます。
「投稿の画像から直接商品ページに移動できることで商品が買われやすくなる」というメリットをはじめ、ショッピング機能を活用するメリットはほかにもあります。
まずは、ショッピング機能を活用するメリットとして以下の3つを紹介するのでしっかりと理解しておきましょう。
Instagram ショッピング機能の最大の特徴は、Instagram で商品に関する投稿を見たユーザーを商品の購入ページに直接案内できることです。
気に入った商品を見つけた瞬間に購入ページにユーザーを案内できるため、ユーザーにとっては「買ってみよう」と思い立ったタイミングで商品を購入できます。
逆に企業にとってはユーザーが買うことを思い立ったタイミングで購入をすすめられるため、ユーザーと企業の双方にとって都合がよいといえるでしょう。
ショッピング機能の利用には費用がかからないこともメリットです。
商品を自社 EC サイト以外に掲載しようとした際の手段として、モールサイトへの掲載が挙げられます。こうしたモールサイトへ掲載する場合は、月額費用や販売手数料といった費用が発生することがあります。
しかし、Instagram ショッピング機能を使えばこうした月額費用や販売手数料がかかりません。無料で自社 EC サイト以外のプラットフォームに商品を掲載でき、そこから購入に誘導できるため、予算が少なくても導入ハードルが低く始められます。
3つ目のメリットは、データの分析がしやすいことです。
ショッピング機能を導入していない場合、ユーザーは Instagram で見た商品を Google や Yahoo! などの検索エンジンなどで検索して購入する必要があります。
その場合、サイトに来たユーザーが Instagram の投稿をみて検索したのかそれ以外の要因で検索したのかが判断できず、Instagram の投稿がどの程度売上に貢献したかを分析しにくくなります。
ショッピング機能の場合は Shopifyなどのカートシステムと連携することで、投稿からどの程度商品が購入されたかの直接効果を分析しやすくなります。
商品購入の導線をシンプルにしてくれるショッピング機能ですが、利用するには3つの条件があります。
利用に向けた準備を始める前に、まずは自社がこれら3つの条件に当てはまっているかを確認しましょう。
アルコールやギャンブルなどの年齢制限があるものやアダルトコンテンツ、違法な商材、さらにはサブスクリプションサービスや求人情報といった無形商材もポリシー違反のため掲載できません。
まずは以下の一覧を見て、「禁止されているコンテンツ」の中に自社の商材が含まれていないかを確認しておきましょう。
禁止されているコンテンツ(一覧) |
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|
Instagram ショッピング機能は商品タグをタップすることで EC サイトの商品購入ページへ誘導するため、EC サイトを持っていることが条件になります。
Instagram チェックアウトという機能を使えば Instagram 上でそのまま決済できますが、Instagram チェックアウトはアメリカのみで使える機能で日本では提供されていません。
今後 Instagram チェックアウトが日本に導入される可能性もありますが、現状日本では EC サイトが必要です。
Instagram ショッピング機能が提供されているのは、以下の国や地域のみです。
エリア区分 | 国名 |
---|---|
北米 | カナダ、米国 ※ただし、以下の5つの地域は除く。 米国領サモア、北マリアナ諸島自治連邦区 グアム、プエルトリコ、米国領ヴァージン諸島 |
ラテンアメリカ | ブラジル、メキシコ |
ヨーロッパ | デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア オランダ、ノルウェー、スペイン、スウェーデン スイス、ウクライナ、英国 |
アジア太平洋 | オーストラリア、インド、インドネシア 日本、韓国、台湾、タイ |
日本はこの中に含まれているためショッピング機能を利用できますが、海外向けに販売する目的でショップの所在地をサポート対象外の国に設定していた場合は、ショッピング機能が利用できない可能性があります。
ショップの所在地が表内の地域に含まれるかは、あらかじめ確認しておきましょう。
Instagram ショッピング機能を利用するには以下の方法でおこないます。
ここからは、実際の Instagram 画面を参照しながら、ショッピング機能を導入するときの流れと、導入時の注意点を紹介します。
まず、Instagram プロフィールページの右上にあるメニューをタップします。
次に、「アカウントの種類とツール」をタップし「プロアカウントに切り替える」を選択しましょう。
プロアカウントに切り替えると当てはまるカテゴリの選択画面に移動するので、カテゴリを選択します。その後、クリエイターかビジネスを選択する画面が表示されるため企業の場合はビジネスを選択しましょう。
最後に連絡先情報を登録すれば、プロアカウントへの移行は完了です。
続いて、Instagram アカウントと Facebook ページを連携します。なお、この Facebook ページの開設が完了していない方は、以下の記事を参考に開設を済ませておきましょう。
Facebookページとは?わかりやすい作成方法と6つの機能を紹介|キーマケのブログ|株式会社キーワードマーケティング
Facebook ページとは、主に企業などの組織が自社商品の宣伝や顧客とコミュニケーションをおこなうために利用できるページです。
Facebook ページを開設したら、まずは Facebook ページ上の「設定とプライバシー」を選択します。
次に、「アクセス許可」の中にある「リンクするアカウント」を選び、Instagram で「アカウントをリンク」をクリックしましょう。
最後に、リンクする Instagram アカウントのユーザー名とパスワードを入力すればリンク完了です。
Instagram ショッピングを利用するには、設定する EC サイトの所有権が自分にあることを証明するための認証作業が必要です。
そのため、設定中に「ウェブサイトのドメインを認証してください」という表示がされたらドメイン認証をおこないましょう。
ドメイン認証については以下の記事で詳しく説明しているので参考にしてください。
【画像で解説】 Facebook ドメイン認証とは?必要性と設定方法を解説|キーマケのブログ|株式会社キーワードマーケティング
Facebook ドメイン認証とは、ドメインの所有者であることを Facebook 側に認証してもらうための作業です。ドメイン認証をおこなうことで、セキュリティ対策や広告効果の正常な計測ができるようになります。
続いて、Facebook コマースマネージャを使ってショップの開設をおこないます。このコマースマネージャは、Facebook と Instagram での商品販売に使えるツールです。
まず、Facebook ページ上から Meta Business Suite に進み、「すべてのツール」から「コマース」に移動します。
コマースマネージャが立ち上がったら、「ショップを作成」を選択し項目を入力しましょう。
最後に「設定を終了」をクリックするとショップが開設されます。
次に、コマースマネージャから「商品を追加」を選択し商品カタログを作成しましょう。
作成するカタログ名を入力し次へをクリックします。
必要に応じてカタログへアクセスできるユーザーを追加したら、商品のアップロードをおこないましょう。
商品のアップロードは、スプレッドシートなどを使った「データフィード」という仕組みで登録する方法と、手動で商品情報を入力し追加する方法があります。商品を多く取り扱っている EC サイトの場合は、データフィードから一括で登録することをおすすめします。
なお、データフィードに関しては以下の記事に情報がまとまっているので、あわせて確認してみてください。
商品の登録が完了したら Instagram に戻り、Instagram プロフィールの「プロフェッショナルダッシュボード」から「ショップ」を選択しましょう。
「開始する」をタップして情報を入力し、最後に「審査を申請」をタップすると Instagram にショッピング機能の審査を申請することができます。
あとは、審査の完了を待てば作業完了です。
審査が完了すると、投稿に商品タグがつけられるようになります。
商品タグはユーザーのタグ付けと似た方法でつけられます。以下の手順を参考に、ご自身で設定してみてください。
商品タグの付け方
1. 写真または動画を選択し、キャプションとエフェクト、フィルターを設定する
2.「商品をタグ付け」を選択
3. カタログからタグ付けする商品を選び、検索する
4. 検索ボックスに名前が表示されたらそれを選択
5. 投稿する商品画像の付近に設置し、投稿を公開する
参考:Instagram 投稿にショッピングタグを追加する|Instagram ヘルプセンター
広告にタグを付与して配信している場合には、タグを付与した商品の在庫が十分あるかを注意する必要があります。
これは、在庫がない商品のタグをつけた広告は配信されないからです。
「広告は審査落ちしていないのに、なぜかエラーになり配信されていない」というケースに陥ることもあります。広告が審査落ちしていないのに配信されていない場合は、タグを付与した商品の在庫が十分あるか、設定したタグに問題がないかを確認しましょう。
もしこのようなトラブルが起きた場合は、以下の対処法を試すのがオススメです。
▼解決策
1. 商品タグを広告から削除する
2. Instagram ショッピングで商品在庫が十分にある状態に更新する
この記事で紹介したように、Instagram ショッピング機能には多くのメリットがあります。
EC サイトの売上に伸び悩んでいる方や EC サイト以外でも商品購入の経路を見つけたい方はこのショッピング機能が非常におすすめです。一方で注意点も多くあるため、ポイントを理解し設定することが重要になります。
ぜひ Instagram ショッピング機能を使って自社商品の売上増加を目指してください!
広告運用 コンサルタント
2020入社。大学でマーケティングを専攻→キーマケに入社し広告事業部に配属される。配属後2ヶ月で動画広告作成に携わる等、検索やディスプレイ広告以外も勉強中。趣味はギターと温泉。特に冬の露天風呂は至高。
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