「広告」といえば、どのようなものを思い浮かべるでしょうか。インターネットで検索したときに表示されるもの、街中にある看板もの、電車内でつい見てしまうあのスクリーン、全て「広告」です。
商品やサービスの認知向上や購入促進の手段として挙げられる「広告」ですが、どの広告から始めるべきか迷うこともあるのではないでしょうか。そもそも、「広告」にはどのような種類があるか分からない方もいると思います。
そこで本記事では、数多くある広告の種類とその特徴について、マス広告の相場や運用型広告にかかる費用を解説していきます。「自社ではどの広告から始めるべきか」というお悩みを解消するヒントになれば幸いです。
広告まとめ
広告は「マス広告」と「インターネット広告」、「プロモーションメディア広告」の3つの区分に分けられます。以下は電通が公開している日本の広告費の媒体別構成比です。
マス広告は、テレビや新聞などのマスメディアを媒介して配信する広告、プロモーションメディア広告は、屋外やタクシーなど特定の場所にいる人に向けた広告、そして、インターネット広告はリスティングや SNS など特定のネット環境にある人に配信するものです。
それでは、3種類の広告の概要とそれぞれの配下にある広告の詳細を以下で説明していきます。
マス広告とは、新聞やテレビ、新聞、ラジオの4大マスメディアを媒介して配信する大衆向けの広告を指します。
ただ、近年では音楽のストリーミング配信サービスやラジオ音声メディアが普及してきたことで、ラジオ広告から派生した「オーディオ広告」というカテゴリが確立されつつあります。
マス広告の中では、圧倒的に広告費割合を占めているものがテレビ広告であり、テレビを持っている方はほぼ目にしているでしょう。テレビ広告はテレビ CM を指し、テレビ番組の間に放映されるスポンサーの広告映像です。
テレビ普及率はゆるやかに低下しているものの、現在でも9割以上の世帯がテレビを保有しています。依然としてその影響力が大きいことに変わりはないでしょう。
100世帯あたりの保有台数
テレビ CM は配信エリアや販売単位などによって分類されます。例えば、フジテレビの配信メニューでは、全国へ配信するネットタイム CM、首都圏へ配信するローカルタイム CM、同じ首都圏への配信で契約期間が短いスポット CM、CM 枠を1本から購入できる Smart Ad Sales の4種類あります。
ネットタイム CM、ローカルタイム CM、スポット CM は、番組ごとや合計視聴率によって費用が算出される仕組みで、広告費は300万円〜3億円と幅広い金額となっています。Smart Ad Sales は、1本15万円と比較的安価に CM 枠を購入できます。
フジテレビにおけるテレビ CM の配信メニュー
メニュー | ネットタイム CM | ローカル CM | スポット CM | Smart Ad Sales |
---|---|---|---|---|
放送エリア | 全国 | 首都圏 | 首都圏 | 首都圏 |
予算例 | 4,000万円~3億円 | 1,300万円~4,000万円 | 300万円~2億円 | 15万円~ |
番組内容や契約期間、テレビ局によって予算は異なりますが、CM 枠ごとに購入する配信メニュー以外では、大きな予算確保が必要になります。
ニュースや音楽、教育など幅広いジャンルの音声番組を放送するラジオでも、テレビと同じように番組の間にスポンサーの広告が流れます。
エリアや放送局、番組によってリスナーの属性や特徴が異なるため、自社の商材にあった配信枠に放送できればより効果的な施策となるでしょう。
例えば TBS ラジオでは、番組のスポンサーとして広告を放送するタイム CM と、時報やリアルタイムで広告を挿入するスポット CM、イベント協賛の3種類があります。
タイム CM では215万円から、スポット CM では7万円から広告を出稿できます。
TBS ラジオにおける配信メニュー
メニュー | タイム CM | スポット CM | |||
---|---|---|---|---|---|
枠 | 天気予報、交通情報20秒 CM 提供 | レギュラー番組 5分オリジナルコーナー | 30分オリジナル番組 | 番組や各コーナーの間時報 | 番組内パーソナリティー読み上げ(生 CM) |
放送回数 | 週5回(月~金) | 週1回 | 週1回 | 1回 | 1回 |
月額予算例 | 215万円~ | 250万円~ | 400万円~ | 7万円~ | 26万円~ |
番組や時間帯によって月額予算は変動する可能性があり、また、台本作成や収録代などの制作費用は別途見積りとなります。
オーディオ広告とは、Spotify などの音楽ストリーミングサービスや、radiko などのラジオクラウドやスマートラジオなどのデジタル音声メディアで放送される音声広告を指します。
電波を通して放送するラジオに対し、デジタル音声メディアはインターネットを通したサービスなので、ユーザーが好きなタイミングで聞けることが特徴です。そのため、リアルタイムで配信を聞けないユーザーにも広告を届けられる可能性があります。
また PC や スマートフォンのアプリを利用するため、アプリ上のユーザー属性やセグメントでターゲティングして広告を配信することが可能です。
雑誌広告とは、各種雑誌内にある広告枠に掲載できる広告を指します。週刊誌、料理、テレビ、ゲームなど雑誌の種類は幅広く、商品やサービスと関連する雑誌に掲載すれば、読者が顧客になる見込みも十分にあるでしょう。
掲載場所の種類は多いですが、中でも目立つ場所の裏表紙や表紙の裏面、裏表紙の裏面の掲載価格が高い傾向です。例えば月刊ザテレビジョンでは、裏表紙が最も高い280万円となっています。
月刊ザテレビジョンにおける料金表
広告スペース | 裏表紙 | 表紙の裏面 | 裏表紙の裏面 |
---|---|---|---|
予算例 | 280万円 | 200万円 | 190万円 |
新聞広告とは、新聞内の一面やテレビ面、記事同士の間の数行程度の幅に掲載する広告を指します。記事が主体の紙面のため、広告が配置されるだけで目立つようになっており、画像やイラストを使用するとより印象的になります。
今朝の産経新聞(東京本社版)朝刊は、「鬼滅の刃」のラッピング広告でお届けしています。ぜひ手に取ってご覧ください。
— 産経ニュース (@Sankei_news) April 9, 2023
コンビニや駅売店などでお買い求め頂けます。#鬼滅の刃 #新聞広告 pic.twitter.com/W98mLQ48sI
また、政治や経済などの重要なニュースを掲載し、過去の記事も世間に広く見られるため内容の正確性が求められる媒体です。総務省の調べにもあるように、読者の信頼性も高い媒体であることから、広告における信頼性も高まると予測できます。
掲載費用は、目立つ場所ほど高くなり、一面やテレビ面における掲載費用が高い傾向があります。
例えば、朝日新聞の朝刊一面における題字下は約150万円、テレビ面で番組をピックアップして紹介する「試写室」欄下は約385万円となっています。
また、朝日新聞の人気コラム「天声人語」の左に位置する広告枠は、224万円と朝刊一面では最も高額な掲載費用です。
朝日新聞朝刊における広告枠ごとの料金表(一部)
広告枠 | 題字下 (一面) | 天声人語左 (一面) | 試写室下 (テレビ欄) |
---|---|---|---|
予算例 | 149.9万円 | 224万円 | 384.6万円 |
インターネット広告とは、検索エンジンでの検索結果画面に表示されるテキスト形式の広告や SNS で配信される画像付きの広告などを指します。
PC やスマートフォンの利用が日常的になっていることもあり、インターネット環境を利用した広告配信が活発になってきました。普段見慣れている方も多いと思いますが、検索結果に表示されるリスティング広告を含め、インターネット広告には主に6種類の広告があります。
リスティング広告(検索連動型広告)とは、ユーザーが検索した語句に連動して、Google や Yahoo! などの検索エンジンの検索結果画面に表示されるテキスト形式の広告です。
ユーザーの検索語句に関連した広告を表示できるため、顕在的なニーズを持った見込み顧客の獲得が見込めます。
リスティング広告には最低出稿費がなく、広告をクリックする単価が安ければ1円からでも出稿できます。しかし、目的が顕在層のみの獲得か、潜在層へも配信するかによって必要な広告費は変動します。
顕在層のみの獲得であれば、toC サービスで30万円〜80万円、toB サービスでは100万円〜200万円程度を弊社では想定しています。
潜在層へも配信範囲を広げるのであれば、、toC サービスは100万円〜300万円、toB サービスでは300万円〜500万円程度の費用がかかると想定されます。
toC | toB | |
---|---|---|
顕在層 | 30万円〜80万円 | 100万円〜200万円 |
顕在層+潜在層 | 100万円〜300万円 | 300万円〜500万円 |
【5分で理解】リスティング広告とは?業界別の費用相場や始め方、メリットやデメリットを紹介
リスティング広告(検索連動型広告)とは、ユーザーの検索する語句に連動して、検索エンジン(Google や Yahoo! など)の検索結果画面の上下に表示されるテキスト広告です。広告表示オプションを用いることで、画像を1枚だけ表示できます。
ディスプレイ広告とは、ホームページや SNS 上の広告枠に画像や動画を使用して配信する広告タイプを指します。
Yahoo!検索のトップページやニュース記事、ブログ記事内などに広告枠があり、自社サイトを訪問したユーザーや指定したカテゴリに興味関心あるユーザーなどに広告を表示できます。
特に、自社サイトへの訪問歴があるユーザーは、既に自社を認知しており顧客になる可能性が高いため、一度接点を持ったユーザーに再度アプローチするリマーケティング(リターゲティング)で追従する手法が主流です。
サイトの流入数によってリマーケティング(リターゲティング)できるサイズが異なるため、広告費の目安はケースバイケースです。
しかし、リスティング広告と合わせて全体の予算が50万程度であればディスプレイ広告は5万~8万円程度、100万円程度であれば10万円~15万円程度の配信ペースで、様子を見ながら配信していくといいでしょう。1~2割を充てる計算ですが、あくまで目安なので、必ずしもこの限りではありません。
ディスプレイ広告の中でも、近年動画広告は配信量を大きく伸ばしてきています。背景には、YouTube を始めとした動画配信サービスの盛り上がりや、インターネット環境の整備、モバイルデバイスの普及などが考えられます。
株式会社サイバーエージェントの「2022年の国内動画広告の市場調査」によると、2021年から2023年の3年間で動画広告の市場規模はおよそ倍の7,209億円に、3年後の2026年には12,451億円まで市場規模が拡大すると見込まれています。
PC や モバイルデバイスの普及に加えて、コロナ禍における引きこもり需要の増加が影響して、動画配信サービスの利用率も高くなりました。それに伴い、広告配信量も増加してきました。
ただ、動画広告を目にする機会が増えた結果、ユーザーにとっては動画の視聴を妨げる存在としても認識されつつあります。
株式会社ネオマーケティングの「動画広告の接し方に関する調査」によると、およそ9割以上のユーザーが動画広告に対して否定的な印象を持っていることがわかります。
しかし視覚的訴求が可能な動画広告は、ビジネスにとって有効な手段であることは間違いないありません。「誰に」、「どのように」、「何を」見せるか十分に検討することが重要です。
ディスプレイ広告とは?リスティング広告との違いやメリットデメリットからGDN&YDAの比較まで一挙に紹介
ディスプレイ広告とは、広告枠を設けている Web サイトやアプリ上に掲載される画像、動画、テキスト広告を指します。 バナー画像での表示が多いのでバナー広告と呼ばれたり、Web サイトのコンテンツによって表示される広告が異なるので、コンテンツ連動型広告とも呼ばれています。GDNとYDAの違いも詳しく解説しています。
DSP(Demand Side Platform)とは、広告主の需要側(Demand)の立場から、複数の広告配信サイトに対して広告を配信するインターネット広告の自動化プラットフォームです。
配信サイトや利用者の属性などの情報をもとに、複数の広告枠から適切な掲載面を選定するため、ターゲティング精度の高さが特徴です。
例えば、EC サイトの Web 広告でよく導入される Criteo には、自社サイトを訪問したユーザーやまだ接触していない新規ユーザーにリーチできるターゲティング手法があります。
ただ、「直近30日間ユニークユーザー数4万以上」と「最低出稿金額50万円」という2つの出稿条件をクリアしないと配信できないことを事前に確認しておきましょう。その他の DSP にも出稿条件がある場合があります。アカウント発行申請の前に確認しておきましょう。
SNS 広告とは、ソーシャルネットワーキングサービス(Twitter や Instagram など)のタイムラインや連携するサービスに配信される広告です。
SNS 上でのユーザー情報や閲覧・検索履歴をもとに広告配信されるため、精度の高さが特徴です。また、広告を閲覧したユーザーが広告を共有したり、コメントを残したりもできるため、口コミのように情報が広まっていく二次拡散の効果も見込めます。
代表的な SNS 広告として、Facebook や Instagram、LINE、Twitter、TikTok などが挙げられます。いずれの広告費にも最低出稿費用はなく、少額から出稿できます。ただ、リスティング広告同様にオークション形式のため、入札単価が安すぎると想定よりも配信量が見込めないことがあります。
また、Facebook や Instagram の一部の入札方式では、手動で入札単価を設定できず、広告のクリエイティブによって入札単価が決まるものもあるため、クリエイティブの質も高める必要があります。
純広告とは、特定の媒体や掲載枠に一定期間、もしくは保証される広告表示回数に対して、料金を支払って掲載する広告を指します。そのため、ユーザーの反応や行動に依存することなく、広告が表示される期間や回数に応じて広告費用が発生することが特徴です。
純広告は、広告の露出(表示回数)を確保できるため、ブランド認知度の向上を目的とした場合の出稿に適しています。また、広告費を広告の表示回数によって正確に把握できるため、広告予算を正確に見積もることができるメリットもあります。
YouTube のホームフィードに表示されるマストヘッド広告や Yahoo! のトップページに掲載する純広告は表示回数が保証されているため、ユーザーに依らず均等に周知したい場合には有効な掲載枠です。
さらに、特定のサイトに掲載できる純広告もあり、ターゲットとするユーザー層を狙って配信できます。属性や興味関心を絞って配信するため、コンバージョンなど行動してほしいアクションをしてもらえる見込みも高くなります。
そもそもアフィリエイトとは、インターネット上で販売されている商品やサービスの広告を、個人が運営するウェブサイトに掲載し、その広告から購入された場合に報酬が発生する仕組みのことを指します。このアフィリエイトの仕組みを利用した広告がアフィリエイト広告と呼ばれ、成果報酬型であることが特徴です。
また、アクセス数が多いブログや SNS であれば、自社ではリーチしきれなかった潜在層へもアプローチでき、新たな顧客を創出して収益を拡大できます。
アフィリエイト広告の身近なものとして、Amazon アソシエイトがあります。対象商品の金額に対して5%が、動画配信サービス(Amazon ビデオ)では10%が紹介料として支払われます。
プロモーションメディア広告とは、販売促進を目的とした広告の総称です。プロモーションメディア広告は、屋外やタクシー、エレベーターなど特定の場所にいる人の目に入るように設置されていることが多いです。
例えば、渋谷にある大型ビジョンや街中やデパートにあるデジタルサイネージなどがあります。他にもプロモーションメディア広告の範囲は広く、イベント出展やフリーペーパー、折り込みチラシなども含まれます。
また、近年ではエレベーター広告というカテゴリも生まれており、今後も新規参入の可能性があるジャンルと言えるでしょう。
屋外広告は、屋外にある広告全般を指しており、渋谷のスクランブル交差点や新宿アルタ前にある大型ビジョンやビルの屋上、車体全体がラッピングされたトラックなどが代表例として挙げられます。
交通量が多い場所や人口密度が高い場所に設置されることが多いため、不特定多数の人々に広告を届けることができます。また、一定期間設置されたり放映されるため長期的な影響を持っています。英語では、Out-of-home advertising と呼ばれることから、略して OOH 広告と称されることもあります。
例えば、渋谷ハチ公前からスクランブル交差点に向かって見える大型ビジョン「Q’S EYE」では、1時間あたり30秒放映するスポット放映や放映時間を指定するイベント放映プランなどがあります。スポット放映プランは1日10万円から、イベント放映プランは1分20万円からとなっています。
大型ビジョン「Q’S EYE」における料金表
プラン | スポット放映プラン | イベント放映プラン |
---|---|---|
料金1 | 10万円/1日 | 20万円/1分 |
料金2 | 67万円/10日 | 80万円/10分 |
料金3 | 130万円/30日 | 150万円/30分 |
備考 | ・1時間あたり30秒放映した場合・各日9時から24時まで ・放映時間を指定する場合は、20%相当額を加算 | ・9時から24時まで時間枠を指定可能 ・31分超の場合は別途相談が必要 |
交通広告とは、車両や公共交通機関などの交通機関を利用した広告で、掲載場所は地下鉄を含む電車やバス、駅などがあります。特定の交通機関に広告を設置するため、地域やデモグラフィックを考慮してターゲティングが可能です。
例えば、都市部に繋がる地下鉄の車内広告は、都市部で働くビジネスマンにターゲットを絞ることができます。
地下鉄の中でも特に目にする広告は、中づり広告や窓・扉上部にあるデジタルサイネージではないでしょうか。例えば、東急東横線単線での中吊り広告の5つのホルダーに掲載するには580万円、3つのホルダーの両面に掲載するには690万円の掲出料がかかります。
また、東急線における乗降口上部にあるデジタルサイネージでは、スポット放映で150万円〜、長期スポット放映で2,730万円〜、コンテンツ放映では5,850万円で放映できます。
東急東横線単線における中づり広告の料金表
媒体商品 | 5ホルダーハーフジャック (1車両内にある12枠の内、片面5枠) | 3ホルダー両面ジャック (1車両内にある12枠の内、6枠) |
---|---|---|
期間 | 7日間(月~日) | |
枚数 | 7,300枚 | 2,900枚 |
掲出料 | 580万円 | 690万円 |
東急線における乗降口上部のデジタルサイネージ「TOQビジョン」の料金表
放映プラン | スポット放映 | 長期スポット放映 | コンテンツ放映 |
---|---|---|---|
秒数 | 15秒 | 30秒 | 90秒(コンテンツ60秒+広告30秒) |
期間 | 7日間(月~日) | – | |
料金/素材・契約期間 | 150万円/1素材160万円/2~3素材170万円/4~6素材 | 2,730万円/13週5,070万円/26週9,360万円/52週 | 5,850万円/13週 |
掲出路線 | 東横線、田園都市線、大井町線、目黒線 |
タクシー広告とは、タクシーの車体や車内に広告を掲載することを指し、街中を走行するタクシーの車体やタクシーの利用者にディスプレイなどを通して認知や行動を促す広告です。
タクシー配車アプリの普及や、新型コロナウイルス感染対策のための非接触型交通手段の需要増加によって、タクシー広告が増えてきています。
また、東京ハイヤー・タクシー協会が実施した調査によると、会社経営層のタクシー利用回数は10回以上が52%と多く、企業の決裁権のある層が多く利用する傾向もあり、ビジネスチャンスの機会として toB 商材の広告も増えてきています。
タクシー広告でもよく見るようになったデジタルサイネージは、動画と音声を使用して乗客に視覚的に訴求できます。デジタルサイネージの市場規模も年々増加傾向にあり、注目されています。
タクシーの閉ざされた空間では、自然と利用者の興味を引きつけて、広告を表示できます。タクシーサイネージメディア「GROWTH」では、広告枠の順番ごとに価格が異なっており、最大30秒の動画を300万円〜掲載できます。
GROWTH におけるタクシーサイネージの料金表
プラン | FIRST VIEW | BUSINESS VIEW | ECONOMY VIEW |
---|---|---|---|
秒数 | 最大60秒 | 最大30秒 | |
放映タイミング | 乗車直後1本目 | FIRST VIEW 終了後2~7本目ランダム | BUSINESS VIEW 放映後ランダム |
期間 | 7日間(月曜0時掲載開始) | ||
想定表示回数 | 150万回 | 120万回 | 80万回 |
料金 | 700万円 | 500万円 | 300万円 |
エレベーター広告とは、エレベーター内に掲示される広告を指し、扉や内部、天井、床などに設置されることが多いです。
近年、都市部での高層ビルの増加に伴いエレベーター設置数も増加しており、エレベーター広告の需要が高まっていると推測できます。エレベーターでの移動時間に商品やサービスを訴求することで認知の獲得が見込めます。特定のビルやエリアに設置されるため、効果測定がしやすいという利点もあります。
例えば、空港では大きい荷物を持っている方が、フロアの移動のためにエレベーターを利用するケースが多いと考えられます。ビジネスマンはもちろん、渡航客も大勢いるため、観光などのプロモーションも効果的と考えられます。羽田空港のエレベーターでは、1週間15万円で掲出できます。
羽田空港内のエレベーターにおける料金表
掲出場所 | 出発ロビー側エレベーター4基 |
---|---|
期間 | 7日間 |
料金 | 15万円 |
枠数 | 計8枠(2枠/基) ※1枠/基ごとに掲出可能 |
イベント出展とは、会社や製品のプロモーションを目的として、展示会やイベントに出展することを指します。主な目的として、商品やサービスの宣伝、潜在的な顧客との直接接触が挙げられます。
また、決裁者が展示場に来場することも多いため、直接売り込める機会を創出できるのもメリットの1つです。
東京モーターサイクルショーに出店する場合、申込み費用として3万円、9平方メートル一区画のスペースのレンタル費用として23万9,800円が出展費用として最低限かかります。加えて、ブースの装飾や告知にかかる費用も別途発生します。
東京モーターサイクルショー出展における費用の相場
項目 | 費用 |
---|---|
申込み | 3万円 |
出展スペース | 23万9,800円~ |
装飾・集客宣伝 | 別途発生 |
フリーペーパーとは、無料で会社や製品についての説明や案内をまとめたパンフレットや冊子を配布する施策です。主に見込み顧客に対して、認知や比較検討段階から、購入や契約をする段階へ引き上げることを目的としています。
フリーペーパーに商品やサービスの特徴や使い方、価格などの詳細情報を掲載することが多いです。また、広告施策としては、比較的低コストで多くの見込み顧客にアプローチできる点もメリットとして挙げられます。
例えば、ネット印刷会社のラクスルで A4サイズの中綴じ形式、8ページのカラー冊子を依頼する場合、300部で約1.8万円〜、1,000部で約2.3万円〜、1万部で約10万円〜制作可能です。
A4中綴じ8ページのカラー冊子を制作する際の料金表
仕様 | A4、左綴じ、8ページ、カラー、光沢紙 (受付から5営業日後出荷) |
---|---|
300部 | 1万9,554円(税込2万1,509円) |
1,000部 | 2万1,070円(税込2万3,177円) |
1万部 | 9万390円(税込9万9,429円) |
折り込みチラシ広告とは、商品やサービスの販促活動の一環として、チラシやパンフレットなどを新聞や広告紙面に挟み込んで配布する広告手法を指します。
同封広告も同様に、商品やカタログと同封してチラシを送付する手法です。また、DM(ダイレクトメール)もユーザーに直接届けるオフライン広告としては同種と言えます。直接届けられる広告のため、ユーザーの目に留まりやすいことがメリットとして挙げられます。
チラシやパンフレットは自社で用意し、折り込みだけ依頼することも可能ですが、印刷から折り込みまで依頼することも可能です。毎日新聞社グループの新聞折り込み広告の印刷やポスティングをおこなっている会社では、印刷から都内23区の新聞折り込みまでの対応で約10万円前後で依頼できます。
毎日折込株式会社における印刷、折込料金
仕様、折込範囲 | B4、両面フルカラー、都内23区 | ||
---|---|---|---|
部数 | 1万部 | 2万部 | 3万部 |
印刷料金 | 6万4,000円 | 6万9,000円 | 7万6,000円 |
折込料金 | 3万3,000円 | 6万6,000円 | 9万9,000円 |
合計 | 9万7,000円 | 13万5,000円 | 17万5,000円 |
全部で3種類の広告について解説してきましたが、明確に分類できないジャンルの広告もあります。以下のカテゴリは、複数の媒体で共通して使われることもあり、媒体というより配信手法を指す言葉として使われることもあります。
タイアップ広告とは、複数の企業が協賛して広告を制作、配信することで、互いの売上の相乗効果を狙う広告手法のことを指します。一般的には、2つ以上の企業がそれぞれの強みを生かして、商品やサービスの宣伝・プロモーションをおこないます。
例えば、ある企業が映画のスポンサーになり、その映画に自社商品を登場させたり、映画とタイアップした特別商品を販売することがタイアップ広告の一例です。
ジオターゲティングとは、地理的な位置情報を利用し、特定の地域のユーザーをターゲットとしたマーケティング手法を指します。ジオターゲティングを活用すると、特定の地域に住むユーザーや訪れているユーザーに対して、限定的な訴求を盛り込んだ広告を配信できます。
例えば、ショッピングサイトがある都市の住民をターゲットとして近郊の実店舗での販売促進を狙った広告配信をする、ということができます。効果的な広告配信ができるという広告主へのメリットと、自分のニーズに合った広告が表示されるというユーザーへのメリットがジオターゲティングにはあります。
広告の種類や特徴を解説してきましたが、数が多くどれから取り組むべきか悩むかもしれません。売上に貢献する効果が出るなら何でも良く思えるかもしれませんが、その効果をどう図るのか、いつ実感できるのかは広告媒体によって変わります。ここからは広告施策の選び方を解説します。
まず、なぜ広告施策を実施することになったのか、目的に立ち戻って考えてみましょう。「認知を広げたい」、「問い合わせを増やしたい」など、施策実施の背景には必ず目的があります。そして、目的を果たして達成したい目標も確認しておきましょう。
「認知を広げて商品の購入を促して1,000万円の売上を上げたい」、「問い合わせを増やして商談を10件創出し3件受注したい」など、広告施策の目的の先には定量的な目標があります。
広告の目的から逆算して最終的に達成したいことを明確にし、そのためのアクションを練っていきましょう。
目的が整理できたら、次はターゲット像を明確にし、広告媒体を選定します。例え配信目的が確立していても、適切な広告媒体を選定できなければターゲット層に広告は届かず、広告施策に割くリソースが無駄になってしまいます。
ターゲット像が明確になれば、ターゲットがよく触れる広告媒体がわかり、より効率的な広告施策を実施できます。
目的とターゲット、媒体がある程度決まっても、どの広告から始めるべきか悩んでいる方には、インターネット広告の中でもリスティング、ディスプレイ、SNS 広告の3つをオススメします。理由は、少額から始められる点と、獲得効率がいい点の2つです。
リスティング、ディスプレイ、SNS 広告は、インターネットの中でも運用型広告と呼ばれるカテゴリに分類されます。運用型広告の特徴として、リアルタイムで配信量を調整する点が挙げられますが、少額から始められる点もメリットの1つです。
運用型広告は最低出稿費用が定められていないため、1クリックあたりの広告費が安ければ1日1円~でも広告を出稿できます。数百万円〜数千万円程度の出稿費用が必要なマス広告やセールスプロモーションと比較すると、価格的に始めやすい媒体と言えるでしょう。
また、運用型広告はニーズが顕在化している層への広告配信が中心となるため、広告流入からお問い合わせや購入へ繋がる割合が高いです。さらに、獲得効率のいい配信に寄せる調整も可能で、配信開始後もリアルタイムのパフォーマンスにあわせて獲得効率を高められます。
広告施策を実施するまでは成果面への不安から媒体選定や施策実施に慎重になりがちですが、獲得効率が良く少額で始められる媒体であれば導入しやすいのではないでしょうか。
一言に「広告」といってもその媒体は数多く、効果や予算も媒体によって大きく異なります。どの媒体を利用して広告施策を打つか迷うこともあるかもしれませんが、目的や広告施策の方針が定まれば、実施するべき媒体は自ずと定まるです。
もしそれでも迷った場合は、獲得効率が良く少額から始めやすいインターネット広告から取り組んでみてはいかがでしょうか。
マーケティング
2019年4月に新卒で入社後、研修を経て運用チームに配属。toB、toC等の案件を担当した後、セールスチームに異動となる。趣味はお笑いと観賞(研究?)と謎解き。特に好きな芸人は東京03とバナナマン。
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