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2021年12月に Adobe Spark から名称変更した Adobe Creative Cloud Express を、みなさんは既に使いましたか?
Adobe Creative Cloud Express に限らず、最近は無料で使えるデザインツールが増えてきていると感じます。ノンデザイナーでも簡単に使えるのがうれしい反面、どんな違いがあるのか、どのツールを使えばいいのかと悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Adobe Creative Cloud Express の機能と他のデザインツールとの違い、基本的な使い方を紹介します。
Adobe Creative Cloud Express とは、ブラウザとアプリで使用できる無料/有料のデザインツールです。数多く用意されたテンプレートを使ってロゴやバナー、チラシ作成ができたり、Adobe Stock と呼ばれるストックフォトサービスが使えたり、動画編集や各種 SNS 用サイズへの画像変換、画像の形式変更機能も備わっています。
無料プランでも十分満足するレベルなので、高額なデザインツールやソフトの購入を検討中の方は、まず使ってみることをおすすめします。
次に、Adobe Creative Cloud Express の特長と無料プランでできることをご紹介します。
デザイン編集ツールは多岐にわたり、無料のもの、有料のもの、Adobe Creative Cloud Express のように多機能なもの、画像編集や動画編集など1つの機能に特化したものとさまざまなので、どれを使えばいいか悩む方もいるかもしれません。
Adobe Creative Cloud Express 以外にも多機能なデザインツールはいくつかありますが、それらと比較しても「背景削除機能が無料」、「PDF の編集が可能」、「Adobe fonts が使用可能」である点は魅力的です。
以下は、他のデザインツールと比較したものです。より専門的な作業が必要な場合、特化したデザインツールが必要になるものの、簡易的なクリエイティブを作成する上では問題ないと思います。
デザインツール | フォント数 | レイヤー有無 | データの出力形式 | 作業環境(PC or アプリ) | 軽快さ(◎、◯、△) |
---|---|---|---|---|---|
Adobe Creative Cloud Express | ・数千フォント(無料) ・2万フォント以上(有料) | あり | PNG、SVG、JPG、 PDF、MP4など | PC、アプリ | △ |
Photoshop | Adobe Fontsを利用で2万フォント以上 | あり | PNG、SVG、JPG、 PDF、MP4、MOVなど | PC、アプリ | ◯ |
Illustrator | Adobe Fontsを利用で2万フォント以上 | あり | PNG、SVG、JPG、 PDF、CSS、テキスト形式(txt)など | PC、アプリ | ◯ |
XD | Adobe Fontsを利用で2万フォント以上 | あり | PNG、SVG、JPG、 PDF | PC、アプリ | ◎ |
Figma | ー | あり | PNG、SVG、JPG、 PDF | PC、アプリ | ◎ |
画像や動画編集のみならず、PDF 編集も可能な Adobe Creative Cloud Express ですが、具体的にはどんなことができるのでしょうか。ここからは、画像・動画・PDF・Web ページの4つに分けて紹介します。
まずは画像についてです。画像を作成したり、画像の形式を変更したり、背景を削除することが可能です。画像に関連する作業では以下の6つの機能があります。
その中でも、広告運用者がよく使うであろう、画像サイズの変更と背景の削除、JPG/PNG に変換の操作方法をキャプチャを用いて紹介します。
画像サイズの変更では、画像をアップロードしたあとに、プルダウンメニューから媒体(投稿するプラットフォーム)を選択するだけで、各媒体の規定サイズが選択肢として表示されます。
任意のサイズを選び、ダウンロードボタンを押すだけで指定のサイズの画像に変更されます。
すごく簡単にサイズ変更ができるので、ディスプレイ広告などで他の媒体に展開したいときに重宝します。プルダウンメニューには、カスタム(任意のピクセルを指定できるもの)や標準(よく使われる比率)もあるので、選択肢に無い媒体や広告以外で使用したい場合でも活用できます。
JPG や PNG への変換も簡単にでき、非常に便利です。使用用途によって画像の形式(拡張子)の指定があることがあります。そんなときでも画像をアップロードし、ボタン1つで形式の変更ができます。
Web 制作や広告の素材を選定中に「人物だけを切り取って使いたい」や「他の背景を組み合わせて使用したい」と思うときがありますよね。そんなときに大活躍するのが、背景の削除機能です。
他のツールでは有料版にアップグレードしないと使えない機能であったり、ウォーターマークが入ったりと制約があるのですが、Adobe Creative Cloud Express では無料版でも使えます。さらに、背景の削除に過不足が合った場合はペンツールで調整することもできます。
画像サイズの変更や形式の変換、背景削除などの機能も便利ですが、バナーやチラシ、ロゴの作成もできるのが、Adobe Creative Cloud Express の魅力的なポイントです。
わたしのような広告運用者であれば広告バナーを、Instagram アカウントの運用をしている方なら投稿用画像、店舗集客を考えている方であればポスターやチラシなどを作成するときに活用できるでしょう。
ゼロから作成することも、テンプレートから作成することもできます。テンプレートは約35,000点用意されており、かつ、その内容が日本人向けなため使いやすいと感じます。
試しにテンプレートの中から「広告」で検索してみると「こんな広告ありそう!見たことある!」と思うものが数多く出てきました。
テンプレートから作成したい場合にはホーム画面から任意のものを選択しましょう。左上の「+」ボタンから、もしくはホーム画面上部の「新規プロジェクトを作成」から選択が可能です。
「Instagram ストーリー」をクリックすると下記ページに遷移します。左側にテンプレートが準備されているため、気に入ったものをクリックすると編集可能エリアに反映されます。
編集エリアでは、テンプレート内のテキストの編集や画像の入れ替え、背景色の変更などができます。自社で取り扱いたい商品やサービスの写真を使ったり、キャッチコピーを挿入したりして画像の作成をしてみましょう。
Adobe Creative Cloud Express では、動画のトリミングやサイズ変更、速度の変更ができます。近年は動画広告の需要が高まっているので、Adobe Premium Pro やFinal Cut Pro などの編集ソフトが必要と考える方も多いと思いますが、簡単な切り貼りや文字入れ程度であれば、Adobe Creative Cloud Express でも可能です。
動画(ビデオ)に関連する作業では以下の8つの機能があります。
動画の機能は、トリミングやサイズと速度変更、ファイル形式(GIF や MP4)に変更する方法を具体的に紹介します。
トリミングでは、任意の秒数で時間のトリミングができ、縦長・横長・正方形程度の簡単なサイズ変更も可能です。サイズの指定も横(16:9)と縦(9:16)、正方形(1:1)から選べるので、投稿する媒体によって変換すると良いでしょう。
横型の素材をアップロードして、縦や正方形に変換しようとすると、画面いっぱいにフィットして表示させるかを選ぶことができます。余白をいれるのか、フィットさせて画面いっぱいに表示させるかは、元の素材や投稿先、掲載先によって決めましょう。
ビデオのトリミングでも簡単なサイズ変更はできますが、ビデオサイズの変更からだと、選択できるサイズが多くあります。各媒体の配信面ごとのサイズを選べる他、画像サイズの変更と同様、カスタムと標準があります。
サイズ選択の下にある「ビデオのスケール」をスライドさせると動画自体をアップにしたり、ひいたりもできます。
速度を変更では、25%、50%、100%(通常)、150%、200% から動画の速さを選ぶことができ、自由自在ではないものの、ある程度速度調整が可能です。
動画に緩急を出したい場合に使用しますが、料理動画やハウツー系の動画でよく使われています。料理動画やハウツー系の動画は、動きのあるコマが限られ、同じ見た目で経過を待つものが多くあるため、視聴者を飽きさせないためにスピードを調整していると考えられます。
画像でも同じことがいえますが、動画の場合も配信面や用途によっては動画形式(拡張子)が指定されていることがあります。手持ちの素材を MP4 や GIF に変換したい場合も、 Adobe Creative Cloud Express なら、アップロード後にダウンロードボタンを押すだけで完了します。
トリミングや速度変更だけでなく、動画作成も可能です。画像同様テンプレートも用意されているので、イチから作るのがむずかしいという方はテンプレートを参考に作成してみてください。
テンプレートでは、ビデオをどのような流れで作成すればよいのかがわかるようになっています。動画作成をする場合、絵コンテなどを準備する必要がありますが、「そもそも絵コンテって?」「なにから始めたらいいかわからない…」という方も、おおよその流れがわかるのではないでしょうか。
続いては PDF に関しての機能です。Adobe Acrobat を利用したことがある方はその簡易版をイメージしていただけると良いかと思います。Adobe Acrobat を利用したことがない人は、普段できない PDF の編集がパワーポイントの編集と同じような感覚でできると想像してもらえると良いかもしれません。
PDF に関連する機能では以下の5つです。
Word や画像などを PDF に変換したり、逆に PDF から Word やExcel、PowerPoint、画像ファイル(PNG や JPG)、リッチテキスト形式(rtf)に変換したりすることができる機能です。
Word ファイルなどをアップロードすると、一瞬で PDF に変換することが可能です。ただ、Word から PDF に変換したファイルを再度「PDF から変換」で変換しようとすると、PowerPoint しか選択できません。
「テキストと画像を編集する」では、PDF をアップロードすると、テキストや画像を書き換えたり差し替えしたりすることができます。なお、編集後のダウンロードは PDF 形式のファイルとなります。
ただし、使えるフォントには制限があります。もともと PDF で使用していたフォントのまま編集したくても、Adobe Creative Cloud Express 側で対応していないフォントだと、テキストを変更した箇所だけフォントの種類が変わってしまいます。
その場合、PDF 内のテキストのフォントを一括で変更する必要があります。テキストの色の変更や画像を差し替えるだけの使用であれば影響はありません。
「ページを整理」では、異なる形式のファイルを任意のページのみ選択してまとめて PDF 化することができます。Word ファイルの奇数ページとロゴ画像を組み合わせて PDF 化することも可能です。
以下の場合、1ページ目のみ画像で2ページ目以降は Word ファイルですが、ダウンロードボタンを押すと1つの PDF になります。
「ファイルを統合」ではその名の通り複数のファイルをまとめて PDF 化できる機能です。Word ファイルとロゴ画像を一括で PDF 化する、などが可能です。ただし、ファイル内の一部のページだけを選ぶことはできません。
ファイルをただまとめたいだけのときには「ファイルを統合」、特定のページを選んで PDF 化したいときには「ページを整理」と使い分けるとよいでしょう。
最後に紹介する「Web ページの作成」では、簡易的なWeb ページを作成できます。写真やテキストはもちろん、ボタンの挿入や動画なども追加できます。作成したページは、URL を付与して Web 上に公開することも可能です。
これまで Web のデザインツールで手軽に使えるものとして Canva をよく使っていました。
Adobe 製品は Photoshop や illustrator をたまに使用する程度でしたが、Adobe Creative Cloud Express がローンチされてからは Canva と Adobe Creative Cloud Express、ときどき Photoshop というような感じになりました。
細かい操作方法が Canva と異なるため最初はとまどいましたが、テンプレートがより日本人向けなことや、Adobe font が使用できることなど、Canva にはないメリットもあるので状況にあわせて使い分けしています。ローンチされて気になっていた方も、無料で使えるのでまずは使ってみてくださいね!
広告運用 コンサルタント
2016年12月に九州の佐賀支社に入社。市役所でアルバイトしてたのに、気が付いたら広告運用を始めて、気が付いたら東京にいた人。新しい施策考えるのがすき、広告作成はもっとすき。絵心皆無のクリエイティブ担当。すきなものはカロリーと寝ること。
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