カルーセル広告は、1つの広告内に複数の画像や動画を入れられる広告です。スマートフォン上や PC 上で、画像を左右にスワイプしたり左右に切り替えられたりできる広告を見たことがある方も多いと思います。
カルーセル広告はユーザーに多くの情報を伝えられるという特徴があり、取り扱う商材によっては高い効果を発揮できる可能性がある広告です。これまで配信したことがない方も、配信したことはあるが成果を出せなかったという方も、ポイントを押さえることで、より成果に繋がる広告を作ることができます。
この記事では、カルーセル広告の特徴をはじめ、メリットとデメリット、成果を出すためのポイントも紹介します。
カルーセル広告とは、一つの広告枠内に複数の画像や動画をスライド形式で表示できる広告です。表示される画像や動画は「カード」と呼ばれており、スマートフォンではカードを左右にスワイプ、パソコンではカードの左右に表示される矢印ボタンをクリックすることで、順番にカードを見ることができます。
カルーセル広告には以下のようなメリットがあります。
カルーセル広告はユーザーに複数の画像や動画を見てもらうことができ、1つの画像や動画だけで配信するよりも多くの情報をユーザーに伝えられます。そのため、商品やサービスのさまざまな機能や特徴、口コミ、キャンペーン情報といった多くの情報を一度に紹介できるのです。
1枚の画像だけではどうしても伝えられる内容が限られてしまい、商品やサービスのポイントを伝えにくいこともあります。カルーセル広告を用いて、1つの広告でより詳細な情報を伝えることで、競合他社との差別化にも繋げることができます。
各カードに異なるリンクを設定することで、ユーザーの興味やニーズに合わせたアクションを取らせることができます。
例えば、アパレルブランドであれば商品カタログのように異なる商品を並べて紹介し、各商品ページへのリンクを設定することで、ユーザーが興味を持った商品へ誘導することができます。
カルーセル広告では複数の画像や動画を使い、サービス利用の流れを紹介することもできます。
例えば、ホテルや旅館といった宿泊施設、モデルルームの紹介といった商材であれば部屋や施設の画像を順番に表示することで、まるでその場所を実際に巡っているような体験をユーザーに提供できます。
また、カルーセル広告を使ったサービスの疑似体験の例として、漫画アプリの広告も挙げられます。これは漫画の数ページを表示し、ユーザーにストーリーの一部を知ってもらうといったものです。ストーリーの導入部分などを実際に読んでもらうことで、その漫画に対して興味を持ってもらうことにも繋がります。
カルーセル広告にはメリットが多い一方で、以下のようなデメリットもあります。
カルーセル広告は複数の画像や動画を用意する必要があるため、制作にかかる時間や労力が必然的に増えてしまいます。
社内で画像や動画を用意する場合は、配信開始予定日から逆算して画像を作成しましょう。外注する場合は、時間に加えて費用もかかってしまうことを念頭においておきましょう。
広告の成果を分析するときは、コピーの内容やデザインの良し悪しなど、さまざまな要素を加味して考える必要があります。
カルーセル広告の場合は、カードごとの成果や各カードの順番など通常の広告よりも多くの要素について考える必要があるため、分析や仮説立てが複雑になります。
カルーセル広告を配信できる主な媒体と特徴は以下の通りです。配信面はもちろんですが、ロゴの設定のように各媒体で設定できる項目に異なる部分があります。
媒体 | 配信面 | カードの 枚数 | カードごとの 個別リンク | ロゴの 設定 |
---|---|---|---|---|
Google デマンドジェネ レーション | YouTube ショート YouTube インフィード Discover Gmail | 2~10枚 | 設定可能 | 必須 |
Yahoo! ディスプレイ | Yahoo! JAPANの各 サービスページ Yahoo! 提携パートナーサイト LINE アプリの一部 広告枠 | 2~10枚 | 設定可能 | 必須 |
Facebook アプリの 広告枠 | 2~10枚 | 設定可能 | 任意 | |
Instagram アプリの 広告枠 | 2~10枚 | 設定可能 | 任意 | |
X (旧:Twitter) | X アプリの広告枠 | 2~6枚 | 設定可能 | 設定項目なし |
LINE | LINE アプリの広告枠 | 2~10枚 | 設定可能 | 設定項目なし |
各媒体でのカルーセル広告の入稿規定は以下の通りです。画像のサイズや動画の使用ができるかどうかなど、媒体によって異なる点も多いことが分かります。入稿を考えている場合は、ぜひ参考にしてください。
媒体 | アスペクト比・解像度 | 最大ファイル サイズ | 文字数 |
---|---|---|---|
Google デマンドジェネレーション | 【画像】 1:1 ・推奨:1,200×1,200 px ・最小:300×300 px 1.91:1 ・推奨:600×314 px ・最小:1,200×628 px 4:5 ・推奨:960×1,200 px ・最小:480×600 px 【動画】 設定不可能 | 【画像】 5 MB 【動画】 なし | 広告見出し 半角40文字(全角20文字)以内 説明文 半角90文字(全角45文字)以内 |
Yahoo! ディスプレイ | 【画像】 1:1 ・推奨:1,200×1,200 px ・最小:600×600 px 【動画】 設定不可能 | 【画像】 3 MB(注1) 【動画】 なし | タイトル 20文字以内 説明文 38文字以内 |
【画像・動画共通】 1:1 推奨:1,080×1,080 px | 【画像】 30 MB 【動画】 4 GB(注2) | メインテキスト 半角125文字以内 見出し 半角32文字以内 説明 半角18文字以内 | |
【画像・動画共通】 1:1 1,080×1,080 px 9:16 1,080×1,920 px | 【画像】 30 MB 【動画】 4 GB | メインテキスト 半角125文字以内 見出し 半角32文字以内 | |
X (旧:Twitter) | 【画像】 1:1 推奨:800×800 px 1.91:1 推奨:800×418 px 【動画】 1:1 推奨:800×800 px 16:9 推奨:800×450 px | 【画像】 5 MB 【動画】 1 GB 推奨:30 MB 未満(注4) | ヘッドライン 70文字以内 |
LINE | 【画像】 1:1 1,080×1,080 px のみ 【動画】 設定不可能 | 【画像】 10 MB 【動画】 なし | タイトル 20文字以内 ディスクリプション 40文字以内 |
カルーセル広告はただ多くの画像や情報を並べるだけでは十分な効果を得られません。成果を最大化するためには、以下の2つのポイントを意識してユーザーの関心を引き付けることが重要です。
カルーセル広告はユーザーのスクロールが必須の広告です。そのため、ユーザーが広告の各カードをスワイプしたくなるよう、カードの内容やデザインを工夫することが必要不可欠です。
ユーザーにスクロールしてもらうには、クリエイティブにひと工夫加えることが必要です。X(旧 Twitter)ではカルーセル広告の活用事例として、最初のカードにはユーザーの興味を引き付けるコンテンツやキャッチフレーズを配置したり、各カードに「さらに詳しく」といったテキストや矢印を配置して内容が続くことを示したりする方法が紹介されています。
カルーセル広告は、ユーザーが2枚目以降のカードを見ない場合や途中でスクロールをやめてしまう場合もあります。
そのため、ユーザーが情報をストレスなく受け取れるよう、最も伝えたいメッセージやコンテンツを前半に配置したり、最適な順番や組み合わせを考えたりすることが重要です。
カードの順番や組み合わせは、媒体が自動で設定してくれるものもあります。Metaビジネスヘルプセンターでは、Facebook や Instagram におけるカルーセル広告の活用事例として、一番パフォーマンスの高いカードが自動で最初に表示されるようにする設定が紹介されています。
参考:カルーセル広告で一番パフォーマンスが高いカードを最初に表示する
しかし、カードがどの順番で見られても内容が伝わるような場合には有効ですが、知らずに設定していると意図しないカードが最初に表示されてしまうことにも繋がるため、カードの内容と照らし合わせて設定しましょう。
意図しないカードが最初に表示されてしまうことを防ぐには、広告の設定を変更する必要があります。広告編集画面から「Advantage+ クリエイティブ」の編集ボタンをクリックし、「カルーセルカードのハイライト」をオフにしましょう。
カルーセル広告は制作工数や分析の複雑さにデメリットがある一方、適切に活用することでユーザーに効果的なアプローチができます。
まだカルーセル広告を配信したことがない方はもちろん、一度配信したけれど効果が得られなかったという方も、この記事を参考にぜひカルーセル広告を配信してみてください。
広告運用 コンサルタント
2022年2月に中途入社。神奈川県出身。前職では主にtoC商材のLP制作および広告運用に従事。趣味は読書、アニメ、ギター、ドライブ。生粋の雑談好き。
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