Google アプリから検索すると、検索バーの下に記事や広告を見たことがありませんか?これは「Google Discover」と呼ばれる機能で、ユーザーの興味や関心に基づいて、関連性の高いコンテンツが自動的に表示されます。
この記事では、Google Discover の仕組みやメリットなどの基本的な情報に加え、コンテンツを掲載する方法、広告を掲載する方法やその成果について詳しく解説していきます。
Google Discover とは、ユーザーの興味や関心に関連するコンテンツを提供する機能です。ユーザーの検索履歴やアプリの利用状況、位置情報などに基づいて、その時そのユーザーに関連性の高いコンテンツを表示します。
例えば、エンタメについてよく調べているユーザーはエンタメ関連のコンテンツ、マーケティングに関して調べているユーザーならマーケティング関連のコンテンツが表示されたりもします。
表示箇所は Google アプリや Google Chrome のアプリの検索バーの下部に加え、Android スマートフォンではホーム画面を右にスワイプすることで閲覧できます。
また、2023年12月からは PC にも配信されるようになり、google.co.jp または google.com にアクセスすると、アプリ版と同じように検索バーの下に様々なコンテンツが配信されるようになっています。
Google Discover にコンテンツが掲載されるには、大前提としてコンテンツが Google にインデックス登録されていて、Discover のコンテンツポリシーを満たしている必要があります。
Discover のコンテンツポリシーについては、下記のヘルプページに詳細が記載されています。
Discover のコンテンツ ポリシー|Google 検索ヘルプ
Discover での表示ではタグや構造化データ、アカウント登録などは必要ありませんが、SEO と同じように確実に掲載する方法はありません。
そのため、見た人がファンになってくれるような役立つコンテンツを作ることがポイントになります。
その上で、Discover は Google 検索が使用するのと同じシグナルとシステムの多くを利用して、ユーザーが興味や関心を持ちそうか、ユーザー第一の有用なコンテンツかどうかを判断して掲載するコンテンツを決めていきます。ユーザーが興味や関心を持ちそうかどうかは、これまでの検索キーワードやページの閲覧履歴、属性、ダウンロードしたアプリの情報など多角的な情報を総合的に分析して判断されています。
また、広告を配信することも可能ですが、Google Discover だけに絞って配信することはできないため、「デマンドジェネレーションキャンペーン」か「P-MAX キャンペーン」のいずれかのキャンペーンを設定することで掲載可能になります。
Google Discover にコンテンツや広告を配信するには大きく分けて2つの方法があります。
Google Discover にコンテンツが表示される仕組みは、Google から公式に発表されています。
コンテンツが Google にインデックス登録されていて、かつ Discover のコンテンツ ポリシーを満たしていれば、そのコンテンツは自動的に Discover の表示対象になります。特別なタグや構造化データは必要ありません。
Discover とウェブサイト|Google 検索セントラル
このことから公式が推奨する方針に則ったサイトを制作して、自然に Discover 面に掲載されるまで待つということです。
ただし、Discover の表示対象になっていても、必ず表示されるとは限りません。Discover は、検索が使用するのと同じシグナルとシステムを利用して、ユーザー第一の有用なコンテンツを判断します。
Discover とウェブサイト|Google 検索セントラル
- コンテンツの本質を捉えたページタイトルを、クリックベイト以外の方法で作成する。
- 魅力的な高画質の画像、特に Discover からのアクセスが発生する可能性の高いサイズの大きな画像をコンテンツに含める。サイズの大きな画像は、幅を 1,200 ピクセル以上とし、max-image-preview:large の設定または AMP を使用して有効にする必要があります。サイトのロゴを画像として使用しないでください。
- プレビュー コンテンツ(タイトル、スニペット、画像)に誤解を招くような内容や誇張した内容を入れて注目を集めたり、コンテンツの内容を理解するうえで必要な重要情報を伏せたりして、人為的にエンゲージメントを高める手法は避ける。
- 病的な好奇心を掻き立てたり、刺激的な内容や怒りをあおる内容で注目を集めたりするような手法は避ける。
- 興味や関心をふまえたタイムリーなコンテンツ、ストーリーをうまく伝えるコンテンツ、独自の情報や考察を提供するコンテンツを作成する。
また、「ユーザー第一の信頼できる有用なコンテンツ」を作成するためのガイドラインも公式から発表されているので、参考にしてください。
有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成|Google 検索セントラル
Google Discover で「スポンサー」とついたコンテンツを見たことはないでしょうか?
これは、Google 広告から配信された広告です。そのため、方法1の手順を踏まずとも任意のコンテンツを Google Discover に配信できます。
Google Discover への広告配信は、「デマンドジェネレーションキャンペーン」と「P-MAX キャンペーン」の2つの形式のみで可能です。Google Discover に出てくる広告コンテンツは一見するとディスプレイ広告のようにも思えますが、Google ディスプレイキャンペーン経由では広告を配信することはできないので注意しましょう。
また、「デマンドジェネレーションキャンペーン」と「P-MAX キャンペーン」は、1つの広告フォーマットで様々な配信面を横断して広告配信ができるキャンペーンです。
ただし、Google Discover だけに広告を配信したり Google Discover だけを除外して配信したりすることはできません。さらに、これらのキャンペーンを通じて Google Discover の広告配信実績を個別に確認できないという制限もあります。
しかし、これらのキャンペーンは高い広告効果を生み出しやすいフォーマットです。 その要因の一つとして、Google Discover という特殊な配信面を包んでいることが考えられます。
「デマンドジェネレーションキャンペーン」と「P-MAX キャンペーン」を使うことで Google Discover に広告配信ができると紹介しました。ここでは、それぞれの特徴やキーワードマーケティングでの実績を詳細にご紹介します。
デマンドジェネレーションキャンペーンは、Google Discover のほかにも YouTube ショートや YouTube 全体、Gmail、Google 動画パートナーに広告を配信して、ユーザーからのエンゲージメントとアクションを獲得できます。
かつては、ファインドキャンペーンと呼ばれていましたが、2023年10月から11月にかけて自動的にアップデートされ、配信先やクリエイティブフォーマット、入札戦略、設定可能オーディエンスが追加されました。
ファインドキャンペーンとデマンドジェネレーションキャンペーンの違いについては、過去のブログで詳細に解説していますので、参考にしてください。
Google広告のデマンドジェネレーションキャンペーンとは?特徴や配信面、設定方法まで解説|キーマケのブログ|株式会社キーワードマーケティング
デマンドジェネレーションキャンペーンでは YouTube や Discover、Gmail といった Google 独自の配信面に広告配信をすることができます。本記事では配信面や入稿方法、P-MAXとの違いについて解説していきます。
また、デマンドジェネレーションキャンペーンは、Google の広告メニューの中でも、特に視覚的で娯楽性の高い配信面に広告を表示できます。このキャンペーンでは、コンバージョンを獲得することはもちろん、ユーザーからの需要を創出する効果も期待できます。そのため、入札戦略としてコンバージョン数の最大化、コンバージョン値の最大化のほか、クリック数の最大化を利用できることも特徴的な点といえるでしょう。
公式ヘルプにも詳細な解説がありますので、ご参照ください。
デマンド ジェネレーション キャンペーンについて|Google 広告ヘルプ
キーワードマーケティングで運用したデマンドジェネレーションキャンペーンの配信実績をご紹介します。
かける予算が多ければ多いほどコンバージョン単価は高くなるのが一般的です。しかし、本件においては、ディスプレイキャンペーンの約5倍の予算をデマンドジェネレーションキャンペーンにかけているにもかかわらず、コンバージョン単価は2分の1以下の数値となっています。
キャンペーン名 | 費用 | コンバージョン数 | コンバージョン単価 |
---|---|---|---|
デマンドジェネレーション キャンペーン |
¥152,000 | 140 | ¥1,086 |
ディスプレイキャンペーン | ¥35,000 | 15 | ¥2,333 |
デマンドジェネレーションキャンペーンが保有する Discover を含む Google の配信面がいかにユーザーにとって有益で注目されているかがわかるかと思います。
P-MAX キャンペーンは、Google Discover はもちろん、デマンドジェネレーションキャンペーンで配信できる配信先、さらには検索、ディスプレイネットワークなど Google のあらゆるチャネルへ広告を配信できます。
テキストや画像、動画などあらゆるフォーマットの広告クリエイティブを入稿すると、アセットを自動で組み合わせて様々なチャネルへ広告を配信できます。また、配信する際の入札もコンバージョン数の最大化、またはコンバージョン値の最大化の2つのみであるため、自動入札・自動配信に特化したキャンペーンといえます。
また、P-MAX キャンペーンは配信面ごとの成果はもちろん、コンバージョン経路ごとの成果も学習データとして蓄積するという特徴があるため、ユーザーと多くの接点を持つ商材の広告配信で利用するとより良いパフォーマンスを発揮できます。
P-MAX キャンペーンに関する詳しい解説も過去のブログにあるため、ご参照ください。
入札・ターゲティング・配信先を自動で設定する「P-MAX」を徹底解説。設定方法と配信してわかったポイントも紹介|キーマケのブログ|株式会社キーワードマーケティング
P-MAX キャンペーン(パフォーマンスマックスキャンペーン)とは、入札・ターゲティング・配信先をキャンペーンの目標に合わせて自動で設定してくれるキャンペーンです。
キーワードマーケティングで運用した P-MAX キャンペーンの配信実績をご紹介します。
リマーケティングで配信していたディスプレイキャンペーンもかなり低いコンバージョン単価で運用ができていましたが、リマーケティングユーザー以外にも配信される P-MAX キャンペーンでもほぼ同等のコンバージョン単価で運用できており、コンバージョン数の拡大に大いに役立っています。
キャンペーン名 | 費用 | コンバージョン数 | コンバージョン単価 |
---|---|---|---|
P-MAX キャンペーン | ¥1,900,000 | 890 | ¥2,135 |
ディスプレイキャンペーン | ¥95,000 | 39 | ¥2,436 |
デマンドジェネレーションキャンペーン同様、P-MAX キャンペーンの配信先のリッチさに加え、獲得に重点を置いた最適化機能が優れているため、このような結果をもたらすことができるのです。
また、ここまでデマンドジェネレーションキャンペーンと P-MAX の配信事例を紹介してきましたが、どちらのキャンペーンを設定するか迷った場合は、以下の表を参考に配信準備をしていきましょう。
機能 | デマンドジェネレーションキャンペーン | P-MAX キャンペーン |
---|---|---|
入札 |
|
|
掲載先 |
|
(YouTube ショートを含む) |
オーディエンス | 指定できる |
指定できない ※オーディエンスシグナルの 設定は可能 |
レポート | クリエイティブ単位のレポートが確認できる | どのクリエイティブでコンバージョンしたかなど確認できない |
Web 担当者、広告運用者として Google Discover を活用するためには、ユーザー視点から見た Google Discover を知っておくことも重要です。
Google Discover のような自動レコメンドでコンテンツが配信される表示面は、ユーザーの好みに合っていないと、ときにわずらわしさを与えてしまう可能性もあります。そんなとき、ユーザーは自分好みに表示をアレンジする方法があります。
Google Discover では興味のあるものやないものをフィードバックすることで、レコメンドを最適化していくことができる機能があります。
同じようなコンテンツをもっと見たいときは、コンテンツ下のハートボタンをタップすると良い評価をフィードバックができ、類似のコンテンツを増やすことができます。
また、記事の横にある3つの点をタップすると、その記事に興味がない、またはそのトピック全般に興味がないなどをフィードバックできるメニューが表示されます。同じポップアップメニューの中で、「特定ソースからのコンテンツを表示させない」という選択もできます。
Google アプリの見た目を以前のように戻したいという人のために、Discover の表示のオン・オフは選択できるようになっています。
まず、アプリトップで Google アカウントのアイコンをタップし、アカウントの設定画面が出てきたら、「設定」のタブをタップします。「設定」の画面に遷移したら、さらに「その他の設定」をタップします。
最後に、Discover のオン・オフを切り替えるボタンが出てくるため、お好みに合わせて調整できます。
Google Discover は、ユーザーの興味・関心に基づいてコンテンツを配信するため、高いエンゲージメントが期待できます。Google Discover への最適化は容易ではありませんが、デマンドジェネレーションキャンペーンや P-MAX キャンペーンを活用することで、効果的な配信が可能になります。
Google は Google Discover の機能強化や利便性の向上に力を入れており、プラットフォームとしての重要性は今後も高まっていくと考えられます。ぜひ Google Discover を活用してみてください。
広告運用 コンサルタント
2021年9月に中途入社。2019年からWebマーケティング業界に携わり、toB/toC問わず様々なサービス、商材の広告運用を担当。好きな広告媒体はGoogle広告。趣味は映画鑑賞、お笑い、深夜ラジオ。映画のサブスクを契約しすぎている。
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