Facebook 広告の管理画面で、広告ごとに「平均」「平均以下」などの評価がついているのを見たことはありますか?広告の配信が止まっていなくても、配信中の広告が「平均以下」の評価になっていたら、少し気になってしまいますよね。
この評価は、広告関連度診断というもので、Facebook 広告のオークションにおけるパフォーマンスを評価し、「平均」や「平均以下」など5段階で表されます。
評価が「平均以下」となっているケースもよくありますが、決して慌てる必要はありません。今回の記事では、対応しなくても良いケースと対応するべきケース、そして具体的な対応方法を解説します。Facebook 広告の運用の際に参考にしてもらえると嬉しいです。
広告関連度診断とは、広告オークションにおける各広告の成果を評価する機能です。診断項目は「品質ランキング」と「エンゲージメント率ランキング」、「コンバージョン率ランキング」の3つがあります。
項目 | 詳細 |
---|---|
品質ランキング | ・ユーザーが広告を見た時の定性的な評価 ・例えば、広告を非表示にしたり、広告が低品質であると Facebook からみなされる内容(情報の隠ぺい、煽情的な表現、作為的ないいね稼ぎ)であったりすると、マイナス評価になる |
エンゲージメント率ランキング | ・ユーザーが広告を見た際に、広告に対してクリック、シェア、コメント、いいねなどの反応を示す確率から判断される評価 ※あくまで実際のエンゲージメント(反応)数ではなく、エンゲージメントが発生する確率(=期待値)が指標になっているため、必ずしも実際のエンゲージメント数と評価がリンクするものではない |
コンバージョン率ランキング | ・ユーザーが広告を見た際に、予想されるコンバージョンの確率で判断される評価 ※この際のコンバージョンは、広告セットで設定している最適化の目的を指す ・例えば、最適化の目的を「問い合わせ完了」にしている場合は「問い合わせ完了」がされる確率、「サイト流入」にしている場合は「サイト流入」される確率により評価される |
広告関連度診断は、各項目それぞれ「平均以上」「平均」「平均以下(35%以下)」「平均以下(20%以下)」「平均以下(10%以下)」の5段階で評価されます。
広告関連度診断の評価結果は Facebook 広告の管理画面上で確認することができます。
広告関連度診断のいずれかの指標で「平均以下」の評価を見つけた場合、クリエイティブのどこが悪いのか思考をめぐらせるかと思います。しかし実際には対応をしなくていいケースもあります。
判断基準は掲げているビジネスの目標である、CPA や ROAS を達成しているか否かです。
つまり、目標の CPA が10,000円だとして、平均以下の評価がついている広告のパフォーマンスがその目標をクリアしているのであれば、焦って対応する必要は全くないということです。
広告の関連度とパフォーマンスの間には相関関係がありますが、高い関連度が必ずしも高いパフォーマンスに直結するわけではありません。そのため、広告関連度診断はパフォーマンスの低い広告の診断に使用してください。すでに目的を達成している広告の最適化に使用することは、おすすめできません。広告関連度診断のランキングが上昇しても広告の成果が高くなる保証はないため、ランキングを主要な目的にはしないでください。
引用元:広告関連度診断の活用方法 | FACEBOOK for Business
広告関連度診断の評価が必ずしも成果とイコールにならないため、広告関連度診断を「平均以上」の評価に持っていくことを目標にしてはいけないということです。
では広告関連度診断が「平均以下」で、ビジネスの目標も未達成の場合は、どのような対応をとればいいのでしょうか。ここからは具体的なアクションを解説していきます。
まずは平均以下になっている広告とその項目を確認しましょう。はじめに Facebook 広告の広告マネージャを開き、広告タブをクリックします。
次に右上の「列:カスタム」のプルダウンから「列をカスタマイズ」をクリックして、広告マネージャ上で表示できる項目を変更します。
ここで広告関連度診断の3項目である「品質ランキング」「エンゲージメント率ランキング」「コンバージョン率ランキング」にチェックを入れます。
評価内容がわかったら次はアクションです。広告関連度診断の3つの項目の組み合わせによってアクションの推奨事項は異なりますが、平均以下の評価がつく原因は大きく分けて3つに分類されます。
「低品質な広告」についてですが、これは Facebook の推奨事項を実行できていない広告や、もしくはルールを守れていない広告を配信している可能性が高いので、まずは自社の広告がどの基準に引っかかっているかを確認しましょう。
低品質な広告の特徴として、以下のものが挙げられます。詳しい基準は公式ページで確認することができます。
参考:広告の品質とパフォーマンスを高めるために避けるべき広告の特徴 | Facebook for Business
リンクをクリックしないと何を宣伝しているのかわからない「情報を隠している広告」や誇大表現、期待を裏切るような「扇情的な表現」は、自然と気をつけていることかもしれません。
しかし SNS というサイトの特性上、いいねやコメント、シェアを促す文言を広告にも入れてしまうミスがあります。これは「エンゲージメントベイト」の基準に抵触し、低品質な広告という評価につながってしまいます。
もし低品質な広告の評価を受けていたら、そういった文言をうっかり入れてしまっていないかを確認してみましょう。
また、表内の原因の1つに「誘導的または物議を醸しそうな広告」というのもありますが、こちらも分類としては「低品質な広告」に当たるようです。
その他クリック後のエクスペリエンスについては、広告から遷移したランディングページにコンテンツがほとんど無かったり、複数のページに分割されたりして、ユーザー体験が良くないものなどが含まれます。
次に「コンバージョンにつながっていない」や「関心を集めていない」の項目が平均以下の場合は、ターゲティングとクリエイティブの両方の修正が必要になります。
広告セット単位で設定可能なターゲティング(年齢、性別、興味関心等)は、必ずクリエイティブとセットで最適なものを目指す必要があります。
あるオーディエンスに響くクリエイティブが、他のオーディエンスにも最適とは限りません。ターゲットを広く設定し、Facebookの配信システムを利用して最適なオーディエンスにリーチするのも1つの方法です。
引用元:広告関連度診断の活用方法|FACEBOOK for Business
Facebook はターゲット設定において、「限定的なターゲット設定」と「広いターゲット設定」を挙げていますが、どちらが優れているとは主張していなく、目的とリソースによって適切な設定が変わってくるとしています。
もしターゲット設定で迷った場合は、Facebook の配信システムにほぼ任せて、潜在顧客を見つけるアプローチ方法も効果的だと公式ページで言われています。
広いターゲット設定では、基本的に、広告の最適な配信先の選定をFacebookの配信システムにほぼ任せることになります。この手法では、限定的なターゲット設定では見つからないような潜在顧客を見つけ出すことができます。広いターゲット設定を使用している場合でも、少なくとも2~3個の基本的なターゲット設定条件を使用する必要がありますが、誰をターゲットにすればよいかわからない場合に効果的なアプローチです。
引用元:広いターゲット設定について|FACEBOOK for Business
ターゲティングの見直しができたら、先程と同様にクリエイティブの修正をおこないます。低品質な広告の基準を確認し、規定に引っかかっていないかを確認した後に、ターゲットにあった広告を作成できているかの見直しをしましょう。
何から始めればいいのかわからない場合は、まずは以下の順番でクリエイティブ作成を進めてみると良いかと思います。
詳しくは以下の記事で説明しているので是非参考にしてみてください。
「平均以下」という言葉を見ると、反射的に「何か改善策をとらないと!」と焦ってしまいがちですが、公式の情報を見れば対応が不要なパターンや、対応が必要な場合はどのようなアクションをとればいいのかがきちんと記載してあります。
改めてですが、今回の記事で特に重要なのは、Facebook 公式がまとめている対応表です。「平均以下」と評価される広告には必ず原因があり、その原因というのは無限にあるわけではなく、公式の情報を読み解けば、Facebook 広告のルール上の問題、もしくはクリエイティブ・ターゲティングの見直しが必要な場合にシンプルに区分することができます。
原因を推測して改善することも時には必要ですが、公式が言っていることが最も確実な情報なので、焦らずにまずは公式の言うとおりに改善をおこなってみましょう。
編集部
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