2008年からキーワードマーケティングに在籍し、以降10年以上広告運用に携わっている小島です。
運用型広告は、24時間365日配信され続けます。しかし管理する我々は、常に PC の前に張り付いているわけにはいきません。
広告運用をやっている方の中には、移動中やふとした瞬間に「あのキャンペーンの数字は、どうなっているだろう」と気になってしまう人もいるかと思います。実は私もそのうちの一人です。
大前提として、運用型広告の設定などは基本的には PC でおこないますが、スマートフォンでも各種設定や数字の確認などができます。覚えておくと意外にも役に立つことが多いので、今回は Google 広告モバイルアプリを例に紹介したいと思います。
Meta(Facebook)や Amazon にも同様のアプリがありますが、今回は割愛します。残念ながら、Yahoo!広告にはスマートフォンアプリはありません。
Google 広告モバイルアプリは、検索語句の確認などはできません。また PC での作業の方が楽なのもあり、基本的には PC で作業をおこないます。
ただ、それでも Google 広告モバイルアプリを使用するのは、PC にはない利点があるからです。以下の2つがアプリを使う利点だと思います。
どこでも、いつでもアカウントの情報を確認できるのは非常に便利です。移動中の電車の中など PC を開けない場所でも、スマートフォンならデータを見ることができます。
ミーティングに向かう途中で直近の状況をざっと確認したり、仕事前に今日調整すべきアカウントを事前に見ておいたり、寝る前にふと思い出したことを確認するのにも便利です。
普段、私たち広告運用者は PC 画面の前に張り付いて仕事をしています。ずっと同じ環境、同じ画面を見ていると、数値の変化に気がつかなかったり、間違いを見落としたりします。環境を変え、画面を変えるだけで、管理画面のデータも随分と違って見えてきます。
Google 広告モバイルアプリでは、スマートフォンの画面の中に重要な情報だけがまとまって表示されるので、アカウントを俯瞰して見るのにもってこいです。
また、広告運用には広告文の作成や、お客さまの気持ちを分析するといった感情面を扱う作業もあります。
数値を扱う仕事と感情面を扱う仕事を行ったり来たりするのが広告運用という仕事といえますが、作業に移る際、なかなか頭や気持ちが切り替わらず効率が落ちる時があります。
そんな時に、場所やツールを変えるのは非常に有効な手段です。公園のベンチでスマートフォン片手に考えることで、良いアイデアが出てくることもあります。
さらに、現在は PC よりもスマートフォンが広告の主戦場となっています。スマートフォンのブラウザで検索したり競合のサイトを見たりすることで、PC では気がつかないことが見えてきます。
PC の前にばかりいると、主戦場であるスマートフォンを忘れてしまいがちなので、半ば強制的に PC を離れスマートフォンに向かうことは理にかなっていると私は考えています。
Google 広告モバイルアプリは、PC で可能なことは一部を除いてほとんどできます。Google 広告モバイルアプリの下部に表示されている4つのメニューに合わせて、何ができるかを紹介します。
なお、説明は iPhone での画面で進めていますが、Androidでもほぼ同様です。
一番左にあるメニューは「概要」です。これをタップすると、現在いる階層の概要が表示されます。
階層とは、アカウントの構造の中の階層のことで、「MCC > アカウント > キャンペーン > 広告グループ > 広告」という順番になっています。
アカウントの「概要」に表示されるのは、PC の管理画面の「概要」に表示されるものとほぼ同じで以下のようなものがあります。
また、キャンペーンの階層、広告グループの階層にいる場合には、それぞれに関する概要が表示されます。
2つ目のメニューは「最適化案」です。最適化案の一部は、1つ目のメニュー「概要」でも表示されます。一部の最適化案は PC でないと表示されません。
1つ目の「概要」に表示されるのは、Google 広告モバイルアプリの「最適化案」で表示されるものの中で、さらに重要と Google が考えているものが表示されるようです。なお、最適化案の適用はスマートフォンアプリからではできないものもあります。
キャンペーン/アカウント/広告グループ/広告は、選択してる1つ下の階層が表示されます。
例えば、MCC の概要画面が表示されているのであれば、「アカウント」と表示されます。「アカウント」をタップすると、MCC の中に入っているアカウントのリストが表示されます。
「アカウント」をタップすると、MCC の中にある各アカウントがリスト形式で表示されます。
リストの中のアカウント名をタップすると、そのアカウントの概要画面が表示され、3つ目のメニューの表記は「キャンペーン」と表記が変わります。
「キャンペーン」をタップすると、そのアカウントの中にある各キャンペーンがリスト形式で表示されます。
さらにこの状態から、リスト中のキャンペーン名をタップすると、今度はキャンペーンの「概要」画面が表示され、3つ目のメニューの表記は「広告グループ」と表記が変わっています。
さらに、「広告グループ」をタップすると、キャンペーンの中にある広告グループがリスト形式で表示されます。
広告グループ名をタップすると、その広告グループの「概要」画面が表示されます。3つ目のメニューは「広告」に変わります。
「広告」をタップすると、その広告グループの中にある広告がリスト形式で表示されます。
「広告」が3つ目のメニューとして表示されているときに「広告」をタップしても何も変わりません。3つ目のメニューはアカウントの構造に合わせて階層を移動するナビゲーションのような役割を担っています。
なお、MCCではなくアカウントにログインした場合には、アカウントの「概要」画面からスタートになります。
リスト表示の時に、各アカウントと各キャンペーン、各広告グループ、各広告の数値の確認が可能です。期間は上部のカレンダーマークからから指定できます。
検索マーク(虫眼鏡マーク)の右にある帯のようなボタンをタップすると、表示させる項目を選択できます。3点リーダーをタップすると、一時停止中のものを表示させるか否かを選択することが可能です。
キャンペーン、広告グループ、広告の設定の変更、追加が可能です。設定の変更は、右上のギアマーク、追加は右下の「+」マークをタップします。
設定では、キャンペーン、広告グループ、広告などのオンオフや、キャンペーンの名称の変更、地域の変更、言語の変更、一日の平均予算、入札方式など、PC で可能な設定は一通り可能です。なお、「▼マーク」をタップすることで、目的の階層にすぐに移動できます。
詳細メニューでは、現在表示されている Google 広告アカウントの名称が表示され、ここで Google アカウント ID を変更することもできます。
広告グループや、広告、キーワードは、表示されている階層の下にある広告グループ、広告、キーワードのリスト形式で表示します。なお、MCC にログインした状態では、広告グループなどの代わりに「キャンペーン」が表示されます。
キャンペーンの階層にいる場合には、広告とキーワードのみの表示、広告グループの階層にいる場合には、キーワードのみが表示されます。
請求とお支払いは、PC 管理画面の「料金」の中にある「概要」と同じ情報の表示と変更が可能です。ただ、お支払いに関する情報の変更は非常に重要なので、余程のことがない限り PC での作業を推奨します。
PC でできることのほとんどはスマートフォンでも可能です。しかし、一部できないことがあるので、できないことの中でも重要なもの3つをピックアップします。
広告運用では、検索語句(ユーザーが検索した語句)を調べる機会は多くあります。しかし検索語句は、Google モバイルアプリからは見れません。
どうしてもスマートフォンから見なければいけない場合には、スマートフォンのブラウザから Google 広告の管理画面にログインすれば見ることができますが、かなり不便です。
スマートフォンアプリではオークション分析を表示することができません。競合の動向をチェックするのに便利なオークション分析が表示できないのも不便な点の1つです。
最適化案を急いで確認したり、適用したりする機会は少ないとは思いますが、一部の最適化案は表示されなかったり、適用できなかったりするのが Google 広告モバイルアプリではありえます。
そのため、最適化案の確認や適用は、PC でおこなうようにしましょう。
機能が一通りわかったところで、さっそく Google 広告モバイルアプリをダウンロードしてみましょう。iPhone であれば App Store、Android であれば Google Play で「Google 広告」と検索し、ダウンロードしましょう。その後、Google 広告で使用している Google アカウント ID でログインすれば、すぐに使えます。
通知設定には以下の7つの項目があるので、それぞれを必要に応じてオンオフ設定をしましょう。
通知項目 | 詳細 |
---|---|
カスタム通知 | 設定した数値や状態になったら通知 |
アカウントのアクセス | 不審なアクティビティがあった場合に通知 |
料金 | Google に対するお支払いに関する問題などを通知 |
キャンペーン | ポリシー違反など重要な問題を通知 |
機能の更新 | アプリに新機能が追加された場合に通知 |
パフォーマンスの変化 | パフォーマンスに大きな変化がある場合に通知 |
最適化案 | 最適化案に関する通知 |
カスタム通知だけは、オンオフ選べませんが、個別で設定していない場合はオフになり、設定すればオンになります。カスタム通知の右側の「>」をタップすることで、カスタム通知の設定ができます。
カスタム通知の設定画面では、新たなカスタム通知の設定と、今までに設定したカスタム通知の確認やオンオフができます。
右下の「+」ボタンをタップすると、カスタム通知を作成することができます。
カスタム通知は、アカウントかキャンペーンか、広告グループに対してのなのかが選択できます。キャンペーンに対する設定を例に説明します。
適用対象で「キャンペーン」をタップし、「キャンペーンを選択」から通知を受けたいキャンペーンを選択します。
次に「何に関する通知を受け取りたいですか?」を選択します。
Google 広告に関するほとんどの数値項目を選択できます。例では「クリック数」を選択します。
「クリック数」を選択すると、条件を入力できるようになります。たとえば、「1日のクリック数が100クリックを超えたら翌日通知」という条件を入力してみます。
「クリック数 > 100」という条件なので、不等号は「>」のまま、「どの程度変化しますか?」に100を入力します。
期間は1日ごとなので「毎日」を選択します。ただ、通知のタイミングは決めてないので、詳細設定から決めます。
詳細設定で「確認時間」を変更すれば、任意のタイミングで通知してくれます。通勤時間などが決まっているのであれば、その時間にしておくと便利ですよね。
設定ができたら、右上の「保存」をタップします。カスタム通知の設定画面に戻るので、右上の鉛筆マークをタップすると「完了」と表示が変わります。
広告運用は終わりのない、大変な作業が山のようにあります。そのため PC に限らず、使えるものは全て使っていくべきだと私は考えています。Google 広告モバイルアプリもその1つです。
ツールをガンガン使って、できる限り頭の中の心配事をその場で解決することで、仕事のパフォーマンスはかなり上がると確信しています。広告運用は日々大変だと思いますが、お互いがんばりましょう!
広告運用 コンサルタント
慶應義塾大学経済学部卒業。2008年からキーワードマーケティングに在籍、 以降10年以上、広告運用に携わる。離脱率の低さに定評があり2008年から 運用を続けているクライアントも多い。趣味は音楽、楽器演奏。依頼を受けて プロのバックを務めることもある。愛知県犬山市出身。
あなたの広告アカウントを無料診断します
広告アカウント診断詳細なお見積りをご希望の方はこちら
お問い合わせ支援事例などをまとめたサービス紹介資料はこちら
サービス資料のダウンロードはこちら