Google広告

Google広告審査で落ちたときにやることとは?再審査前に確認したい基準と正しい対処方法

広告を配信する際には、その広告にポリシー違反がないかを確認する審査が行われ、「不承認」となった広告は配信することができません。

この記事では、審査落ちが発生してしまった際の対処手順やよくある審査落ち例をご紹介します。審査落ちが発生してしまった方や今後 Google 広告で配信・運用する予定がある方の参考になれば幸いです。

Google 広告における審査とは

はじめに Google 広告でいう”審査”について説明します。

広告管理画面やエディターから広告やキーワードを入稿した際、Google が設けているポリシーに違反していないかチェックされることを審査といいます。

Google 広告の審査は、広告を入稿した時もしくは広告やキーワードを編集したタイミングでおこなわれます。審査がどのようにおこなわれているのかは非公開になっています。

機械的にキーワードや表現などで審査落ちするものもありますが、一度審査を通った広告でもしばらくすると審査落ちになってしまうものもあります。おそらく人の目による確認もおこなわれいて、細心にチェックされているものだと考えられます。

運用担当者は、審査基準のおおまかな把握と定期的な確認が必要とされます。審査にかかる対象、日数、タイミングについては下記の表でご確認をください。

審査対象広告見出し、説明文、キーワード、リンク先、画像や動画など、広告内の全てのコンテンツ
審査にかかる日数1~2営業日
※2営業日を過ぎても審査が終わっていなければ問い合わせを推奨
審査のタイミング入稿または編集時

Google 広告の審査基準

審査基準は Google 広告のポリシーとして設けられており、下記の内容となっています。大きく分けて4つあります。ここではそれぞれの項目ごとに具体例を用いて説明します。広告配信の際に参考にしてみてください。

  • 禁止コンテンツ
  • 禁止されている行為
  • 制限付きコンテンツと機能
  • 編集基準と技術要件

参考:Google Ads policies|Google 広告ポリシー ヘルプ

ここではそれぞれの項目ごとに具体例や詳細を用いて説明します。広告配信の際に参考にしてみてください。

大項目中項目詳細/例
禁止コンテンツ偽造品・真正品と偽った商品の販売、宣伝の禁止
危険な商品やサービス・危険ドラッグ(ケミカルやハーブ)、向精神薬、薬物を使用するための器具、タバコ関連商品など
不正行為を助長する商品やサービス・ハッキング方法を説明するもの、受験代行サービスなど
不適切なコンテンツ・攻撃的かつ 衝撃的なコンテンツを表示、偏見や差別を助長するような広告やリンク先の禁止
禁止されている手法広告ネットワークの不正利用・審査プロセスの回避を目的とする広告やコンテンツ、リンク先の禁止・クローキング、アービトラージ、ブリッジページ、ゲートウェイページなど
データの収集および使用・ユーザーの性的指向や資産状況がわかるとうたった宣伝、ユーザーの興味 / 関心に基づく広告とリマーケティング広告に適用されるポリシーに対する違反など
不実表示・ユーザーを騙す目的の商品情報の不掲載や、商品やサービスについて誤解を招く情報の表示など
制限付きのコンテンツと機能デフォルトの広告の扱い・ログインしていないユーザーおよびシステムが 18 歳未満であると示しているユーザーに対して、既存のポリシーに基づき禁止される広告と、アダルト/ポルノ、アルコール、ギャンブル、衝撃的なコンテンツに関する広告の制限
性的なコンテンツ・一部の成人向け広告やリンク先・未成年者を対象から除外することで許可される場合がある
アルコール・特定の種類のアルコール関連広告は NG・ノンアルコールビール・ワイン・蒸留酒を含む
著作権・著作権で保護されたコンテンツの不正使用
ギャンブル、ゲーム・特定の種類のギャンブル関連の広告は NG
ヘルスケア、医薬品・広告やリンク先は適切な法律や業界基準に準拠する必要がある
政治に関するコンテンツ・掲載地域の政治活動や選挙に関する法律に準拠する必要がある
・政党や選挙の候補者、政治問題の主張に関する宣伝など
金融サービス・金銭と暗号通貨の管理や投資に関連する商品やサービス
商標・ポリシーに該当する場合、および商標権所有者が Google に対して有効な申し立てをおこなった場合にポリシーが適用
法的要件・掲載先の国や地域で適用される法律および規制を遵守する必要がある
その他の制限付きビジネス・独自の審査・ユーザーや規制当局・消費者保護機関からのフィードバックに基づき不適切と見なされた場合に適用される
制限付きの広告フォーマットと機能・一部の広告フォーマットは、特定の要件を満たしていない場合に受理されない
子ども向けに制作されたコンテンツの要件・子ども向けとして設定されたコンテンツは、パーソナライズド広告の掲載不可
編集基準と技術要件編集・あいまいな表現を使った一般的すぎる広告・数字、句読点、記号を人目を引く目的で使用する行為
リンク先の要件・ランディング ページの URL を的確に反映していない表示 URL・作成中のサイトやアプリ、ドメインパーキングサイト、機能しないサイト・一般的なブラウザで表示できないサイト・ブラウザの戻るボタンが無効になっているサイト
技術要件・特定の技術要件を満たす必要がある
広告フォーマットの要件・特定の要件を満たした広告のみを許可

審査落ちが発生した際の対処手順

実際に審査落ちが発生した際の確認方法から対処までを説明します。審査落ち後は対象の広告・キーワードの確認をし、修正・再審査という順番で対応しましょう。

審査落ちした広告・キーワードを確認する

まずは管理画面にログインし、審査状況を確認してみましょう。左にある広告またはキーワードのタブを選択し、表示項目でステータスを確認することができます。

ステータスは審査前後と広告の状態によって異なります。各ステータスの詳細については下記の表でご確認ください。

審査前のステータス

有効・アセットベース広告(レスポンシブ広告、アプリキャンペーン広告)の場合、アセットの一部が承認されている状態。
・動画広告の場合、一部のコンテキストにおいて承認されている状態。
審査中・審査中であり、承認されるまで掲載されない状態。

審査後のステータス

承認済み・Google 広告ポリシーに準拠しているため、すべてのユーザーに掲載可能。
承認済み
(制限付き)
・制限付きコンテンツなどについてのポリシーによって、掲載が制限されている状態。
承認済み
(地域制限付き)
・ポリシー上の制限やターゲット設定により、ターゲット地域で掲載されない状態。
※ターゲット地域に関心を示しているユーザーには表示。
配信中・YouTube での動画広告の表示が承認された状態。
不承認・広告、キーワードまたはリンク先が Google 広告ポリシーに違反しているため掲載不可。

その他のステータス

一時停止・承認されているのものの、無効になっている状態。
・再開するまでは掲載されず、追加費用も発生しない。
・一時停止中でも審査対象となる。
保留・開始日が指定されている状態。
・開始日になるまで掲載されず、追加費用も発生しない。
終了・指定の終了日が過ぎたため、無効になっている状態。
・掲載されず、追加費用も発生しない。
削除済み・削除され、無効になっている状態。
・再度有効にするまでは掲載されず、追加費用も発生しない。

該当広告のステータスにカーソルを合わせると抵触したポリシーが表示されます。

また、サポート窓口へ問い合わせることで具体的な抵触箇所と理由を確認することができます。

サポート窓口に問い合わせる

具体的な抵触箇所と理由が不明な場合はサポート窓口へ問い合わせることを推奨します。サポート窓口は審査部署とは異なるため、審査プロセスを把握することはできません。しかし、審査落ちした箇所とその対処例を挙げてもらえます。サポート窓口へは以下の手順で進めます。

  1. 広告管理画面へログイン
  2. 右上にある「?」をクリックし、「お問い合わせ」を選択
  3. お問い合わせフォームを入力後、担当者とのチャットもしくは回答をメールで受け取ることも可能

※電話での問い合わせも可能でしたが、コロナウイルスの影響によりチャット・メールでの対応のみになっています。(2020年9月時点)チャットで問い合わせる際、下記項目は本人確認のために必ず聞かれることなので事前準備をおすすめします。

  • アカウント ID
  • 担当者名
  • メールアドレス
  • 電話番号
問い合わせ時に知っておきたい5つのポイント

お問い合わせをしたときにできる限りスムーズに進められるように5つのポイントを紹介します。以下のポイントを守ることでサポート窓口とのコミュニケーションが円滑になるはずです。

  1. 確認作業をスムーズにおこなってもらうために、キャンペーン名・グループ名を用意する
  2. 対処法が具体的にイメージできるまで改善案を聞く
  3. 1件あたり3〜5分の時間がかかるので、複数ある場合はまとめて聞く
  4. アカウントをまたぐ問い合わせも可能なので複数聞く場合は準備する
  5. 具体的な抵触箇所が不明な場合も、担当者が知っている事例や推測の共有を依頼すると、対処例を回答してもらえることが多い

審査落ちした広告・キーワードを修正する

審査落ちした広告・キーワードを修正し、再度審査をおこないたい場合は以下の3つの方法があります。

  1. 該当箇所を編集
  2. 複製追加して編集
  3. 再審査請求を要請
方法手順
1.該当箇所を編集a.該当の広告・キーワードを上書きして保存
b.再審査
2.複製追加して編集a.該当の広告・キーワードを複製
b.複製した広告・キーワードの該当箇所を編集して保存
c.再審査
3.再審査請求を要請a.ポリシーの詳細の[再審査請求] リンクをクリック
b.再審査
※再審査請求ができない場合もある
※サポート問い合わせの際にサポート部署から再審査の対応してくれる場合もある

1の「該当箇所を編集」と異なり、2の「複製追加」は既存広告の実績を残しておくことができます。そのため、改善前と改善後のデータ比較が管理画面上で簡単にできます。弊社では修正をする際はこちらの手順で対応し、効率的に PDCA を回しています。

よくある審査落ち例

Google 広告ポリシーは商品やサービスごとに存在していますが、全てのアカウントに共通して審査落ちするパターンがあります。下記ではその一部をご紹介します。

1. 広告の審査落ち例

特に審査落ちになりやすい「編集」の項目からよくある例を紹介します。

審査落ち基準例と詳細修正案と解説
記号・ネット広告運用代行サービス!!
・見出しで感嘆符(!)の使用 は NG
・修正案:リスティング広告の運用代行業
・記号の代わりに具体的な訴求点を追加
誇張表現・最先端の技術を搭載した~
・「最高」「ナンバーワン」を示す表現は誇張と見なされ NG
・修正案:〇〇に特化した技術を搭載した~
・誇張表現は用いずに、具体的な訴求を含める
画像の品質・不鮮明な画像や判読できないテキストを含む画像・画像編集、またはポリシーに準拠している別画像のアップロード
不実表示・たった1ヶ月で年収1,000万円を手に入れられる
・現実味のない効果を、見込みがあるものと謳っていると見なされ NG
・事実に沿った内容で、現実味がある文言へ変更
参考:編集|Google 広告ポリシー ヘルプ
参考:不実表示|Google 広告ポリシー ヘルプ

2. キーワードの審査落ち例

審査落ち基準例と詳細修正案と解説
関連性が不明確・商材:リスティング広告の運用代行
・キーワード:世界平和など
・商材とキーワードに関連性がないと NG
・商材:リスティング広告の運用代行
・キーワード:リスティング広告 運用、ネット広告 運用代行など
・商材とキーワードは直接関連している必要がある
参考:テキスト広告の要件|Google 広告ポリシー ヘルプ

3. ランディングページ(LP)の審査落ち例

審査落ち基準例と詳細解説
機能していないリンク先・404などの無効なリンク先
・アクセスしたユーザーに有益でないと判断され NG
・正常に機能するリンク先へ差し替え
機能していないリンク先・iOS、Androidどちらかの端末で開くことができないサイト・端末やアクセス者の地域やブラウザ問わず機能するリンク先へ差し替え
独自コンテンツの不足・アフィリエイトサイトなどに誘導する為だけに作られたサイト(サービス、商品比較サイトなど)・リンク先を一部削除し、有用性や独自性のあるサイトへ変更
・または、リンク先の変更
不適切なリンク先・最終ページ URL「http://example.com」が「http://example2.com」にリダイレクト・最終ページURLとリダイレクト先のドメインを一致させる
参考:リンク先の要件|Google 広告ポリシー ヘルプ

審査落ちが発生しても焦らずに対応しよう!

審査落ちになると広告が配信されない状況になりますが、審査落ち箇所とポリシーを確認することで必ず対処法を見つけることができます。また、自力で確認することが難しければサポート窓口も積極的に利用していきましょう。

焦って管理画面を操作し、不要な作業をしてしまうことで思わぬミスに繋がってしまうことがあります。しっかり手順を追って、冷静に対応していくことを心掛けましょう。

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記事を書いた人

秋元 航平
秋元 航平

マーケティング

2019年4月に新卒で入社後、研修を経て運用チームに配属。toB、toC等の案件を担当した後、セールスチームに異動となる。趣味はお笑いと観賞(研究?)と謎解き。特に好きな芸人は東京03とバナナマン。

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