代表の滝井です。
最近、「これからネット広告(運用型広告)を本格的に始めたいが、ネット広告の種類がいっぱいあってよくわからない」「まずどこから着手すればよいかわからない」という相談をよくお客様からいただきます。
特に、インハウスでネット広告を運用していて、Google と Facebook の広告は少し出したことがあるけど次に進めないという人が多い印象です。
確かに、最近はネット広告で成果が出る媒体や種類が増えました。Yahoo! 広告や Google 広告だけでなく、Facebook、Instagram、Twitter などの SNS 広告も多彩となり、LINE 広告や Tiktok 広告などもあります。
さらには、検索やディスプレイなどの面、様々なターゲティング方法、機械学習の自動化技術の発達により、それぞれの組み合わせは数万種類もあるでしょう。
また、媒体やターゲティング方法などによって適したクリエイティブがあり、運用のコツも独特です。
このような中で、はじめの一歩をどうしたらよいのかわかりにくいというのは十分理解できます。本記事ではネット広告(運用型広告)を、これから本格稼働させるにあたって、まず何から始め、どのように進めていくべきかを解説します。
まず、ネット広告(運用型広告)を始める前に、Yahoo!、Google、Facebook といった媒体で考えるのではなく、以下の4つの分類で考えると良いでしょう。
運用型広告を改めてはじめたいという場合、まずはできるだけ安全に、小予算ではじめたいですよね。
そして、お金を出して広告を出すからには、それが購買や申込み、問い合わせといったコンバージョンを獲得できるのが一番いいですよね。
ですので、広告をまず始めてみようと考えるのなら、下記図の一番下のすぐにコンバージョンを狙うことができる、検索広告とリマーケティングから始めるべきなんですね。
なかでも、Yahoo! と Google の検索広告から始めるのがおすすめです。動的リマーケティングや一般的なリマーケティング、リターゲティングもすぐにコンバージョンは狙えるのですが、タグを埋め込み、リストを溜めなければならないため、ある程度時間がかかってしまいます。
そのため、時間がなくて、とにかくすぐに成果を出したい場合は Google の検索広告を始めましょう。最もスピード感があり、シンプルで効果を実感することが出来ます。
検索広告がすぐにコンバージョンを生み出せるのには3つの理由があります。これは検索広告の特徴とも言えるもので、この理解があるとより一層成果に繋がりやすくなります。
「これが欲しい」「これを知りたい」と思ったユーザーが検索したときに表示される検索広告は、そのユーザーの欲求を的確に満たすタイミング広告なのです。
極端な話をすると、広告を出した日にコンバージョンが取れることもよくあります。緊急性の高い商品サービスだとわかりやすいかもしれません。
たとえば、自宅で深夜にトイレが詰まってしまって、水浸しになってしまったとしましょう。
ユーザーはおそらく「トイレ つまり」などといったキーワードで検索をするでしょう。
このような緊急性の高い悩みの場合は、どこがいいかなどと比較検討している時間はありません。ユーザーは検索結果に出てくる広告文を読んで、信頼できそうなところをタップして、電話して仕事を依頼してしまいますよね。
これは極端な例ですが、程度の差はあれ、検索広告をクリックするユーザーのうち、必ず一定確率で「今すぐ買いたい」「今すぐ仕事を依頼したい」という人がいます。これを証明する一つの例がコンバージョン率の差です。
下記は、ある音楽サービスの広告を出した結果です。上2つが検索広告、下2つは YouTube 動画広告の結果です。
検索広告のコンバージョン率は6.4%以上出ているのに対して、YouTube 動画広告は0.07%~0.11%という数字となっています。
この差からも分かる通り、検索広告には、「すぐにコンバージョンするユーザーが多い」といえるでしょう。
検索広告の場合、すぐにコンバージョンするユーザーが他の広告よりも多いので、どんな業種・商品サービスであれ、一般的に検索広告からコンバージョンをした人のうち、クリックしてから当日から翌日までにサイト上で何らかの購入や申込みのアクション(コンバージョン)をしている人が多いです。
下記データは、弊社の広告運用代行のサービスを Google の検索広告で出稿したときのものです。コンバージョンは、フォームからの問い合わせと設定しています。
Google 広告では、「広告をクリックしてからコンバージョンに至る日数」をカウントすることができるのですが、このケースでは、全37件の問い合わせコンバージョンのうち、32件が「1日未満」となっています。
コンバージョンしたお客さんのうち、実に86%が「すぐにコンバージョン」したお客さんというわけです。
検索広告は、広告がクリックされてからコンバージョンが発生するまでの時間がとても短い傾向があるということがよくわかると思います。
広告というのはどのようなものであれ、かならず「媒体」があります。電車広告は「電車」が媒体ですし、雑誌広告なら「雑誌」が媒体になります。
インターネット広告でも、Google、Facebook、Yahoo!、Instagram などの SNS や検索エンジン、アプリなどが媒体になります。違いはあれど、それぞれ各媒体に広告が出るわけです。
ここで大事なポイントは、基本的に媒体には固定のユーザーと新規のユーザーはいるものの、流行り廃りからいつかは枯れていく運命にあるということです。これはオフラインの広告を考えるとわかりやすいかもしれません。
たとえば、新聞は読者が減り続けているため、当然、新しい読者は増えにくい状況にあります。これはスマホのニュースサイトに読者が移行しているためです。
そのため、新聞に広告を出し続けていても、だんだんとお客さんを獲得(コンバージョン)しにくくなります。新しい読者が増えにくいので、必然的に同じお客さんに広告を出すことになり、すぐのコンバージョンも狙いにくくなります。
しかし、運用型広告における、検索エンジンというサービスは、事実上日本に2つしかありません(Google とYahoo! で92%のシェア)。この傾向は、日本で検索エンジンが世の中に出てきて20年以上の間、ほぼ変化していません。
参考:Browser Market Share Worldwide|StatCounter Global Stats
また、基本的には誰もが検索サービスは使います。小学生ともなると、ネットを触り始めますが、Facebook や Twitter はやらなくても、誰もが Google やYahoo! で検索は必ずします。つまり、検索エンジンという媒体は、常に新規のユーザーが増え続けると言えます。
新規のユーザーが常に増え続ける媒体なので、同じ人に広告を出し続けることなく、新しいお客さんに広告を出すことが自動的にできるため、コンバージョンが見込めるわけです。
もちろん検索エンジンで Google や Yahoo! 以外のものが生まれてくる可能性はありますし、若年層ほど Twitter 検索や Instagram 検索を多用する傾向も出てきています。
しかし、少なくとも今後数十年のスパンで考えても、Google や Yahoo! の検索をまったくしない人が増加し続けるということは考えにくいでしょう。
毎年発表されている日本の広告費でも、インターネット広告媒体費の内訳は検索広告が40.2%とトップです。なぜ一番使われているかは、単純にすぐにコンバージョンが獲得できるからです。
参考:2019年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析|株式会社 電通 ニュースリリース
Facebook 広告や Twitter 広告といった SNS 広告や Google、Yahoo! のディスプレイ広告、YouTube 広告などへチャレンジしていっていいのですが、基本はやはり検索広告なのです。
ハイブリッド広告や種まき広告はもちろん、認知向けの広告は、検索広告でコンバージョンを獲得できるようになってからでも遅くはありません。段階を踏んで広告の配信をおこなっていくことが重要なのです。
ここからは検索広告の中でも一番メジャーである Google 広告を配信するための設定方法をキャプチャを用いて説明します。
まずは、こちらから Google アカウントを作成しましょう。
新しいキャンペーンを作成し、目標やキャンペーンタイプを設定します。ここでは目標を「見込み顧客の獲得」にし、キャンペーンタイプは検索広告での配信なので「検索」を選択します。
最下部にある目標の達成は「リードフォームを送信する」を選択します。アプリのダウンロードや、電話件数を獲得する目的の場合はそれらを選択してください。
「キャンペーン名」に任意の名前をつけ、ネットワークの「ディスプレイネットワーク」のチェックボックスは外しておきましょう。これを外すことにより検索広告だけの配信になります。
地域の設定は日本にし、言語とオーディエンスの設定はそのままで大丈夫です。
予算の項目は「1日あたり」の金額を入力します。1,000円とするなら、月に3万円の広告予算となります。
入札単価は、はじめて広告出稿する場合は、重視している要素を「クリック数」として、「上限CPCによる入札の上限」を50円くらいにしておくとよいでしょう。
自動入札をいきなり設定してもよいのですが、手動入札をしたときに、どのキーワードに、いくらで広告が出て、どのような入札単価にすると、どんな順位となるのかという感覚は、はじめて広告配信するときに身につけたほうがいいでしょう。
また、50円という設定ですが、この金額では広告露出がしないこともあり得るため、最低これくらいは設定した方がいいといった目安の金額となります。
下記は、Google のキーワードプランナーで「靴 通販」の関連キーワードを出した結果の一例です。
様々なキーワードがありますが、ざっくり1クリック当たり、4円~78円を出すことで広告露出ができることがわかりますよね。
心配な場合は、10円などで設定してもよいです。それで広告があまり露出されない、クリックが生まれない場合は、10円ずつ上げていくなど調整していくのがよいでしょう。
この後は、住所・連絡先を入力し、支払いタイプ・方法の設定えおしていきます。Google 広告では自動支払いと手動支払いの2種類の支払いタイプがありまが、まずは手動支払いにしておけば安心でしょう。
支払い方法は、振込、コンビニエンスストアまたは Pay Easy、クレジットカードなどで行えます。クレジットカードがもっとも手軽に設定できるでしょう。
支払い方法の設定が完了したら、次に広告グループの設定をします。ここでは検索キーワードを登録します。たとえば、「ひえるくん」という卓上の冷房機を販売するサイトの広告を出すとしましょう。
この場合、「ひえるくん」という商品名、いわゆるブランドキーワードをまず出すことを考えます。
それから、その商品そのものを差す言葉、たとえば「卓上 冷房機」「卓上 クーラー」などのキーワードでは確実に売れそうですよね。
このようなキーワードを入力していきます。厳密には、ブランドキーワード(固有名詞)と一般名詞は広告グループを分けたほうがいいのですが、まずは簡易的にまとめて出してみても大丈夫です。あとから変更できますからね。
売ろうと考えている商品サービスに対して、どんなキーワードを設定すべきか、どうやってキーワードを決めるかは、とても奥が深い話になります。すぐに見つけたい場合は、Google 広告の「キーワードプランナー」というツールを使い、そこにサイト URL を入力すれば、候補キーワードを抽出してくれます。Google がおすすめしてくれるわけです。
下記は、弊社のオフィシャルページから Google のキーワードプランナーが提案してくれたキーワードです。なかなかツボをついたキーワードを提案してくれています。
Google 広告のキーワードプランナーは、Google 広告の管理画面から、ツールと設定、プランニングの項目から選び、使用することができます。
あとは広告文を作成するだけです。広告の飛び先ページを設定し、広告の見出しと説明文に、商品サービスの強みや特徴を記載していきます。
この際、購入してもらうターゲットユーザーをイメージし、不安や不満を解消するようなメッセージを入れるとよいでしょう。
冷房機であれば、「電気代」という不満や、「自分の使いたいシーンに合わなかったらどうしよう」「大きくて重いのは嫌だな」という不安が想定できますよね。
電気代というキーワードを検索するユーザーは、電気代が1時間あたり、たったの1円といった広告文であれば魅力的に感じるでしょう。
自分の使いたいシーンというキーワードで検索するユーザーの場合は、オフィスのデスクやダイニングでの使用を考えているので、それにあった訴求をする必要があります。
このように検索ユーザーの意図を読み取って広告文を作成するようにしましょう。作成した広告文はプレビュー画面で確認してみましょう。
広告文の作成の詳細については、ぜひ以下の記事を参考いただければと思います。
これが終われば、あとは「公開」ボタンを押すだけで、審査が自動的にかかり、審査が通り次第、広告が配信されます。
コンバージョンの計測の設定は、事前にした方がいいのですが、まずは検索広告を出してみましょう。後から設定することもできるので、広告が配信できていることを確認してみましょう。
コンバージョンタグの設定はこちらのヘルプの手順で設定してみてください。
コンバージョントラッキングタグをウェブサイトに設置する|Google 広告ヘルプ
ネット広告(運用型広告)で成果をあげたいのなら、まずは検索広告から始めましょう。
厳密には、キーワードごとに適した広告文を設定したり、様々な広告表現をテストしたり、キーワードをたくさん入れたり、それらを自動入札で機能させるようなグルーピングを設定したりと、検索広告の世界はとても奥深いものではあります。
一方で、低予算でそれほど手間もかけずに、すぐに広告を出すことができるという点で、これ以上のスピード感と、効果を感じられる広告もまた存在しません。
いまでは Google や Yahoo! の電話サポートがとても親切になっているので、様々なサポートを受けることができます。まずは検索広告にトライしてみてください。
代表取締役会長
2003年、Googleアドワーズが日本でサービスを開始した直後より、検索キーワード広告とランディングページの実践・研究を行い、その成功理論を書籍『1億稼ぐ検索キーワードの見つけ方』で発表、5万部以上のベストセラーとなる。 キーワードマーケティングでは、設立時から延べ千社以上のアカウントを診断およびコンサルティングしており、現在は上場会社や成長率の高いベンチャー企業に対する広告運用代理事業を拡大している。
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