Instagram を見ているときに、芸能人やモデル、インフルエンサーといったクリエイターの投稿に「広告/Sponsored」というタグがついた投稿が表示されたことはないでしょうか。それらの投稿は通常の広告と異なり、企業がクリエイターとのタイアップによって配信している、ブランドコンテンツ広告という広告です。
ブランドコンテンツ広告を利用すれば、発信力の強いクリエイターの投稿を通じて自社製品を宣伝できるうえ、クリエイティブ作成の工数削減にも繋がります。この記事では、Instagram ブランドコンテンツ広告の特徴や設定方法、注意点を詳しく紹介します。
ブランドコンテンツ広告とは、インフルエンサーなどのクリエイターの投稿を、企業が自社の広告クリエイティブとして利用し配信する Instagram 広告の一種です。ブランドコンテンツ広告を利用することで、企業は発信力の強いクリエイターを通して自社商品を宣伝できます。
※記事内での「クリエイター」と「インフルエンサー」の定義
クリエイター:一般ユーザー以外で、目的や目標を持ってオリジナルの写真や画像を投稿するユーザーの総称。
インフルエンサー:投稿や存在が自分のフォロワーはもちろん、世間一般に対して影響力を持つユーザー。クリエイターに包含される。
ブランドコンテンツ広告は、企業アカウントではなくクリエイターのアカウントの投稿を広告として使用するので、通常の広告とは以下の2点が異なります。
オーガニック投稿とブランドコンテンツ広告は、一見すると見分けがつきにくいかもしれません。しかし、通常はスポット情報が表示されるアカウント名の下に「広告/Sponsored」と表示されたり、キャプションの冒頭に「〇〇(ブランド名)とのタイアップ/Paid partnership with 〇〇」と書かれていたりするので、よく見ると判別できるかと思います。
ブランドコンテンツ広告には、以下のような3つの特徴があります。広告の配信を検討している方は、これらの特徴をおさえておくと効果的な配信ができるでしょう。
発信力が強いクリエイターの投稿を広告として利用できるため、広告主が自社の商材を発信するよりも、見せ方が上手く訴求力も強いコンテンツを広告として発信できるメリットがあります。
また、クリエイターのフォロワーにも広告を表示できるため、通常の投稿ではカバーできないユーザーに対してもリーチを拡大できる可能性があります。
第三者であるクリエイターの投稿を利用することで、広告感が薄れ、ユーザーが煩わしさを感じにくいこともメリットです。
ある調査によると、インターネット広告は、テレビ広告や新聞広告に比べて「不快」や「しつこい」、「邪魔」などのイメージを持たれていることが分かっています。特にその中でも広告表示のされ方に対しては、ユーザーの半数以上が不満を抱いているようです。
インターネット広告は「しつこい/不快」「邪魔な/煩わしい/うっとうしい」がいずれも30%前後と、ユーザーにネガティブなイメージを持たれている。また、半数以上のユーザーが「広告表示のされかた」に対して嫌悪感を抱いており、インターネット広告特有の要素がマイナスイメージを醸成する要因となっている。
引用元:インターネット広告に関するユーザー意識調査結果を発表│一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会
クリエイターの投稿を利用することで、ユーザーは企業アカウントから宣伝しているのではなく、自分がフォローしているクリエイターの投稿を見るのと同じ感覚で広告を閲覧するので、広告感が薄く、受け入れてもらいやすい宣伝になります。
ユーザー目線でメッセージを伝えられる点もブランドコンテンツ広告の特徴です。企業アカウントではなく個人アカウントからの投稿を用いるため、実際にサービスを利用したうえでの感想やよかった点など、ユーザー目線のメッセージを広告として発信できます。そのため、ほかのユーザーにとっても有益かつ関心を持ちやすい情報を通じて、自然と商品やサービスを訴求できるのです。
ブランドコンテンツ広告と似た形式の Instagram 投稿手法として、タイアップ投稿があります。ブランドコンテンツ広告は、企業がクリエイターの投稿を用いて配信する「広告」であるのに対して、タイアップ投稿は、インフルエンサーなどのクリエイターが企業から依頼を受けて商品を紹介した「投稿」を指します。タイアップ投稿は、広告ではないので、Meta ビジネスマネージャの設定は必要はありません。
どちらも企業とクリエイターが提携して宣伝する手法となりますが、具体的に異なる点があるため、混同しないよう確認しておきましょう。
ブランドコンテンツ広告 | タイアップ投稿 | |
---|---|---|
誰が発信するか | 企業(広告主) | インフルエンサーなどのクリエイター |
配信面 | フィード、発見タブ、ストーリーズ、リール | フィード、発見タブ、ストーリーズ、リール |
配信可能なフォーマット | 静止画、動画、カルーセル広告、過去のライブ配信 | 静止画、動画、カルーセル投稿、ライブ配信 |
効果測定で確認できる指標 | ・パフォーマンス(インプレッション数、クリック数など) ・エンゲージメント(いいね数、投稿の保存など) ・コンバージョン(カートへの追加、支払い情報の追加など) ・設定(キャンペーンの目的、キャンペーンの予算など) | ・リーチしたアカウント数 ・「いいね!」やコメントをしたアカウント数 ・コンテンツ(投稿、ストーリーズ、リールなど)での「いいね!」数、コメント数、保存数、シェア数 ・アカウントをフォローしているフォロワーの合計 ・自動再生やクリックによる動画再生が発生した数 ・宣伝した投稿の内容* |
ただしブランドコンテンツ広告では、音楽スタンプ、リンクスタンプ、GIF、絵文字を使用したストーリーズは使用できないため注意が必要です。
また、リール動画を使用したブランドコンテンツ広告を配信する場合は、以下に該当するものは配信できないので、事前に確認しておきましょう。
ブランドコンテンツ広告を配信するには、クリエイターと広告主である企業のそれぞれが設定をおこなう必要があります。
広告主とクリエイターのどちらも対応が必要になるため、トラブルにならないよう、広告主である企業とクリエイターの間で、あらかじめクリエイターの投稿を利用するための契約を締結しておきましょう。
まず、クリエイターはブランドコンテンツ広告を配信するために、広告主となる企業にブランドパートナー申請をして、広告主である企業に承認してもらう必要があります。
アカウント画面から「設定とプライバシー」をタップし、「アカウントの種類とツール」を選択します。
「アカウントの種類とツール」内の「ブランドコンテンツ」をタップし「ブランドコンテンツツールを設定」を選択すると、タイアップ投稿ラベルの利用を有効にするボタンが表示されるため、「有効にする」ボタンをタップします。
ブランドコンテンツツールを有効にすると、次に「ブランドパートナーに承認をリクエスト」という項目が選択できるようになるので、タップしましょう。ブランドパートナーに設定したい企業(広告主)を検索し、リクエストを送信すれば、クリエイター側の準備は完了です。
企業(広告主)は、まずクリエイターからのブランドパートナーリクエストを承認しましょう。
クリエイター側の手順と同様、アカウント画面から「設定とプライバシー」をタップし、「アカウントの種類とツール」を選択します。
次に「アカウントの種類とツール」内の「ブランドコンテンツ」をタップすると、「コンテンツクリエイターを承認」という項目が表示されるため、そこから送信されたリクエストを承認しましょう。
リクエストの承認が完了したら、次に広告マネージャーから新規で広告を作成します。広告作成画面を開き、「パートナーシップ広告」をオンにします。
パートナーシップ広告をオンにすると、「識別情報を選択」または「パートナーシップ広告コードを入力」が表示されます。
今回は「識別情報を選択」の手順で設定を進めます。
「識別情報を選択」をクリックすると、広告のヘッダーに表示される広告主のアカウントを選択できるようになるので、クリエイターとタイアップする Instagram アカウントを選択しましょう。
アカウントを選択したら、広告設定から「既存の投稿を使用」を選択することで、クリエイターの既存投稿をパートナーシップ広告として表示できるようになります。
既存の投稿を広告として設定する際の注意点として、広告主がコメントやキャプションを編集することはできない点があります。内容を念入りに確認したうえで、広告に利用する投稿を選択しましょう。
ブランドコンテンツ広告は、クリエイターと企業のそれぞれがいくつかの設定をおこなう必要があるため、通常の広告よりも配信までに手間がかかります。しかし、クリエイターの投稿を通じて、有益な訴求を幅広いユーザーに届けられるので、非常に有効な配信方法です。
タイアップ投稿との違いを正しく理解したうえで、ブランドコンテンツ広告を自社の商品やサービスの宣伝にお役立てください。
広告運用 コンサルタント
2020入社。大学でマーケティングを専攻→キーマケに入社し広告事業部に配属される。配属後2ヶ月で動画広告作成に携わる等、検索やディスプレイ広告以外も勉強中。趣味はギターと温泉。特に冬の露天風呂は至高。
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