レスポンシブディスプレイ広告は、ユーザーにとって関連性が高い広告を表示でき、広告のレイアウトや見出しを自動で最適化してくれる非常に便利な広告フォーマットです。運用の手間もかからないため、レスポンシブディスプレイ広告を重宝している方も多いのではないでしょうか。
運用者にとって便利で使い勝手のよいレスポンシブディスプレイ広告ですが、バナー広告で同じ商材、ほぼ同じ訴求内容で広告を配信したところ、バナー広告のコンバージョン数が+10件以上になったことがありました。
この記事では、レスポンシブディスプレイ広告とバナー広告の違いや、バナー広告を使うことのメリット、使用上の注意点、最後に弊社で運用したアカウントでの成功事例を紹介します。
レスポンシブディスプレイ広告とバナー広告の一番の違いは、入稿するものの種類と数です。レスポンシブディスプレイ広告は、画像や広告の見出し、説明文、ロゴ、主体社名(主体者主)、URL などをそれぞれ別に入稿しますが、バナー広告は画像と URL を入稿するだけです。
レスポンシブディスプレイ広告は、アスペクト比1:1(300ピクセル×300ピクセル~1200ピクセル×1200ピクセル)とアスペクト比1.91:1(600ピクセル×314ピクセル~1200ピクセル×628ピクセル)の画像を追加すると、配信先の広告枠に合わせてフォーマットを自動的に調整してくれます。
一方、バナー広告は、入稿した画像のサイズと配信先の広告枠のサイズが同じでないと表示されません。バナー広告で複数サイズの広告を表示させたい場合は、配信先の広告枠の数だけ画像を作成する必要があります。
レスポンシブディスプレイ広告とバナー広告の設定項目をまとめたのが以下の表です。
広告媒体 | レスポンシブディスプレイ広告 | バナー広告 |
---|---|---|
Google 広告 | ・画像や動画 ・広告見出し ・長い広告見出し ・ロゴ ・説明文 ・URL ・主体主名 ・行動を促すフレーズ | ・画像 ・URL |
Yahoo!広告 | ・画像 ・タイトル ・ロゴ ・説明文 ・URL ・主体者表記 ・ボタン | ・画像 ・URL |
また、レスポンシブディスプレイ広告とバナー広告のそれぞれで入稿できる画像や動画のサイズも、以下の表にまとめました。バナー広告は代表的なサイズのみを掲載しています。すべてのサイズを確認したい場合は、公式ヘルプページをご覧ください。
広告媒体 | レスポンシブディスプレイ広告 | バナー広告 |
---|---|---|
Google 広告 | ・アスペクト比1:1 300ピクセル×300ピクセル~1200ピクセル×1200ピクセル ・1.91:1 600ピクセル×314ピクセル~1200ピクセル×628ピクセル | ・160×600 ・300×250 ・300×600 ・320×50 ・728×90 |
Yahoo!広告 | ・アスペクト比1:1 300ピクセルx 300ピクセル 600ピクセル x 600ピクセル以上 1200ピクセル x 1200ピクセル(推奨) ・1.91:1 1200ピクセル×628ピクセル | ・160×600 ・300×250 ・320×50 ・728×90 |
レスポンシブディスプレイ広告とバナー広告の特徴が分かったところで、ここからはバナー広告のメリットを2つ紹介します。
バナー広告は自動的にサイズの調整などはされないので、サイト内の広告掲載枠に決められたサイズのクリエイティブが表示されます。そのため、自分が意図した通りに広告が表示されます。広告を作成するときに、クリエイティブ内の文字の大きさに気を付けさえすれば、広告が表示されたときに文字が見えづらくなることはありません。
しかし、レスポンシブディスプレイ広告は表示される際に枠に合わせて自動でサイズが調整されます。そのため想定よりも小さく表示されることが多く、画像内の文字が見えづらくなります。
さらにバナー広告だと、Web サイトに複数の広告掲載枠がある場合に、さまざまなサイズに対応した広告が一度に掲載されるため、サイトをジャックしたような見え方にもなります。ユーザーの視点をすべて自社の広告に集められるので、クリック率の向上も期待できます。
バナー広告はクリエイティブ画像と URL さえあれば配信できます。一方、レスポンシブディスプレイ広告を配信する場合は、画像と URL 以外にも複数の見出し、説明文を考え、それらの組み合わせも加味して入稿しなければいけません。
レスポンシブ広告にはユーザーごとに自動で組み合わせを変えて広告を配信してくれるという魅力がありますが、画像や説明文などの広告クリエイティブについて考えることが多くあり、工数がかかってしまいます。
ここまでメリットを紹介してきたバナー広告ですが、配信の際には気を付けなければならないこともあります。バナー広告の注意点として、以下の2点について解説します。
バナー広告は入稿した画像のサイズに合った広告枠でしか配信されないため、レスポンシブディスプレイ広告と比較して配信量が少なくなる可能性が高いです。
そのため、配信量を担保したい場合は複数サイズの画像を準備しておきましょう。以前までは、以下の5つのサイズを入稿すればディスプレイネットワークの約95%をカバーできると、Google 広告のヘルプにも記載されていました。しかし、現在はヘルプページの内容が変更されているため、参考程度に捉える方がよいかもしれません。
バナー広告の場合、複数サイズの画像を準備する必要があるため、画像作成の工数がかかります。クライアントに提案する際は、余裕をもった納期を設定しましょう。
その便利さと Google 広告の時流もあって、レスポンシブディスプレイ広告が運用者に重宝されているなか、あえてバナー広告を使って成果を出した事例もあります。ここからはバナー広告を配信して成果が出た事例を2つ紹介します。現在、レスポンシブディスプレイ広告で頭打ちになっている方は、ぜひ参考にしてみてください。
1つ目に紹介するのが、レスポンシブディスプレイ広告とバナー広告を並行して配信した事例です。
こちらの案件は予算が大きく、バナー広告だけでは配信量が過少になる可能性があるため、同時にレスポンシブディスプレイ広告の配信もおこないました。結果としてコンバージョン数が10件以上増加し、配信量の伸びにも繋がりました。
クリエイティブ A、B それぞれで、サイズの異なる5つのバナー広告を入稿したところ、バナー広告の方でコンバージョン数が増加したのです。これにより表示回数も増えたことで、好循環が起こったと考えられます。そのため現在では、クリエイティブ A、B ともにバナー広告のみ配信しています。
次はレスポンシブディスプレイ広告を完全に停止して、バナー広告に絞った事例です。この案件では、レスポンシブディスプレイ広告の配信ではコンバージョンをまったく獲得できなかったため、バナー広告に完全に切り替えました。
その結果、ターゲティングの変更などその他の設定は変更していないにもかかわらず、コンバージョンを獲得できるようになりました。
BtoB 向けのニッチな商材のため、レスポンシブディスプレイ広告では画像が小さなサイズで表示されてわかりづらかったり、テキストのみの表示で何のサービスか伝わらなかったりしたのではないかと考えられます。
そのような状況もあってバナー広告のみの配信に切り替えたところ、訴求したい内容がターゲットに伝わり、コンバージョン獲得にも繋がりました。
レスポンシブディスプレイ広告は、画像制作の時間を短縮できることやさまざまな広告枠に柔軟に配信されることなどもあり、運用者にとって便利な広告フォーマットです。そのため、以前までよく使われていたバナー広告の使用機会が減ってしまったという声も聞きます。
しかし、今回紹介した事例のように、バナー広告の配信がコンバージョン獲得に繋がることもあります。レスポンシブディスプレイ広告で成果が出ない案件があれば、あえてバナー広告を配信してみてもよいかもしれません。
広告運用 コンサルタント
大阪の広告代理店で1年ほど勤務し、2021年1月に広告事業部に中途入社。SNS広告の運用が好き。趣味は読書とアウトドア好きな友達に連れて行ってもらうキャンプ。
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