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【画像で解説】GTM(Googleタグマネージャー)とは?トリガーや変数などの用語解説から設定方法まで

Web 広告を配信した結果、コンバージョンが何件獲得できたかを確認するために、効果計測は欠かせません。一般的にお問い合わせ完了ページや、購入完了ページのアクセス数を計測することで、広告運用の成果を測ります。

成果を計測するには、任意のページにタグと呼ばれるコードを埋め込み、指定した条件でタグが発火すると、広告管理画面に数値が反映されます。

計測にはタグの埋め込みが必須ですが、コンバージョンポイントがいくつもある場合、複数のページに設定しなければいけません。1つ1つ設定するのは、時間もかかれば、ミスが起こる可能性もあります。

そんな時には、タグを一括で管理できるツール(Google タグマネージャーやYahoo! タグマネージャーなど)を使いましょう!

今回は、Google アナリティクスや Google 広告との相性もよく、Google 以外のタグにも対応している Google タグマネージャーの概要やメリット、使い方を紹介します。

Google タグマネージャー(GTM)とは

Google タグマネージャー(GTM)とは、Google が提供しているタグ管理ツールです。タグ管理ツールは、タグを一元管理できるため、サイトのソースコードが煩雑にならないメリットがあります。

Google タグマネージャー は他にも、無料で利用できる点やサイト修正が必要ないため、代理店がクライアントやサイト制作会社に修正依頼をする手間が省けるというメリットもあります。また、プレビューモードで設定したタグの動作確認ができるのも良い点です。

Google タグマネージャーにおける用語紹介

Google タグマネージャーで作業を進めると専門用語が出てくるため、予め覚えておきましょう。本記事でも専門用語を使用して説明をするため、用語を確認した上で読み進めてもらえればと思います。

アカウント

Google タグマネージャーで最も高い階層構造に位置するアカウントは、企業ごとに1つ作成する必要があります。

アカウントでは、コンテナを管理するユーザーの基本情報の確認や、追加、変更などができます。ユーザーを追加する場合、「管理者」にするか「ユーザー」にするかを決めます。

デフォルトでは「ユーザー」が選択されています。「ユーザー」ではアカウントの基本情報を確認することができます。基本情報とは、アカウント設定内のアカウント ID やアカウント名を指します。

一方で「管理者」であると、新しいコンテナの作成と、アカウントやコンテナのユーザー権限を変更できます。権限には「アクセス権なし」や「読み取り」、「編集」、「承認」、「公開」の5つがあり、それぞれの権限でできることは以下の通りです。

できること\権限アクセス権なし読み取り編集承認公開
コンテナの表示×
タグ、トリガー、変数×閲覧のみ、編集不可
ワークスペース××作成と編集のみ、公開不可作成と編集のみ、公開不可
バージョン×××作成と編集のみ、公開不可
GTM でできること

コンテナ

コンテナは、アカウントに内包され、タグやトリガーを管理する階層です。複数のサイトを所有している場合は、サイトごとに作成することをおすすめします。

設定では、コンテナの名前とターゲットプラットフォームを選択する項目があります。コンテナ単位でユーザーの権限を付与することもできます。

タグ

Web ページ上のテキストや画像を表示させるために HTML ファイルに記載されたコードを「タグ」と呼ぶことがありますが、Web 広告における「タグ」は意味合いが異なります。

Web 広告では、Web ページを訪問したユーザー情報の取得やコンバージョン件数の計測、コンバージョンに関連する指定の数値を計測するコードのことを「タグ」と呼びます。

タグは、Web ページが読み込まれると提供元のサーバーにデータが送られ、広告の効果があったかを確認することができます。

代表的なタグには、コンバージョン計測タグが挙げられます。コンバージョン計測タグとは、コンバージョンが何件発生したかを計測できるタグを指します。

例えば、サンクスページ(購入完了やお問い合わせ完了)にコンバージョンタグを埋め込んでおくことで、該当のページが開かれるとタグが発火し、コンバージョンとしてカウントされます。

サンクスページにコンバージョンタグを設置した際のイメージ

コンバージョン計測タグの他に、サイト訪問したことがある人に広告を配信するために必要なリターゲティングタグもほぼ必ず設定するタグの1つです。

トリガー

トリガーは、タグの発火条件やタイミングを指定するものです。トリガーで設定した条件が引き金となり、紐づけたタグが発火します。トリガーは、指定の箇所の表示や URL を指定するものなどを条件として設定できます。

トリガーとタグの関係性

例えば、発火条件を指定のページを訪れたらとするならば、「URL 指定」をします。コンバージョン後に表示される購入完了ページの URL( https://www.kwm.co.jp/contact/thanks/ )の「/contact/thanks/」を含む URL を条件として設定します。

上記設定をおこなった場合、発火するかしないかをまとめたのが以下の表になります。 

ページURL発火
購入完了ページhttps://www.kwm.co.jp/contact/thanks/する
予約確認ページhttps://www.kwm.co.jp/reserve-confirmation/しない
ブログ TOP ページhttps://www.kwm.co.jp/blog/しない
サイト TOP ページhttps://www.kwm.co.jp/しない

変数

変数は、Web サイトやモバイルアプリにおいて動的な(変動する)値を保持する箱のようなものです。例えば、「Page URL」という名前の変数は、開かれた Web ページの URL を取得します。

また、変数はタグとトリガーの両方で使用されることがあります。

タグの場合は、商品 ID や購入金額などの動的な値を取得する際に使用されます。例えば、商品が購入されたら、どの商品が購入されたか、購入金額がいくらだったかをタグの発火とともに検知することができます。

トリガーは、特定のタグが配信される条件を指定するために使用されます。例えば、URL 変数に「/contact/thanks/」が含まれている場合にトリガーを発動させるような設定になります。

Google タグマネージャーには、事前に定義づけされている組み込み変数という変数があり、「Event」と「Page Hostname」、「Page Path」、「Page URL」、「Referrer」の5つがデフォルトで使えるようになっています。

変数 > 設定

変数の設定画面で「設定」ボタンをクリックすると、その他の組み込み変数が表示され、チェックボックスにチェックを入れると使えるようになります。

組み込み変数の一覧

基本的な計測は組み込み変数で事足ります。ただ、Web ページや計測したい内容によっては組み込み変数では対応できない場合があります。その場合は、個人で定義づけをおこなうユーザー定義変数で、新たな変数を作成することができます。

ワークスペース

ワークスペースでは、コンテナでおこなった変更やタグの追加をグループ化して管理します。メンバーごとに別々のワークスペースで作業できるため、タグ設定の試行錯誤やテストをそれぞれでおこなうことができます。

ワークスペースは変更前の設定内容も記録されるため、以前の設定内容に戻すということも容易におこなえます。

全てのコンテナでデフォルトのワークスペースが作成され、コンテナの変更作業は常にワークスペースでおこなわれます。通常のアカウントでは最大2つのワークスペースを追加可能ですが、タグマネージャー360アカウントでは無制限に作成できます。

参考:Google タグ マネージャー 360 の概要 | タグ マネージャー ヘルプ

バージョン

バージョンとは、過去のコンテナ設定の記録を指します。ワークスペースにおける現在の状態を1つのバージョンとして記録できるため、元のコンテナ設定に戻したいときや過去の設定に戻したいときに復元が簡単にできます。

バージョンを作成できるのは、承認権限以上のアクセス権を持つユーザーに限られます。また、バージョンはコンテナが公開されるたびにそのコンテナのバージョンが自動的に記録されます。

アカウント開設から基本的な設定まで

それでは実際に、アカウント開設から基本的な設定まで紹介します。設定の部分では、設定する頻度が多い Google と Yahoo! のコンバージョン計測を例に紹介します。

また今回は、ユーザーがお問い合わせ完了ページ( https://www.kwm.co.jp/contact/thanks/ )に訪問をしたときを1コンバージョンとして計測する想定で設定を進めていきます。

アカウント開設とコンテナ作成

まずは、アカウントの開設をおこないます。Google にログインした状態で、 Google タグマネージャーからアカウントを作成します。既に既存のアカウントを管理している Google タグマネージャーがあれば、そちらを利用しましょう。

画像の赤枠の「アカウントを作成」ボタンをクリックし、設定項目を表示させます。アカウント名は任意の名前を入力しますが、最上位の階層になるため会社名を設定しましょう。

アカウントを作成を選択

次に、使用する国を選択します。「Google や他の人と匿名でデータを共有」にチェックを入れると、Google がデータにアクセス・分析できると同時に、他の企業アカウントにも匿名でデータが共有されるようになります。

また、ベンチマーク機能といって競合サイトと比較できるサービスを利用できるようになります。ベンチマーク機能を利用したい場合は、匿名でデータが共有される点を踏まえてチェックを入れましょう。

アカウント名を入力 > 国を選択 > Google や他の人と匿名でデータを共有 の可否を選択

アカウントの設定の下にあるコンテナの設定で1つコンテナを作成することができます。コンテナ名の指定とターゲットとするプラットフォームを選択しましょう。

コンテナ名は、どのサイトを管理するか分かるような名前が良いでしょう。ターゲットプラットフォームは、「ウェブ」や「iOS」、「Android」、「AMP」、「Server」から使用目的に合わせて選択します。

今回は、ウェブサイトでのコンバージョン計測を想定しているため、「ウェブ」を選択し、作成をクリックします。

コンテナ名を入力 > ターゲットプラットフォームを選択 > 作成

作成ボタンをクリックすると、利用規約が表示されます。利用規約の確認と下部のチェックボックスにチェックを入れて「はい」をクリックするとアカウントの作成が完了します。

Google タグマネージャー利用規約

Googleタグマネージャーをサイトに設置

アカウントの開設とコンテナの作成が完了すると、「Google タグマネージャーをインストール」という画面が表示されます。記述してあるコードはタグやトリガーを発火させる土台となるため、必ずサイトの全てのページに設置する必要があります。

上にあるコードは <head> タグ内のなるべく上の方に設置します。また、下にあるコードは <body> の開始タグ直後に貼り付けます。コピーしたコードはそのまま貼り付けます。

Google タグマネージャーをインストール

トリガー作成

Google タグマネージャーのコードをサイトに設置できたら、いよいよ Google タグマネージャー内で設定をおこなっていきます。まずは、発火条件となるトリガーを作成します。

左側のメニューから「トリガー」を選択し、「新規」をクリックします。

トリガー > 新規

表示される画面で、トリガーの詳細を定義づけていきます。トリガー名は任意のものを入力し、トリガーのタイプを下記の中から選択します。

カテゴリ 使用シーン例 タイプ名 詳細
ページビュー ・購入完了ページ
・お問い合わせ完了ページ
・資料ダウンロード
・完了ページ
・会員登録完了ページ
・体験申し込み完了ページ
・フォーム画面
DOM Ready ・ブラウザで HTML のページ読み込みが完全に終了し、ドキュメントオブジェクトモデル(DOM)が解析できる状態になった後に発動する
・DOM に対応して変数に値が入力されるページの場合に使用する
ウィンドウの読み込み ・画像やスクリプトなどを含め、ページが完全に読み込まれた後に発動する
ページビュー ・ブラウザがページの読み込みを開始するとすぐに発動する
初期化 ・他のトリガーよりも前に配信したいタグに使用する
・ただし、「同意の初期化」トリガーがあれば、そちらが優先される
同意の初期化 ・サイト内における同意に関する設定・更新を、他のすべてのトリガーの配信よりも前に適用する
・単にタグを早い段階で配信する目的であれば、「初期化」を使用する
クリック ・トップページ
・商品一覧ページ
・商品詳細ページ
・フォーム画面
・資料一覧ページ
すべての要素 ・ページ上のすべての要素(リンク、画像、ボタンなど)のクリックを測定する
リンクのみ ・<a> 要素(例: <a href=”www.google.com”>Google.com</a>)を使用する HTML リンクのクリックを測定する
ユーザーエンゲージメント ・動画掲載ページ
・トップページ
・サービス紹介ページ
・フォーム画面
YouTube 動画・ページに埋め込まれている YouTube 動画での操作に基づいてタグを配信する
・指定できる操作は、開始(動画の再生が開始されると、タグが配信)や完了(動画の再生が終わると、タグが配信)などがある※1
スクロール距離 ・ページをどれだけスクロールして進んだかに応じてタグを配信する
・縦方向か横方向の2種類がある
フォームの送信 ・フォームが送信されたときタグを配信する
・オプションとして、「タグの配信を待つ(すべてのタグが配信されるか、指定した時間が経過するまで待機する)」や「妥当性をチェック(フォーム送信ボタンのクリックが妥当な行動とみなされた場合にタグが配信される)」がある※2
要素の表示 ・選択した要素がブラウザのビューポート(表示領域)に表示されると発動する
・要素は、ページの読み込み、ページのスクロールなどがある※3
その他 ・購入完了ページ
・お問い合わせ完了ページ
・資料ダウンロード完了ページ
・会員登録完了ページ
・体験申し込み完了ページ
・フォーム画面
・トップページ
・商品一覧ページ
・商品詳細ページ
・フォーム画面
・資料一覧ページ
・動画掲載ページ
・サービス紹介ページ
JavaScript エラー ・読み込みできなかった JavaScript の例外(window.onError)が発生したときにタグを配信する
・解析ツールにエラー メッセージを記録することができる
カスタムイベント ・標準的な方法では処理されない操作をトラッキングするために使用する
・例えば、「button1-click」というカスタム イベントがデータレイヤーにプッシュ(送信)されたときにタグを配信できる※4
タイマー・一定の間隔でタグマネージャーにイベントを送信できる
・ユーザーがページで行動(記事を読む、フォームに記入する、購入を完了するなど)を完了するまでの時間を測定できる
トリガーグループ ・複数のトリガーの条件を1つの条件としてまとめているグループを、選択したすべてのトリガーが1回以上配信された後に配信される
履歴の変更 ・URL の一部が変更されたとき、またはサイトで HTML5 pushState API が使用されたときにタグを配信する
※1.その他の指定できる操作の詳細はこちら YouTube 動画トリガー|タグ マネージャー ヘルプ 
※2.各オプションの詳細はこちら フォーム送信トリガー|タグ マネージャー ヘルプ
※3.その他の要素やオプションはこちら 要素の表示トリガー|タグ マネージャー ヘルプ
※4.設定例の詳細はこちら カスタム イベント トリガー|タグ マネージャー ヘルプ

今回はコンバージョンページを計測する想定のため、「ページビュー」を選択します。次に、トリガーの発動条件を指定します。「すべてのページビュー」では全ページで発動してしまうため、「一部のページビュー」を選択し、詳細の条件を指定します。

3つの項目のうち、左側から変数の指定、発動範囲の指定、条件の指定をおこないます。キャプチャの内容では、「ページ URL に、www.kwm.co.jp/contact/thanks/ を含む場合に発動する」という条件になります。

コンバージョン名 > トリガーのタイプ > トリガーの発生場所 > 発動条件

タグ作成

トリガーが作成できたら、タグを作成していきます。Google と Yahoo! で設定する手順はほとんど同じ流れですが、選択項目が異なる部分もあるため、それぞれ説明します。

Google 広告

まず、Google 広告の管理画面から設定をおこないます。管理画面の上部にあるメニューから、ツールと設定を選択し、測定の項目からコンバージョンをクリックします。次に、左上の「+新しいコンバージョン アクション」をクリックします。

ツールと設定 > 測定 > コンバージョン > +新しいコンバージョン アクション

次に、コンバージョンの種類を選択します。「ウェブサイト」や「アプリ」、「電話件数」、「インポート」の4種類から、設定するコンバージョンに沿ったものを選択します。今回は、お問い合わせ完了ページの到達を計測したいので、「ウェブサイト」を選択します。

コンバージョンの種類 > ウェブサイト

次に、ウェブサイトのドメインを入力して「スキャン」をクリックします。

ウェブサイトのドメインを入力 > スキャン

スキャンが完了すると、ページを読み込みコンバージョンアクションとして追加するか、コードを使用して手動で作成する選択肢が表示されます。

ページを読み込む方法は、コンバージョンページの URL と一致するように条件を設定することで、コンバージョンアクションを追加できます。

今回は、Google タグマネージャーを使用して追加するため、「+手動でコンバージョンアクションを追加」をクリックします。

+コンバージョンアクションを追加を選択

次に、コンバージョンアクションの詳細を入力します。まず、目標とアクションの最適化では、設定するコンバージョンアクションの目標カテゴリを分類します。

分類をしておくと、アクションごとのグループができるため、最適化をかけたいポイントを選択、変更する場合に役立ちます。

例えば、すべて「その他」という目標カテゴリで設定すると、成果に計上するコンバージョンと計上しないコンバージョンが混同してしまい、成果に計上し最適化に使うコンバージョンをキャンペーンごとに選択しなければなりません。

そこで、購入に関する複数のコンバージョンは「購入」として分類、お問い合わせに関する複数のコンバージョンは「リードフォームの送信」として分類することで、最適化ポイントの選択や変更が簡単になります。カテゴリは、以下から選択できます。

カテゴリ選択肢
販売カテゴリ購入、カートに追加、決済手続きの開始、定期購入
セールスリード連絡先、リードフォームの送信、予約、申し込み、
見積もりのリクエスト、ルート・乗換案内、離脱クリック
その他のカテゴリページビュー、その他

コンバージョンアクションの最適化オプションでは、コンバージョンをメインとして最適化ポイントに使うか、補助として最適化には使わない(=モニタリング)かを選べます。

メインを選択すると広告管理画面の「コンバージョン」に反映されることになり、補助を選択すると「コンバージョン」には反映されず、「すべてのコンバージョン」で確認できるようになります。

各コンバージョンが売上や成果に直結するかどうかでメインか補助かを選択すると良いでしょう。

例えば、購入完了やお問い合わせ完了などは売上や成果に直結するコンバージョンのため、メインに設定します。一方で、購入完了やお問い合わせ完了前のフォーム画面は、売上や成果に直結しないため、補助として設定します。

今回は、目標カテゴリ「ページビュー」のメインアクションとしてコンバージョン「問い合わせ完了」で設定します。

目標とアクションの最適化 > コンバージョン名

次に、値とカウント方法を選択します。値は、コンバージョンの価値を割り当てます。コンバージョン1件あたりの価値を割り当てることで、費用対効果を測ることが可能になります。

価値を割り当てると、管理画面の「コンバージョン値」に反映されるようになります。価値の割り当て方法は、以下の3つから選択します。

値の割り当て方法詳細
すべてのコンバージョンに同一の価値を割り当てる・コンバージョンが発生するたびに、同じ値が記録される
・通貨と金額を入力することで、管理画面上で確認できるようになる
コンバージョンごとに異なる価値を割り当てる・コンバージョンごとに個別の値が記録される
・ただし、数値を動的に取得できるコードの追加が必要
・上記コードがない場合は、デフォルトの値が使用される
・デフォルトの値として、通貨と金額を入力する
このコンバージョン アクションでは値は使用しない・コンバージョンの価値を定めないため、コンバージョン値は0となる
コンバージョンの値「値の割当方法」

カウント方法は、クリック1回につきコンバージョンをカウントする回数を指定することができます。

カウント方法は、「全件」と「初回のみ」の2種類です。「全件」は、名称の通りすべてのコンバージョンをカウントします。

「初回のみ」は最初のコンバージョンのみカウントします。初回のみを使う場合は、お問い合わせやユーザーの会員登録などが例として挙げられます。

今回はお問い合わせ完了のコンバージョンのため、値の割り当ては使用せず、カウント方法は初回のみで設定します。

値を選択・入力 > カウント方法を選択

次に、計測期間とアトリビューションについて設定します。アトリビューションとは、ユーザーが広告とどのように関わったかによってコンバージョンへの貢献度を割り当てる考え方で、コンバージョン作成の部分で割り当て方についての設定をおこないます。計測期間とアトリビューションの詳細は以下の通りです。

計測期間の項目詳細
クリックスルーコンバージョンの計測期間・ユーザーが広告をクリックしてからコンバージョンを計測するまでの最大期間を指定する
・期間は1~90日間で指定可能
エンゲージビューの計測期間・動画のエンゲージメント後(動画広告を10秒以上視聴)、コンバージョンを計測するまでの最大期間を指定する・期間は1~30日間で指定可能
ビュースルーコンバージョンの計測期間・ユーザーに広告が表示されてから、コンバージョンを計測するまでの最大期間を指定する
・期間は1~30日間で指定可能
計測期間の詳細
アトリビューションモデル詳細
ラストクリック・コンバージョン経路で最後にクリックされた広告とそれに対応するキーワードに貢献度を割り当てる
ファーストクリック・コンバージョン経路で最初にクリックされた広告とそれに対応するキーワードに貢献度を割り当てる
線形・コンバージョン経路で発生したすべての広告に貢献度を均等に割り当てる
減衰・コンバージョンまでの時間が短い広告に、より多くの貢献度を割り当てる
・貢献度は7日間の半減期を使って割り当てられるつまり、コンバージョン獲得から8日前の広告には、コンバージョン獲得の前日の広告の半分の貢献度が割り当てられる
接点ベース・コンバージョン経路の最初と最後の両方の広告とそれに対応するキーワードにそれぞれ40%の貢献度を割り当てる
・コンバージョン経路で発生したそれ以外の広告に残りの20% を均等に割り当てる
データドリブン・過去のデータに基づいてコンバージョンの貢献度を割り当てる
・他のモデルとは異なり、アカウントのデータを利用して、コンバージョン経路全体における各広告の実際の貢献度が計算される
・十分なデータが蓄積されたアカウントのみ利用可能
参考:データドリブン アトリビューションについて |  Google 広告 ヘルプ 

今回はデフォルトのクリックスルーの計測期間30日間、エンゲージビュー計測期間3日間、ビュースルー計測期間1日間、アトリビューションモデルはラストクリックで設定します。

各計測期間の指定 > アトリビューションモデルの選択

最後に、拡張 CPC の使用について選択します。拡張 CPC とは、個別クリック単価制においてコンバージョンに繋がる可能性が高いクリックに対して入札単価が引き上げられる機能です。

逆に、コンバージョンの可能性が低いクリックに対しては入札単価が引き下げられます。設定した入札よりも単価が高くなる可能性がありますが、予算を最大限に使ってコンバージョン数増加を狙うのであれば適用することをおすすめします。

拡張 CPC の設定項目

最後に、左下の「完了」ボタンをクリックするとコンバージョンアクションとして追加されます。コンバージョンアクションは複数追加することができます。追加したいコンバージョンアクションの登録が完了したら、左下の「保存して次へ」をクリックします。

コンバージョンアクションを追加 > 保存して次へ

次のページで計測コードを HTML か AMP の形式でコピー、ダウンロードすることができます。

こちらでも設定することは可能ですが、Google タグマネージャーと Google 広告ならではの設定方法があるため、「完了」ボタンをクリックします。

コンバージョン一覧ページに遷移するため、該当のコンバージョンアクションを選択します。下部のタグの追加方法から「Google タグマネージャーを使用する」を選択し、表示される手順に沿って進めていきます。

まずは、コンバージョン ID とコンバージョンラベルをコピーし、Google タグマネージャーに移ります。

Google タグマネージャーを使用する > コンバージョン ID 、コンバージョンラベルをコピー

Google タグマネージャーのタグを選択し、「新規」をクリックします。次に、タグ名を任意で設定します。媒体とコンバージョンアクションが分かるタグ名が好ましいため、「【Google】問い合わせ完了」と入力しました。

タグの設定では、まずはタグの種類を選択します。今回は、Google 広告のコンバージョン計測のため、「Google 広告のコンバージョントラッキング」を選択します。

次に、トラッキングの詳細を設定しますが、必須項目であるコンバージョン ID とコンバージョンラベルを入力すれば計測できるようになります。トリガーは先ほど作成した、問い合わせ完了トリガーを選択します。「保存」をクリックし、タグの作成が完了です。

タグ > 新規
タグ名 > タグの設定 > トリガー

Google 広告のコンバージョン計測をする場合、コンバージョンリンカータグも設定します。コンバージョンリンカータグとは、広告とコンバージョンを繋ぐ橋渡しのような役割を担うタグです。

広告のクリックに関する情報が、コンバージョンリンカータグが設定されているページに保持され、コンバージョンと広告をクリックしたユーザーを関連付けるように働きます。

このようにコンバージョンリンカータグを設定することで、正確にコンバージョン計測できるようになります。設定手順は以下の通りです。

タグの新規追加の手順で、タグ作成画面を開きます。タグ名は「コンバージョンリンカー」と入力し、タグの種類で「コンバージョンリンカー」を選択します。

詳細のオプション項目がありますが、デフォルトのままで問題ありません。トリガーは、「All Pages(すべてのページ)」を選択します。Google タグマネージャーのタグと同様に土台となるタグのため、すべてのページに適用させましょう。

コンバージョンリンカー

これで Google のコンバージョン設定は完了です。

Yahoo!広告

続いて、Yahoo! 検索の設定手順を紹介します。広告管理画面の「ツール」から「コンバージョン測定」を選択し、「+コンバージョン測定の新規測定」をクリックします。

ツール > コンバージョン測定 > +コンバージョン測定の新規測定

次に、コンバージョンの概要で、コンバージョン名の入力、コンバージョン種別とコンバージョン測定の目的を選択します。コンバージョン種別は Google ではコンバージョンの種類で、コンバージョン測定の目的は目標カテゴリにあたります。それぞれ選択できる項目は以下の通りです。

コンバージョン種別ウェブページ、電話発信、アプリ、インポート
コンバージョン測定の目的購入/販売、お申し込み、販売促進、主要なページの閲覧、その他

今回は Google と同様に、コンバージョン種別は「ウェブページ」、目的は「主要なページの閲覧」で選択します。

コンバージョン名 > コンバージョン種別 > コンバージョン測定の目的

次に、コンバージョンの測定情報を指定します。計測方法は「毎回」と「初回のみ」で、Google のカウント方法と同じ意味合いです。

自動入札への利用は、「する」を選ぶと最適化ポイントに適用され、「いいえ」を選ぶと計測はされるものの最適化ポイントにはなりません。

計測期間は1日〜90日で設定でき、デフォルトや未入力の場合は30日で設定されます。1コンバージョンあたりの価値は、コンバージョンの価値(購入金額など)が決まっている場合に、金額を入力します。

コンバージョンごとに価値が異なる場合は、仮の金額を入力し、コンバージョン測定のタグ内の数値を動的に変更することで計測が可能になります。

今回は、計測方法を「初回のみ」、自動入札への利用は「する」、計測期間は「30日」、1コンバージョンあたりの価値は未記入で「保存してタグを取得」をクリックします。

計測方法 > 自動入札への利用 > 計測期間 > 1コンバージョン当たりの価値

下部の「タグを表示」をクリックすると、コンバージョン測定タグが表示されます。リニューアル版と従来版がありますが、ブラウザなどの環境の影響を受けにくい新しいフォーマットであるリニューアル版を選択しましょう。

タグは2種類あり、サイトジェネラルタグ(コンバージョン測定補完機能タグを含む)とコンバージョン測定タグがあります。

サイトジェネラルタグはファーストパーティ Cookie を作成し、各トラッキングタグを管理、実行させる役割を持つタグです。

コンバージョン測定補完機能タグは、Google でいうコンバージョンリンカーにあたります。コンバージョン測定タグは、コンバージョンアクションを計測するためのコードです。

サイトジェネラルタグは1件だけ設定すれば良いですが、コンバージョン測定タグは、コンバージョンアクションごとに設定する必要があります。これらのコードをコピーして、Google タグマネージャーに移ります。

コンバージョン測定タグ > サイトジェネラルタグ・コンバージョン測定補完機能タグ
コンバージョン測定タグ

Google タグマネージャーで新規タグを作成し、タグ名を「【Yahoo!】サイトジェネラルタグ・コンバージョン測定補完機能タグ」と入力します。

タグの種類は、「カスタム HTML」を選択し、先ほどコピーしたサイトジェネラルタグのコードをそのまま貼り付けます。トリガーは「All Pages」を選択し、「保存」をクリックします。

サイトジェネラルタグ・コンバージョン測定補完機能タグの設定

同じ手順でコンバージョン測定タグも設定していきます。タグ名は「【Yahoo!】問い合わせ完了」で、タグの種類は「カスタム HTML」を選択します。

先ほどコピーしたコンバージョン測定タグのコードをそのまま貼り付け、トリガーは問い合わせ完了トリガーを選択し、「保存」をクリックします。

問い合わせ完了タグの設定

以上でタグの設定は完了になります。

プレビューモードで確認する

タグまで作成できたら、あとは公開(=実装)するだけですが、その前にプレビューモードで確認することをおすすめします。

プレビューモードは、公開前のタグを含めたコンテナ設定で意図したタグの発火ができているかを確認できる機能です。プレビューモードでの確認手順は以下の通りです。

画面右上にある「プレビュー」をクリックします。クリックするとプレビューモードの画面が開きます。URL 入力欄に、計測確認したいページ URL を入力し、「Connect」をクリックします。

プレビューをクリック
計測確認したいページ URL を入力

計測確認したいページが別ウィンドウで開き、プレビューモードの画面にはタグの発火状況が表示されます。該当のタグがプレビューモードの画面内「Tag Fired」のすぐ下にタグ名が表示されていたら、設定した条件で発火していることになります。

「Tag  Not Fired」の下に表示されているタグは発火していません。もし、発火させたいタグが「Tag  Not Fired」の下に表示されていたら、計測できない状態のため、タグやトリガーの設定が間違っていないか見直しましょう。

プレビューモード画面(Tag Fired )と別ウィンドウで開かれる計測ページ

プレビューモード画面(Tag  Not Fired )と別ウィンドウで開かれる計測ページ

公開

プレビューモードでタグが正常に発火したことを確認できたら、いよいよ公開(=実装)です。プレビューモードでの発火確認はできましたが、この公開作業をおこなわなければ実際に計測できるようにはなりません。

画面右上にある「公開」をクリックすると、バージョン設定についての画面が表示されます。現在変更をおこなうコンテナ設定をバージョンとして記録したい場合、バージョン名を入力して「公開」をクリックします。もし、バージョンとして記録する必要がなければ、入力せずに「公開」をクリックします。

公開 > バージョン名入力 > 公開

以下の画面が表示されたら、タグの公開まで完了です。

公開完了

Google タグマネージャー導入時の注意点

タグの管理や設定の手間を省ける Google タグマネージャーですが、便利な一方、導入時に注意しなければならない点もあります。特に起こりがちなケース2件を紹介します。

1.二重発火になる可能性をなくす

二重発火は、Google アナリティクスのタグでよく起こり得る可能性が高いケースです。

Google アナリティクスタグをソースコード内に直接埋め込んでいるにも関わらず、Google タグマネージャーでも設置してしまうと二重発火の原因となります。

その場合、Google アナリティクスには本来の2倍の数値が反映されてしまいます。Google タグマネージャーで、Google アナリティクスのタグを設置する際は、ソースコード内にタグが埋め込まれていないか確認しておきましょう。

ソースコードを表示させ、「Global site tag (gtag.js)」でサイト内検索をして同じ文字列があれば、Google アナリティクスのタグが埋め込まれているということになります。

自社運用から代理店運用に切り替えたタイミングや、サイト担当者が変更になったタイミングなどで起こり得るため、コード内検索をして確認しておきましょう。

2.意図していないページでの発火がないか丁寧にチェックする

プレビューモードでコンバージョンページのタグ発火を確認できたから、計測設定は問題ないと安心するのは危険です。もしかしたら、コンバージョンページの他にも同じトリガー条件で発火してしまうページがあるかもしれないからです。

例えば、「https://www.kwm.co.jp/contact/thanks/」というコンバージョンページの計測をするために「/contact/thanks/」を含む URL が開かれた際に発火というトリガーの設定をしたとします。もちろん、該当のコンバージョンページで発火もしますが、仮に「https://www.kwm.co.jp/contact/thanks/failure 」というページが存在した場合、こちらもトリガー条件に合致してしまいます。

このように、意図していないページでもタグの発火がしてしまう危険があるのです。上記の場合、「/contact/thanks/」を含むが”「failure」は含まない” URL が開かれた際に発火という条件を付け加える必要があります。

ページ URL をトリガー条件とする際は、Google アナリティクスのページ検索機能を使って、条件に合致するページが他にもないか確認してみましょう。

Google アナリティクス > 行動 > サイトコンテンツ > すべてのページ

コンバージョン計測をGTMで設定してみよう

基本的なコンバージョン計測は、本記事で紹介した流れで計測可能になるはずです。お問い合わせ完了や購入完了など、各々のコンバージョンポイントに合わせて計測設定をおこなってみましょう。

また、記事の後半で紹介したプレビューモードでの発火確認や導入時の注意点は正常に計測するにあたって欠かせないチェックポイントになります。初めて Google タグマネージャーを使う方は、特に慎重に作業をしましょう。

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記事を書いた人

秋元 航平
秋元 航平

マーケティング

2019年4月に新卒で入社後、研修を経て運用チームに配属。toB、toC等の案件を担当した後、セールスチームに異動となる。趣味はお笑いと観賞(研究?)と謎解き。特に好きな芸人は東京03とバナナマン。

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