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2025年3月までに何をすべき?拡張クリック単価廃止に向けた準備を紹介

2024年10月1日に Google 広告の検索キャンペーン、及びディスプレイキャンペーンにおいて、拡張クリック単価の入札戦略を新規で使用することができなくなりました。

この記事では、拡張クリック単価とはそもそもどのような入札戦略なのかといったところから、入札戦略の廃止にともなう今後考えられる影響まで説明します。また、記事の後半ではキーワードマーケティングの代表の滝井と R&D 室室長の川手のコメントも掲載しているので、あわせてご覧ください。

2024年10月1日をもって、拡張クリック単価の提供が終了

2024年10月1日をもって、Google 広告の入札戦略のうち「拡張クリック単価」の提供が終了しました。

既存の拡張クリック単価を使用している検索キャンペーンとディスプレイキャンペーンは、2025年3月16日以降、個別クリック単価に自動的に移行されます。

なお、現在設定している拡張クリック単価の設定から一度でも入札戦略を切り替えると、再度拡張クリック単価の機能を設定し直すことはできません

参考:拡張クリック単価(eCPC)について|Google 広告ヘルプ

拡張クリック単価とは

今回廃止される「拡張クリック単価」は、上限クリック単価を設定できつつ、ユーザーのコンバージョン確度に応じて入札額も調整される機能です。個別入札戦略と自動入札戦略のハイブリッドのような機能だったと考えれば分かりやすいでしょう。

Google の入札戦略は「自動入札戦略」と「個別入札戦略」の2つに大きく分かれます。

自動入札戦略は媒体(Google)が入札額を自動的に決定するのに対し、個別入札戦略は広告運用者側で任意の入札額を決められるものです。今回提供が廃止された拡張クリック単価は、この個別入札戦略の一つでした。

拡張クリック単価廃止の背景にあった、自動入札戦略の登場

Google 側は拡張クリック単価の廃止の理由として、下記のように述べています。

今回の変更の理由

今から 10 年ほど前に、Google の最初のスマート自動入札戦略として「拡張クリック単価」が登場しました。以来 Google は(中略)機械学習を中心に運用されるより高度な入札戦略を導入して参りました。

これらの戦略は、「拡張クリック単価」と同程度あるいはそれ以上の成果を発揮する能力を備えています。これらのより高度な戦略にシフトする中で、検索広告とディスプレイ広告のキャンペーンでの拡張クリック単価を終了することにいたしました。

検索広告とディスプレイ広告での拡張クリック単価の終了について|Google Ads メール

リスティング広告は自動化の流れが進んでおり、媒体側の機械学習を活用して広告運用をする運用をおこなう機会も増えてきました。今回の拡張クリック単価の廃止も、こうした広告運用のあり方の変化に沿ったものだといえるでしょう。

拡張クリック単価の提供終了に伴う今後の対応

拡張クリック単価の提供終了にともない、広告運用者が気になるのは「今後、どの入札戦略を代わりに用いればよいのか」ではないでしょうか。

ここでは、拡張クリック単価の終了にともなう今後の対応について、Google が推奨する対応に加え、キーワードマーケティングが考える対応についても紹介します。

Google は自動入札への変更を推奨している

Google は拡張クリック単価の廃止に伴い、キャンペーンの入札戦略を自動入札に変更することを推奨しています。

変更先として Google が推奨している自動入札戦略は、以下の通りです。

コンバージョントラッキング 入札戦略
している場合
  • コンバージョンの最大化
  • コンバージョン値の最大化
  • していない場合 クリック数の最大化

    この表に記載したもののうち、「コンバージョン数の最大化」は積極的にコンバージョン数を増やしたい場合に、「コンバージョン値の最大化」は積極的に売り上げを増やしたい場合に有効です。

    また、「クリック数の最大化」は Web サイトへのアクセスを増やしたい場合に向いている入札戦略となります。いずれも、自社の広告出稿の目的に合わせて使い分けが必要です。

    参考:拡張クリック単価(eCPC)について|Google 広告ヘルプ

    それぞれの自動入札戦略は以下の記事でも詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

    自動入札戦略とは?目的別の選び方と運用のポイントを紹介|キーマケのブログ|株式会社キーワードマーケティング

    自動入札とは、 Google や Yahoo! のシステムが、キャンペーンの目的・入札戦略に応じて自動的に最適な価格で入札をおこなう機能です。設定の際に迷うと思うので、やりたいことと、それに対応する自動入札の選択肢を表にしてまとめました。導入することのメリットや注意点をあわせて記載したので是非参考にしてみてください。

    キーワードマーケティングでは、まずは個別クリック単価で様子を見ることを推奨している

    キーワードマーケティングではいきなり自動入札に移行するのではなく、以下のような対応を推奨しています。

    1. まずは同じ個別入札戦略のうち「個別クリック単価」の利用にシフトチェンジする
    2. 自動入札の検証は必要に応じておこなう

    個別クリック単価は、広告の上限クリック単価を運用者側で設定できる入札戦略です。これまで拡張クリック単価と共に個別入札戦略のひとつとして知られていました。

    広告グループ全体の上限クリック単価に加え、個々のキーワードやプレースメントにも個別の入札単価を設定できるため、特定のキーワードやプレースメントのみ広告予算を多く割り当てるといったことも可能です。

    なぜ「まずは個別クリック単価」なのか

    自動入札はクリック数やコンバージョン数など、特定の指標を自動で最大化させる入札戦略です。そのため、運用者が意図しないところで入札が強化されることが多い傾向にあります。

    運用者が入札をコントロールできる個別入札戦略からいきなり自動入札戦略に移行すると、上記のような性質から、平均クリック単価が高騰するリスクがあるのです。

    そのため、現在も個別入札戦略で安定して成果を出している場合は、無理に自動入札に移行せず、まずは個別クリック単価制での運用継続をおすすめします。

    なお、自動入札戦略と個別入札戦略の違いは以下の記事でも詳しく紹介しているので、あわせてご覧ください。

    Web広告の自動入札で悩んでいる方へ 手動入札との違いや使い分け、成果に繋がる3つのヒントを解説|キーマケのブログ|株式会社キーワードマーケティング

    自動入札とは、キャンペーンの目的・入札戦略に応じて自動的に最適な価格で入札をおこなう機能です。入札戦略にはクリック数を最大化させるものや、コンバージョン数を最大化させるもの、上位の掲載位置を目指すものなどがあります。

    キーワードマーケティングを代表する2名が語る「拡張クリック単価」

    最後に、拡張クリック単価の提供終了について、キーワードマーケティング代表の滝井と R&D 室室長の川手のコメントを紹介します。

    滝井が語る「拡張クリック単価の歴史と廃止後の流れ」

    まず、代表の滝井は、拡張クリック単価がリリースされた当時を振り返り、次のようにコメントしました。

    滝井

    Google は商品のランディングページと予算を決めるだけで広告運用ができる世界を目指しています。
    そのため広告の自動化は進められていますが、自動入札が登場したばかりのころは精度があまり高くありませんでした。

    そうした背景を考えると、Google 側にとって拡張クリック単価は「やむを得ずリリースした機能」だったのではないでしょうか。

    広告でハンドリングできる部分がどんどんなくなっていく状況で、拡張クリック単価は「よく今まで続いたな」という印象です。

    なお、今後拡張クリック単価が廃止されることで起きる影響についても、「現時点のアカウントでも8割から9割以上のキャンペーンで自動入札が導入されているため、特に大きな影響はないのでは」とコメントしています。

    川手が考える「拡張クリック単価廃止後の広告管理プロセス」

    続いて、キーワードマーケティング R&D 室長を務める川手は、拡張クリック単価廃止後の広告管理プロセスについてこう述べています。

    川手

    拡張クリック単価が廃止されるとは言え、現状 Google には個別入札戦略として「個別クリック単価」が残っています。

    そのため、運用担当者の Google 広告の管理プロセスが今後大きく変わることはないと考えています。

    また、業界や業種に対して与える影響についても同様に「大きな影響は表れないのでは」とのことです。ここから考えるに、拡張クリック単価が廃止されるからといって、必要以上に不安になることはないといえそうですね。

    自動化の流れは今後も変わらない。その場面に応じた最適な運用方法を探していく

    今回の拡張クリック単価の廃止にとどまらず、今までも手動で調整できる設定項目の廃止、自動入札や P-MAX キャンペーンの登場など、広告運用は徐々に自動化が進んでいます。

    今後の運用者にとって、媒体の機械学習をうまく活用した運用ができるかが重要になってくる一方で、サービスやターゲットユーザーのことを理解したクリエイティブやアカウント設計がより重要になるでしょう。

    今後も自動化の流れは変わらず、個別クリック単価もいずれ廃止になると思われます。ただし、皆状況は同じです。そのため、たとえ個別入札戦略のすべてが廃止になったとしても焦らず、運用者がコントロールできる部分に注力し続けることが大事なのではないでしょうか。

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    記事を書いた人

    古川 雄大
    古川 雄大

    広告運用 コンサルタント

    2021 年入社。大学では理工学部に所属し、制御工学を専攻。また、陸上競技部(短距離走)で活動。キーワードマーケティング入社後、広告事業部に配属される。趣味は海外ドラマ鑑賞と小説を読むこと。おしゃれなカフェや居酒屋に行くことが好き。

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