ショートム-ビー全盛期とも言える中で目立つ2つ「Instagram リール」と「TikTok」は、特に若者の間で話題になっています。ショートムービーアプリといえば、TikTok が第一に思い出されるのではないでしょうか。
しかし、世の中には数多くのショートムービープラットホームが存在します。TikTok(中国・Bytedance)、Instagram Reels(米・Facebook)、byte(米・byte)、Triller(米・Triller)、Dubsmash(米・Dubsmash)、快手(中国・北京快手科技有限公司)、YouTube Shorts(米・Google)、Firework(米・Loop Now Technologies)が代表的なサービスとして挙げられます。
日本以外では TikTok や Instagram リール以外も人気のサービスがあり、それぞれ音楽に特化していたり、ダンス系の投稿が多かったりと微妙な違いあります。世界的に見ても大きな企業が買収に名乗りをあげるなど注目が集まっているのが現状です。
この記事では Instagram リールと TikTok の2つにフォーカスし、その違いとリールの活用方法について說明していきます。公式からの情報があまりないので、実際に TikTok 300投稿以上した筆者がリールでも2ヶ月間で50投稿をし、わかったことをまとめたので参考してもらえれば幸いです。
まずはじめに Instagram リールと TikTok の基本的な機能や投稿時の見え方について說明していきます。ショートムービーサービスとして一緒くたに捉えずにそれぞれの特徴をおさえましょう。
Instagram リールとは Instagram の中にある、基本的には音楽とともに15秒から30秒のショートムービー投稿する機能を指します。リールは2019年11月にブラジルでテストが開始され、その後ヨーロッパでの一部の地域でテストがおこなわれた後に、2020年5月に全世界でリリースされました。
画面左上から、秒数(15/30)、音源、速度、エフェクト、タイマー(カウントダウンと動画の長さ)を切り替えたり、設定したりできます。
これまで Instagram のストーリーズを使っていたユーザーのからすると似たような機能が備わっている印象です。
ただし、ストーリーズと異なるのは Instagram が用意する音源を使うことができる点です。音源は有名アーティストの曲やこれからブレイクしそうなアーティストの曲まで幅広く用意されています。
季節によって「ハロウィン」や「ヒスパニック文化遺産月間」などの音源も用意されているのでその時々にあったものも使うことができます。
TikTok はショートムービーアプリの代表格といってもいいでしょう。15秒から60秒までの音楽に合わせた動画を投稿できるプラットホームを用意したアプリです。リールは Instagram の一機能でしたが、TikTok は機能ではなくショートムービーの投稿がメインのプラットホームになっています。
投稿画面は先に說明したリールと似たような形になっています。(どちらがどちらのデザインに寄せたとかはないものとしてお伝えします。)
選択できるものは右側にあり、切り替え、速度、フィルタ、メイク、カウントダウン、フラッシュがあります。また画面下部には、秒数(15秒/60秒)、フォトモーション、ライブが選べるようになっています。
フォトモーションは指定された枚数の画像をアップロードすることによりアプリが自動で動きと音楽をつけてくれるものです。これを使うことで動画を作成したことがない人でも簡単に質が高い動画を作成することができるようになっています。
またライブ機能は2020年7月に先行で国内のユーザー2,000人に開放されました。現在ではフォロワー数1万人を超えるアカウントもしくは TikTok 公認のウォーターマークを付与されているアカウントでライブ機能が使えるようになっています。
参考:TikTokにライブ配信機能 まずは国内2000人のクリエイターに権限付与
自分がフォローしているアカウントがライブを配信しているときは、フィードのフォロー中のタブの上部にライブ配信をしているのがわかるようになっています。また、フォロー中でないアカウントでもライブ配信をおこなっているアカウントがあれば「メッセージ」タブに トップ LIVE として出てくるアカウントもあります。
Instagram リールと TikTok の基本的なことがわかったところで、ここからは筆者が実際に2つの機能、プラットホームに投稿してみて発見した違いを7つに絞ってお伝えします。
オーガニックの運用や分析の参考になるものを取り上げているので、今後どちらかもしくはどちらもの運用を考えている方は要チェックです。
前提条件として、TikTok と Instagram のフォロワー数を以下に記載します。(2020年10月時点)
8月の上旬から平日の朝7時から9時の間でほぼ毎日お弁当を詰める動画を TikTok と Instagram リールで投稿してみました。
両者で少しのブレはありますが、相対的に見て大きく再生回数やいいね数が変わった動画はありませんでした。以下は実際に投稿したときの再生回数が表示されている画面キャプチャです。
投稿しているものの特質上、彩りがいいもの、音楽にのってテンポのよいものが伸びる傾向にあります。
一方で、フォロワー数における再生回数といいね数は、リールのほうが圧倒的に高い数値になりました。
TikTok はフォロワー以外も見ている可能性もありますが、フォロワー数以上に再生回数やいいね数が増えたものはありませんでした。これはおすすめに掲載されていないことが原因になっていると考えられます。
一方で、Instagram リールはフォロワー数以上の再生回数に達しているものも多々あるので、おそらく発見タブやハッシュタグ検索時にフォロワー以外に多く見られたと考えられます。まだ投稿するユーザーが多くないため、投稿するだけで露出が増えやすいという傾向にあります。
後ほど、Instagram リールの再生回数が急激に増える「注目」についても說明します。
TikTok とリールで使える音源はほぼ一緒で、どちらかで使えるのにどちらかで使えないというものはないかと思います。TikTok で人気の音源であった「ポケットからきゅんです!」や YOASOBI の「夜に駆ける」などもリールの音源から選ぶことができます。
リールがリリースされた当初は、TikTok にある投稿する用の音源をストックしておける保存機能がありませんでした。現在では、保存機能がありますが音源を選ぶ画面からは保存することができません。
あくまで他のユーザーが投稿しているリールから、音源ページへ飛んだ先で保存することができます。また音源ページで公式アカウント(ウォーターマークを付与されたアカウント)と紐付いている場合、そのアカウントへ飛ぶこともできます。
音源がユーザー自身がアップロードしたものである場合は、オリジナル音源と表記され、音源ページでは「元動画」記載があります。TikTok ではハッシュタグチャレンジの際に参考動画として公表されることがありますが、明確な印は付きません。
続いては、投稿文についてです。異なるのは入力できるテキスト量のみで、それ以外は特に同じようになっています。
TikTok は全角150文字のテキストを入力することができます。これにはハッシュタグも含みますが、ハッシュタグ自体の個数制限はありません。投稿時には約70文字以上の場合は、続きを読む…の表記になります。
対してリールは全角2,200文字入力することができます。ハッシュタグを含み、その個数は30個の制限があります。それ以上ハッシュタグを付けて投稿するとハッシュタグが表示されなくなる仕様になっています。
リールを投稿するときは3つの場所から選ぶことができます。ただし、ストーリーズを選ぶと単純にストーリーズの枠にしか載らないので、リールの投稿にはなりません。
「1.フィード+発見タブ」を選ぶと、発見タブに掲載されます。さらに「注目」の投稿に選ばれると通知がくる仕様になっています。注目になるとフォロワー外にも広く見られる投稿になり、再生回数が飛躍的に伸びます。
リールを活用し、新規のフォロワー獲得を目的とするのであればこの「注目」になる投稿をする必要があります。
注目の投稿に関して、流行りの音源であり、音源にしっかりとマッチしている、ずっと見ていたくなるような没入感のあるものが多いかと思います。TikTok で話題になる(バズる)ような動画はリールでも伸びやすい傾向にあります。
その他にも2,000回、4,000回、10,000回などの節目となる再生回数を迎えると通知がくるようになっていて、ユーザーのモチベーションを高め、投稿を促進させるような仕組みになっています。
対して TikTok は掲載場所をえらぶことができず、自分のことをフォロ-している人か、もしくはおすすめに載った場合に投稿した動画が閲覧されるようになっています。
こちらもリールの注目タブ同様、おすすめタブに載ることで再生回数が格段に伸びます。おすすめのアルゴリズムについては以下の記事で詳しく解説しています。
3ヶ月で100投稿してわかった、TikTokでファンを獲得するために守るべき3つのポイント
2019年9月に入社したおべだん(お弁当男子)のオオクボです。これまでに旅行やグルメ系のまとめサイトの運営に携わったり、趣味でお弁当を詰める動画を TikTok で配信をしてきたメディア愛滲み出る経歴があります。 TikTok では3か月でファン( Twitter やインスタグラムでいうフォロワー)が4万人になり、中高生や主婦からコメントやいいねの通知が日々止まりません。今回は僕がこれまでに TikTok でファンを増やすためにおこなってきたことをお話します。
TikTok には他のユーザーの動画を右半分に写しながら、左半分に自分を写し投稿できるコラボ機能があります。これにより、いいねやコメント、SNS シェア以外にも自分のフォロワー外にも動画を届けられる可能性があります。
一方でリールは、コラボ機能がないので、いいねやコメント、SNS シェア、さきほど說明した注目に選ばれることでしか拡散性はありません。
TikTok は、コラボ動画を投稿すると、元の動画投稿したユーザーのフォロワーにも興味を持ってもらえるので、これまでと違ったフォロワー層へ動画が届きます。その結果、自分のフォロワー以外にも投稿動画を見てもらうことができます。
リールでは投稿された動画の再生数が自分の投稿以外のものまで見ることができます。対して TikTok ではログインしているユーザーが自分のマイページ内でしか見られません。
なので、リールはいいね以外にも再生数で人気の動画がわかるようになっているとも言えます。しかし、2019年から Instagram のフィード投稿のいいねを非表示にした経緯もあるので、今後の仕様変更で見れなくなることも考えられます。
TikTok では自分がいいねをした投稿をあとで見返せるようになっています。また、いいねをした投稿を他人から見られるようにする設定も可能です。
この機能を使用すると、友人間でのコミュニケーションのきっかけや、フォローしようか検討しているユーザーの趣味趣向を知ることができるようになります。
また、いいねの公開設定とは別に、セーブ済みというタブもあります。ここには動画だけでなく、ハッシュタグや楽曲、エフェクトをストックしておくことができます。
一方でリールは、いいねを後から振り返ることができる機能はありますが、ストックしてとっておく目的というよりかは、あくまで自分のアクティビティログとしての保存になっています。
なので、TikTok のいいねのように他のユーザーへ公開したり、ハッシュタグや楽曲、エフェクトを分類してストックしておくことができません。
ここからはリールの投稿が上手いアカウントを紹介していきます。選定基準としては、フィードだけでは表現しきれないようなものを投稿しているアカウントを取り上げています。
@cchannel_girls は元々動画メディアとして各 SNS で投稿をしている C CHANEL のヘアアレンジ、メイク、DIY に特化したアカウントですが、リール機能が開放された際もいち早く動画を投稿していました。
これまでフィードや IGTV で正方形の動画かつ手元や顔に近づいたものをメインにしていました。しかし被写体(モデルとなる人物)全体が写っている縦型の動画やダイナミックに見せたい動画はリール投稿、手元をアップに見せたいものなどは通常のフィード投稿で使い分けています。
2020年10月19日時点でリールに投稿したものと同じものをフィード投稿した回数は一回のみで、リール専用の縦型動画を作っているものだと思います。
このようにプラットフォームの機能に合わせた動画は、フォロワーはもちろんフォロワー以外にも受けの良い投稿になります。実際に @cchannel_girls のアカウントでは、フォロワー以上の再生回数のリールが複数あり、発見タブなどでも露出が多くされていることがわかります。
次に紹介するのは、@ua_greenlabel はアパレルブランド UNITED ARROWS green label relaxing
の公式アカウントです。縦型動画はファッションブランドと非常に親和性が高いと言えます。
音源を使用している投稿は少ないものの、フィード同様色味を揃えて、自社のイメージに合わせています。また、画像や横長の動画では伝えづらかった、ロングシャツや長めのプリーツスカートのふわっとした質感、しなやかさなどもリール投稿で表現しています。
これまで縦型の動画は Instagram の IGTV というものがありましたが、リールはそこまで作り込まなくても活用できるものとして活用されるのではないかと思います。
アパレルブランドの一つの活用例として参考にしたいアカウントです。
最後に紹介するのは個人のアカウントではありますが、縦型動画を活かしたダイナミックかつ没入感のある動画を投稿する詩歩さんのアカウントです。
絶景プロデューサーを名乗る詩歩さんですが、旅先や宿泊した土地などの動画をリズミカルな音楽に合わせて投稿しています。
縦型動画と音楽をうまく組み合わせて日本だけでなく、世界の素敵な風景を紹介しています。TikTok のアカウントでもタイムラプスを用いてホテル紹介、町並み探索の様子を縦動画で投稿しているので、観光や宿泊系のアカウントでは非常に参考になります。
企業や個人でも投稿の幅が広がった Instagram のリール。これまでショートムービーは TikTok のダンス動画のみと思っていた方も、上記で紹介したアカウントを参考にぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
マーケティング/編集長
2019年9月に編集者として入社。新卒は求人広告営業、その後は記事執筆・編集、採用を含むバックオフィス業務をやっていました。お弁当男子(おべだん)としてTikTokにてバズり中。見た目の割にトレンドには敏感。沖縄観光と都内の居酒屋に精通しているイケイケドンドン、少し心配性なオオクボです。
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