「Google 広告の最適化案は対応しなくていいの?」
「最適化スコアがなかなか上がらないけど大丈夫?」
これは私が実際にお客様や運用初心者の方から頂いたご質問です。
言葉の通り、配信している広告の成果を上げるために Google 広告の最適化案の全てに対応したくなる気持ちもわかりますが、必ずしもその全てに対応しなければいけないわけではありません。
今回の記事では、Google 広告の最適化案の概要とその種類、活用におすすめのシーンから広告運用8年目の私が考える活用するコツまでを紹介します。
Google 広告の最適化案とは、キャンペーンの掲載結果を向上させるための Google によるサポート機能で、全てのキャンペーンに画一的に案内されるわけではなく、それぞれのキャンペーンで効果的だと判断されたものに対してのみ表示されます。
表示される最適化案には、入札戦略の切り替えやキーワードの追加/削除、オーディエンスやタグに関する追加設定や改善案などがあり、Google 広告の管理画面の左上「最適化案」から確認できます。
最適化案はすぐに実行できるように、具体的な設定方法とセットで表示されます。あくまで提案のため、適用して成果の改善が見込める場合は実行し、配信目的や予算状況にそぐわないものは実行せずにそのまま広告の配信継続することも可能です。
最適化案は数多くの種類がありますが、大きく分けて10種類に分類できます。それぞれの概要とメリット・デメリット、具体的な最適化案を解説します。
過去の配信実績や今後の配信のシミュレーションの結果、現状の入札戦略を変更することで、成果向上が見込まれる場合に表示される最適化案です。採用するメリットは、コンバージョンやクリックでの機会損失の減少や、設定予算を最大限使用できることです。
確実な需要が見込まれるシーズンなど、機会損失を極力なくしたいときが活用シーンとして考えられます。また、期待する配信量に届かず困っているときにもオススメです。
一方でデメリットもあり、機会損失を防ごうと積極的な入札戦略に切り替えるため、コンバージョン単価やクリック単価などが高騰し、悪化する恐れがあります。
「入札戦略の目標を設定する」は、キャンペーンに目標が設定されていないときに表示される最適化案です。
目標広告費用対効果や目標コンバージョン単価は Google 広告の自動入札戦略で、目標広告費用対効果内や目標コンバージョン単価内でコンバージョンの価値やコンバージョン数が最大化するよう自動入札が働きます。設定することで、目標が明確になり、自動入札がよく機能するため、成果向上に繋がります。
入札戦略「コンバージョン数の最大化」が成果向上に最適だと Google のシステムが判断したときに表示される最適化案です。
「コンバージョン数の最大化」は、指定の予算を消化しつつ、最大限のコンバージョンが得られるよう入札単価を自動設定する入札戦略です。変更することで、設定した予算を変えずに、現状と同じ費用感で獲得できるコンバージョン数を最大化できます。
入札戦略「コンバージョン数の最大化」の目標コンバージョン単価を設定することで、成果向上が見込めると判断されたときに表示される最適化案です。
設定した単価でコンバージョンを最大限獲得できるように入札単価が自動調整される入札戦略「目標コンバージョン単価」に変更すると、費用を変えずにまたはそれよりも安い費用でコンバージョン数を増やせます。
「コンバージョン数の最大化」を使用していて、今後のクリック数の増加を Google のシステムが見込んだ場合、コンバージョンの増加を逃さないようにするために表示される最適化案です。
設定予算内でコンバージョン数を最大化させる「コンバージョン数の最大化」から設定した単価でコンバージョンを最大限獲得する「コンバージョン単価」に切り替えて予算を引き上げれば、コンバージョン1件あたりの費用を維持したまま、コンバージョン獲得の機会損失を防げます。
「目標コンバージョン単価を設定する」は、目標コンバージョン単価が設定されていないキャンペーンに表示される最適化案で、目標を設定して予算の制限を回避しておくと、コンバージョン単価を維持したまま、より多くのコンバージョンを獲得できます。
Google のシステムがシミュレーションした結果、目標コンバージョン単価を一定額引き上げることで、コンバージョン数が増やせそうだと判断したときに表示される最適化案です。
目標コンバージョン単価を調整し、コンバージョン1件あたりの単価を上げることで、コンバージョンを増やせます。
現在設定されている目標コンバージョン単価では、コンバージョンの獲得が難しいと Google が判断したときに表示される最適化案です。
目標コンバージョン単価を引き上げることで、コンバージョンが獲得できるようになります。
入札戦略を「コンバージョン値の最大化」に変更すると、コンバージョン値を増やせると Google が判断したときに表示される最適化案です。
コンバージョン値とはコンバージョンの価値のことで、コンバージョン数ではなくコンバージョン値を最大化するように最適化されます「コンバージョン値の最大化」を使用すると、費用を維持しつつ、獲得できるコンバージョンの価値があがります。
目標広告費用対効果を設定することで、成果向上が見込まれるときに表示される最適化案です。
コンバージョン数ではなくコンバージョンの価値を使用して目標広告費用対効果を設定することで、広告費用対効果を維持したまま、コンバージョン値を増加できます。推奨の目標広告費用対効果は、以下のように管理画面に表示されます。
Google のシステムが、今後クリック数の増加を見込んだとき、コンバージョン値を増やす機会を逃さないようにするために表示される最適化案です。
設定予算内でコンバージョンの価値を最大化させる「コンバージョン値の最大化」から「目標広告費用対効果」に切り替えて予算を引き上げれば、広告費用対効果を維持したまま、コンバージョン値を増やせます。推奨の目標広告費用対効果や予算は、以下のように管理画面に表示されます。
目標広告費用対効果を一定額引き上げることで、コンバージョン値をさらに増加できるときに表示される最適化案です。広告費用対効果を引き上げることで、コンバージョン値を増やします。
Google のシステムによるシミュレーションの結果、入札戦略「クリック数の最大化」を使用することでクリック数が増やせそうなときに表示される最適化案です。
設定した1日の平均予算内で最大限のクリック数を獲得できるように上限クリック単価を自動的に調整する入札戦略を「クリック数の最大化」に変更することで、予算を維持しつつ獲得できるクリック数を増やします。
十分なインプレッション数の獲得実績があり、目標インプレッションシェアに入札戦略を変更することで成果向上が見込まれるときに表示される最適化案です。
Google 検索の検索結果ページの最上部や上部、もしくは任意の場所に広告が表示できるよう入札単価を設定する自動入札戦略・目標インプレッションシェアを設定することで、広告を表示する位置を希望の位置に最適化できます。
自動入札とは、 Google や Yahoo! のシステムが、キャンペーンの目的・入札戦略に応じて自動的に最適な価格で入札をおこなう機能です。設定の際に迷うと思うので、やりたいことと、それに対応する自動入札の選択肢を表にしてまとめました。導入することのメリットや注意点をあわせて記載したので是非参考にしてみてください。
広告が予算による制限を受けたことがあったり、Google のシステムの予測で今後予算による制限の発生が考えられるときに表示される最適化案です。
この最適化案を見れば、コンバージョン数や売上などの目標数値を伸ばしやすいキャンペーンが分かります。目標数値をもっと増加したい方は、ぜひ採用してみると良いでしょう。
注意点は、消化金額が増えても、確実にコンバージョンが増えるわけではありません。期待していたほどコンバージョン数を獲得できずに、コンバージョン単価が悪化する可能性があることを理解しておきましょう。
予算の設定金額が原因で、先週クリックを一定以上逃したときに表示される最適化案です。一日の平均予算設定の影響で広告の掲載機会を逃しているときに、予算による制限を解消することで、広告掲載が途切れないようにできます。推奨の設定金額は、管理画面で確認できます。
「予算を調整する」最適化案は、「コンバージョン数の最大化」を使用しているキャンペーンが対象になります。Google のシステムによるシミュレーションの結果、コンバージョン単価が少し上がる代わりに、コンバージョン数の増加ができるときに表示されます。
キャンペーンの予算を引き上げると、コンバージョン単価があがり、コンバージョンが増える可能性があります。
現状の予算設定金額のままだと、今後一定数以上のクリックを逃すと Google のシステムが判断したときに表示される最適化案で、予算を引き上げることで、広告の掲載機会を逃さずに表示できます。推奨の設定金額も確認できます。
「未使用の予算を振り替える」は、該当キャンペーンで予算設定が原因で先週一定数以上のクリックを逃し、かつ別のキャンペーンでは予算の設定金額上限まで配信されていなかったときに表示される最適化案です。
繁忙期に広告掲載が停止しないよう、より多くの予算を必要とする広告に未使用の予算を振り替えて、より多くのトラフィックを獲得します。
検索キャンペーンでは、キーワードの追加や削除、マッチタイプの変更を促す最適化案もあります。追加したほうがいい具体的なキーワードから、追加先の広告グループまで表示され、ボタン1つで適用できるので便利です。
キーワードの追加や、マッチタイプを部分一致に変更することで、配信される検索語句が広がり、表示される機会も増えるでしょう。
ただし、システムが自動生成したものなので、広告主のビジネスとは無関係なものや、的外れなものが含まれることもあります。それぞれ確認して不適切なものは見送りましょう。念のため、配信後も検索語句の変化にも注意しておくといいです。
「新しいキーワードを追加する」は、キーワード登録されていない検索語句に、配信中の広告にマッチしそうなものがあったときに表示される最適化案です。
広告配信の結果、新たに広告にマッチしそうなキーワードが見つかった場合、キーワードとして登録することで検索語句を増やせます。追加先の広告グループや推奨のマッチタイプもセットで表示されるため、簡単に設定できます。
スマート自動入札でキーワードを「完全一致」もしくは「フレーズ一致」で登録している検索キャンペーンを対象に、現在のコンバージョン単価や広告費用対効果の範囲内でコンバージョンの増加が期待できるときに表示される最適化案です。
既存のキーワードを「部分一致」に変更することで、マッチする検索語句の幅が広がり、リーチできるユーザー数が増える可能性があるため、現在と同程度もしくはそれ以上の効率でコンバージョンを増やせます。
「各広告グループにキーワードを追加する」は、広告グループはあるものの、有効なキーワードが存在しないときに表示される最適化案で、キーワードを登録することで、商品やサービスに関心を持ち、顧客になる可能性の高いユーザーへ広告を表示するタイミングが明確になるため広告が掲載されやすくなります。
「広告配信に使われていないキーワードを削除する」は、過去1年以上クリックを獲得していないキーワードがあるときに表示される最適化案で、広告配信に使われていないキーワードを削除すると、管理画面が見やすくなります。
同一の広告グループにおいて入札価格が同じで、キーワードのリンク先ページも変わらないものがあるときに表示される最適化案です。
マッチタイプが異なるキーワードについて、どちらかをキーワードを削除することでデータをまとめることができます。
設定されている除外キーワードが原因で、キーワードとして登録しているものが配信されていないときに表示される最適化案です。
除外キーワードに設定しているものが原因で、配信したいキーワードの広告が表示されていないので、「削除する除外キーワード」の候補に挙げられているキーワードの削除をすることで、配信したいキーワードの広告が表示されるようにします。
動的検索広告を配信しておらず、クリック数が伸び悩んでいるキャンペーンに表示される最適化案です。
動的検索広告は、検索キーワードを登録する代わりに対象となるページを登録して、自動的に広告を生成する広告です。クリック数に課題がある場合、動的検索広告を配信することで、ページの情報をもとに関連性の高いさまざまな語句に広告配信できるため、クリック数の改善が期待できます。
新規のオーディエンス作成し広告配信することで成果の良化が見込まれるときに表示される最適化案です。
成果の出やすいオーディエンスの中には、検討していなかった意外なセグメントも表示されることもあるので、見るだけでも参考になります。さらに、その中に配信してみたいものがあればチャレンジしてみるのもいいです。他の最適化案に比べると、顧客リストのアップロードしたりと手間がかかる内容があります。
「オーディエンスを追加する」は、配信実績を踏まえて、関連のあるオーディエンスが新たに発見されたときに表示される最適化案で、「モニタリング」で新しいオーディエンスセグメントを追加すると、追加費用なしでオーディエンスごとの掲載結果を確認できるようになります。
新しいオーディエンスを設定してアプローチすることで、コンバージョン数の増加が見込めると判断されたときに表示される最適化案です。
オーディエンスを拡大することで、コンバージョン数の増加が期待できます。
「オーディエンスターゲティングを修正する」は、設定中のオーディエンスセグメントが無効だったり、ユーザーが少なすぎたりするときに表示される最適化案です。
設定中のオーディエンスが無効の場合やユーザーが極端に少ない場合、修正しないと配信が停止してしまう恐れがあります。オーディエンスターゲティングを修正すると、広告グループが再び配信されるようになります。
「カスタムオーディエンスを作成する」は、キーワードや URL、アプリ、場所を指定して独自のオーディエンスカスタムセグメントを作成して設定することで成果向上が見込まれるときに表示される最適化案です。
カスタムオーディエンスセグメントを設定することで、より低いコンバージョン単価でコンバージョン数を増やすことができます。
獲得しているクリック数が多く、リマーケティング広告を使用することで成果向上が見込まれる時に表示される最適化案で、獲得クリック数が多い場合などに、データを使用してリマーケティング広告を配信することで確度の高いユーザーに絞って広告を配信できるため、投資収益率が向上できます。
顧客リストをアップロードしていないときに表示される最適化案で、メールアドレスや電話番号などの顧客データに基づいたユーザーリストを作成し、過去に購入歴がある顧客などに絞って広告を配信できるため投資収益率の向上を狙えます。
カスタマーマッチリストが利用されていないときに表示される最適化案で、既存顧客の連絡先情報を Google のシステムにアップロードすると、過去に購入歴がある顧客などに絞って効率的に広告を配信できるため成果を向上できます。
アップロードされたカスタマーマッチリストが、過去90日以内で更新されていないときに表示される最適化案です。既存のカスタマーマッチリストを更新すると、最新の顧客に対して広告が表示できます。
ディスプレイ広告やファインド広告、動画広告のキャンペーンが対象で、最適化されたターゲティング機能をオフにしているときに表示される最適化案です。
コンバージョンに至る可能性が高いユーザーへ配信を広げられる最適化ターゲティングを有効にすることで、現在と同程度のコンバージョン単価で、コンバージョン数を増やすことができます。
最新の広告タイプが入稿されていなかったり、最新の広告タイプでも改善余地がある場合に表示されるクリエイティブの最適化案です。
広告を改善することでクリック率やクリック単価などの成果向上が期待できます。レスポンシブ検索広告などの最新の広告タイプを反映できていなければ、ぜひ挑戦してみましょう。
表示された最適化案の内容をそのまま鵜呑みにせずに、商品・サービスの一番の理解者である運用者自身がクリエイティブの改善をすると、より良いものになります。
検索キャンペーンで「拡張テキスト広告」のみを使用している広告グループに、レスポンシブ検索広告を追加したほうが成果向上が期待できるときに表示される最適化案です。
複数の見出しや説明文を設定できるレスポンシブ検索広告を追加することで、ユーザーに合わせて最適な広告が生成されるようになるため、クリック数とコンバージョン数を増やせます。
「レスポンシブ検索広告を改善する」は、配信中のレスポンシブ検索広告に、広告の有効性の評価が「良好」に満たないものがあるときに表示される最適化案です。
広告の有効性の評価や広告の品質が向上するように広告見出しと説明文を改善すると、レスポンシブ検索広告のクリック数を増やせる可能性があります。
レスポンシブ検索広告で、同じ広告グループ内にあるテキスト広告に見出しと説明文が入力されていないときに表示される最適化案で、テキスト広告の見出しと説明文を追加することで、レスポンシブ検索広告が適切に表示されるようにします。
「自動作成アセットを有効にする」は、自動作成アセットが有効になっていないキャンペーンに表示される最適化案です。
広告グループ内のランディングページやウェブサイトなどから関連性の高いクリエイティブコンテンツを抽出し、見出しや説明文のアセットを自動生成する自動作成アセットをオンにすることで、アセットが表示されるようになり、レスポンシブ検索広告のクリック数が増えます。
広告グループに十分なコンバージョン データがあり、レスポンシブディスプレイ広告の導入で成果の向上が見込まれるときに表示される最適化案です。
レスポンシブディスプレイ広告は、アップロードしたアセットを組み合わせて広告を自動生成する配信メニューです。導入することで、ディスプレイ広告のパターンが増え、よりユーザーに最適な広告を表示できるようになり、現在と同程度のコンバージョン単価でより多くのコンバージョンの獲得が期待できます。
レスポンシブディスプレイ広告で、広告の有効性の評価が「優良」に満たないものがあるときに表示される最適化案で、レスポンシブディスプレイ広告にアセットを追加し、広告の有効性の評価が高い広告を配信することで、ユーザーとの関連性が高まりより多くのコンバージョンが獲得できます。
画像アセットを使うことでクリック率の向上が見込めるときに表示される最適化案で、画像はテキストよりも視認性が高く訴求力も高いため、広告がより目立つ画像アセットを追加すると、クリック率が向上します。
「動的画像アセットを追加する」は、動的画像アセットが未導入で、導入することでクリック率の向上が見込めるときに表示される最適化案です。
広告アカウント単位で、広告のランディングページから関連性の高い画像を自動取得する自動生成アセットを使用すると、検索広告の訴求力が上がります。動的画像アセットを使うと、ランディング ページ画像をテキスト広告に追加して表示できるようになり、クリック率の向上が見込めます。
「ファインド広告を改善する」は、ファインド広告で広告の有効性の評価が「優良」に満たないものがあるときに表示される最適化案です。
YouTube のホームフィードやおすすめフィード、Discover、Gmail のプロモーションタブやソーシャルなど、Google のサービスに広告表示するファインド広告にアセットを追加することで、広告の配信面が増え、より多くのコンバージョンを獲得できるようになります。
ファインド広告のアセットで不承認になっているものがあるときに表示される最適化案で、アセットを修正して審査通過できるようにすることで、広告が掲載できるようになります。
「動画に商品を追加する」は、Merchant Center が Google 広告アカウントにリンクされているものの、動画アクションキャンペーンでは商品フィードを有効にしていないときに表示される最適化案です。
YouTube などのさまざまな場所でコンバージョンを促進可能な動画アクションキャンペーンに商品フィードを追加することで、Merchant Center に登録済みの商品を配信でき、現在と同程度かそれ以下のコンバージョン単価でコンバージョン数を増やせます。
「各広告グループに広告を追加する」は、作成済みの広告グループに有効な広告がなく配信されていないときに表示される最適化案で、広告を追加することで掲載が開始されます。
「広告のリンク先の問題を解消する」は、404エラーなど広告のリンク先における問題で広告が不承認となったときに表示される最適化案で、リンク先ページの問題を解消して、再度広告を審査にかけることで、広告掲載できるようになります。
編集基準と表現に関する問題で広告が不承認となった場合に表示される最適化案で、広告文を修正して再度審査にかけ、審査通過すると広告が掲載できるようになります。
2022年10月に広告表示オプションは「アセット」と名称変更されました。アセットで未対応のものがある場合に表示される最適化案です。
商品やサービス問わずクリック率の良化に繋がるので、積極的に採用を検討しましょう。ただし、営業体制の観点から電話での問い合わせを受け付けない場合は、電話番号表示オプションを対応しない選択があり得ます。
2023年1月時点でのアセットの種類は、以下の8個です。
検索結果表示画面にサイト内の別ページへのリンクを表示することができるサイトリンクを設定することで、広告がより目立ち、クリック率の向上が期待できます。
サイトリンクは、同じドメインのリンクを検索結果でまとめて表示する機能です。サイト内のコンテンツを表示することで、サイト内の情報をユーザーが一目で見ることができます。さらにサイトリンクに説明文を追記することで、広告がより際立ち、クリック率の向上が見込めます。
コールアウトは、「送料無料」や「24時間対応」など、ユーザーのメリットを端的にユーザーに訴求できるアセットです。説明文のテキストに加えて、広告にコールアウトを追加することで、ユーザーのメリットを一度に多く伝えることができるため、クリック率の向上が見込めます。
構造化スニペットアセットは、広告内で商品やサービスの特徴を訴求できるアセットです。商品やサービスの強みを伝えることができるため、ユーザーは広告をクリックしなくても、特徴を理解できます。
構造化スニペットアセットを追加することで、説明文の後ろに一連のテキストを記載し、商品の魅力を多く訴求できるためクリック率の向上が期待できます。
電話番号アセットは広告に電話番号を追加できる機能で、ユーザーはボタンをタップして、店舗に直接電話をかけることができます。追加すると、リンク先ページを介さずに、検索結果からそのまま電話することが可能になり、広告のエンゲージメントが高まることが期待できます。
住所アセットは、広告に実店舗の情報を表示できる機能です。住所、店舗までの地図や距離を広告に表示することで、ユーザーに店舗の場所を示すことができます。設定することで、店舗の存在やユーザーの位置からの店舗までの距離を伝えられるため、来店などの行動を期待できます。
広告に価格アセットを追加することで、料金プランなどを端的に訴求できるようになります。さらに、スペースを広く使うフォーマットのため、ユーザーの目に止まりやすく、ユーザーが求めているものを見つけやすくなります。商品ページに直接誘導もできるため、コンバージョンまで最短距離で広告を配信でき、クリック率の向上が期待できます。
リードフォームアセットは、ユーザーが広告から直接フォームで情報を送信できるアセットです。広告のリンク先に遷移させる必要がないので、ユーザーの負担が減り、より多くのリード獲得を期待できます。
タグやコンバージョンについての問題点や改善点に関する最適化案です。
タグに関連する不備は、コンバージョンが計測できないという事態に直結するためすぐに対応しましょう。コンバージョンに関連する最適化案は自社のビジネスに合っているかを基準に実行を検討しましょう。
タグやコンバージョン計測に関わるため、サイト制作者の協力なども必要になるかもしれません。
コンバージョン計測からリマーケティングリストの作成までできる「グローバルサイトタグ」が使用されていないときに表示される最適化案です。
グローバルサイトタグを設定することで、コンバージョントラッキングの精度が向上し、コンバージョンの計測漏れを防げます。
「グローバルサイトタグの問題を解消する」は、設置位置が間違っているなど、グローバルサイトタグに問題があった場合に表示される最適化案で、トラブル解消することで、本来の精度でコンバージョン計測ができます。
直近でコンバージョンが計測されていないときに表示される最適化案です。コンバージョントラッキングタグが動作しているか確認しておくことで、トラブルがある場合は早期発見に繋がり、コンバージョン計測漏れを早期に解消できます。
コンバージョン計測をしていないときに表示される最適化案で、コンバージョントラッキングを設定することで、コンバージョンに繋がるキーワードや広告などがわかるようになります。
コンバージョン数やコンバージョン値を使った入札戦略を使用している場合で、コンバージョン列にウェブサイトコンバージョンが含まれていないときに表示される最適化案です。
コンバージョン列にウェブサイトコンバージョンを含めることで、入札戦略が機能します。
コンバージョンが著しく減少しているものがあるときに表示される最適化案で、コンバージョンアクションの設定を修正することで、計測漏れがあった場合に早期に解決できます。
Google の同意認識タグ付け機能を活用していない可能性があるときに表示される最適化案です。同意モードは、ユーザーの同意状況に基づいて Google タグの動作調整と、測定できないコンバージョンのモデリングができます。
同意モードを導入することで、ユーザーのプライバシーを保護しながら、計測できなかったコンバージョンの集計が可能になります。
「拡張コンバージョンを設定する」は、コンバージョンの実績より、一部コンバージョンが計測できていない可能性があると判断されたときに表示される最適化案です。
拡張コンバージョンは、メールアドレスや電話番号などの自社の Web サイトで取得したファーストパーティーデータをハッシュ化(プライバシー保護)して、Google に送信する機能です。
コンバージョンに繋がるアクションをしたユーザーデータと照合することで詳細なコンバージョン計測が可能になります。よって、拡張コンバージョンを使用すると、より正確なコンバージョンの測定が可能になり、コンバージョンの計測制度が向上します。
「来店をコンバージョンに追加する」は、連携している Google マイビジネスより、実店舗への来客数が増えているときに表示される最適化案です。
来店をコンバージョン列に追加することで、スマート自動入札の最適化対象に来店数が含まれるようになります。
「新規顧客を重視して最適化する」は、新規顧客の獲得を重視した最適化ができるときに表示されます。
「新規顧客に対してのみ入札単価を設定する」項目にチェックを入れると新規顧客を重視した配信を設定でき、新規顧客の増加を期待できます。
コンバージョン計測をデータドリブンアトリビューションが変更できるときに表示される最適化案です。
データドリブンアトリビューションは、コンバージョンに至るまでの経路全体でユーザーが接触した広告の貢献度を、アカウントのデータを使って割り当てる機能です。
コンバージョン計測中の場合、コンバージョントラッキングをデータドリブンアトリビューションに変更することで、キーワードや広告、キャンペーンのコンバージョンへの貢献度の判断精度が向上します。
ショッピング広告のキャンペーンでのみ表示される最適化案です。
通常、Merchant Center での設定エラーを Google 広告の管理画面では確認できませんが、最適化案ではその一部を確認できます。以下の最適化案が表示されたら、Merchant Center と併せて設定をチェックしましょう。
「ショッピング キャンペーンに商品を追加する」は、登録した商品が不承認などにより、配信できる商品がないショッピングキャンペーンに表示される最適化案で、配信可能な商品を追加することで、キャンペーンの広告が掲載されるようになります。
「ショッピングキャンペーン内の不承認となった商品を修正する」は、キャンペーンで設定している商品が不承認となっているときに表示される最適化案です。
よくある不承認理由には、「商品画像にプロモーションがオーバーレイしている」や、「ショッピング広告のポリシー違反」などがあり、そういった不承認の商品を修正することで、広告が掲載されるようになります。
ショッピングフィードに含まれる商品が全て配信されていないときに表示される最適化案です。
不承認になっている商品の問題を解決し、キャンペーンでショッピングの全商品の広告を掲載することで、掲載できる商品の選択肢が増えます。ユーザーの趣味嗜好に沿った広告を配信できるため、コンバージョン値を高めることが期待できます。
「後日店舗受取可」機能を有効にすることで、実店舗の来店数やコンバージョン値の増加が見込まれるときに表示される最適化案です。
「後日店舗受取可」機能を導入し、近くの店舗で商品を受け取れる日時を明示することで、ユーザーの生活スタイルに合わせられるため、実店舗の来客数とコンバージョン値を増やせます。
設定している Google Merchant Center で、データ品質に問題があるか、ポリシー違反があって配信が一時停止されているときに表示される最適化案です。
Merchant Center の設定を修正することで、Merchant Center が有効になります。
設定している Google Merchant Center において、データ品質に問題があるかポリシー違反があり、配信の一時停止が予測されるときに表示される最適化案です。
Merchant Center の設定を修正することで、Merchant Center が一時停止になることを回避できます。
アプリキャンペーン(旧:ユニバーサルアプリキャンペーン、UAC)で表示される最適化案です。
画像や動画のアセットが設定されていなかったり、動画広告を設定していない場合には、インストール単価の良化に繋がる可能性があるので、検討してみてください。
アプリ内コンバージョンのトラッキングはおこなわれているものの、最適化には使用されていないときに表示される最適化案です。
インストールに限らずさまざまなユーザーの行動を詳しく把握できる Firebase アプリコンバージョンアクションを設定することで、ユーザーのアプリ内の行動を可視化でき、広告を最適化できるため、より多くのコンバージョンを狙えます。
アプリ内のイベントを計測していないときに表示される最適化案で、アプリ内コンバージョントラッキングを設定することで、どのクリックがアプリ内でのコンバージョンに繋がったのかわかります。
アプリキャンペーンが複数あり、アカウント内で競合しているときに表示される最適化案で、アプリキャンペーンを修正し、アプリキャンペーンの重複を解消することで、データを集約することができ、現在と同程度の費用でより多くのコンバージョンを獲得します。
アプリキャンペーンの広告グループで、広告の有効性が良好になっていない広告があるときに表示される最適化案で、広告が Google 推奨の設定にどれだけ近いかを示す広告の有効性を上げるために、アセットを追加することで、より多くのコンバージョンを獲得します。
「動画広告を追加する」は、アプリの広告を YouTube、Google Play、パートナーのアプリやモバイルサイトで広告掲載しているときに表示される最適化案です。
動画素材を利用することで、訴求力が高まり、アプリの魅力をより発信できるためクリック数の増加が見込まれます。
アプリキャンペーンで不適切なディープリンクの設定が一定数以上あるときに表示されます。ディープリンクは、広告をクリックしたユーザーを、アプリストアの代わりにアプリ内のページに直接誘導する機能です。ディープリンクを修正することで、現在と同程度のコンバージョン単価でより多くのコンバージョンを増やすことができます。
その他、前述のカテゴリーに分類できなかったものを紹介します。項目数としては多くないので、表示されていたら検討してみてください。
「広告のローテーションを最適化する」は、広告のローテーションが「最適化しない」の状態で、成果の低い広告が高い広告と同じ頻度でオークションにかけられているときに表示される最適化案です。
「最適化する」に変更することで、成果の低い広告より高い広告の優先度をあげ、オークション時に最適な広告を自動的に表示します。
検索キャンペーンで Google 検索パートナーが掲載先に含まれていないときに表示される最適化案です。
検索パートナーを有効にすることで、YouTube やパートナー サイトで広告が掲載されるようになり表示回数を増やしクリック数の増加が期待できるため、クリック単価を抑えてより多くのユーザーに広告を表示できます。
「ディスプレイネットワーク対応を使用する」は、検索キャンペーンで活用できる未使用の予算があり、かつディスプレイ ネットワーク対応が無効になっているときに表示される最適化案です。
YouTube などの Google のサイトや、Google 以外のウェブサイトなどに Google 検索広告とリスティング広告を表示させる Google ディスプレイ ネットワークへの拡張機能を有効にすることで、未使用の予算を使用して現在と同程度のコンバージョン単価でより多くのコンバージョンを獲得できます。
Google 動画パートナーを掲載先に含めることで、動画広告のトラフィックの増加が見込まれるときに表示される最適化案です。
YouTube 以外でも動画広告を表示できる動画パートナーのサイトとアプリで広告を掲載することで、より多くのユーザーに広告を表示できます。
入札・ターゲティング・配信先をキャンペーンの目標に合わせて自動で設定してくれる P-MAX のキャンペーンが配信されていないときに表示される最適化案です。
Google の利用可能な広告枠全体をフル活用してコンバージョンを増やせます。
2023年にユニバーサルアナリティクスプロパティのサービスは終了予定で、新たにサービスが始まる Google アナリティクス4プロパティでのデータ収集がまだ実装されていないときに表示される最適化案です。
Google アナリティクス4プロパティを設定し、ユニバーサルアナリティクスの提供終了にも対応します。
Google 広告のモバイルアプリが利用されていないときに表示される最適化案で、Google 広告の管理画面に外出先でもログインできる Google 広告モバイルアプリを使うことで、どこにいても成果の確認ができます。
最適化スコアとは、アカウントやキャンペーンの設定がどれだけ Google 広告に最適化されているか数値化した目安です。
最適化スコアが高くなれば Google の推奨設定に近づいていきますが、成果の向上を保証するものではありません。一方、最適化スコアが低いものでも成果が出るケースもあります。以下では、最適化スコアが56.8%と高くはないですが、成果は出ています。
成果を上げていくためには、最適化案だけに依存せず、広告運用者自身がビジネスに必要なアクションを考え、実行していくことも必要です。
例えば、季節需要を逃さないためのクリエイティブ作成や、テレビ番組で紹介されたときの配信強化などは最適化案に表示されません。
自社商品のテレビ紹介が決定!必ず準備しておきたい9つの広告施策
テレビで自社の商品の紹介が決まったときに準備しておくべき9つの広告施策を紹介します。広告クリエイティブをテレビで紹介される名称に合わせたり、予算を高めにし余裕を持たせたりなどをして、チャンスを最大限に活かしましょう。
また、最適化スコアが100%でもそれ以上の成果が見込めないというわけでもありません。常に伸びしろはあるのです。
表示される最適化案は有用性が高いものの、片っ端から対応すればいいというわけでもありません。課題があるキャンペーンからチェックしていき、スコアの数値が大きく改善されるものや抱えている課題にマッチするものから適用していきましょう。あくまでも一例ですが、考え方を紹介します。
「予算の引き上げ」の場合、キャンペーンがある程度成果が出ていて、予算が残っている場合は、さらに成果向上を狙って最適化案を採用します。一方で、残された予算がない場合は、成果が良くても適用を見送ります。
「新しいキーワードを追加する」とき、最適化案で表示される検索語句が扱っている商品やサービスに合っていたら採用し、そぐわない場合は不採用にします。「レスポンシブ検索広告を改善する」であれば、おすすめされる見出しや説明文が良ければ採用しますが、イマイチであれば最適化案によるものを参考に自分で考えたものや別途自身で考えたものを追加します。
内容は随時かわっていくので、半月から1か月に1度のペースで確認してみるといいかもしれません。
最適化案は、画面左上にある「最適化案」というタブから確認できます。特定のキャンペーンの最適化案を見たい場合は、キャンペーンページに入ってから最適化案のタブを開きましょう。
配信開始直後のキャンペーンでは最適化案が表示されないことがあります。1週間ほどで表示されることがあるため、時間をおいて再度確認してみてください。また、Google 広告の推奨する設定にかなり近い場合、最適化案に何も表示されないこともあります。
ちなみに、キャンペーンが一時停止されても、最適化スコアは引き続き計測され、最適化案も表示されますが、一定期間をすぎると無効になる場合もあるので注意してください。
アカウント単位または MCC 単位:一時停止直後の7日間は、過去7日間のデータに基づいてスコアを集計するため、キャンペーンのスコアは引き続き計測されます。キャンペーンの一時停止期間が7日を超えると、それ以降のスコアの計測は行われず、統計情報はゼロにリセットされます。
キャンペーン単位: 最適化案のトレーニングが 7~90日間のデータ(大半は 28 日間のデータ)に基づいて行われるため、一時停止直後の 7~90日間は引き続きキャンペーンのスコアが計測されます。データの生成が停止した後もキャンペーンの一時停止期間が続く場合は、最適化案の表示やスコア計測は行われなくなります。
引用元: Google 広告ヘルプ『最適化案の種類』
変化の激しい運用型広告の世界では、最新情報をキャッチアップできていないと、いつの間にか推奨設定からほど遠いアカウントになってしまいます。自社のビジネスで忙しいのに、そこまで時間をさける人は多くないでしょう。
そのため Google 社からのサポートとして、今回の最適化案があるのではないかと思います。システムが自動生成するものとはいえ、各アカウントにとって価値あるものだけを見てもらおうという配慮が感じられます。
最適化案にあるものすべてを実行できないこともありますが、プロの目線からも価値ある案が表示されることは多々あるので、Google 広告の運用に迷ったら、ぜひ最適化案を見てみることをオススメします。
広告事業部 マネージャー
2016年4月に新卒入社。入社10カ月で代表滝井直属の広告運用チームに異動。 入札調整や広告文作成から、サイト改善提案まで代表から直接指導を受ける。 toB/toC比率は半々で、アプリ広告も担当。特に好きな媒体はFacebook広告。 海外旅行が好きで、アメリカ横断経験あり。趣味は服映画ヨガアート猫もろもろ。
あなたの広告アカウントを無料診断します
広告アカウント診断詳細なお見積りをご希望の方はこちら
お問い合わせ支援事例などをまとめたサービス紹介資料はこちら
サービス資料のダウンロードはこちら