ランディングページ

広告用LPの作り方を学ぼう 完成までの5ステップを具体例付きで分かりやすく解説

ランディングページ(LP)は、検索結果や広告などを通じて最初に訪問するページのことです。その中でも広告に設定する LP は、訪問したユーザーを購入やお問い合わせ、資料請求などのアクションに導くよう設計されています。

広告に設定する LP は、作成において、ユーザーがアクションを起こしやすいページ作りが重要になってきます。ページの内容次第で商品やサービスの売上が変わってくると言っても過言ではないでしょう。

この記事では広告に設定する LP に特化して、その特徴と作成方法を解説します。

そもそも、ランディングページ(LP)とは?

ランディングページ(LP)は「検索結果や広告などを通じて最初に訪問するページ」です。「ランディング」は英語で「着地」を意味します。

この記事では広告に設定する LP について解説するため、ほかの用法と区別するために「広告用 LP」と表記を統一して解説します。

広告用 LP の3つの特徴

広告用 LP の構造には、以下の3つの特徴があります。

特徴1. 流入元をイメージしたページ設計になっている
特徴2. ターゲットと訴求ポイントが明確である
特徴3. コンバージョンポイントを明確にしている

特徴1. 流入元をイメージしたページ設計になっている

広告用 LP として設定されるページは、ユーザーが広告から流入することを考慮して作成されています。特に検索広告用 LP では、他社の広告用 LP と比較される前提でデザインなどを考える場合が多いのが特徴です。

特徴2. ターゲットと訴求ポイントが明確である

誰に対して広告を出し、何を伝えるかが明確なのも広告用 LP の特徴です。訴求ポイントを効果的にユーザーに伝えるため、デザインもシンプルかつ目を引くものになりやすい傾向にあります。

特徴3. コンバージョンポイントを明確にしている

広告用 LP の特徴として、ユーザーに起こしてほしいアクションが明確である点が挙げられます。ほかのページに移動させるリンクが少ない傾向にあるのも、この特徴があるからです。

例えば鍵開けや水漏れ修理などの緊急性を要する商材なら「フリーダイヤル」や「Web 依頼」、toB 向け SaaS ツールのように購入までに比較検討が必要な商材であれば「資料請求」や「見積もり依頼」といったアクションを取ってもらうために、アクションに関連のないページのリンクを極限まで減らしているのです。

広告用 LP を作るための5つのステップ

ここからは、Web 広告代理店の広告用 LP 作成を例に、広告用 LP 作成の5ステップを紹介します。

ステップ1:ターゲットユーザーを設定する
ステップ2:広告用 LP の構成要素を検討し、原稿を作成する
ステップ3:構成図(ワイヤーフレーム)を作成する
ステップ4:原稿と構成図をもとにデザインを考える
ステップ5:考えたデザインをもとにコーディングをおこなう

困ったときに使えるフレームワークや方法も紹介しているので、商材と照らし合わせてみてください。

ステップ1:ターゲットユーザーを設定する

広告用 LP 作成で最も重要なのは、最初におこなうターゲットユーザー設定です。より具体的に考えられるよう、商品やサービスを利用しているユーザーの具体的な人物モデルを考えるのがおすすめです。

ターゲットユーザーがあいまいなままでは、ユーザーニーズを的確に捉えた説得力のある広告用 LP は生まれません。年齢や性別、家族構成といった属性から、どのような行動をしているか、何に興味関心を持っているのかを明確にしましょう。

今回例に挙げた Web 広告代理店の場合は、以下のように設定できます。

・勤務先:BtoB 向け SaaS ツール販売をおこなう企業
・役職:マーケティング担当者
・年齢、性別:30代前半、男性
・困りごと:ほかの広告代理店に運用を任せているが、コスト削減のためリプレイスを検討中

ターゲットユーザー設定に悩んだ際は、セグメンテーションから始めるのが効果的です。以下の記事にセグメンテーションの基礎が紹介されているので、併せてご覧ください。

セグメンテーションとは?分類基準や活用時に意識すべき4R も解説|キーマケのブログ|株式会社キーワードマーケティング

セグメンテーションとは、マーケティングや広告の戦略を構築する際に、不特定多数の人を「特定の基準」で分けることを指します。

ステップ2:ページに記載するコンテンツを検討し、原稿を作成する

ユーザーに伝えたい情報を確実に伝え、こちらが望むアクションを起こしてもらえるよう、ページに記載するコンテンツは念入りに検討しましょう。

広告用 LP を構成するコンテンツは、大まかに分けると以下の通りです。

・ヘッダー
・メインビジュアル
・商品やサービスの特徴、導入の流れ
・信用/信頼コンテンツ(お客様の声や導入事例、メディア掲載履歴など)
・サービス提供者情報
・料金プラン
・会社情報
・よくある質問
・フッター

それぞれのコンテンツを作成するポイントは、下記ページの記事を参考にしてみてください。

ランディングページ|キーマケのブログ|キーマケのブログ|株式会社キーワードマーケティング

LPO(Landing Page Optimization:ランディングページ最適化)とは、検索行動やインターネット広告を介して、訪れるページであるランディングページを、ユーザーが求めている情報が揃っていて見やすく、わかりやすく、取りたい行動がすぐに取れる状態にすることです。

また、この時点でメインビジュアルや訴求内容を合わせて固めておくと、次のステップで紹介する構成図(ワイヤーフレーム)を作成する際に便利です。

訴求内容を考える際に困ったら、以下の表を参考にしてみてください。

コンテンツの概要詳細
ユーザーへの「共感」ユーザーが抱えている悩みや課題に共感するようなメッセージ
ユーザーの課題解決ユーザーが抱えている悩みや課題を、自社の商品やサービスが解決できるという訴求
競合他社との比較競合と比較したときの自社製品の強み
信用/信頼コンテンツユーザーに対して商品やサービスの信頼性を伝えるコンテンツ
【例】お客様の声や導入事例、メディア掲載履歴
広告用 LP に掲載すべき4つのコンテンツ

今回例に挙げた Web 広告代理店で上記の表を埋めると、以下のようになります。

コンテンツの概要コンテンツ例
ユーザーへの「共感」その広告予算、本当に最大限活用されていますか?
ユーザーの課題解決広告を出しているけれど、成果が上がらない・・・
そんなお悩みをお持ちの広告担当者の皆様へ。私たちが効果的な
広告戦略をご提案します。
競合他社との比較独自のマーケティングメソッドで費用対効果の最大化を約束
信用/信頼コンテンツ業界専門誌での評価や特集記事の掲載実績
「お客様の声」としてクライアントの配信実績を紹介
広告用 LP に掲載するコンテンツの一例

コンテンツや訴求内容が決まったら、実際にページに掲載する内容をドキュメントやメモ帳にまとめましょう。言葉だけでまとめられない場合は、簡易的な図やイラストを入れても構いません。

こうしてまとめたものが「原稿」として、今後の広告用 LP 作成の基盤となります。

原稿作成で迷ったら、フレームワークを活用しよう

広告用 LP のコンテンツ選定や原稿作成で迷ったら、フレームワークを活用するのもひとつの手です。

以下の表に記載した「PASONA」と「AIDMA」、「AIDCA」は、LP の原稿作成で使える代表的なフレームワークです。それぞれの概要を以下に記載したので、作成の際の参考にしてみてください。

PASONA の法則

消費者の購買を促すメッセージを作成するフレームワークで、以下の6要素で構成されています。

・Problem:ユーザーの問題(困りごと)を明文化する
・Affinity:問題に共感する
・Solution:問題への解決策(商品、サービス)を提示する
・Offer:ユーザーに商品やサービスの購入を提案する
・Narrow down:ユーザーに今すぐ行動(購入、契約)するよう促す
・Action:ユーザーに商品購入やサービス契約などの行動を促す

AIDMA

消費者の購買行動を5つのプロセスで分析するフレームワークで、以下の5要素で構成されています。

・Attention:商品やサービスについて知る、注目する
・Interest:商品やサービスに興味を持つ
・Desire:商品やサービスを欲しいと思う
・Memory:ユーザーに、商品やサービスについて記憶してもらう
・Action:商品購入やサービス契約など行動を起こす

AIDCA

AIDMA と同様、消費者の購買行動を5つのプロセスで分析するフレームワークです。購買行動を示す「Action」の前の段階が「確信」を意味する「Conviction」になっています。

・Attention:商品やサービスについて知る、注目する
・Interest:商品やサービスに興味を持つ
・Desire:商品やサービスを欲しいと思う
・Conviction:ユーザーに行動(=購入、契約)すべきと確信させる
・Action:商品購入やサービス契約など行動を起こす

ステップ3:構成図(ワイヤーフレーム)を作成する

広告用 LP に記載するコンテンツが決まったら、ページの構成図であるワイヤーフレームを作成していきましょう。

以下は STEP1、2の内容を参考に作成した、Web 広告代理店の広告用 LP のワイヤーフレームの一部です。各ステップで整理した内容が LP に落とし込まれているのが分かるかと思います。

ワイヤーフレームの作成例(一部)

ワイヤーフレーム作成時に意識するべきポイントは以下の3つです。

ポイント1:ユーザーファーストな設計を意識する

大前提として、ユーザーの見やすさを考えた設計になっているかを意識しましょう

ユーザーファーストなページにするためには、実際の既存顧客にヒアリングするのが一番です。顧客がなぜ自社の商品を購入/利用してくれているのかを詳細にヒアリングすることで、広告用 LP に記載するコンテンツも明確になります。

そのほか、競合他社が配信している広告用 LP も確認してみましょう。競合がこぞって訴求しているポイントは、おそらくユーザーに響いているものだと考えられるからです。完全に真似してはいけませんが、参考にすることで、ユーザーファーストな広告用 LP 作りのヒントになります。

ポイント2:ファーストビューでユーザーの心をつかむ

ランディングページが表示されたときに、スクロールせずに見える領域を「ファーストビュー」と言います。商品やサービスの必要性が差し迫っていて、条件を満たせば今すぐ購入や契約のアクションを起こすようなユーザーにとって、ファーストビューは重要な判断要素です。

ユーザーはサイトを訪問してから、自分に必要な情報が記載されているかどうかを3秒で判断していると言われています。ユーザーにとって不要な情報ばかりと思われないよう、ファーストビューにはユーザーニーズに合わせた訴求を掲載しましょう

ファーストビューに必須の条件については、以下の記事も参考にしてみてください。

広告LPにおけるファーストビューの必須要素とは?事例をもとに丁寧に解説|キーマケのブログ|株式会社キーワードマーケティング

ファーストビューとは、サイトが表示されたときにスクロールせずに見える領域を指します。検索広告のランディングページのファーストビューでは、必要性が差し迫っていて、条件を満たせば今すぐ購入や契約をしてくれるようなお客様へ向けたコンテンツを用意することが重要です。

ポイント3:ユーザーアクションを阻害しない

広告用 LP を作成する際はユーザーアクションを阻害しないことも意識しましょう。これはポイント1で紹介した「ユーザーファーストな設計」にも繋がります。ページ構成でユーザーアクションを阻害してしまっては、せっかく考えた訴求内容も台無しです。

以下の要素は全てユーザーのコンバージョン率を下げる要因となってしまうため、ワイヤーフレームを作成する時点で、できる限り取り除きましょう。

・ユーザーがコンバージョンするためのボタンが分かりづらい場所にある
・文字サイズが小さい
・読み込みが遅い
・ビジュアルでの訴求がない
・難解な用語や専門用語が多用されている

ステップ4:原稿と構成図をもとにデザインを考える

ワイヤーフレームができあがったら、広告用 LP を実際に作成するフローに移ります。そのうち、最初に決めていくのがページデザインです。

広告用 LP をデザインする際には、ターゲットとしているユーザーの目線に立つことが重要です。ユーザーの視線が自然に誘導されているか、重要な部分が伝わりやすくなっているかなどを意識して、コンテンツを配置しましょう。

また、デザインを考えるうえでは色合いも重要です。今回の Web 広告代理店の例では、企業としての信頼性や安心感、Web 広告代理店としての専門性を印象付けたいため、以下のような色合いを選びます。

・青や紺色:誠実さ、知的な印象、清潔感といった印象を与える色。
・グレー:控え目で落ち着いた印象を与える色。シンプルで洗練されたイメージも与えられる。

ステップ5:考えたデザインをもとにコーディングをおこなう

デザインが決まったら、実際に広告用 LP をブラウザ上で見れるようにする「コーディング」に移ります。

コーディングでは HTML や JavaScript といったプログラミング言語の知識が必要となります。独学で作業を進めるにはハードルが高くなりがちなため、自社で作業する場合はページ作成ツールを利用したり、ステップ4のデザイン考案からまとめて制作会社やフリーランスに業務を依頼することもあります。

コーディングが完了したら、最後にサーバー準備やドメイン取得などを経て広告用 LP が公開されます。

なお、広告用 LP は作成して完了ではありません。効果を見ながら改善をおこなうため、後から内容を変更しやすいようにしておきましょう

デザインやコーディングに困ったら利用したい3つの方法

上記で説明したデザインやコーディングは広告用 LP の作成には欠かせない一方、専門知識を要するため、広告用 LP 作成の経験が少ない方にとってはハードルが高く感じられがちです。

そこで最後に、ハードルの高いこれらのステップを乗り越えるための方法として「ページ作成ツール」と「制作会社への依頼」、「フリーランスへの依頼」の3つを紹介します。

料金相場をはじめ作成する広告用 LP の自由度、メリット/デメリットもあわせて紹介するので、それぞれの要素を加味して、自社に合った手段を選んでみてください。

項目ページ作成ツール制作会社に依頼フリーランスに依頼
料金相場無料から月額1万円程度
※ツール、プランに
よって異なる
10万円から数万円から30万円程度
自由度低い~中高い中~高い
メリット・3つの方法の中で
 もっともコストを
 抑えられる
・ページのメンテナン
 スなどにかかる
 コミュニケーション
 コストが低い
・ページのクオリ
 ティが担保されて
 いる
・自社のリソースを
 投下せずにページ
 を作れる
・自社のリソースを
 投下せずにページ
 を作れる
・制作会社に依頼す
 るより予算を抑え
 られる場合もある
デメリット・ページ作成に自社の
 リソースを割く必要
 がある
・ページのクオリティ
 の担保が難しい
・コミュニケーショ
 ンが円滑に取れな
 い可能性がある
・メンテナンスや
 ページデザインの
 変更には都度依頼
 が必要
・ページのクオリ
 ティの担保が
 難しい
・コミュニケーショ
 ンが円滑に取れな
 い可能性がある

ターゲットユーザーを第一に考えて広告用 LP を作成しよう!

私が広告用 LP を作成した際に最も重要だと感じたのは、いかにターゲットユーザーを理解しているかということです。

ターゲットがどのような属性を持ち、どのような課題を抱えているのかを把握していないと、いくらほかの要素が優れていても、成果の出る広告用 LP は作れません。ターゲットユーザーの解像度を上げることから始められるよう、今回紹介した5つのステップでもユーザー理解のステップを最初に取り上げてみました。

ぜひ今回紹介した5つのステップに合わせて、ターゲットユーザーの心に刺さるような広告用 LP を作成してみてください!

広告だけでなくLP改善にも強みがあります。現状の成果にお悩みならキーマケに相談してみませんか?

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「わかりにくいこと」を「わかりやすく」をモットーに、すべての記事を実際に広告運用に関わるメンバー自身が執筆しています。ぜひ無料のメールマガジンに登録して更新情報を見逃さないようにしてください!

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記事を書いた人

古川 雄大
古川 雄大

広告運用 コンサルタント

2021 年入社。大学では理工学部に所属し、制御工学を専攻。また、陸上競技部(短距離走)で活動。キーワードマーケティング入社後、広告事業部に配属される。趣味は海外ドラマ鑑賞と小説を読むこと。おしゃれなカフェや居酒屋に行くことが好き。

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