運用型広告

10年教えて分かった、初めてバナー広告を扱う時に理解しておきたいこと

バナー広告は、インターネットを利用しているとき誰もが一度は目にしたことのあるものでしょう。有名なバナー広告のひとつが Yahoo!JAPAN のトップページに出る広告です。

そんなバナー広告について、講師を長年やっていると以下のような悩みをよく聞きます。

  • 「バナー広告って、そもそも何?」
  • 「バナー広告を出したいけど、どうすればいいの?」
  • 「画像付きの広告がバナー広告じゃないの?」

この記事では上記のようなお悩みを持つ方に、言葉の意味や表示の仕組みなどの基本的なことをお伝えします。

バナー広告でも、その他の広告でもそうですが、コンバージョンを目的に広告を出すとき考えなければならないのは、広告を届けたい人へ伝えたいことがハッキリ伝わるように表現を工夫することです。

バナー広告は、指定の広告枠の中に任意の画像と文字を入れて自由に作成できます。自由な表現が可能なので、伝えるための工夫がしやすいのが特徴です。

画像付きの広告でいうとレスポンシブ広告を使うことが多くなっています。しかし、バナー広告の方が成果に繋がりやすいこともあります。そのため、広告の形式のひとつであるバナー広告の基本もしっかりと押さえておきましょう。

バナー広告とは

そもそもバナーとは、特定の Web ページを紹介する役割をもつ画像を指します。バナーは枠さえあれば、どのようなサイトにも存在します。たとえば、首相官邸のサイトでいうと以下にある「支援策について」がバナーのひとつです。

バナー広告は、指定の Web ページに遷移させるための画像つき広告になります。画像の中に伝えたいことを文字やイラストなどで表現します。

以下は、徳島県のサイトに掲載されているバナー広告です。バナー広告をクリックすると、広告主が表示したいページを表示できます。

そんなバナー広告の歴史は長く、最初に登場したバナー広告は、1994年にアメリカの雑誌 Wired のデジタル版に掲載された広告と言われます。

参考: 巨大産業の原点:「最初のバナー広告」誕生秘話

バナー広告といえば、上記のような「画像」がある広告をイメージされる方が多いのではないでしょうか?画像のある広告がバナー広告だと思われている方もいるかもしれませんが、画像を含む広告には、バナー広告ではない広告もあります。

画像を含むバナー広告以外の広告とは?

画像を含む広告の形式は、バナー広告以外にもあります。媒体によって形式は異なりますが、今の時代で代表的といえる形式はレスポンシブ広告です。

レスポンシブ広告は、広告の掲載枠に合わせて広告のサイズやフォーマットを自動的に調整する広告です。広告を作るときは画像とテキストを登録します。次の広告は、バナー広告ではなくレスポンシブ広告の例です。

この広告は、Yahoo! ディスプレイ広告で配信されているレスポンシブ広告です。レスポンシブ広告を Google 広告では、レスポンシブディスプレイ広告と呼びます。

このように、広告タイプの呼称は媒体により異なることもあります。今回のテーマであるバナー広告も、媒体により呼称が異なることがあるのでご注意ください。Yahoo! 広告はバナー広告ですが、Google 広告はディスプレイ広告と呼びます。

バナー広告が表示される仕組み

バナーのサイズは、横長に縦型、正方形とさまざまで、媒体によってバナー広告の仕様は異なります。ただ、広告にリンクを設定し、クリックしたらサイトが表示される仕組みは同じです。

バナー広告が表示される仕組みは大きく分けると2つあります。

1つ目は、特定の広告枠を買い取って表示する方法です。買い取りにより一定の期間表示したり、一定のインプレッションを保証して表示したりできます。

たとえば、想定するターゲットがよく訪問するサイトのトップページの広告枠を、一定期間買い取って広告を配信するようなイメージです。

そして2つ目は、広告を出したい人に合わせて設定する方法です。広告を出したい人(想定するターゲット)に合わせてターゲティングや入札、広告クリエイティブなどを設定し表示する方法です。

たとえば、想定するターゲットの趣味に野球観戦があるとき、Yahoo!JAPAN のスポーツナビや新聞社のサイトにある野球をテーマにしたページを閲覧することが考えられそうですね。そうなると、これらのページに広告を掲載できるようにターゲティングを設定し広告を出すことができます。

この2つの違いを理解するために、まずおさえてほしいことは、純広告と運用型広告の特徴についてです。

純広告と運用型広告の違い

純広告は、特定の広告枠を買い取って掲載する広告です。サイトや運営会社ごとに、広告枠を用意していて、期間や枠の大きさによって掲載料金が変わるのが一般的です。

対して運用型広告は、いまのインターネットで主流な広告で、広告を掲載する枠が固定されません。広告がどこに出るかは、運用型広告で設定する広告掲載方式やターゲティング、入札額、クリエイティブの内容などにより変わります。広告の掲載がリアルタイムに決まる広告です。

純広告のメリットは、掲載場所と掲載条件(期間やインプレッション)により必ず広告が掲載されることです。広告枠を買い取って出す広告なので、広告を運用する手間がかからない点もメリットと言えるでしょう。

運用型広告は、広告主がターゲティングや広告クリエイティブ、予算や入札などの設定を広告掲載状況に合わせて定期的に変更する必要があります。そのため、純広告より手間がかかります。また純広告と違い、広告を特定の場所に必ず表示できるという保証はありません。

ただ、運用型広告には、想定するターゲットに合わせて細かな設定をして広告を出せるメリットがあります。設定の中のひとつが豊富なターゲティング機能です。ターゲットの属性や興味・関心、行動に合せて広告を出すことができます。純広告よりも、広告を出したい人を狙って広告を出しやすいです。

純広告と運用型広告、どちらの広告を出すときも効果測定することが大事です。バナー広告は PV (ページビュー)やクリックを効果測定の対象にすることがあります。

目標を PV にするとき目指すのは、1日あたりにどれくらいインプレッションするかです。純広告は、インプレッションを保証できる契約形態があるため、PV を目標にする場合は、純広告がよいかもしれません。

どちらの広告を選ぶかという時に考えたいのは、目的や狙いです。たとえば、認知度のアップが目的であれば PV を目標にするとよいでしょう。サイトに訪問する人の数を増やすのが狙いであれば、目標はクリックにできます。

ただ、この記事を読まれている方の目的は、広告をクリックしてサイトに訪れたあとの行動であるコンバージョンが多いのではないでしょうか。

その場合でバナー広告を出したいのならば、コンバージョンの測定ができる運用型広告を選ぶのがオススメです。

広告費の視点でも、運用型広告が良いでしょう。純広告の料金形態は媒体により異なりますが、掲載するのに100万円以上必要なこともあります。一方で運用型広告は、1クリック数円ほどで始められる広告です。掲載に必要な最低出稿金額はありません。

仕組みが理解できたところで、次にバナー広告が掲載される場所について說明します。

バナー広告が掲載される場所

バナー広告は、さまざまなサイトやアプリに広告が掲載されます。Google 広告の場合、200万以上の掲載先があるとのこと。どのようなサイトに広告が出るかは、媒体により異なります。

Google 広告の掲載場所は、Gmail やYouTube などGoogle に関連のあるサイトから、Google のパートナーサイト、Google AdSense の掲載サイトまで多岐にわたります。

Yahoo! 広告も、Yahoo!JAPAN の主要サイト(Yahoo! ニュース、Yahoo! 天気など)から、Yahoo!JAPAN の提携パートナー企業のサイトまで幅広く配信されます。

バナー広告は、各サイトにあるページの上段や下段、記事の間などに広告が出ます。1ページに10個以上の広告が出ることもありますが、広告を出すうえで大事なのは、ユーザーに視認される場所に掲載することです。

バナー広告の仕様

バナー広告の仕様は媒体ごとに異なり、各媒体でサイズや容量が決まっています。

Google 広告とYahoo! 広告のサイズ

運用型広告でバナー広告を出すとき、媒体はGoogle 広告かYahoo! 広告を選ぶことが多いです。以下は Google と Yahoo! のディスプレイ広告のサイズ対応表になります。

サイズ GDN YDN 広告メニュー
PC SP PC SP
120×600 Gイメージ広告
1200×628 Gレスポンシブディスプレイ、ファインド
Y!テンプレート広告(レスポンシブ)
1200×1200 Gファインド
★おすすめ
160×600
Gイメージ広告
Y!バナー広告(ディスプレイ広告)
180×180 Y!テンプレート広告(レスポンシブ)用のロゴ
200×200 Gイメージ広告
240×400 Gイメージ広告
250×250 Gイメージ広告
250×360 Gイメージ広告
300×1050 Gイメージ広告
★おすすめ
300×250
Gイメージ広告
Y!バナー広告(ディスプレイ広告)
300×300 Gレスポンシブディスプレイ、ファインド
Y!テンプレート広告(レスポンシブ)
300×50 Gイメージ広告
★おすすめ
300×600
Gイメージ広告
320×100 Gイメージ広告
Y!バナー広告(ディスプレイ広告)
★おすすめ
320×50
Gイメージ広告
Y!バナー広告(ディスプレイ広告)
336×280 Gイメージ広告
468×60 Gイメージ広告
Y!バナー広告(ディスプレイ広告)
580×400 Gイメージ広告
600×314 Gファインド
600×500 Y!バナー広告(ディスプレイ広告)、
動的ディスプレイ広告(キャンペーンバナー)
600×600 Gレスポンシブディスプレイ、ファインド
Y!PC ブランドパネル、動的ディスプレイ広告※1
600×80 Y!動的ディスプレイ広告※1
640×100 Y!バナー広告(ディスプレイ広告)
640×200 Y!バナー広告(ディスプレイ広告)
720×90 Gイメージ広告
Y!バナー広告(ディスプレイ広告)
★おすすめ
728×90
Gイメージ広告
Y!バナー広告(ディスプレイ広告)
930×180 Gイメージ広告
970×250 Gイメージ広告
970×90 Gイメージ広告
980×120 Gイメージ広告
※1.画像以外に商品リストが別途必要

この他にもおすすめサイズや入稿時のポイントなどは以下の記事で詳しく説明しているので参考にしてみてください。

【2020年版】GDN・YDA広告メニュー別バナー広告サイズまとめ!おすすめサイズと入稿時の5つポイントも紹介

GDNとYDNのバナー広告のサイズを表にしてまとめました!また、GoogleやYahoo!でまず最初に作るべき画像サイズも理由ともに說明しています。初めてのディスプレイ広告でお困りの際は是非この記事を参考にしてみてくだい。

その他媒体のサイズと容量

バナー広告が出るその他の媒体には、Logicad、Gunosy、SmartNews などがあります。バナーの仕様は、変更の可能性があるので、各媒体の公式サイトから最新の資料をご確認ください。

各媒体が用意するバナーのサイズは複数あるのが基本です。広告の掲載を高めるうえで大事なのは、媒体が提供するサイズをできるだけカバーしてバナーを作成することです。

では、具体的にはどのようなデザインのバナー広告にすればよいのか?まずは、バナー広告をイメージするために、たくさん事例を見ることからはじめましょう。

バナー広告の作成で参考になるサイト

バナー広告を作成するときにオススメなのは、広告のインプットからはじめることです。

インプットのためにできるのは、バナー広告がまとまった参考サイトを見ることです。次のようなサイトはお手本となるバナー広告が掲載されているので、参考にしてみるのもいいかもしれません。

Google で「バナー広告 例」、「バナー広告 まとめ」のように検索をすると、他のサイトも出てくるのでチェックしてみてください。

広告をつくるとき大事なのは、まず基礎を学ぶことから

広告をつくるときに大事なのは、基礎を学ぶことからはじめることです。今回の記事を、バナー広告を学ぶときの参考にしていただけると嬉しいです。

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記事を書いた人

石川 優二
石川 優二

執行役員/インハウス支援室長

全国400社以上の研究会員の運用型広告・マーケティングコンサルティングを担当。養成講座では500人以上を教育。コンサル・講師・執筆業から、広告運用代行、ホームページ制作、システム開発まで担当。自社ビジネス成長のための製品開発、販売をする実践家でもある。自他ともに認める変わり者。徳島県出身。

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