弊社では、お客様と広告の目的や目標などの認識がズレがないように、「初期合意書」として広告配信前に合意すべき項目をまとめたシートをご用意しています。
本記事では広告運用に携わる方に向けて、「お客様や上司との間で認識がズレてるような気がする・・・!」といったことが起きないように、広告配信前に確認してもらいたいことをまとめました。
記事の最後では「初期合意書」を公開用に編集したものをダウンロードできますので、ぜひともお手元に置いてご活用ください。
お客様や上司との間に上記のような問題が発生しないように、運用開始前に合意をすべき項目を具体例をあげながら説明していきます。
お客様や上司と「コンバージョンの定義」について共通認識を持てているでしょうか。
本来、コンバージョンとは変換、転換、交換などの意味を持つ英単語です。お問い合わせや購入、資料ダウンロードなど、サイト訪問者がお客様に「変換、転換」する様々なポイントを「コンバージョン」と呼ぶため、広告に関わる全員で共通の定義を持っておかないと思わぬ結果を招くことになります。
※ 広告運用者の定義「コンバージョン=問い合わせ数+電話番号リンクのクリック数」
※ Web 担当者の定義「コンバージョン=問い合わせ数」
社長の定義「コンバージョン=実際に受注した件数」
上記は運用担当者とWeb 担当者、さらには社長との間にも認識の違いが生じています。
広告に関わる全員で「コンバージョンは、広告経由の問い合わせ数とする」といった定義を明文化しておき、認識にズレがないようにしておくことが重要です。
また、報告の際にも「コンバージョン〇件でした」ではなく「お問い合わせ〇件でした」と誤解がない表現を使用するなども細かいながら大切なポイントです。
コンバージョン定義を明確に設定していても、広告が目指す目標が不明確だったというケースもありえます。
やや極端な例ではありますが、広告が目指す目標が不明確だと、1,000円の売上のために広告費を1万円も使ってしまったり、逆に、10万円の商品を売るのに広告費は1,000円しかかけられないといったことが起こります。
目標は、低すぎても高すぎてもよくありません。適切な目標値に関しては、一概にこの金額がいいですよとは言えませんが、ビジネスの成功のために優先すべき数値を踏まえ適切な目標値を設定しましょう。
最低限、「広告予算」「目標コンバージョン数」「目標コンバージョン単価(CPA)」の3つ指標に関しては、実現可能性のある数値をお客様や上司と話して明確に決めておきましょう。
当然、広告運用は事前に想定した通りにいかないことがあります。運用開始後に起こりうる様々なケースを事前に予想し、早め早めに対策しておくことが重要です。
運用開始当初は下記のような目標を設定していたとします。
広告費 | 50万円 |
---|---|
目標 CPA | 5,000円 |
目標CV数 | 100件 |
もちろん CPA とコンバージョン数のどちらも達成すべく広告運用をしていくかと思いますが、実際に運用を開始してみると想定通りにならないケースもあります。
例えば、配信開始をして半月経過後に下記のような運用結果になったケースを想定します。
広告費 | 20万円 |
---|---|
CPA | 5,000円 |
CV 数 | 40件 |
目標 CPA は達成できているが、上記のような広告配信が続くと、予算を使い切らないという報告をお客様や上司にしたときに、予算増額をしないことを前提にすると、以下のような2つの方針を示すことになるかと思います。
方針A 目標 CPA 重視 |
方針B 予算使い切り重視 |
|
---|---|---|
広告費 | 40万円 | 50万円 |
CPA | 5,000円 | 5,500円 |
CV 数 | 80件 | 91件 |
方針 A の場合は、予算を使い切ることよりも目標 CPA を重視しており、予算が潤沢にない企業に多いケースです。デメリットとしては、本来取れたはずの成果を取りこぼす(= 機会損失する)ことになります。
方針 B の場合は、予算を使い切ることを重視していて、毎月の広告費がきっちりと決まっている企業に多いケースです。デメリットとしては、費用対効果が悪くなることがあります。
どちらのケースを選ぶかはお客様や上司の意向にもよるため、広告運用者側で勝手に判断せずに中間報告をおこない方針についてよく確認しながら進めることが大切です。
広告運用開始時からターゲットをむやみに絞ってしまうと思わぬ機会損失に繋がりかねません。
特に、お客様や上司から「こういう方はうちのお客様じゃないからターゲットから外してほしい」といった要望があった際は注意が必要です。
初期の段階でメインターゲットとする顧客を理解することはとても重要です。戦略や企業が向かいたい方向性の確認は十分すぎるほど行いましょう。
しかし、広告運用者としてはお客様や上司が見落としているターゲットを提案することも重要です。いかにターゲットを広げられるかがコンバージョン獲得を左右するので、可能性をわざわざ狭める必要はありません。
広告は一定量を出すことによって初めて効果を実感できるものでもあるので、広告配信時点で偏ったふるい分けをすると機会損失に繋がってしまいます。
設定した予算の範囲内でなるべく多くのターゲットを含めるような広告配信ができるように積極的に提案しましょう。
コンバージョン計測の方法によって、サンクスページの URL で判断したり、サイト内に直接コンバージョンタグを設置したり、リンククリックをコンバージョンとしたりと、その手段は様々です。
そのため、コンバージョン計測の方法についてもしっかりと共有しておかないと、計測に影響のある作業が広告運用者の知らないところで行われ、本来よりも多く(少なく)コンバージョンが計測されてしまうことがあります。
Web担当者が複数おり、サイトの管理・修正を行う人と広告成果を把握する人が異なる場合、サイト URL の変更や仕様の変更がしっかりと共有されないケースがあります。
コンバージョン計測方法を広告に関わる全員でしっかりと認識することが重要です。
今回ご紹介した事例以外にも、広告配信には膨大な準備と設定項目があり、気をつけているつもりでも思わぬ認識の齟齬が発生することがあります。
弊社では、お客様からお預かりした広告費を1円でも無駄にしないよう、「初期合意書」として運用開始前に決めておくべき合意事項をまとめており、その内容への同意を確認してから配信準備に取り掛かるというフローで進めています。
今回の記事で紹介したことが最低限確認できる「初期合意書」を公開用に編集したものをダウンロードできますので、ぜひともお手元に置いてご活用ください。
マーケティング/編集長
2019年9月に編集者として入社。新卒は求人広告営業、その後は記事執筆・編集、採用を含むバックオフィス業務をやっていました。お弁当男子(おべだん)としてTikTokにてバズり中。見た目の割にトレンドには敏感。沖縄観光と都内の居酒屋に精通しているイケイケドンドン、少し心配性なオオクボです。
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