オンラインで新規の顧客を獲得するときに検討できる広告のひとつが Google 広告です。ビジネスを成長させるために Google 広告を出そうとした方、また出したいと思っている方も多いのではないでしょうか。ただ、次のような悩みや不安をお持ちではありませんか?
Google 広告には毎月のように新しい機能が追加され、広告でやれることはどんどん増えています。そんな状況から悩む方も多いはずです。そもそもどんな広告から始めれば良いのか迷ってしまいますよね。
人々は何かしらの不安や不満を持って検索という行動を起こします。そのため自社の商品やサービスでコンバージョン(購入、問い合わせ、資料請求など)獲得を目的にする場合、まずは検索広告から始めるのがおすすめです。
今回の記事は Google 広告を初めて出す人から、挑戦して挫折をした人、数年ぶりに管理画面にログインした人までを対象としています。Google の検索広告を設定する手順を分かりやすく丁寧に説明します。
目次
Google 広告は、Google の検索エンジンや YouTube などのサイトに掲載できる広告です。コンバージョンやサイト誘導などを目的に広告を出すことができます。
検索エンジンの場合は、ユーザーが検索した語句と連動して広告を出せます。広告は、特定の地域に限定して出したり、予算や入札を設定できます。広告はいつでも再開や一時停止することができ、広告配信した結果を測定することも可能です。Google 広告の詳細は、こちらのヘルプページをご参考ください。
予算や入札の設定からターゲティングや広告のオプションなど、Google 広告で設定することは多くあります。
ただ、一度にすべてを覚える必要はありません。今回は、数ある設定の中で、初めて広告を出す方に覚えてほしい設定を説明します。
この記事で紹介する設定以外は、 Google 広告に慣れてきたら挑戦してみてください。
Google 広告はアカウント、キャンペーン、広告グループの3つで構成される3層構造です。
アカウント1つの中にキャンペーンがあり、キャンペーンの中に広告グループがあります。アカウント単位でログインや支払い情報の登録をおこないます。
その下の階層にあたるキャンペーンで予算設定、広告グループで広告やその広告を配信するためのキーワードを登録します。
Google 広告の設定を正常に完了するうえでのポイントは、キャンペーンと広告グループの設定です。
今回の記事では、アカウント開設から支払い情報の設定、キャンペーンや広告グループ、広告までの設定を管理画面のキャプチャを用いて説明していきます。
Google 広告は、以下の5つの設定をおこなうことで広告の配信ができます。
Google 広告を使用したい Google アカウントでログインしてください。その後、こちらのページから「今すぐ開始」をクリックします。
次に「エキスパートモードに切り替える」をクリックしてください。エキスパートモードにすると、Google 広告のすべての機能を利用できます。
エキスパートモードではないスマートモードは、Google 広告の簡易版なのでキーワードや入札の細かな管理ができず、広告配信後の掲載結果も詳細に確認できません。
まずはアカウントの設定を終わらせてから、キャンペーンを作成します。キャンペーンについては後ほど改めて設定するので、ここでは「キャンペーンなしでアカウントを作成」をクリックしてください。
以下の画面で「はい」を選択した後、「送信」をクリックします。「はい」を選ぶと、Google から届く新機能や成果を上げるためのヒントに関する情報を受け取ることができます。
Google 広告に追加される新しい機能の情報や広告の成果を上げるための設定情報が届くので「はい」を選ぶのがオススメです。
次の画面では「アカウントを確認」をクリックしましょう。
次に支払い情報を入力します。「設定と請求」をクリックし、その後「概要」をクリックしてください。
まずはじめに「名前と住所」を入力してください。個人事業主の場合、自宅の住所でも大丈夫です。
「お支払い方法」にはクレジットカード情報を入力します。Google 広告で使えるクレジットカードは、American Express、VISA、Mastercard、JCBです。
クレジットカードを入力した後、規約を確認して「Google 広告の利用規約に同意します」をクリックしてください。最後に「送信」をクリックします。
次はキャンペーンの設定をおこないます。「キャンペーン」をクリックし、その後「+」をクリックしてください。
「新しいキャンペーンを作成」から新規のキャンペーンを作ります。
今回は、コンバージョンの獲得を目的に出す広告を作るため「見込み顧客の獲得」をクリックします。
次のキャンペーンタイプは、検索キーワードに応じて広告を配信するので「検索」を選択します。
「コンバージョン アクションを作成」をクリックします。コンバージョン アクションは、ユーザーが広告をクリックした後に取る行動であるコンバージョンを測定するための設定です。
Google 広告のアカウントを開設したメールアドレスに設定について記載された情報が届きます。コンバージョンを測定したい場合は、メールの内容を参考に後ほど設定してください。
メールに沿ってコンバージョン測定の設定をおこなった後に、元の画面に戻り「続行」をクリックして設定を続けてください。
次に「キャンペーン名」を入力します。キャンペーン名は管理しやすく、商品・サービスをもとに分かりやすい名前をつけましょう。
「Google ディスプレイ ネットワークを含める」のチェックを外します。今回作成する広告は、検索結果に表示される検索広告です。ディスプレイ広告が配信されるディスプレイ ネットワークには広告を出さないのでチェックを外します。
次に広告を配信する地域を設定します。広告を出す対象が日本の場合は「日本」を選択してください。
特定の地域に広告を出したい場合は、「別の地域を入力する」を選択し、その後、特定の地域を入力します。入力後、該当する地域の「目標」をクリックしてください。
広告を出したい地域が複数ある場合は、他の地域も追加で入力していきましょう。Google 広告では、特定の都道府県や市区町村などを対象に広告を出せますが、設定できない市区町村もあります。
次に1日あたりの予算を設定します。日によっては1日あたりの予算を超えた広告費が発生することもありますが、1ヶ月で見ると予算の範囲内になるように調整されます。
広告主が単価を決めて設定する場合は、単価設定で「個別クリック単価制」を選択するので「または、入札戦略を直接選択します(非推奨)」をクリックします。
その後、入札戦略の中にある「個別クリック単価制」を選択します。
最後に、1クリックあたりに支払っても良い単価の上限で広告を出すために、「拡張クリック単価を使ってコンバージョンを増やす」のチェックを外します。その後、「保存して次へ」をクリックしてください。
広告グループで設定する項目は次の4つです。
まずは、広告グループ名を決めましょう。広告グループ名は、広告を届けたい人(想定するターゲット)をもとに、分かりやすい名前を入力すると良いです。
今回は弊社の講座申し込みを想定した広告であるため「リスティング広告を学びたい人」と入力しています。
次は単価の設定です。単価は Google 広告にまかせて設定する自動入札と、広告主が1クリックあたりの上限単価を決められる手動入札があります。コンバージョンを目的に成果を上げるとき、自動入札は必要な機能です。
ただ、初めて広告を出すときは、広告主(広告運用担当者)が自由に好きな金額を設定できる手動入札から始めると良いでしょう。手動入札で始めたとしても、後で自動入札に変更できるのでご安心ください。
「デフォルトの単価」で、1クリックあたりに支払っても良い上限の単価を入力してください。
入力する値で迷ったときには、10円~150円の間で入力すると良いでしょう。
積極的に広告を出したい場合は100~150円、広告を徐々に出したい場合は10円~50円ほどで設定します。単価は広告配信後にいつでも変更できます。ここでは50円と入力しています。
次はキーワードです。コンバージョンを考えると、最初に検討すると良いのは商品やサービスに関するキーワードです。
たとえば弊社のリスティング広告のセミナーの場合、考えられるのは「リスティング広告 セミナー」のキーワードです。
キーワードには、商品、サービスに関する内容を入力しましょう。語句と語句の間には「半角スペース」を入れて入力してください。
キーワードの数は、月の予算が10万円以下であれば1~5個ほどにしましょう。予算が10万円以上でも、初めて広告を出される方は、最初は10個以内がオススメです。キーワードは広告運用を開始した後も追加できるのでご安心ください。
キーワードを設定するときに必要なのはマッチタイプの設定です。マッチタイプは、ユーザーが検索した語句と登録するキーワードがどんな条件であれば広告を出すかを決める設定です。
「登録するキーワードを含む検索」のときに広告を出せるので、「フレーズ一致」がおすすめです。フレーズ一致にする場合は、入力するキーワードを“”(二重引用符、ダブルクォーテーション)で囲んでください。マッチタイプは以下の表と下記の図で確認してください。
マッチタイプ | 使用する記号 | 例(記号の付け方) |
---|---|---|
部分一致 | なし | 芝刈りサービス |
フレーズ一致 | “”(二重引用符) | “芝刈りサービス” |
完全一致 | [](角括弧) | [芝刈りサービス] |
部分一致、フレーズ一致、完全一致で表示される広告とキーワードは以下ようなイメージになっています。
マッチタイプの設定が完了したら「保存して次へ」をクリックしてください。
最後に広告のテキストを設定していきます。今回作成するのは、見出しが最大3つで説明文が最大2つの形式のテキスト広告です。そのため「テキスト広告に切り替える」をクリックします。
新しいテキスト広告の中の各項目を入力します。見出しは最大3つ、説明文は最大2つ入力できます。見出しと説明文に入力するのは、広告を届けたい人の悩みや期待に応える情報です。
広告見出し3と説明文2の入力は任意ですが、検索ユーザーに伝えられるメッセージが増えるため、広告見出し3と説明文2も入力するのがオススメです。
検索ユーザーは「どんな不安や不満があるか」「どんな情報を求めているのか」を考え、その答えとなる情報を見出しと説明文に入れて構成することを考えましょう。
3つの見出しと2つの説明文の中で最も大事なのは「見出し1」です。そのため見出し1には、提供する商品やサービスの名前を入れるのがオススメです。
画面右側には実際に配信される形でプレビューが表示されるので、確認しながら入力をおこない、問題がなければ「完了」をクリックします。
ちなみにアカウント1つの中にキャンペーンを複数作成できます。各キャンペーン中に複数の広告グループを作成することも可能です。
それぞれ複数作成できますが、初めて Google 広告を出される場合は、まずキャンペーンと広告グループを1つだけ作りましょう。
1つのキャンペーン(また広告グループ)で実績を作ったら、2つ目の広告グループ、2つ目のキャンペーンへと取り組まれると良いでしょう。テキスト広告の入力が終わったら「保存して次へ」をクリックします。
最後に「公開」をクリックしてください。
ポップアップで出てきた画面でも「公開」をクリックします。「問題を修正するまで、キャンペーンは配信できません。」と表示される場合、広告が表示されない(ほとんど表示されない)可能性もあります。
その場合は広告配信後の結果を見て、単価を上げたり、キーワードを追加したり、地域を広げたりすることをご検討ください。
設定は以上で完了です。完了すると、登録したキーワードや広告を確認できる画面が表示されます。
テキスト広告は、作成した後に「審査」に入ります。審査後、問題なければ広告が表示されます。
Google 広告の審査で万が一落ちてしまい、広告の配信ができない場合は以下の記事を参考にしてみてください。
Google広告審査で落ちたときにやることとは?再審査前に確認したい基準と正しい対処方法
Google広告で審査落ちになってしまったときの対応策や審査基準・具体的な審査落ち例とその修正案も解説します。広告が不承認になっても慌てずにこの記事を参考に修正し、再審査依頼で対応しましょう。
今回、作成したのは「テキスト広告」という形式の広告です。検索広告向けの広告は、デフォルトで「レスポンシブ検索広告」という形式の広告を作る仕様です。
レスポンシブ検索広告は、最大見出しを15個と説明文を4個入力し、検索に合わせて見出しと説明文を組み合わせて配信するタイプの広告です。
検索に合わせて適した広告を出すことを目指す形式となると利用したいですよね。ただ、テキスト広告の形式と比べると初心者には少し難しいでしょう。
初心者の方でよくあるのが、「見出しや説明文の内容が同じような独自性のない内容になる」や「見出しと説明文の組み合わせが意味を成さない広告になる」などです。
このような問題が起こると、レスポンシブ検索広告として上手く機能しない可能性があります。やや難易度が高いので、まずはテキスト広告から挑戦してみましょう。
もし慣れてきたら以下の記事を参考にレスポンシブ検索広告にもチャレンジしてみましょう。
レスポンシブ検索広告とは?メリットや基本設定、拡張テキスト広告の違いまでを解説
レスポンシブ検索広告とは「Google の検索広告で配信できる広告タイプの1つ」で、RSA(Responsive Search Ads)とも呼ばれます。もう1つの広告タイプとの違いや特徴をまとめ、効果的に活用できるような機能や広告文作成時に念頭においておきたい考え方を紹介します。
Google 広告による目的達成を目指すとき、大事なのは広告運用です。Google 広告を設定した後が本当のスタートです。ただ、まずはスタートラインに立つことが必要です。そのためにも、Google 広告の設定ができる人になりましょう。
今回の記事で設定した項目をまとめたテンプレートも用意しました。Google 広告の設定で迷ったらまずはこちらのシートをマイドライブにダウンロードして、下書きを作ってみてはいかがでしょうか?
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全国400社以上の研究会員の運用型広告・マーケティングコンサルティングを担当。養成講座では500人以上を教育。コンサル・講師・執筆業から、広告運用代行、ホームページ制作、システム開発まで担当。自社ビジネス成長のための製品開発、販売をする実践家でもある。自他ともに認める変わり者。徳島県出身。
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