ディスプレイ広告とは、広告枠を設けている Web サイトやアプリ上に掲載される画像、動画、テキスト広告を指します。
バナー画像での表示が多いのでバナー広告と呼ばれたり、Web サイトのコンテンツによって表示される広告が異なるので、コンテンツ連動型広告とも呼ばれています。
ここからは Web 広告の中でも混同されがちなリスティング広告(検索連動型広告)とディスプレイ広告の違いについて表を用いて説明します。
リスティング広告 | ディスプレイ広告 | |
---|---|---|
費用(料金) | クリック単価 | クリック単価/インプレッション単価 |
表示位置 | 検索結果上部 | Webサイト/アプリ |
広告フォーマット | テキスト | テキスト+画像/動画 |
ターゲット層 | 顕在層 | 潜在層 |
ターゲティング方法 | キーワード | ユーザー情報(年齢、性別、地域、デバイスなど) キーワード(Googleのみ) サーチターゲティング(Yahoo!のみ) 興味・関心 リターゲティング/リマーケティング 類似ユーザーなど |
クリック単価の傾向 | 高くなりやすい | 低くなりやすい |
費用に関してはどちらもクリック単価(=広告をクリックされるごとに費用が発生)をとっていますが、ディスプレイ広告の一部ではインプレッション単価を選択することが可能です。
インプレッション単価では、広告が表示される毎に費用が発生します。Google のディスプレイ広告の場合、広告の表示(=視認範囲)は以下のように定義されています。
広告が「視認範囲」とみなされるのは、広告面積の 50% 以上が画面に表示され、かつディスプレイ広告では 1 秒以上の表示、動画広告では 2 秒以上の継続再生があった場合です。
ターゲット層については、リスティング広告では目的が明確になっている(目的が顕在化している)ユーザーへ向けて広告を配信することが出来ます。
一方で、ディスプレイ広告の場合は、Web サイトやアプリ上に広告を配信することになるので、ユーザーの属性や行動履歴によって広告の内容は変わってきます。
その結果、目的が明確になっていないユーザーに向けて広告配信をすることになります。このような潜在層への広告配信は、コンバージョンを得るというよりも、商品やサービスの認知拡大やブランディングを目的としておこなうことが多いです。
ターゲティング方法に関して、Google、Yahoo! 意味合いが似ているものがあったり、どちらかにはないものがあったりするので、記事後半で詳細に解説いたします。
ここからはリスティング広告と比較した時に考えられる、ディスプレイ広告のメリットとデメリットについて解説していきます。ディスプレイ広告の導入を考えている時に参考にしてみてはいかがでしょうか。
リスティング広告との比較表でも挙げた「潜在層へのアプローチができる」のが一番のメリットではないでしょうか。
今すぐに商品を購入したい!サービスの利用をしたい!といった方には間違いなくリスティング広告を使用をおすすめします。
一方で、すぐには求めていないが、今後、購入やサービス利用の可能性があるお客様へ向けて広告を配信するのであれば、ディスプレイ広告をおすすめします。
自社の商品やサービスを使用するタイミングが来た時に、第一想起してもらうために日々の広告が配信が欠かせません。
Yahoo! であれば、一度検索したことのあるキーワード、Googleであれば、登録したキーワードに関連しているサイトにアクセスしたユーザーに広告配信をします。
上記のようなユーザーは、少しでも購入やサービス利用を検討している人だと考えることができるので、いずれコンバージョンしてくれるお客様という可能性が高いです。そういった潜在層へのアプローチができるのがディスプレイ広告のメリットと言えます。
リスティング広告の場合は、検索結果の上部に広告を配信するので、テキストのみでのアプローチになります。
対して、ディスプレイ広告の場合はテキストに加えて画像や動画でアプローチすることが可能です。
to C 向けの商品の場合は、実際の商品の写真や使用例などを見せ、テキストで補足することができるのでユーザーも具体的なイメージが湧いてきます。
to B 向けの無形商材の場合でも、自社のロゴやサービスイメージをイラストや動画で見せることができ、何度か繰り返し見せることでユーザーの記憶に残りやすくなります。
また、商品購入やサービス利用の前段階の資料請求だったり、メールマガジンの登録を促したりする広告を配信できます。ディスプレイ広告では、将来的にコンバージョンに繋がるようなテキストや画像、動画を設定することが重要です。
ディスプレイ広告の配信方法の中に、Google 広告ではリマーケティング、Yahoo! 広告であればリターゲティングがあります。
これらは、一度自社のホームページやランディングページに訪れたことのユーザーへ対して広告を配信できるものです。
検索経由もしくは広告経由などでページにきたユーザーは、商品やサービスに興味がある可能性が高いと言えます。
もし購入やサービス利用を検討する段階になったときに、想起するもしくは広告をみることによって自社のランディングページへ遷移し、コンバージョンに繋がることも考えられます。
最後のメリットは、リスティング広告に比べクリック単価が低くなりやすい点です。
リスティング広告の場合は、競合サイトが広告を出稿していると、オークション形式での広告配信になっているので、自然とクリック単価が釣り上げられてしまいます。
対して、ディスプレイ広告の場合は関連する Web サイトやアプリへの配信がメインになるので、一定以上の興味のあるユーザーへ多く配信し、クリック単価を抑えることが出来ます。
検索をして、すぐに商品の購入やサービス利用を考えているユーザーへ配信するリスティング広告はコンバージョン率が高い傾向にありますが。
しかし、潜在層へのアプローチするディスプレイ広告は、商品理解や検討中のユーザーなど幅広く広告を配信することになるため、結果的にコンバージョンが起こりづらくなってしまいます。
ディスプレイ広告が成果の悪い配信方法というわけではなく、目的をどこに置いているかによってリスティング広告との併用を考えたほうが良いでしょう。
広告フォーマットがテキストに加えて、画像や動画も含まれ、ターゲティング方法も多くあるため、どの要素が決定的な成果要因であるのかが見えにくいのもデメリットの一つです。
ただし、適切なキーワードや配信サイトの設計をおこなうことで一定の成果を得ることはできます。
全年齢、男女への配信などは初歩的ですが、陥りやすいミスの一つでもあります。こうした基本をおさえ、改善を繰り返すことで次第に成果要因が明確になってきます。
ここからは Google ディスプレイネットワーク(GDN)と Yahoo! ディスプレイ広告(YDA:旧 Yahoo!ディスプレイアドネットワーク:YDN)の違いについてお伝えします。(以下、GDNとYDAと記載)
GDN では YouTube や 価格.com などの大手サイトから個人ブログにある広告枠にも掲載されます。
YDA では、Yahoo! JAPAN が展開する、Yahoo! ニュースやヤフオク! や All About、COOKPAD、毎日新聞といった提携パートナーサイトへも掲載されます。
GDN と YDA では、ユーザーの情報もしくは広告の掲載先のコンテンツによってターゲティング方法が異なります。以下はそれぞれの媒体のターゲティング方法をまとめた表になります。
ターゲティング方法 | GDN | YDA | 詳細 |
---|---|---|---|
ユーザー情報ベース | 地域(国、都道府県、市区町村、その他) | 地域(国、都道府県、市区町村) | - |
年齢 (18-24,25-34,35-44,45-54,55-64,65-,不明) | 年齢 (13-14,15-17,18-19,20-21,22-29,30-39,40-49,50-59,60-69,70-,不明) | - | |
性別(男性、女性、その他) | 性別(男性、女性、その他) | - | |
パソコン、モバイル、タブレット、テレビ画面 | パソコン、モバイル、タブレット | GDN のテレビ画面は、Chromecast やゲーム機などを指す。 | |
世帯年収 | - | - | |
- | 曜日・時間帯ターゲティング | 広告配信する曜日や時間帯を指定(各曜日、1時間単位で指定可能) | |
アフィニティ | インタレストカテゴリー | 既存リストより選択。 ※1 | |
カスタムアフィニティ | - | キーワードや URL を入力。 | |
購買志向の高いオーディエンス | - | 既存リストより選択。※2 | |
カスタムインテントオーディエンス | - | キーワードや URL を入力。 | |
リマーケティング | サイトリターゲティング | サイト内での行動をもとにする。 | |
類似ユーザー | ターゲットリスト(類似) | 既存顧客に興味・関心が似ているユーザーを対象とする。 | |
- | サーチターゲティング | 過去にYahoo!Japanで検索したキーワードをもとにする。 | |
掲載先情報ベース | トピックターゲット | サイトカテゴリターゲティング | 既存リストより選択。※3 |
キーワードによるコンテンツターゲット | - | キーワードに関連のあるコンテンツへ自動的に配信 | |
手動プレースメント | プレイスメントターゲティング | 広告配信するサイト、広告枠を指定 |
※1.既存リスト詳細
GDN:スポーツ、フード、エンターテイメント、美容、旅行、買い物好きなど
YDA:B2B(全30種)、消費財(全76種)、小売(全78種)、テクノロジー(全67種)などから更に細分化したカテゴリーを選択可能
※2.アパレル、不動産、家電、旅行、求人など全19種類
※3.エンターテインメント、インターネット、ショッピング、スポーツなど全832種類
購買志向の高いオーディエンス一覧、アフィニティ一覧、トピック一覧については下記ブログより、ホワイトペーパーをダウンロードすることができます。ぜひご活用ください。
GDN と YDA では予算の管理方法も変わってきます。ディスプレイ広告を運用する際によく併用されるリスティング広告の予算枠と別で管理するか、一緒に管理できるかの違いがあります。
注意が必要なのは、YDA の方で事前に予算配分を決め振り込みする必要があります。
また、YDA の場合は入金後に広告予算の見込み金額の消費税分が引かれて、予算に反映されます。100万円の広告予算で運用を考える場合は、消費税8%分の8万円を含む108万円を振り込む必要があります。
GDN に関しては海外拠点になるので非課税になり、このような心配はありません。
ディスプレイ広告の基本的なことを解説させていただきました。広告運用駆け出しの方にとってリスティング広告やディスプレイ広告は、最初におさえておきたい広告でもあると思うので、わかりやすい内容になっていたのであれば幸いです。
基礎を身につけたら応用へ!といきたいところですが、広告運用の世界は日々情報がアップデートされます。今回、取り上げようとしていた、GDN の予算配分方法(広告配信の集中化)も2020年4月をもって配信方式が変更になりました。
このように基礎すらも順次変わっていくので、Google 広告ヘルプや Yahoo! 広告の公式ラーニングポータルを見て、自分の中にある情報もしっかりとアップデートしていきましょう。
マーケティング/編集長
2019年9月に編集者として入社。新卒は求人広告営業、その後は記事執筆・編集、採用を含むバックオフィス業務をやっていました。お弁当男子(おべだん)としてTikTokにてバズり中。見た目の割にトレンドには敏感。沖縄観光と都内の居酒屋に精通しているイケイケドンドン、少し心配性なオオクボです。
あなたの広告アカウントを無料診断します
広告アカウント診断詳細なお見積りをご希望の方はこちら
お問い合わせ支援事例などをまとめたサービス紹介資料はこちら
サービス資料のダウンロードはこちら